【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第213話 向かい側のビルに突入だっ!

公開日時: 2024年7月12日(金) 10:49
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:36
文字数:3,103


 放たれた雷撃魔法は、地雷原を纏めて誘爆させる。


 それにより、ドドドドと爆竹が鳴るような音が辺りに木霊する。



「これで、全部ね……………」


「よし、突撃してもっ!!」


「待て、まだ罠が仕掛けられているかも知れんっ!」


「地雷原は、囮で本命は落とし穴とかか?」


 魔法で、全地雷を発破《はっぱ》した、シモーネは身を隠すと同時に呟く。


 そして、飛び出して行こうとするイェスパーを、ヴラウリオは止めた。



 敵が、地雷原のみに頼るとは思えないからだ。



 落とし穴や、何か別な仕掛けがあるかも知れない。



 そう考えると、どうしても突撃を躊躇してしまう。



 カルミーネは、二人の話を聞いて、どうしようかと思案する。


 上を見れば、味方部隊と敵部隊が互いに銃撃戦を展開している。



 そして、相変わらず敵はRPGを中心に火力が衰えてはいない。


 味方も、位置を変えながら、グレネードランチャーを撃っている兵士が、存在するようだ。



「ん? サナダ、どうしたんだ」


「隣のビル、BCG・プレトニァンは制圧済み…………だから、カルディナル・メルシエ通りを行くのは」


「そうか、外側から回り込むのならば、私たちも安全に進める…………」


「あっちに敵の機甲部隊は、存在しないよな」


 肩をトントンと叩かれて、カルミーネは振り替えった。


 そこには、サナダが居て、彼が目標の建物まで迂回して近づこうと、提案してきた。



 レギナは妙案だと思いながら喜び、ヴラウリオは道路に、敵の戦車や装甲車が無いかと考える。



「ん? また、味方の砲撃よっ!」


「誤射、誤爆は勘弁してくれよ」


 レギナは敵が立てこもる向かい側の建物に、迫撃砲が撃ち込まれるさまを眺める。


 カルミーネは、冗談を言いながらも窓から外の様子を確認する。



「あ? 渡り廊下が崩落したっ! 瓦礫が敷地内を覆ったわっ!」


「アレなら罠が作動しないでしょうっ!」


「突撃するっ! 援護をって、ええっ?」


「サナダ、待てって、チッ! 支援するしか無いか?」


 レギナは、まさかの事態に狂喜しながら叫んだが、シモーネも運良くできた安全な道に喜ぶ。


 女性隊員たちが騒ぐ中で、カルミーネは獣化しながら一人先行しようとした。



 しかし、サナダが走っていったので、イェスパーはMg M/07軽機関銃で援護する。



「敵が走ってくるぞっ!」


「渡り廊下が潰れて、その上を走って来たかっ!」


「こっちに来させるなっ!!」


 レジスタンス員やPMC要員からなる連合側部隊は、サナダを撃ち殺そうと銃を構えた。



「くるっ! ぐわあっ!?」


「あっ?」


「うわっ!? うわああ」


 二連散弾銃を撃とうとした、黒人レジスタンス員は棒手裏剣が、眉間に深々と突き刺さった。


 AKMを撃とうとした、白人PMC要員も右目に棒手裏剣が刺さって倒れる。


 最後に、シプカ短機関銃を撃ち始めた、ラテン系PMC要員は、頭部を鉄パイプで叩き潰された。



 敵を全員殲滅した、サナダは鉄パイプを背中の鞘代わりにしている傘入れリュックに閉まった。



「シェラ?」


「…………次が来るわ」


「うらあっ!?」


 サナダの背後から走ってきた、シェラは細剣フルーレを抜き取り、彼を庇うように立つ。


 直後、上の階から連合軍兵士が、RPK分隊支援火器を撃ちまくってきた。



「くっ! 効かないかっ!」


「退けっ! RPGならっ!」


「…………させない」


 RRK分隊支援火器を撃ちまくっていた、連合軍兵士の横からRPGー7を構える民兵が現れた。


 しかし、崩落してできた瓦礫に、シェラは飛び乗る。



 次いで、背部に備えた、スラスターユニットにより、彼女は一気に敵との距離を積めた。



「不味っ! ぐええ~~~~?」


「この、うぎゃああああっ!?」


「終わったわ」


 細剣フルーレで、シェラは民兵の胸を突き刺しつつ、肉盾にしながら走る。



 そうして、連合軍兵士の腹を串刺しにする。


「居たぞ、撃ちまくれっ!」


「あの女を殺せっ!!」


「はぁ…………」


 奥から現れた民兵たちを確認すると同時、シェラは、細剣フルーレを仕舞う。


 それと同時に、左手で、MX8コンパクト・カービンを撃ちまくる。



「ぐああああっ!」


「ごあっ!?」


 民兵たちは、銃を撃つ暇なく、シェラの正確な射撃で射殺される。



「不意討ちだっ!」


「は?」


 シェラの左側から、黒人PMCがプラスチック爆弾を投げた。



「ふん…………」


「何っ? ぎゃ」


 それを、サナダが蹴り飛ばして、棒手裏剣を奴の喉に命中させた。



「おい、危ないだろ、先行しすぎだぜ」


「しかし、凄かったな?」


「敵の殲滅が、最優先目標です…………」


「そうだ」


 ヴラウリオとイェスパー達も、一階まで来ると、二人に話しかけた。


 だが、洗脳されて恐怖心を抜き取られた、シェラとサナダ達は、銃撃を受けても微動だにしない。



 それ故、よほど無謀な作戦でない限り、今みたいに無茶な行動を取るのだ。



「それより、そっちに行くぞ上の階から制圧するっ! 瓦礫を上がれば行けるしな」


「多少はジャンプすれば…………」


「私達も、行かないとっ?」


「うん? 味方部隊だわっ!」


 イェスパーとヴラウリオ達が、瓦礫を登り始めると、レギナとシモーネ達も来た。



 しかし、彼女達は別動隊が来たのを確認する。



「敵のRPG兵は、どうやら撤退したようだな」


「今、義勇隊員と突撃隊員の残りで、こっちも制圧する」


 どうやら、味方部隊の義勇隊長と副隊長たちが、部隊を率いて来てくれたようだ。



「分かったわ、私達は先に行くから」


「上の階の制圧は任せてくれっ!」


 レギナは、先に行くと言って、制圧上階制圧を味方部隊に任せることにした。


 そして、混成部隊を率いる隊長は、上の階に上がっていく。



 その後を部下たちも、追って行く。



「そう言うワケだから、下に降りてきて、この一階を完全制圧するわよ」


「分かった、今下がるよ」


「次は楕円形の建物か?」


 レギナが上の階に居る、ヴラウリオとイェスパー達に降りるように伝える。


 すると、二人とも面倒そうに呟きながら一階に飛び降りた。



「ここから、先は香水の匂いがする? 爆薬の設置場所が分からんぞ」


「敵の置き土産か? あと、伏兵の位置も分からないとか、ないよな?」


 ワーウルフであるイェスパーは、Mg M/07軽機関銃を肩に担ぎながら呟く。


 その後ろから、ヴラウリオは伏兵や奇襲に警戒しながら歩き出す。



「いや、どうやら伏兵も分からないな? 奴ら完全に息を殺しているのか、それとも居ないのか? あと耳が変な感じがする」


「そうそう、何だか変な音がするんだよ? 耳鳴りが鳴ってるから分からないんだ…………これは何か仕掛けたな」


 イェスパーの背後から現れた、同じワーウルフである、カルミーネも分からないと言う。


 伏兵が何処に潜むか、分からない理由に、耳鳴りがすると、二人は答えた。



 その原因は、敵が音響兵器を設置したかも知れない。



「ん~~じゃあ? シェラとソムサックを前に出しつつ、シモーネが雷撃魔法を放ちまくって、机や椅子を破壊しまくるしか無いわね?」


「しらみ潰しに進むしか無いって事だわ…………骨が折れるけど、やるしか無いなら、やるわよ」


 レギナの提案を聞いて、シモーネは溜め息を吐きながらも両手を前に出した。


 そして、彼女の雷撃魔法や風刃魔法を放ちまくる。



 雷撃魔法は、事務机や椅子を黒焦げにして、書類を宙に舞いあげる。


 風刃魔法も、ノートPCやペットボトルを破壊していく。



 すると、幾つかのマンホール型空中炸裂地雷が作動して、宙に浮き上がりながら銃弾をバラまく。



「あったわ、やっぱり罠が仕掛けられている」


「これじゃ、気を抜けないわね」


 数々のマンホール型空中炸裂地雷は、風刃魔法で舞い上がった所を雷撃魔法で破壊される。


 その様子に、シモーネとレギナ達は気を引き締める。



 こうして、罠が張り巡らされた一階を制圧するために、警察隊員たちは強引に進むのだった。

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