「お前ら、邪魔だああああっ!!」
「ぐああっ!!」
「ぐえっ!?」
「う、ぎゃっ?」
正面から敵に特攻を仕掛けた、レオはH&K、UMPを撃ちまくり、民兵を三人も倒した。
「ソムサック、オルツィ、シモーネ、援護するから左側の穴から移動して来てくれっ!」
「分かりましたっ! ソムサック、盾役《タンク》をお願いするわ」
「合点、承知の助~~? はあ、また盾に生るのか」
「だけど、行かなきゃ、敵前逃亡になるわ?」
敵を倒した後、レオは連合側が用意していた、防弾板に貼りつく。
オルツィは、幻影魔術で相変わらず、多数の偽物兵士を作りながら、自らは床に伏せていた。
そして、ソムサックは疲れたと言うような感じで呟き、体を斜めに倒しながら走り出す。
両手を前に出した、彼は籠手に内臓された短機関銃を撃ち続けつつ、土嚢まで疾走する。
シモーネは、火炎魔法と雷撃を乱発しながら土嚢の側にあるドラム缶まで進んでいく。
「そいつぁ~~困るな、じゃ、行くしかねぇか? おい、俺の後に続いてくれっ!」
「まだ、前進するのね…………でも、あまり前に出ると不味いわよ」
土嚢を飛び越え、ソムサックは両腕から拳銃弾を放ちつつ真っ直ぐ走っていく。
そうして、次の遮蔽物である冷蔵庫まで彼が着くと、今度はシモーネが大きな木箱に向かっていく。
「アイツら、前に出過ぎだろ? 撃たれたら、どうするんだっ! っと、味方の戦車も大暴れしているな?」
防弾板を盾にしながら、レオは密かに戦況を読もうと、走る二人に目を配る。
それから、連合軍兵士を倒しまくる、プレットフォルマーMを眺めた。
これは、ロシャ連邦製の小型ロボット戦車だ。
小型とは言え、KBPブルを三個&機銃を備えた、本車は連合側に取って、厄介な敵だろう。
これが、何台も広いビル内を武器を撃ちながら走り回っているのだ。
さらに、一台の自立型戦車マーカーが、火炎放射器を噴射しながら走る姿が見える。
「うわああ~~~~!?」
「ぐわっ! ごばぁっ!」
「殺られるかっ!」
「これでも、喰らえっ!!」
火炎放射器は、土嚢に隠れていた連合軍兵士を炎で包み込む。
KBPブルは、装甲板の側に榴弾を落下させて爆破する。
そして、その衝撃で吹き飛んだ黒人民兵を、車載機関銃が仕留める。
だが、いつまでも、一方的な殺戮が続くはずもなく、ギガントがRPGー7を発射する。
それにより、自立型戦車マーカーは撃破されてしまった。
何台か走り回るプレットフォルマーMも、背後からC4を投げられた事で爆風に巻き込まれた。
「敵の火力は高いな? 誰か味方で、さっきのRPGを」
「私は持っているっ! それに、ファルク持って居たが、彼は一人奇襲を仕掛けに行ったようだ」
レオは敵部隊の中に、先程と同じく、RPGー兵が存在することに注目する。
仲間の中で、RPGー持ちは居ないかと探す彼だったが、背後からドミニックが声をかけてきた。
「アイツも自由行動か? 勝手な奴ばかりだな…………」
「それより、撃つぞっ! 発射っ!」
「ぐわあっ!!」
「ぎゃああああっ!」
レオは、H&K、UMP短機関銃の弾倉を取り替えながら呟く。
そして、空になった弾倉を、乗馬ズボンのポケットに容れる。
そうしている間に、ドミニックがRPGー7を構えて、弾頭を発射した。
その一発は、重武装で身を固める連合軍兵士たちを吹き飛ばした。
「あっちに居るぞっ!」
「撃ち殺せっ!!」
「連射しまくれーーーー!!」
「援軍が到着したぞっ!」
白人民兵は、ドミニックを見つけると、ウィンチェスターライフルを乱射してきた。
黒人PMC要員も、隔て板に隠れつつ、AKS74Uクリンコフを単発連射してくる。
グリーン・シュヴァリエは、M60E4汎用機関銃を連射しまくる。
アシュア系PMCは、土嚢に潜みながら味方部隊の到着を仲間たちに伝える。
「退け、退け、俺たちは味方だっ!」
「今から幻影を展開するわっ!」
デバッグ・ソルジャーとドリーマー達を中心にして、防弾兵などが現れた。
「今行くぜっ!」
「喰らいなっ!」
デバッグ・ソルジャーは、ウッドランド迷彩服に身を包み、フリッツ・ヘルメットを被っている。
奴は、こちらのバクテリエラー・ゾルダートと同じく、緑色に塗装された細菌保存装置が目立つ。
ドリーマーは、PAWー20ネオパップを片手に、グレネード弾を放ってきた。
その後、奴は直ぐにドラム缶が、ピラミッド型に山積みされた、遮蔽物へと隠れる。
しかし、一瞬だけ姿が見えたが、緑色のペルシャ風衣装を着ている女性兵士だと分かった。
さらに、アルメア軍装備のウッドランド迷彩服を着た、防弾兵らしき部隊も増援にやってくる。
「く…………厄介な連中が来やがった、うん? しかもドローン部隊も来やがったっ!」
「このままでは、押されてしまう? 何か手段は無いか…………」
無数の小型ドローン編隊が現れると、機体下部に搭載した、短機関銃を撃ってきた。
レオとドミニック達は、続々と現れる敵の増援部隊に、焦る上に苛立つ。
「発射あっ!!」
「どわっ! くぅ?」
「ぐわわあっ!」
ギガントによるRPGー7を放ってきて、レオとドミニック達が隠れていた防弾板を破壊する。
そして、瓦礫の下敷きになる、レオとドミニック達。
「今の内に、やってしまえっ!!」
「奴らは的だっ!!」
白人民兵は、MP34を構えて、瓦礫に埋もれた、レオの背中を狙った。
黒人PMC要員も、FN、P90を乱れ撃ちしながら二人を狙った。
「う、ああ? 何が起きたんだ?」
「爆風と衝撃か…………」
「レオッ! 危ないっ!!」
「ヤバイわっ!」
しかし、レオとドミニック達は瓦礫に埋もれてしまい、反撃ができない。
窮地に陥った彼等を、ミアは心配しながらも、敵に対して、メルケル200E二連散弾銃を撃つ
そして、青緑色の女性兵士が何処からか現れて、二人を守るべく立ちはだかった。
彼女は即座に、蔦を何重にも絡めて、太木のような遮蔽物を、いくつも作り上げた。
「間に合った、じゃあ反撃よっ!」
遮蔽物へと即座に飛び込んだのは、黒人女性兵らしきドライアドだ。
ベルトリンク式で、ドラムマガジンを装着していないRPD軽機関銃を彼女は撃ちまくる。
「ぐわわっ! があ、ぐうっ!」
「ぐゃあっ! ぐっ? ぐぶ…………」
白人民兵と黒人PMC要員たちは、何十発もの機銃弾を受けて、肩や腹を撃ち抜かれて倒れる。
「フェリシテ、側面に回っていたか?」
「味方の…………黒人女性兵士か…………」
「ドミニック隊長っ! 支援なら、このフェリシテに、お任せあれっ!」
ドミニックは、立ち上がりながら、直ぐに遮蔽物である蔦が作り上げた遮蔽物に隠れる。
レオも、瓦礫から離れて、近くにある事務机の裏側に飛び込んだ。
フェリシテと言われた、女性兵士は、黒いフリッツ・ヘルメットを被っている。
それに、透明なバイザーを着けている。
だが、ヘルメット&バイザーを青緑色の葉で、全体を覆っていた。
黒いショルダーアーマー付き防弾ベストを着ているが、これも青緑色の葉っぱで包まれている。
後頭部は、海老《エビ》テール型の追加装甲が葉っぱに混じり、辛うじて見える。
また、青緑色の蔦と葉っぱで、ショルダーベルトや大きなポーチを、防弾ベスト前面に着けていた。
そこから、ベルトリンク式の機銃弾がRPDに伸びていた。
青紺色の戦闘服も、蔦や葉で包まれており、彼女がドライアドである事が分かる。
「そんじゃ、援護しながら敵を惹き付けますかっ?」
「うわっ! 目が、目があっ!!」
「ぐああああっ!?」
フェリシテの顔は、褐色肌と大きな目だけしか分からず、目元以外は見えない。
何故なら、バイザーを上げているが、マスク見たいに、左右から頬を葉で隠しているからだ。
彼女は、RPDの銃身左側に備えた、四連フラッシュライトを光らせる。
次いで、銃身下部に装着した、レーザーポインターを、敵に合わせながら横凪に連射していく。
「怯むなっ! 撃ち殺せーー!」
「殺られる前に、殺るんだっ!」
「これで、おっと、撃ち返して来たわねっ!? これじゃ死んじゃうわっと?」
白人民兵と黒人民兵たちは、AK47を腰だめ撃ちで、凄まじい勢いで乱射してきた。
だが、フェリシテは、冷静に鋭い葉っぱを投げた後、直ぐさま蔦網を投げまくった。
「ぐあ? 動けんっ!」
「うおおっ!!」
「手裏剣と網の合わせ技だよ、忍者みたいでしょーー?」
そう言いながら、フェリシテは手裏剣により負傷して、蔦網に個された民兵たちを放置して逃げる。
こうして、彼女は何処かに姿を隠してしまった。
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