帝国軍は、本気で総攻撃を仕掛けてきたらしく、大量の戦車とゾンビを投入していた。
「ウガアアアアッ!?」
「うわあっ!!!!」
マッチョ・ゾンビは、ナタンの片足を掴むと、彼を投げ飛ばした。
「ぐっ!!」
「ガアアッ! ウガアッ!?」
壁に衝突するナタンの体だったが、彼に近寄るマッチョ・ゾンビは粉々に吹き飛んだ。
おそらく、レオパルドA2V9から発射された砲弾が直撃したのだろう。
「ヤバかった…………」
そう言いながら、両手にAMDカービンを握った、ナタンは奥へと走っていく。
階段は崩落しており、下には行けないが、反対に瓦礫の山が上に向かう道を作っていた。
「屋上に行くしかないかっ!」
「総員、突入準備っ!」
「◤◥◣□●■●●◤◢◥◥」
「ウガアアアアーー!!」
ナタンは、仕方なく瓦礫の山を駆け上がり、三階へと向かっていく。
下からは、帝国軍兵士・シュトルムZ・ゾンビなどの敵が叫ぶ声が聞こえてくる。
「うわっ! 凄い、砲撃だっ!」
三階から更に上へと進んで行った、ナタンは壁穴から遂に外へと、たどり着いた。
しかし、そこは隣の建物が高く聳えており、これ以上は進めないようになっていた。
そして、レーザー光線が上空を飛んだかと思った瞬間、屋根や屋上を砲撃が破壊していく。
「行くしかないか…………」
またもや、弾着により運良く建物が崩れた事で、ナタンは前に進めるように成った。
そうして、迫撃砲やミサイルが着弾する中、彼は屋上を駆け抜けていく。
壁穴から内部に入り、そこから再度右穴から外部に出たあと、室外機の間を通る。
「奴が居たぞっ!」
「終えっ! 逃がすなっ!」
「見つけたぞっ! グルルーーーー」
「ガアガアッ!」
「◣■◢◤◢」
帝国軍の歩兵隊が、左側にある建物屋上から激しい銃撃を行ってきた。
しかも、向こう側から蔦を伸ばして、ドライアドが、こちらに猛スピードで向かって来た。
また、後方からは、ワーウルフが両手に鋭いナイフを握って駆けてくる。
もちろん、ゾンビやシュトルムZ達も、ナタンを殺すべく、後を追ってくる。
「ハッ! ヤバいっ! ぐぅ…………」
「捕まえたぞ、もう逃げられないっ!!」
そんな中、ドライアドが蔦で、ナタンの首を絞めて拘束した。
「がぁ? か、か…………?」
「ふん、貴様も…………」
ナタンは、ドライアドに捕まえられた事で、もう終わったと考えた。
だが、これも幸運なのか空から降ってきた迫撃砲弾が、複数付近に降り注いだ。
「たた、痛い?」
この砲撃で、ナタンは建物内へと落下して、ドライアドは瓦礫に潰された。
彼は、そこから更に地上を目刺して、廊下や階段を下りて行った。
「居たぞ、あっちだっ!」
「あそこに敵兵が見えるっ!」
だが、やはり、内部にも多数の帝国軍部隊が侵入してきていた。
連中は、ナタンの姿を見つけると、AK74やビゾンを乱射してきた。
また、向かい側の建物からも、ドラグノフやAKMなどが、彼を狙い撃ちしてくる。
「殺られて、たまるかよ」
しかし、敵の追撃を振り切った、ナタンは屋内から無事に脱出した。
それと同時に、いきなり今まで逃げていた、建物自体が大爆発を起こした。
「うわっ!! なんだ、罠でも仕掛けていたのか?」
ナタンは背後に振り向き、跡形もなく、崩れてしまった建物を見る。
だが、崩壊した建物は、自分に近い部分だけで、奥の方は残っていた。
また、パロワシアン通りには、黄色い車体のバス、バンホールA500が横向きに停車している。
そして、それよりも手前には道路に、大きな穴が陥没していた。
「おい、来やがれっ! このゾンビ野郎っ!」
「いや、待てっ! 彼は、ナタンじゃないかっ!」
「スタッロ、ダンター、撃つなっ! 俺はゾンビじゃないっ!」
スタッロは、防弾板の間から、ビッグ・クロスボウを構えて、ナタンを狙っていた。
ダンターも、ハンドモーターを持ちながら地面に倒れた、ナタンを見て叫ぶ。
「ナタン、そこから早く、こっちに来てっ! もうすぐ、味方の砲撃が始まるからっ!」
「ナタン、やれやれ、虫を出して援護してやるか?」
「雷撃も行くぞっ!」
「火炎魔法もあるっ!!」
グランマッシュとヤブロー達は、それぞれ猛毒の紅い霧や羽根虫を放出する。
ヨルギオスとワンガリ達も、左右の建物に対して、雷撃魔法や火炎魔法を乱発した。
「みんな、どうして? ここに?」
「ここで、敵を食い止めているんだよっ!」
「そうですっ! さあ、貴方も反撃して下さい」
ナタンは、バリケードとして並べられた防弾板の隙間から入り込む。
すると、そこにドラム缶を設置した、エスメラルが投石紐を回し始める。
ジュジースは、火炎瓶をカタパルトに載せて、遠くに飛ばす。
そうこうしている内に、彼が逃げてきた方面にある三つの建物に、砲撃が降り注いだ。
「味方の砲撃だよ? これで、私達はまだ戦えるっ!」
「だが、どうする? 戦車隊が近づいて来ているぞ?」
「罠として、爆薬を設置しているから心配は要らん」
「それに、味方が後方からドローンを飛ばしている」
建物の端を、迫撃砲による曲射砲撃は完全に叩き潰してしまった。
エスメラルが、不適な笑みを浮かべながら投石すると、ナタンは敵に対処する方法を質問した。
その問いに、ダンターとワンガリ達が、二人で大丈夫だと答える。
「応援に来たぞっ!」
「バリケードを強化するっ!」
「対戦車地雷を設置しないと」
「武器は何処に置くんだ?」
後方の銀行から、ラテン系PMC要員が現れると、公園方面にRPGー7を発射する。
白人レジスタンス員は、持ってきた防弾板を大聖堂側に立て掛ける。
黒人民兵は、忙しそうに走り回り、周囲に円形爆弾を設置し始めた。
M202ロケットランチャーを担いできた、連合軍兵士は、それを構えながら待機する。
「援軍だな?」
「ナタン、彼等を頼っている暇は無いよっ!」
ナタンに、そう言った、グランマッシュは後方に走っていく。
そこには、木箱に指した鉄パイプを、二つ並べて、作られた大きなスリングショットがあった。
「コイツを射つよっ!」
グランマッシュは、迫撃砲弾を、ゴム紐で挟んで引っ張ると、手を離して投射した。
「残るは銀行だけか?」
「後は、BNPビル&サン・ミッシェル大聖堂ね?」
「それから、後ろにも建物が? 敵だね~~」
ナタンの呟きに、ヤブローは、コップ付きスナイダー銃から榴弾を放ちつつ答えた。
コロニー通りには、奥に大量の様々な自動車を並べて、バリケード代わりにしてあった。
だが、その手前にある道路が爆発しながら土砂と灰煙を舞いあげた。
それは、最初砲撃かと思われたが、エスメラルは投石紐を、ブンブンと音を鳴らして回転させた。
「ツェリン隊長っ!!」
「安心しなさい、そう簡単に殺られはしない」
仏教僧らしき、紫色の着物を着ている男性が、煙が充満する中から出てきた。
黒髪癖毛の南アシュア系男性だ。
投石を、右手で受け止めた、狐耳金髪ロングの女性ワーフォックスも登場する。
水色の瞳を細くした、ツェリンは、青い唇をニヤけさせながら両手を前に出した。
彼女が着ている、水色のシャツ見たいな着物は、襟と袖が青い。
そして、左肩からは紫色のマフラー見たいな布を垂らしていた。
下に履いたスカートは、腰に巻くタイプらしく、青紫と紫のシマウマ模様だ。
「出でよ、我が下僕たちよ」
「魔物たちを援護射撃しろっ!」
「二脚設置」
そう言うと、ツェリンの背後にある大穴から、メガロドンが、二体も空中に飛び出てきた。
さらに、何体ものホオジロサメが宙を舞い、ナタン達に襲いかかってくる。
その後、帝国軍兵士たちも、穴から銃撃してきた。
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