【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第272話 本格的な大攻勢

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:04
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:31
文字数:3,034


 帝国軍は、本気で総攻撃を仕掛けてきたらしく、大量の戦車とゾンビを投入していた。



「ウガアアアアッ!?」


「うわあっ!!!!」


 マッチョ・ゾンビは、ナタンの片足を掴むと、彼を投げ飛ばした。



「ぐっ!!」


「ガアアッ! ウガアッ!?」


 壁に衝突するナタンの体だったが、彼に近寄るマッチョ・ゾンビは粉々に吹き飛んだ。


 おそらく、レオパルドA2V9から発射された砲弾が直撃したのだろう。



「ヤバかった…………」


 そう言いながら、両手にAMDカービンを握った、ナタンは奥へと走っていく。


 階段は崩落しており、下には行けないが、反対に瓦礫の山が上に向かう道を作っていた。



「屋上に行くしかないかっ!」


「総員、突入準備っ!」


「◤◥◣□●■●●◤◢◥◥」


「ウガアアアアーー!!」


 ナタンは、仕方なく瓦礫の山を駆け上がり、三階へと向かっていく。


 下からは、帝国軍兵士・シュトルムZ・ゾンビなどの敵が叫ぶ声が聞こえてくる。



「うわっ! 凄い、砲撃だっ!」


 三階から更に上へと進んで行った、ナタンは壁穴から遂に外へと、たどり着いた。


 しかし、そこは隣の建物が高く聳えており、これ以上は進めないようになっていた。



 そして、レーザー光線が上空を飛んだかと思った瞬間、屋根や屋上を砲撃が破壊していく。



「行くしかないか…………」


 またもや、弾着により運良く建物が崩れた事で、ナタンは前に進めるように成った。


 そうして、迫撃砲やミサイルが着弾する中、彼は屋上を駆け抜けていく。


 壁穴から内部に入り、そこから再度右穴から外部に出たあと、室外機の間を通る。



「奴が居たぞっ!」


「終えっ! 逃がすなっ!」


「見つけたぞっ! グルルーーーー」


「ガアガアッ!」


「◣■◢◤◢」


 帝国軍の歩兵隊が、左側にある建物屋上から激しい銃撃を行ってきた。


 しかも、向こう側から蔦を伸ばして、ドライアドが、こちらに猛スピードで向かって来た。


 また、後方からは、ワーウルフが両手に鋭いナイフを握って駆けてくる。



 もちろん、ゾンビやシュトルムZ達も、ナタンを殺すべく、後を追ってくる。



「ハッ! ヤバいっ! ぐぅ…………」


「捕まえたぞ、もう逃げられないっ!!」


 そんな中、ドライアドが蔦で、ナタンの首を絞めて拘束した。



「がぁ? か、か…………?」


「ふん、貴様も…………」


 ナタンは、ドライアドに捕まえられた事で、もう終わったと考えた。


 だが、これも幸運なのか空から降ってきた迫撃砲弾が、複数付近に降り注いだ。



「たた、痛い?」


 この砲撃で、ナタンは建物内へと落下して、ドライアドは瓦礫に潰された。


 彼は、そこから更に地上を目刺して、廊下や階段を下りて行った。



「居たぞ、あっちだっ!」


「あそこに敵兵が見えるっ!」


 だが、やはり、内部にも多数の帝国軍部隊が侵入してきていた。


 連中は、ナタンの姿を見つけると、AK74やビゾンを乱射してきた。


 また、向かい側の建物からも、ドラグノフやAKMなどが、彼を狙い撃ちしてくる。



「殺られて、たまるかよ」


 しかし、敵の追撃を振り切った、ナタンは屋内から無事に脱出した。


 それと同時に、いきなり今まで逃げていた、建物自体が大爆発を起こした。



「うわっ!! なんだ、罠でも仕掛けていたのか?」


 ナタンは背後に振り向き、跡形もなく、崩れてしまった建物を見る。


 だが、崩壊した建物は、自分に近い部分だけで、奥の方は残っていた。



 また、パロワシアン通りには、黄色い車体のバス、バンホールA500が横向きに停車している。


 そして、それよりも手前には道路に、大きな穴が陥没していた。



「おい、来やがれっ! このゾンビ野郎っ!」


「いや、待てっ! 彼は、ナタンじゃないかっ!」


「スタッロ、ダンター、撃つなっ! 俺はゾンビじゃないっ!」


 スタッロは、防弾板の間から、ビッグ・クロスボウを構えて、ナタンを狙っていた。


 ダンターも、ハンドモーターを持ちながら地面に倒れた、ナタンを見て叫ぶ。



「ナタン、そこから早く、こっちに来てっ! もうすぐ、味方の砲撃が始まるからっ!」


「ナタン、やれやれ、虫を出して援護してやるか?」


「雷撃も行くぞっ!」


「火炎魔法もあるっ!!」


 グランマッシュとヤブロー達は、それぞれ猛毒の紅い霧や羽根虫を放出する。


 ヨルギオスとワンガリ達も、左右の建物に対して、雷撃魔法や火炎魔法を乱発した。



「みんな、どうして? ここに?」


「ここで、敵を食い止めているんだよっ!」


「そうですっ! さあ、貴方も反撃して下さい」


 ナタンは、バリケードとして並べられた防弾板の隙間から入り込む。


 すると、そこにドラム缶を設置した、エスメラルが投石紐を回し始める。


 ジュジースは、火炎瓶をカタパルトに載せて、遠くに飛ばす。



 そうこうしている内に、彼が逃げてきた方面にある三つの建物に、砲撃が降り注いだ。



「味方の砲撃だよ? これで、私達はまだ戦えるっ!」


「だが、どうする? 戦車隊が近づいて来ているぞ?」


「罠として、爆薬を設置しているから心配は要らん」


「それに、味方が後方からドローンを飛ばしている」


 建物の端を、迫撃砲による曲射砲撃は完全に叩き潰してしまった。


 エスメラルが、不適な笑みを浮かべながら投石すると、ナタンは敵に対処する方法を質問した。



 その問いに、ダンターとワンガリ達が、二人で大丈夫だと答える。



「応援に来たぞっ!」


「バリケードを強化するっ!」


「対戦車地雷を設置しないと」


「武器は何処に置くんだ?」


 後方の銀行から、ラテン系PMC要員が現れると、公園方面にRPGー7を発射する。


 白人レジスタンス員は、持ってきた防弾板を大聖堂側に立て掛ける。



 黒人民兵は、忙しそうに走り回り、周囲に円形爆弾を設置し始めた。


 M202ロケットランチャーを担いできた、連合軍兵士は、それを構えながら待機する。



「援軍だな?」


「ナタン、彼等を頼っている暇は無いよっ!」


 ナタンに、そう言った、グランマッシュは後方に走っていく。


 そこには、木箱に指した鉄パイプを、二つ並べて、作られた大きなスリングショットがあった。



「コイツを射つよっ!」


 グランマッシュは、迫撃砲弾を、ゴム紐で挟んで引っ張ると、手を離して投射した。



「残るは銀行だけか?」


「後は、BNPビル&サン・ミッシェル大聖堂ね?」


「それから、後ろにも建物が? 敵だね~~」


 ナタンの呟きに、ヤブローは、コップ付きスナイダー銃から榴弾を放ちつつ答えた。


 コロニー通りには、奥に大量の様々な自動車を並べて、バリケード代わりにしてあった。



 だが、その手前にある道路が爆発しながら土砂と灰煙を舞いあげた。


 それは、最初砲撃かと思われたが、エスメラルは投石紐を、ブンブンと音を鳴らして回転させた。



「ツェリン隊長っ!!」


「安心しなさい、そう簡単に殺られはしない」


 仏教僧らしき、紫色の着物を着ている男性が、煙が充満する中から出てきた。



 黒髪癖毛の南アシュア系男性だ。



 投石を、右手で受け止めた、狐耳金髪ロングの女性ワーフォックスも登場する。


 水色の瞳を細くした、ツェリンは、青い唇をニヤけさせながら両手を前に出した。



 彼女が着ている、水色のシャツ見たいな着物は、襟と袖が青い。


 そして、左肩からは紫色のマフラー見たいな布を垂らしていた。



 下に履いたスカートは、腰に巻くタイプらしく、青紫と紫のシマウマ模様だ。



「出でよ、我が下僕たちよ」


「魔物たちを援護射撃しろっ!」


「二脚設置」


 そう言うと、ツェリンの背後にある大穴から、メガロドンが、二体も空中に飛び出てきた。


 さらに、何体ものホオジロサメが宙を舞い、ナタン達に襲いかかってくる。



 その後、帝国軍兵士たちも、穴から銃撃してきた。

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