【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第49話 帝国警察の戦いは続く

公開日時: 2024年7月9日(火) 20:35
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:56
文字数:3,182

 現れた、味方の増援であり、警察隊員としては、上官である先輩たち。


 彼等の登場に驚き、敬礼をした、カルミーネとベーリット達であったが。



 二人の先輩は、敬礼を止めさせる。



「敬礼は、しなくて良いよ…………」


「それより、下で、フロスト中尉が貴方達を待っているわよ?」


 捕虜達を眠らせたばかりのクヌートとレーノチカ達は、気だるそうに話す。


 そして、二人を路上で待つ、フロスト中尉の元へ行くように伝える。



「分かりました、僕たちは中尉の元へ向かいます」


「では失礼します、先輩方っ!」


 カルミーネとベーリット達は、再び先輩方にローマ式の敬礼を取る。


 そして、直ちに外で待機する、仲間達とフロスト中尉と合流する為に、階段を下りていく。



 エレベーターに乗らないのは、爆発物や罠が仕掛けられている可能性があるからだ。


 ゆえに、工兵隊が解除するまで、エレベーターの使用は出来ない。


 ーーと言った訳なので、二人は階段を使った。



 階段を早歩きで掛け下りていく二人は、先輩方が通ってきたのであろう、非常口から外へと出る。


 すると、ビルの青い壁が見え、そこから道路に出ると味方部隊が姿があった。



 リンザ総攻撃救急車・ティーグルM・BTRー80装甲車などなどの車両が、数台待機していた。



「帝国地上軍の増援か…………」


「空にも居るわね?」


 周囲に、並ぶ車両を、ボンヤリと眺めて呟いた、カルミーネ。


 薄暗い雲に覆われた、空を見上げて呟く、ベーリット。



 二人は、負傷した警察特殊部隊員や救急医療隊員と破壊された、車両の間を通る。



 その近くには、ティーグルMが警戒の為に待機していた。


 上部にある銃座には、重装甲兵のシュヴァルツ・リッターが座る。


 辺りに存在する、ビル屋上に目を向ける、シュヴァルツ・リッター。


 彼は、Kord《コード》6P49車載重機関銃の長い銃身を斜め上に向けていた。



 他にも、黒い鎧に包まれた、オーガー達は、二人がかりで行動する。


 彼等は、破壊された、パトカーを押して道路脇に退かしていた。



 その脇では、トーテン・シェーデル・ゾルダート達が走る。



 仲間達が待つ場所を探し歩く、二人。



 その前に、突如上方からターザンみたいに飛ぶ物体が現れる。


 何かと思った彼等だったが、そこに自らの左腕から伸びる蔦を握った、女性警察隊員が降りてきた。



 彼女は、背中にFRF2スナイパーライフルを背負う。


 また、右腕と左太股に、青緑色の蔦を巻いた、青い明細服を着ていた。



「あっ! 御二人共、御苦労様ですっ!」


「君は新入りで潜伏兵の…………」


「名前は確かミネット…………だったわよね?」


 潜伏兵《ドライアド》は、二人に向き直ると、ビシッと、蔦の絡まった右腕を伸ばして、ローマ式敬礼をする。


 いきなり現れた、女性兵士の名前を思い出そうとする、カルミーネとベーリット達。



「はいっ! そうです、ミネット三等兵で有りますっ!!」


「ミネット、僕等をフロスト中尉の場所まで案内してくれるかな?」


「そうして貰えると助かるわ」


 ローマ式敬礼をしながら、はっきりと元気よく答える、ミネット三等兵


 カルミーネとベーリット達は、フロスト中尉達の場所まで案内を頼む。



 二人は、中尉が何処に居るのか分からないからだ。



「畏《かしこ》まりました、では此方へどうぞ」


「済まないな」


「悪いわね?」


 二人を案内する、ミネットは、三階から蔦をファストロープ&グラップリングのように使っている


 また、飛び降りる前に、フロスト達の居る場所を把握していた。



 それで、彼女は二人を案内する事ができた。



 そんな彼女に対して、礼を述べる、カルミーネとベーリット達。


 そして、三人は破壊された車両の残骸や瓦礫を、避けながら進んでいく。



 こうして、応援に来た、帝国軍兵士たちが走り回る間を再び通り、仲間達が待つ場所まで向かった。



「やぁ? 遅かったね…………僕は君達がいったい何処に行ったのかと心配したよ」


「中尉、二人を案内してきましたっ!」


 三人の姿を見ると、柔らかい笑みを浮かべて出迎えた、フロスト中尉。


 そして、ミネットは二人を案内してきた事を報告する。


 その側には、警察隊員が数人ほど控えており、中には、レオとミア達が立っている姿もあった。



「中尉、我が部隊の損害は?」


「負傷者が三名だよ…………はぁ~~? 捕虜は第一小隊のサスーリカ中尉達に全部取られちゃったから人員も補充出来ないしなぁ~~?」


 カルミーネが、早速だが損害状況の確認を質問してみた。


 それに、フロスト中尉はガックリと肩を落として、落ち込み、一人愚痴を呟いた。



「ふぅ~~? 愚痴って居ても仕方無いか? さて…………ミネット、カルミーネ、ベーリットッ! 三人共御苦労様、我々は次の命令が下るまで待…………」


『国営兵器工場と化学物質保管施設がテロリストの攻撃に晒されている! 付近の部隊は至急応援に向かえっ! 繰り返す…………』


 フロスト中尉が喋り終える前に、近くのパトカーから警察無線が鳴る。


 敵が行った、奇襲攻撃により、二つの施設警備隊が、苦戦中であることを伝える。



「中尉、至急応援に向かいましょうっ!」


「僕達はまだ戦えますっ!」


「う~~ん? 僕等の車両はほぼ破壊されてしまったから…………」


 やる気を見せて、闘志を燃やす、ベーリットとカルミーネ達。


 二人の進言を聞いた、フロスト中尉は、チラリと破壊された、パトカーに目を向ける。


 そこには、他にもビークルが、三台並ぶ。



 青色の自動二輪車、ドゥカティ・スーパーバイク1198。


 淡い水色の六輪型バギー、ポラリス・スポーツマン・ビッグボス。


 ラインメタルMG3汎用機関銃を武装として施された、黒色のサイドカー、AWOー700。



 これらのビークルが、無傷で残っていた。



「残っているのは君達と、レオ、ミアの分だけだね…………分かった行ってくれ、正し生きて帰ってくれよ? 変わりの補充隊員を申請するのは面倒なんだから」


「了解っ! フロスト中尉」


「了解っ! 中尉っ!」


 フロスト中尉の命令を聞いた、カルミーネとベーリット達は急ぎ駆け出して、軽車両に向かう。


 ドゥカティ・スーパーバイク1198には、カルミーネが乗る。


 ポラリスATVには、ベーリットが乗って、二人とも、ビークルを発進させる。



「レオ、ミア…………今言った通りカルミーネとベーリット達と共に、此所から近い化学物質保管施設に向かってくれ、君達もくれぐれも注意を怠らないでくれよ」


「了解です、中尉っ! 二人の面倒は任せて下さい」


「りょーー解っ! 中尉、では私達も応援に行って来ますっ!」


 フロスト中尉の命令を聞いた、レオとミア達も急いで、AWOー700に向かう。


 レオは運転席に乗って、ハンドルを握り、ミアは左側にある座席に座り、MG3のグリップを握る。



「それじゃあ、行って来ますっ!」


「中尉っ! 戦果を期待して待っていて下さいねっ?」


 AWOー700に乗った、レオとミア達は、フロスト中尉に出発を告げる。


 それから、直ぐにAWOー700を発進させて、市内を突き進む。



 こうして、化学物質保管施へと先に向かった、カルミーネとベーリット達を追い掛けて行った。



「四人とも…………無事に帰って来ると良いんだけどね」


「中尉、我々はどうします?」


「付近一帯の封鎖を行いますか」


 フロスト中尉が、一人呟くと、背後に控えていた、シモーネとヴラウリオ達は次の指示を乞う。



 シモーネは、青色のウシャンカ帽に、黒いコートを羽織る。


 武器は、ARー10NATOを構えていた。



 その左脇に居た、ヴラウリオは黒い野戦帽を被り、黒い制服を着ている。


 武器はセトメ・モデロLを背負っていた。



「う~~ん…………それは地上軍と第一、第二部隊の連中に任せて僕らは先に署まで帰ろうか」


「その前に、私達に対しての礼は無しか? 中尉、折角お前達の為に救援に駆け付けて、やったのに…………」


 フロスト中尉が、部下達に指示を出す中、背後から女性の声が聞こえてきた。



 その声に反応した、彼は後ろに振り返った。


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