【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第224話 緊急展開部隊と陸上自衛隊

公開日時: 2024年7月12日(金) 11:56
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:41
文字数:3,058


「挟み内に、なっていたんだよ…………」


「俺の雷撃を喰らったんだ、天国に行けるさ」


 立ち上がったばかりのワンガリは、すぐさま正面から攻撃してくる帝国側部隊と向き合う。


 雷撃魔法を放ったのは、ヨルギオスだったらしく、彼は十字を切った。



「不味いっ! シェラが死んだっ!」


「…………」


「そんな事より、チィーナ兵達が来るぞっ!」


「連中は、重武装だっ!!」


 レオは、何とか身を傾けつつ防弾板の左側から、ワルサーP5Lを乱射する。


 サナダは黙ったまま、迫り来る敵を眼前に捉えている。



 AKMを、防弾板の右側から単発連射しながら、リッチは敵部隊が走ってくる姿を見て叫ぶ。


 チィーナ軍兵士は、連合軍兵士よりも練度が高い上に、重火器を扱うから強敵だ。



 ワーウルフは、ビィチャージ短機関銃を乱射して、即座に事務机へと身を伏せる。



「かはっ! まだ、傷が…………だが、やれるっ!」


「無理するなっ!」


 吐血して、両手を床に突きながらも、レオは敵に鋭い眼差しを向け続ける。


 そんな彼に対して、体を起こしながら右手から回復魔法を掛けるリッチ。



「敵は中々だな?」


「我々が押され始めている…………」


 AKMを撃ちまくる、リッチは敵部隊の展開振りを称賛する。


 ワーウルフも、ビィチャージ短機関銃だけを頭上に掲げて何発か撃つ。



 チィーナ軍だけではなく、砂漠迷彩服を着た、自衛隊も混じるが、彼等は東アシュアの精鋭軍団だ。


 さらに、彼等の中には防弾兵が存在しており、軽装兵も素早く動き回る。



 また、ギガント&グリーン・シュヴァリエ等の兵種も、機敏に移動しながら攻撃しまくっていた。



「ミニミと95式班用機槍を持ってやがるな?」

 

「重装兵種は、80式汎用機関銃を撃ってくる」


「くっ! あれっ? サナダは?」


 自衛隊員は、ミニミ分隊支援火器の二脚を、ドラム缶に載せて、機銃掃射が途切れなく放たれる。


 チィーナ軍兵士も、95式汎用機槍を乱射しながら制圧射撃を加えてくる。



 リッチとワーウルフ達は、それぞれの遮蔽物に隠れて、続々と放たれる機銃弾から身を守る。



 分隊支援火器に混ざって、汎用機関銃からも強力な弾丸が発射される。


 そんな中、レオは今まで近くに居た、サナダが消えている事に気づいた。



「分から…………ぐ、うぅ」


「クソッ! このままじゃっ!」


 反撃しようとしていた、リッチが機関銃弾に当たってしまい、床に力なく倒れる。


 それを見た、ワーウルフは、ビィチャージ短機関銃を乱射しまくった。



「分隊支援火器、汎用機関銃、火炎魔法、雷撃魔法…………やべぇな、ここは一旦撤退しないと? かひゃっ!」


 撤退すると言いながらも、AKMを拾った、レオは乱射しまくりながら、またも吐血する。



「大丈夫かっ? 口から血が出てるぜっ!」


「大丈夫じゃないわぁ~~? それより、ヴァンパイアが暴れていたようだが、アンタが殺ったのかっ!」


 ワーウルフは、何発か撃った後、すぐに身を隠し、レオに声をかけた。


 それに対して、彼は苦しそうに喋りながら、敵の潜入兵を倒したかと聞いて見た。



「いや、しかし、現れてないようだっ?」


「そうか…………カルミーネ、ファルク達が殺ってくれたか」


 ワーウルフの返事を聞いた、レオは呟く。



「ぐばあっ! ああああああっ!!」


「うわわわっ!?」


 と、その瞬間、雷撃魔法が放たれた事により、ワーウルフは一瞬で感電死する。



「青い血だっ! あそこに負傷兵が隠れて居るっ!」


「狙い撃ちにしろっ!!」


 チィーナ軍兵士による援護の元、89式自動小銃を持った、自衛隊員が何人か走ってくる。



「ヤバい、死んでたまるかっ!」


 レオは、走ってくる自衛隊員に、AKMを連射しまくる。



「喰らえっ! 氷結魔法よっ! あと、風刃魔法も合わせてっ!!」


「蔦を伸ばして置けばっ!!」


「うわっ! うっ!」


「ぐ、ぐわ、うあっ!?」


 氷結魔法と風刃魔法を組み合わせて、鋭い氷柱が混じった、吹雪の台風をシモーネが放つ。


 その隙に、ミネットは蔦網を彼方此方《あちらこちら》に投げて、敵が引っ掛かるように罠を設置する。



 さらに、吹雪と台風で視界を遮られた、チィーナ兵や自衛隊員が撃たれてゆく。



「お次は氷壁をっ! こうして置けば、ある程度は耐えられるわっ!」


「案山子《カカシ》も使いましょう」


「あんた達が、やるなら私も行くわよっ!」


「今度は、こっちから仕掛けるわよっ!」


 何個か防弾氷壁を設置すると、シモーネは風刃魔法を放ちまくった。


 その背後で床に伏せる、ミネットは案山子を動かして、敵から注意を惹きつける。



 こうして、体制を立て直した警察隊員たちは、相手が陣取る遮蔽物へと突撃していく。


 ベーリットは青毒ガスを吐きながら、レギナは口から細菌粘液を投射しながら特攻していった。



「ぐああ…………ブクブクブクブク」


「ゲホッ! ゲホッ! ガハァ」


 自衛隊員は、口から泡を吹きながら後ろに倒れ、チィーナ軍兵士は咳き込んで苦しげに悶える。



「前線に突っ込んでくる連中が居るっ!」


「火力集中だっ!」


「そうは、させないっ!」


「殺らせるかっ!?」


 複数のギガント&グリーン・シュヴァリエ達、機関銃手を中心にした部隊は、二人に銃口を向ける。


 このままでは、ベーリットとレギナ達が、十字砲火を浴びてしまう。



 そう考えた、ヴラウリオは両手に構えた、セトメ・モデロLを撃ちまくる。


 同じく、イェスパーもMg M/07軽機関銃を連射して援護射撃を行った。



「こんな攻撃が効くかっ!!」


「ええいっ! こざかしいっ!」


「く、やっぱり銃弾が来るわね? レギナ、行くわよっ!」


「分かっているわっ! やって、頂戴っ!!」


 ギガントは、80式汎用機関銃を撃ちまくっていたが、バイザーを攻撃されて怯む。


 同じように、グリーン・シュヴァリエも、何発かずつ弾丸を喰らい続けて、気が逸れてしまう。



 ベーリットは、青毒ガスを体中から一斉に噴出させて、煙幕みたいに敵の視界を遮った。


 レギナも、右から左へと、細菌粘液を口からジェット噴出させ続けて、敵を科学攻撃した。



 これにより、二人は姿を隠しながら敵陣へと無事に斬り込むことができた。



「うぐぐ…………ぐぁ?」


「うげぇっ!!」


「視界を遮ったとしても、私には音で位置が分かるっ!!」


 またも、チィーナ軍兵士や自衛隊員が死んでいくが、雷撃のカーテンが二人による科学攻撃を遮る。



「不浄なる者どもよっ! 神の雷を喰らうがいいっ!」


 ヨルギオスは、両手戦混モールを横凪に振るいつつ、黄色く輝いた稲光を放った。



「ヤバいわっ! 回避しなきゃっ!」


「ぐああっ! あぁ、あっ!」


 ベーリットとレギナ達は、急いで床に伏せたが、放射された雷撃は凄まじい威力だった。


 遮蔽物のドラム缶や土嚢を、後方へと吹き飛ばしながら完全に破壊する。



「レギナッ! くっ! ブシュアアァァァァ~~~~!?」


「大丈夫、雷撃が掠っただけだから」


 ベーリットは急いで、口や体中から青毒ガスを吐き出し、煙幕を張る事で、レギナを庇った。


 掠った程度だと、彼女は言うが、雷撃の稲光が少し触れたただけでも、全身にダメージを感じた。



 アンデッドたる帝国兵と言えど、流石に無痛ではない。



 いや、通常の軽症ならば、脳が痛みを感じ難いように調整されている。


 しかし、強力な魔法攻撃や砲撃など、命の危機に際しては、危険信号が脳内から発せられる。



「これで、大丈夫よっ! 次いでに…………ブシュアアァァァァーーーー!?」


「私達の反撃ねっ! ブブゥゥ~~~~~~!!」


 青ガスが消える前に、ベーリットとレギナ達は、毒ガスと細菌粘液を、一斉噴射した。



「しまった…………退避するっ!」


 ヨルギオスは、青ガス内から発射された二人による科学攻撃を前にして、即座に撤退した。

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