【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第237話 想わぬ場所からの奇襲

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:08
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:53
文字数:3,153


 帝国側の負傷者は、ドローン担架に回収され、連合側部隊にも増援が来た。



「そろそろ、煙が晴れる…………」


「敵が突撃してくるかも?」


 ナタンとメルヴェ達は、白煙が消え失せつつある中、正面から目を放さない。



「よし、突撃だっ!」


 ヴラウリオの声が轟くと同時、帝国軍のシュヴァルツ・リッター達が前進してきた。


 連中は、PKP汎用機関銃を手に乱射しながら向かってくる。



 また、左右の破壊された壁から、自動ロボット豆戦車ネレフタが走ってくる。


 それを、空中に浮いた、ドローン飛行部隊も機銃を撃ちながら支援する。



「不味い、遂に来たぞっ!」


「早く、撃ち返さないとね」


 ナタンとメルヴェ達は、再び開始された室内戦を行うべく、銃を撃ち始めた。



「こっちからも来たぞっ!」


「敵だっ! うがあっ!」


「私達も居るわよっ!」


「背後が、ガラ空き…………」


 再開された戦闘に呼応して、チィーナ軍兵士と自衛隊員を襲う、レギナとルルワ達。


 二人は、コンパウンド・ボウとF2000で、敵の虚を突いた訳だ。



「科学攻撃も、喰らいなさいっ!」


「手榴弾よっ!」


「ぐわああっ!?」


「ごぉ…………」


 二人は、味方を攻撃する敵を倒したあと、直ぐに別の部屋に移動していた。


 そこから、今度は周囲の敵を殲滅するべく、細菌粘液と手榴弾を投擲した。



 細菌粘液の放つ、微細なウィルスにより、チィーナ軍兵士たちは命を落とす。


 手榴弾が炸裂すると、自衛隊員は爆発に呑まれて吹き飛ぶ。



「後ろからも来たぞっ!」


「心配するなっ!」


「後ろは、ジュジースとヨルギオス達に任せておけばいいっ! 私達は正面の敵を狙うよっ!」


「そうだ、ナタン、俺たちは正面の敵を攻撃するんだっ!」


 ナタンは、円形テーブルに身を隠しながら、後方から来た敵に慌てる。


 だが、彼と違い、ワンガリは投槍エンペレの先かは火炎放射を放って、ドローンを次々と落とす。



 エスメラルは、敵のシュヴァルツ・リッターを狙って、投石紐から瓦礫を投げた。


 それに、ジハードも合わせて、ベクターSSー77を連射する。



「ぐっ! 前が見えない…………?」


「うわっ! ぐ、ぐお?」


 シュヴァルツ・リッター達は、顔面に飛んでくる瓦礫と機銃弾に怯んでしまう。


 また、彼等にはRPGー7とパンツァーファウスト3の弾頭が向けられる。



「発射だっ!」


「こっちもっ!」


「ぐわああっ!?」


「ぶわっ!!」


 アラビ人兵士は、土嚢裏から立ち上がると、即座にRPGー7を放つ。


 防弾板に、隠れている自衛隊員はパンツァーファウスト3を射った。



 これにより、シュヴァルツ・リッター達は、直撃を受けて、派手に爆散してしまう。



「不味いな、RPGの数が半端じゃない? あん?」


「撃ち返すしかないっ!」


 ヴラウリオは、敵の後方を見ながら呟き、ターリクはM16A4を撃ちまくる。


 その時、連合軍部隊が展開していた天井が爆破され、瓦礫が落下してくる。



「うわあっ!?」


「天井が崩落するっ!」


「手榴弾も、来るぞっ!?」


「逃げろっ!!」


 巨大な爆発音ともに、吹き飛んだ天井から、今度は手榴弾が幾つも投下される。


 自衛隊員やチィーナ軍兵は、蜘蛛の子を散らすように逃げまくる。



 アラビ人兵士や連合軍兵士たちも、素早く爆風から避難しようと、土嚢の外側に飛び込む。



「くそっ! こんな物っ!」


 タカヤマは、自らに近づいてきた手榴弾を、バーレットM95の銃床《ストック》で叩き返した。


 こうして、ゴルフのように飛ばされた事で、手榴弾は、誰も居ない空中で爆発した。



「よっと、防護壁を展開するわっ! 薄くなるけど、機銃弾を何発か防げるわっ! ラグダ、頼んだわよっわ!」


「撃ちまくるわっ!」


 シモーネは、回転しながら胸の高さまである、防護氷壁を円形に作り出していく。


 その中で、ラグダと言われた女性隊員は、青い制服に防弾装備で身を固めている。



 黒くて、エビテールが短い、暴徒鎮圧用、フェイスバイザー付きのヘルメットを彼女は被っている。


 肩から腕、胴体と股間、太股などまでを覆う防弾プロテクターを身に付けている。



 これらは、シリャ警察で使用される暴徒鎮圧用の装備だ。



 この事から彼女が、防弾兵であることが分かる。



「敵だっ! 反撃しろっ!」


「連中は包囲されている」


「シモーネ、援護するっ!」


 周囲に、展開する自衛隊員は、89式小銃を撃ち、黒人PMC要員はマグプルPDRを乱射する。


 だが、ラグダは冷静に、サプレッサー付きAKー9小型ライフルを、左右に振りながら撃ちまくる。



 これには、倍率調整可能スコープが左側に装着されているから、通常の照準が使える。


 また、銃身下部には、レーザーポインターを備えているので、近距離では相手を狙いやすい。



「うががっ!」


「うぐうっ!」


 アラビ人兵士や白人PMC要員たちが、レーザーポインターを当てられながら撃たれてゆく。



「このっ! 反撃だっ!」


「ランチャーならっ!!」


「ラグダッ! 破られちゃうっ!」


「分かっているわ、シモーネ」


 連合軍兵士は、M60汎用機関銃を撃ちまくり、アラビ人兵士は、AKMSを乱射する。


 さらに、RPGー兵やマジシャン達が攻撃して、防弾氷壁を破壊しようとする。



 それに気づいた、シモーネは、グルグルと走り回りながら氷壁を厚くしつつ叫ぶ。



 ラグダは、弾切れとなった、AKー9からMPー446バイキング拳銃に持ち変える。


 そうして、氷壁自体を破壊しようとする兵士を優先的に狙う。



「ぐわっ! ぐっ!」


「ぐ、ぐぅ? うわっ!」


「があっ!」


「よっと、どうなっているんだ?」



 ラグダの正確な射撃により、次々と拳銃弾で敵が倒れていく。


 RPGー7を撃とうとしていた、アラビ人兵士は床に倒れる。


 M60を撃ちまくっていた、連合軍兵士は後ろに力なく倒れた。



 アラビ風ターバンを頭に巻いた、マジシャンも眉間を撃ち抜かれてしまう。



 そこに、新たな警察隊員が現れた。



「ハルーン、手伝ってっ!」


「敵に包囲されているのよ」


 ラグダとシモーネ達から援護を頼まれた、アラビ人警察隊員は、素早く銃を構えた。



 ダットサイト付き、9Aー91アサルトカービンを発砲しながら、銃口をアチコチに向ける。


 褐色の肌と、黒髭《クロヒゲ》・黒髪・黒目な彼は、黒い制服を着ている。



 また、黒いロシャ製6B45弾道防弾チョッキと、ケブラー6B7ヘルメットを装備している。


 この重装備から、彼もラグダと同じく防弾兵である事が分かる。



「がっ! ぐご、ぐぅ?」

 

「うわああっ!?」


「後ろの連中が不味いな、これは手を打たんと」


「俺の雷撃も飛ぶぞ」


 後方で、連合軍兵士やアラビ人らが殺られていく中、ワンガリとヨルギオス達が後ろに気を配る。



「火炎放射だっ! 氷が溶かされちまうぞっ!」


「雷撃だわっ! 壁が破壊されたっ!」


「もう、どうしろって言うのよっ!?」


 PBベシュムヌイ消音拳銃を無音で発砲しながら、ハルーンは火炎の明るさに気づく。


 ラグダも、氷壁が破壊されて氷の欠片が飛び散ると、慌てて入口ができた場所に走る。



 防弾氷壁を再構築するべく、シモーネは両手を前に出す。



「RPGーで反撃するっ! んあ?」


「ここは、任せろ」


「私達が何とかするわ」


 分解されたままのRPGー7Dを背中から取り出した、ハルーンは直ぐさま連結する。


 しかし、そこへ、フロスト中尉とネージュ準尉たちが現れた。



「喰らえっ!」


 フロスト中尉は、シャスポー銃を構えると、一発弾丸を発射した。



「ぐっ! これくらいっ!」


「させませんよっ!」


 右肩に、一発喰らっても、ジュジースは構わず突っ込んでくる。


 だが、彼女が振るう細剣エスパダ・ロペラは、ネージュ準尉の片手剣ワルーンソードに弾かれた。



「く、そう簡単には行かせてくれませんか…………」


「当たり前でしょうっ!」


 ジュジースは、一旦バックステップで後ろに下がり、スネージュ準尉は次の攻撃を待ち構える。



 こうして、戦いは帝国側による奇襲で連合側が、やや押され気味になっていった。

 面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。


 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)



 ⭕️



 フロスト中尉が使用する、シャスポー銃ですが。



 これは、紙製薬莢を使うタイプでは、ありません。


 後継の金属式薬莢を使用する、グラース銃に改良された、モデルです。

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