【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第225話 チィーナ軍精鋭部隊とJSDF特殊部隊

公開日時: 2024年7月12日(金) 11:16
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:42
文字数:3,049


「ふんっ! 効かないぞっ!」


「この程度ッ!」


 強力な毒ガスと細菌粘液などが、猛烈に噴射され続ける中、ギガント達は敢えて前に出る。



 片方は、89式自動小銃に、ドラムマガジンを装着した物を腰だめで撃ってきた。


 もう一人は、80式班用機槍を確りと構えて、狙い撃ちしてきた。



 ギガントやオーガーなどの防弾鎧は、防毒装置も付いている事から、毒や細菌は効果がない。



「助かったか? では、反撃と行こうかっ!」


「逃がさないわっ!」


 ヨルギオスは逃げながらも、左手で雷撃魔法を放たんとしたが。


 誰かの声に反応した彼は、そちらに強烈な稲光を放出した。



「これで…………なっ! 囮《デコイ》かっ! うっ! 奇襲かっ!」


「引っ掛かったわねっ!」


 ヨルギオスは、敵を雷撃で倒したと思ったが、ミネットの案山子を、黒焦げにしただけに終わった。


 当の彼女は、すぐさま分身を切り離し、土嚢から、ル・フランセ・ミリタリーを何発か撃つ。



 しかし、彼女は胸を、いきなり細剣の切っ先に貫かれた。


 そして、遠方からは幾つもの小火球が乱発されてきた。



「残念でしたね、私達も背後を取るのは得意なんですよ?」


「ぐあ、このっ! 離れろっ!」


 背後を取っていたのは、ジュジースであり、彼女は刃を引き抜いて、青い血を振り払う。


 細剣エスパダ・ロペラを抜いた、彼女は次に屠殺用短剣プニアルを音もなく振るう。



 口から青血を吐血しながらも、ミネットは、ル・フランセ・ミリタリーを乱射するが間に合わない。


 この短い距離では、拳銃より直ぐに動かせる白兵戦用武器に分があるからだ。



「さあ、死になさいっ!」


「ぐへぇーーーー!?」


 ジュジースが振るう屠殺用短剣プニアルは、ミネットの頸動脈を切った。



「ん、っと、さっきから乱発してくる奴が居ますね? 次は奴を標的にしましょうか?」

「ジュジース、深追いは危険だぜっ? オラァッ! 大人しく死にやがれってんだよっ!」


 ジュジースは、ミネットを殺すと、直ぐさま土嚢へと逃げ込んだ。


 そんな彼女の側に、エスメラルが来ると投石紐をくるくる回して、瓦礫石を投射した。



「ぐあっ! 肩が? …………もう、両手では戦えないわねっ!」


「ソイツは残念ですなあ?」


 土嚢裏で氷壁を作り、そこから遠くへと小火球を連発していた、シモーネの右肩に石が当たった。


 こうして、両手が使えなくなった彼女の背後から何者かが声をかけた。



「誰っ! ああああっ!?」


「いいから死にな…………」


 シモーネは振り返る前に、左手を切り落とされ、終いには胸を袈裟斬りにされる。



「やったな? 次だっ!」


 彼女を倒したのは、65式騎兵軍刀を両手で握る灰色迷彩を着た、チィーナ兵ワータイガーである。



「うわっ! 散弾銃かっ!」


「このっ! シモーネを殺りやがったなっ!」


 ワータイガーを狙って、散弾銃が放たれたが、それはミアのメルケル200Eだった。


 しかし、奴は弾丸を浴びる前に、即座に土嚢へと身を隠してしまった。



「敵味方とも、入り乱れているわね?」


「火炎放射が来るぞっ!!」


 ミアは、銃身を折り曲げた、メルケル200Eに散弾を二発込める。


 そんな彼女の耳に、再び火炎魔法が放たれたと味方が叫ぶ声が聞こえた。



「うわああっ!? 熱い…………」


 敵から放たれた、火炎放射は避けたとしても余熱で物凄い熱気を放つ。


 ミアは、土嚢の下に身を隠したが、それでも熱さを感じるほどだ。



「ぐああああああっ!!」


「な、何の攻撃だっ!」


 右側に、展開している味方部隊から、悲鳴が聞こえてきた。



「今度は何の攻撃よっ?」


 ミアは、味方部隊の慌てぶりが気になり、そちらに目を配った。



「この野郎っ! ジューポンの自衛隊だっ! ぐへぇ…………」


「撃ち殺せっ!! 殺ったか? コイツは…………デバッグ・ソルジャーだな」


 どうやら、一人の警察隊員が死んでしまい、もう片方が敵を仕留めたようだ。



「デバッグ・ソルジャー? 敵のバクテリエラー・ゾルダートね…………細菌を振り撒きながら走って居たんだわ」


 ミアは、敵兵士が密かに細菌を振り撒きながら走る姿を想像する。


 ベーリット&レギナ達が、科学攻撃を行うように、敵軍もまた同じ手段を使ったのだ。



「ぐわっ! まだまだ、やれる」


「は?」


 グレネードランチャーを頭に喰らいながらも、グリーン・シュヴァリエは立っている。


 奴は、ミアを見つけると、彼女を目標に捉えたのか真っ直ぐ目指して走ってくる。



 しかし、頭部を覆っていた、防弾兜が割れたことで、中に入っているアシュア系兵士の顔が見えた。


 ここが弱点であると思った、彼女は右側の兜が壊れた頭部を狙う。



「ちょっ! こっちに来ないでよっ!」


 ミアはメルケル200Eを撃って、散弾を放ったが、もちろん敵は止まらない。


 次いで、MPiーAKー74Nを単発連射で露出部分を狙うが、奴は右手で顔を隠しながら迫る。



 しかも、勢いは止まらず、ミニミ分隊支援火器を左手に握りつつ、滅茶苦茶に乱射してくる。


 このままでは、彼女は、奴に体当たりされるか、銃弾で撃たれて絶体絶命である。



「伏せていろっ! 私が仕留めるっ!」


「ぐ? 何者だっ!」


「え? 誰、いや、私もっ!」


 機銃弾を連射しながら特効してくる、グリーン・シュヴァリエだったが。


 急遽、左側から現れた女性下士官が、FN、SCAR《スカー》ーHを何発か撃つ。



 思わぬ方向から、7、62ミリ弾を受けた、グリーン・シュヴァリエは立ち止まった。


 そして、大きな隙ができた奴を、ミアはメルケル200Eに弾を込めると直ぐ射撃を放った。



「ぐぅ~~? …………」


 バタンッと音を立てて、グリーン・シュヴァリエは真後ろに倒れた。


 どうやら、右手で隠していた顔に、散弾の丸い弾が幾つか当たったようだ。



「そこの警察隊員、あーー? 名前は?」


「ミアですっ!」


 女性下士官は、今度はFN、F2000Sを連射しながら、ミアに声をかけた。



「私は、ウルシカ・トルステニャク中尉だっ! おっと、次はそっちから来たかっ!」


「うらあっ!」


 弾切れとなった、ブルパップライフルから、ウルシカ中尉は、即座に拳銃に切り替えた。


 ピストルレックス・ゼロー1、S、FDEで、ドラム缶に隠れていた、自衛隊員を撃ち殺す。



「他の隊員は? 状況はどうなっている?」


「状況は不明です、敵味方が入り乱れているので…………」


 ウルシカ中尉から話しかけられた、ミアは戦況に関して、自分たち帝国側が不利だと答えた。



 彼女は、金ピカ衣装を実に纏う美人、いや少女に見える。


 根元を黒くさせた金髪を、真ん中から分けて、おでこを見せつつ、細かくカールさせている。


 茶色い太眉と、少しタレ目がちで、大きな深海色の瞳は、儚げな印象を強く与える。


 唇は大きく、ふっくらとした薄ベージュ色の頬が微かにピンクがかっていた。



 しかし、体付きはグラマーだが、背が低く小柄なため、十代の少女を思わせる。



 標準的な帝国警察の黒い制服を着ているが、通常型よりも非常に目立つ。


 制帽も、通常型が青く染められている部分が、金色になっている。


 また、唾は左右に、竜の鋭い眼を思わせる金線が描かれている。



 装備も、金色モッブを左肩から左胸ポケットへと掛けている。


 左肩から下げる右腰に下げる、ショルダーベルトと腰ベルトも金色だ。



 黒いズボンも、乗馬型ではなく、普通の物だが、横に金線が入っている。



 黒い弾帯は、ベルトの正面に六個、後ろに大きめなタイプが六個ほど装着されていた。


 また、ベルト左側には黒いホルスターを下げている。



 そして、右側には金色に装飾された、ポンペイ・グラディウスの鞘が帯刀されていた。



「むぅ…………? 何とかせねば…………」


 そう言って、ウルシカ中尉は敵を睨むのだった。

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