【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第112話 潜入任務は継続中…………

公開日時: 2024年7月10日(水) 10:10
更新日時: 2024年7月13日(土) 10:37
文字数:3,158


「まぁ、待てよ…………お前は幼馴染みに似てるんだ?」


「もしかしたら、本当に幼馴染みかもね?」


 立ち去ろうとする、ナタンの右肩を掴んだ、レオは彼を行かせまいと凄まじい力を拳に込める。


 そして、ミアも彼を引き留めようと声をけたが、もちろん、答える訳が無い。



「くっ!」


「はっ! やっぱりナタンだったか? しかも、お前がレジスタンスだったとはな?」


 ナタンは振り替えると同時、MASー1935ーAを撃つが。


 レオは、その手を払い除けて、自らも反撃しようと、ワルサーP5Lを二回発砲する。



 咄嗟に、近くに存在するドアへと、ナタンは素早く駆け込むが。


 彼は、脇腹や腕に弾丸を何発か受けて、軽傷を負ってしまう。



 部屋には、恐らくはシュヴァルツ・リッターが使うのであろう武器や防具があった。


 ここには、黒い鎧や盾が所狭しと、無造作に並べられている。



 壁には、青十字が描かれた、黒いカイトシールドが掲げられている。


 その上に交差した、細剣コリシュマルドと片手剣アーミングソードが、立て掛けられていた。



「ぐっ! もう来たかっ!!」


「ナタン、待てよっ!」


「待って、ちょうだいってば?」


 ナタンの後を追い掛けた、レオとミア達は直ぐに部屋に入り、彼を捕らえようと発砲する。



「くぅぅ…………」


「ナタン、さっさと降伏しろよっ!」


「ナタン君、死んじゃうわよ」


 二人の銃撃を、ナタンは耐える為に直ぐさま、行動に移る。


 壁に設置されていた、中世の騎士が使うような、カイトシールドへと逃げた、彼は裏に隠れた。


 これを使って、激しく飛んでくる銃撃を、やり過ごす。



 そうこうしている内に部屋の入口から、二人が銃を撃ちながら、侵入して来ようとした。



「さっさと、武器を捨てないと、死んでしまうぞ」


「降伏するまで、私達は撃ちまくるわよっ!」


「しつこい奴らだっ!!」


 レオは、ワルサーP5Lを何度もカイトシールドに向けて、発砲しまくる


 一方、ミアは両手に握る、ステアーGBとステアー・ハーン・ドッペルを乱射しまくる。



 二人の攻撃は激しく、反撃することが困難なナタンはMASー1935ーAをしまった。


 そして、彼等に向かって、設置するはずだった、C4爆弾を投げつけた。



「これでも喰らえっ! 帝国の犬めっ!」


「ひさしぶりの再会なのに、その言い方は…………ヤバいっ! ミアッ! 伏せろっ!?」


「はっ!!」


 投げつけた、C4爆弾を起爆して、カイトシールドの裏に隠れた、ナタンは爆風から身を守る。


 また、爆風に巻き込まれたのか、煙が舞う中で、レオとミア達が無事な姿は見えない。



「ケホッ! ケホ、ケホッ!」


 カイトシールドの裏で身を隠していた、ナタンは、煙が充満する中でも気を抜かない。



『…………二人は死んだか? と言うか、二人と会うとは…………!? …………』


 ナタンは、爆風で舞った灰煙の中から、誰かが斬りかかって来るシルエットが見えた。


 恐らく、それはレオだろうと思った彼は、カイトシールドを構えて、立ち上がると前に押し出した。



「ははっ! 相変わらず、良い感を持っているな?」


「うるさい、お前はもう俺の知っているレオじゃないっ!」


 カイトシールドを勢いよく、蛇剣フランベルクで、レオは斬りつけた。


 こうして、ナタンの体勢を崩そうとするが、彼は諦めて引くことはなかった。



「俺の知っているレオは、あの時、帝国に殺されたんだっ!」


「いや、俺はあの時のままだ、今は所属が違うだけだっ!」


 ナタンは、重たいカイトシールドを思いっきり投げ捨てた。


 次いで、壁に飾っている、細剣コリシュマルドを手に取り、すぐさま振るう。



 それを、後方にバックステップして交わした、レオは反撃に移る。


 蛇剣フランベルクを右から力一杯に振るって、斬り殺さんと、本気で掛かって来る。



「ぐ…………狙いが定まらないわっ!」


 入口からはミアが、ステアーGBを両手で構えて狙いを定めるのだが。


 ナタンとレオ達の背中が重なり、中々発砲できずにいた。



「レオ、退いてよ、ナタンに当てられ無いわっ!」


「心配するなっ! 俺が負ける事は無いからな?」


 レオは、自信満々に正面のナタンと対峙しながら、ミアに待つように伝えた。



「クッ! …………仕方ないわね」


 下手に、二人の戦いに踏み込んだり、無理に銃を撃つ事は厳禁だ。


 それは返って、レオの邪魔になるかも知れないと、ミアは思ったからだ。



 彼女は、ステアーGBの銃口を下げて、増援を呼んだ。



「誰かぁーーーー!! 誰か来てぇーー!!」


「ミア、うるさいぞ、俺達の喧嘩の邪魔をするなよ?」


「ガキの喧嘩じゃないんだっ! 真剣に戦え、レオッ!」


 ミアの叫んだ声を、疎ましそうに思った、レオは文句を言いながら、フランベルクを振るうが。


 帝国側の人間である二人を憎む、ナタンは憎悪と怒りを込めた、顔で怒鳴る。



「止めだっ!」


 同時に、ナタンは、コリシュマルドの切っ先を前に突きだす。


 そこから、レオの首を狙って、横薙ぎに力強く振るう。



「黙れよ、ナタン? ひょっとして、アレか…………お前は、今でもミアの事が好きなのか?」


「黙るのは、お前の方だっ!!」


 まだまだ余裕だと言った、表情を崩さないレオは、ナタンを挑発する。


 そして、蛇剣フランベルクの切っ先を、彼の左肩を狙って突きだすが、それを軽くに回避される。



「このっ!」


「ぐっ!? しかしなっ!」


 また、逆に右腕を、ナタンの握る細剣コリシュマルドに突かれてしまった。


 さらに、その上に追撃されて、左脇腹を切り裂かれてしまう。


 そこから、青黒い血飛沫が飛び出るが、改造人間である、レオは平気な顔だ。



「アハハ、やるじゃねーかっ! ナタン」


 彼は、まるで玩具の剣を振るう子供みたいな笑顔を、ナタンに向ける。



「懐かしいなぁ~~昔はこうして、お前とバカばっかりやってたよな?」


「だから、なんだっ!!」


 笑いながら挑発してきた、レオは、蛇剣フラムベルクで真っ直ぐ踏み込んできた。


 その顔を睨み付けながら、ナタンは必死で、細剣コリシュマルドを力強く握りしめる。


 そして、刃を何度も振るっては、彼に負けまいと踏ん張る。



『…………レオ、お前の魂胆は分かるっ! 俺を怒らせて冷静さを失わせたいと言うんだろう? 残念だが、その手は効かない…………今の俺には、メルヴェと言う大切な人が居るんだっ! …………』


 レオの意図を、すでに察しているナタンは、怒りに我を忘れる事なく、冷静に対処しようと努めた。


 そして、彼は反撃のために行動に移る。



「挑発には、乗らないぞっ!」


「なっ! ナタン、止めろっ!?」


 ナタンは、いきなり後ろにある壁へと、C4爆薬を投げつける。


 すると、瞬時に起爆装置のスイッチを押した彼と、レオは爆風に捲き込まれてしまう。



 その攻撃により、壁は爆破されて、廊下へと逃げ出せる穴が開いた。


 また、それを蔓延する煙の中から見つけた、彼は即座に走る。



「ケホッケホッ! 流石に煙はキツいな?」


「カハッ! 彼が逃げたわっ!?」


 煙を吸い込み咳き込む、レオとミア達が怯んでいる間に、ナタンは警察署から逃亡しようとする。



『…………まさか、二人が居るとは? しかし今の二人は敵だっ! それよりも、ここから早く逃げねば…………』


「そこまでだ…………」


「貴様、残念だったな…………」


 廊下に出たばかりのナタンは運悪く、敵に捕まえられてしまった。


 右側から、ワルサーモデル3を右手に握る、制服姿の警察隊員から、銃口を頭に突きつけられる。


 左側からも同じく、制服姿のワルサーP38を両手に構えた、警察隊員が照準を合わせてくる。



「済まない、取り逃がす所だった」


「クスクス…………ナタン、もう諦めたらどう?」


「クソが…………」


 さらに、ナタンの左右からはH&K、G36Gを構えた、警察隊員が数人で取り囲む。


 まあ、壁に開いた穴からは、レオとミア達も彼を追跡してきた。



「ぐぐぅぅ」


 こうして、成す術を全て使い果たした、ナタンは両手を上げて、降参するしかなかった。

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