【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第238話 後退開始

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:16
更新日時: 2024年7月15日(月) 07:44
文字数:3,161


 負傷している筈のジュジースは、細剣エスパダ・ロペラを振るい、屠殺用短剣プニアルで追撃する。


 しかし、またもネージュ準尉が右手に握る片手剣ワルーンソードに弾かれた。



「中々の腕前ですね、しかし…………」


「く、また斬り込みをっ!」


 ジュジースは、一旦バックステップで後ろに下がり、スネージュ準尉は次の攻撃を待ち構える。



「どうですっ?」


「くっ!」


 ジュジースが下がった直後、背後から投石が飛んできて、スネージュ準尉の腹部に当たる。



「もちろん、追撃はさせないよっ!」


「分かってますよっと?」


 MABーモデルDを発砲しながら、フロスト中尉は、ジュジースを追い払う。



「このっ! お返しだっ!」


 ブローニングM1910を、ネージュ準尉も何回か撃つ。



「それに当たるほど、私は雑魚《ザコ》じゃないので」


「さっきは当たっただろう?」


 バックステップを繰り返し、ジュジースは離れてゆくと、フロスト中尉は追い討ちをかける。


 何度も、MABーモデルDを撃ちながら、彼女に当てようとするも、結局は逃げられてしまう。



「今だっ! 紅蓮の炎だぞっ!」


「神の霆《いかずち》を喰らうんだっ!」


「不味いわっ!」


「ヤバいな~~? どうするべきか…………」


 ジュジースが退いたあと、ワンガリとヨルギオス達が、強力な魔法を放ってきた。


 慌て出した、ネージュ準尉の前で、フロスト中尉は腕を交差させて立つ。



「んっ? 魔法は…………」


「来ないっ!」


「ふぅーー? なんとか、間に合ったわ」


 フロスト中尉とネージュ準尉たちは、火炎魔法と雷撃魔法が、自身らを襲うだろう。


 そう思っていたが、魔法攻撃は、シモーネが展開した防弾氷壁に阻まれた。



「通常より、厚くしておいて良かったわ」


「良くやった、シモーネ」


「助かったわ…………はぁ~~?」


 シモーネの活躍により、フロスト中尉とネージュ準尉は助かった。



 しかし、次なる魔法攻撃が彼らを襲う。



「次は、さらに強力な攻撃を放ってやる」


「今度こそ、不浄なる連中を浄化するっ!」


「そうは、させないぞ」


「黙って死ぬんだな…………」


 ワンガリとヨルギオス達は、次こそ止めを刺すべく、両手を前に出した。


 そして、魔法が放たれると思った瞬間、左側から攻撃を受けた。



 イェスパーがMg、M/07軽機関銃を乱射しながら走ってきたのだ。


 しかも、音もなく、サナダが棒手裏剣を一気に、三つも投げた。



「ぐぅっ! 機銃弾に手裏剣を混ぜるとは」


「手練れのようだが、俺達は殺られんっ!」


「そっちからも、来たのね?」


「なら私が相手してやるよっ!!」


 ワンガリの左肩や腕に、棒手裏剣が刺さり、ヨルギオスは雷撃を放って反撃する。



 ジュジースは、左側を見ることなく、気配を察知して警戒する。


 エスメラルは、手斧を持って、現れた敵に向かっていく。



「次は、RPGー7だっ!」


「援護するっ! 奴らがくる前に破壊しちゃえっ!」


「一人、走って来やがるっ!」


「…………ふん」


 イッセンが、RPGー弾を放つと、その前にカディアが出て、AKMカスタムを連射する。


 Mg M/07軽機関銃を撃ちまくる、イェスパーは走る、エスメラルを捉えられない。



 サナダだけは、表情を変えず、鉄パイプを右手に握る。



「おっ! 良い音を鳴らすじゃねーーか、お前?」


「…………少し黙って、貰おうか?」


 エスメラルの手斧を、サナダは鉄パイプで受け止めて見せた。


 二人とも、凄い力で踏ん張りながら鍔迫り合いを演じる。



「貴様ら、離れろっ! このっ!」


「向こうからっ! これでも喰らえっ!」


 ナタンは、AK12をサナダに連射して、エスメラルから引き離そうとする。


 ミニミ分隊支援火器のベルト給弾が切れた、メルヴェはRDIストライカー散弾銃を手に取る。



「…………スッ!」


「うおっと?」


 ナタンの銃撃を受けた、サナダは簡単に引いてしまい、銃弾を軽く回避して見せる。


 急に力が無くなった、鉄パイプにより、エスメラルは前のめりに倒れそうになる。



 しかし、何とか踏ん張って体制を維持した。



 そこに、メルヴェが発射した、二六発もの散弾が飛んできた。



「しまっ!?」


「不味いっ!」


 イッセンとカディア達は、大量に放たれた散弾に焦るが、丁度よくマーカー戦車が到着した。


 こうして、無数の弾丸は車体に弾かれてしまい、二人とも間一髪で助かった。



「不味いね、また敵に囲まれちまったよ?」


「前方からも来るわっ!」


 ストックレスAKを単発連射する、フランシーヌの背後から、メルヴェが険しい目付きで叫ぶ。


 前方に展開していた、シュヴァルツ・リッター部隊に、オーガー部隊が合流したのだ。



 しかも、連中はKBPブルを肩に構えている。



 さらに、爆破された右側の壁からは豆戦車ネレフタが、PKTを連射しながら走ってくる。



「味方が苦戦しているぞっ! マーカーを楯に前進するっ! シジセ、ヴィサル、援護を頼んだぞっ! ドミニック達は左側から行けっ!」


「了解、隊長殿っ!」


 ネレフタに続いて現れた、豆戦車マーカーを楯にしながら、ウルシカ中尉が叫ぶ。


 その反対側からは、ドミニック達も車体を楯として活用しつつ前進する。



「隊長、射撃開始します」


「こっちも撃たないと?」


 ザスタバM59/66PAP半自動小銃を単発射撃しながら、ヴィサルは歩いていく。


 そして、敵に接近すると、弾切れとなった小銃から、ベネリ・ノヴァ狩猟型に武器を切り替える。



 散弾を放つ、彼の横からは、ザスタバM70AB2型を、シジセが何発かずつ連射する。



「後退、後退しろっ! 一旦、後方に下がるぞっ! RPGー7を一斉発射だっ!」


「煙幕弾頭を使えっ!」


「砲撃開始っ!!」


「連続砲撃だっ!!」


「うわああっ!」


「ぐわああああっ!!」


 連合側の誰かが叫び始め、RPGー7だけでなく、パンツァーファウスト3が発射される。


 また、87式自动榴弹发射器からも、グレネード弾が発射される。



 そして、通常弾頭や煙幕弾頭が、四方八方に飛ばされてゆく。



 対する帝国側も、オーガー部隊が、KBPブルを放ち、弧を描くように榴弾を飛ばしていく。


 それに、警察隊員の三人がRPGー7Dを発射して、マーカーからも自動擲弾が連続で放たれる。



 これにより、どちら側からも、爆風と悲鳴が木霊して、灰煙と瓦礫が四散する。



 今行われた砲撃で、双方の兵士が甚大な被害を受けてしまった。



「あんた達、退避するわよっ! 援護するから早く行きなっ!」


「そうだぜ、早く退くんだっ!」


「分かった、すぐに移動する」


「ここに居たら、敵の攻撃に殺られてしまうわねっ!」


 フランシーヌは、ストックレスAKを乱射しながら自分よりも、前に居る二人に声をかけた。


 右肩に矢が刺さり、凍結されたままのジハードも、ベクターSSー77を乱射し続ける。



 ナタンは、数発だけAK12を撃つと、後方へと走っていく。


 メルヴェも、RDIストライカーを持ちながら彼の後を追ってゆく。



「フランシーヌ、ジハード、こいっ!!」


「今度は、私たちが援護する番よっ!」


「弾が切れたか…………今、そっちに行くっ!!」


「あいよっ! うわ、敵の攻撃が激しくなって来たね?」


 AK12を連射しながら、ナタンは援護射撃しつつ、前で戦う二人を呼ぶ。


 メルヴェも、RDIストライカーから何発か散弾を乱れ撃ちしながら走る。



 ストックレスAKの弾が切れた、フランシーヌは弾倉を交換することなく、素早く逃げ出した。


 ベクターSSー77汎用機関銃を、ジハードは乱射しまくりながら後ろに下がってゆく。



「右側から抜けるぞっ! 隣の部屋に逃げ込むんだっ!」


「分かったわっ! 今、二人を援護するからっ!」


 左側からは、イェスパー達が展開しており、真ん中は、シモーネ達が氷壁を構築して布陣する。


 そんな中、後退するには右側の部屋へと、逃げ込むしかないと、ナタンは考えた。



 メルヴェも、彼の側で膝だちすると、RDIストライカーから散弾を放つ。


 彼らによる援護の元、フランシーヌとジハード達が走って来た。

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