【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第13話 邪悪な漆黒の軍隊の進軍

公開日時: 2024年7月9日(火) 12:52
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:32
文字数:3,763


「んん~~! 面白そうなの発見っ!!」


 そう言うと直ぐさま、謎の女性は、洗脳改造車両MAZー7410から飛び降りた。



 彼女は、二人の負傷者に向かって、駆け出して行くと、腰のホルスターからトカレフを抜き取る。


 次いで、負傷して動けない黒人男性の額に向けた。



「待てっ! 撃つなっ!?」


「ダーメっ! …………肌が黒いのはっ!」


 謎の女性は、茶髪ボブヘア女性が見ている前で、黒人男性に向けて、一回発砲した。


 突然の事に、それを眼を瞑る事も出来ずに唖然と見ていた、茶髪ボブヘアの女性。



 彼女は、差し迫った恐怖に怯えた。



「やっ! 止めてっ!? 命だけは…………」


「取らないわよっ! 貴方には仲間に成って貰うわよっ! 左翼さぁん♡」


 眼前に立つ、死神が如き謎の女性に対して、恐怖から命乞いをする、茶髪ボブヘア女性。



 そして、謎の女性は腰に手を回す。



 中央に、トライデントや死神の鎌が描かれた、紋章が付いたベルト。


 それに下げられた、ポーチを彼女は触り、蓋を開いて、中から注射器を取りだした。



「なっ? な何をするの!? ああっん♡ …………」


「安心してねっ♡ 今は怖いかも知れないけどぉ~~? 次に目覚めたら、今までの記憶を忘れて、私達のお友だちに成って居るからぁ♡」


 茶髪ボブヘアの女性には、青い液体が入った、注射器が打ち込まれた。



「さぁ誰か、この子を運びなさいっ! フフッ♡ この子は衛生兵《リッチ》として使って上げましょう…………」


 謎の女性が笑い出すと、部下たち二人が、昏睡状態に陥っている茶髪ボブヘア女性を運んだ。



 さらに、他の兵士達も命令通りに動く。



 負傷している治安維持部隊員、左翼組織に属する白人、肌の白いアラビ人など。



 その場に残っていた、負傷者を全て運んで行く。



 また、残りの黒人&肌が浅黒いアラビ人達だが。



 彼等は全て、灰色髪の狼少年が鋭い爪で、ビリビリと斬り裂いて虐殺していった。



「終わってしまったか? …………出発しろ」


「ごぼぉっ!!」


 野戦帽を被った顔に、吹き出物だらけの兵士が告げると、部隊は前進し出した。


 しかし、突如足下の死体だと思われた、浅黒い肌をした、アラビ人男性が吐血した。



「まだ息が有ったか?」


 アラビ人男性を冷たい視線を向けて見下しながら、野戦帽を被った兵士は呟く。


 そして、両手に構えた、UMP45短機関銃を、アラビ人男性の眉間に向ける。



 だが、そこから彼は突然向きを変えて歩き出した。



「どうせ苦しんで死ぬんだ? なら弾の無駄だな…………」


 野戦帽を被った吹き出物だらけの兵士は、一言呟くと、前進する部隊に加わり、先頭を歩き出した。



「頼むっ! …………せめ? …………銃ぅ…………で楽にっ! 殺し?」


 アラビ人男性は、体中全体に走る痛みに耐えて、音のする方向に視線を向ける。


 すると、そこには、巨大な淡い青色の洗脳改造車両MAZー7410が見えた。


 この兵器に着いた、大きな車輪が自らを押し潰そうと迫っている。



「たっ!! 助けてくれえーーーー!! あああ~~~~~~~~!!」


 憐れな、アラビ人男性の凄まじい叫び声が辺りに木霊したが。


 そこに居るのは、物言わぬ死体と、移動を開始した冷酷無比な兵士たちだけで有った。



 回収任務を終えた、彼等は次の目的地である、ショッピングモールへと進軍して行った。



 その頃、ショッピングモールでは既に暴動ではなく戦闘が始まっていた。


 アラビ人テロリスト達と、軍と警察の特殊部隊による激しい戦いは終わる気配がない。



「アッルーー!! ハックバル~~~~!!」


「神よ、愚かな異教徒共に負けない力を我らにっ!!」


 テロリスト等は、AK47を、ぶっぱなして、激しく特殊部隊に抵抗する。


 彼等は、商品棚や、倒れた白くて丸いテーブルの裏に隠れて居る人々を狙う。



 それは、仲間であるはずの難民や買い物に来ていた白人など。


 何の罪もない一般人を狙って、ただただ無差別に虐殺していた。



「何がっ! アッル~~! ハックバルだっ! お前らは祖国を破壊し尽くすだけでは飽きたらずに異教徒の国まで破壊して神の名までも汚すのかっ?」


 倒れた商品棚の下に隠れている、アラビ人難民である若い男性は叫ぶが。



「神よ、我ら聖戦士に天国への道を御示し下さいっ!!」


 激しい銃撃音で、若いアラビ人難民男性の声は遮られてしまう。



 そして、発砲音と弾着音だけが、辺りに響く。



 その間も、テロリスト・リーダーらしき、髭モジャ男は、大声で叫ぶように怒鳴り散らす。


 奴は、ドラムマガジンを取り付けた、AKー109を撃ち続ける。



 特殊部隊も民間人も関係無く、辺りに銃弾を乱射する、テロリスト・リーダー。



 彼を含む、テロリスト達が暴れ回る。



「きゃああっ!!」


「ぐわああああ」


 それで、モール内には、さらに多数の死傷者による死体で溢れかえってしまう。



「敵発見…………此より殲滅行動を開始する」


「ぐはああっ!?」


 そこに、全身を青と黒の重装甲に身を包んだ、巨漢が現れた。


 それは、頭部全体を覆う、ヘルメットに青い角の生えた、鬼みたいな大男だった。



 鬼みたいな大男は、テロリスト達の銃撃を物ともせず、一気に走りだす。


 商品棚越しに、AK47を連射する一人のテロリストを、商品棚ごと押し倒す。



 棚の下敷きに成り、身動きが取れなくなっている、テロリスト。


 ジタバタと踠《もが》く、奴の頭部を、大男は足でグシャリと潰してしまった。



 こうして、黄色いショッピングモールの床には、無惨な死体が残る。


 血溜まりと血飛沫《ちしぶき》が跳ねた後とともに、潰れたテロリストの目玉も転がる。



「こっ! ここ殺せっ! 偉大なる神の為に…………撃てっ!? 撃てぇーーーー!?」


 テロリスト・リーダーは叫びながら、部下達と共にAKー109を撃ちまくる。


 奴は、ドラムマガジンの残弾数が全て空に成るまで乱射するが。


 それでも、鬼のような大男を殺す事が出来ず、ジリジリと後ろに下がりだし、後退し始めた。



「さっ! さがれっ! 逃げるぞぉーーーー!?」 


 叫びつつ走り出す、テロリスト・リーダーを、追い掛けるように迫る、小柄な影が一つだけあった。



「逃っがさないよーーーー♡」


 小柄な影は、ピエロ帽子を被り、青いラバースーツに、水色の水玉模様が描かれた物を着ていた。


 その姿は、白髪ミディアムパーマヘアで、小柄な少女みたいな女性で有った。



 ピエロの女性は、スローイングナイフを三本投げると同時、片手に持ったMP7を乱射した。


 さらに、左側に位置する、テロリスト達の背中に、ナイフを命中させる。


 右側に居た、テロリスト達の胴体にも、次々と銃弾を打ち込んで行く。



「くっ! 来るなあーー! 来てみろっ! こいつがどうなっても良いのかあ~~~~!!」


「うわぁ~~~~んっ! お母さあ~~んっ!」


 テロリスト・リーダーは、卑怯にも白人の子供を人質に取る。


 次いで、子供の側頭部に、ワルサーP38を当ててながら叫ぶ。



 そうして、鬼みたいな大男と、ピエロの女性に近寄るなと、騒いだのだが。



「くそぉーーーー!! 子供を人質に取るなあっ!? 卑怯者ぉ~~~~!!」


 商品棚の下に隠れている、若いアラビ人難民・男性は、勢い良くテロリストに向かって走り出す。


 彼は、左側面から不意を突いて、タックルをぶちかます。


 その勢いで、テロリスト・リーダーは不意を突かれた事により倒れてしまう。



「くそっ!?」


 テロリスト・リーダーは、ワルサーP38を、若い難民の男性に向けるが。


 銃弾を撃つ前に、頭部に、スローイングナイフを刺されて、呆気なく死んだ。



「大丈夫か? 怪我は無いか?」


「うわぁ~~~~!! 怖かったよーーーー!!」


 若い難民の男性は、子供に優しく接して、頭を撫でていると、母親が現れる。


 母親は、若い難民の男性に深く頭を下げて、子供を救ってくれた礼を述べる。



「有り難う御座いますっ! 貴方のおかげで内の一人息子は命を救われました」


 茶髪をポニーテールに纏めた母親は、頭を何度も若い難民の男性に下げる。



「お疲れ様ですっ?」


「良くやった…………」


 若い難民の男性に、ミディアムパーマヘアをした青ピエロ姿をした女性と、鬼みたいな大男だ。



「あんたらは? 奇妙な格好をして?」


「内らはぁーー? 特殊部隊って奴よ」


 質問をした、若い難民の男性に笑顔で答えた、ピエロの女性。


 彼女に対して、若い難民の男性は、それにしても、奇妙な格好をし過ぎていると思ったが。



「大変っ!? 出血しているわよっ!」


「えっ! …………」


 青ピエロ女性に指摘された、若いアラビ人難民の男性は、膝に視線を向けるが。


 そこには、ジーンズが擦りきれてしまい膝から軽く擦りむいたのか、足から軽く血が流れ出ていた。



「大丈夫だよっ! こんなのは怪我の内に入らないって」


「あら? 負傷を嘗めたらいけないわよっ! 悪い菌が入り込んだら腫れて危険よっ!」


 青ピエロ女性は、腰のベルトに下げた布袋から、スプレー缶を取り出す。


 それを、若い難民男性の傷口ではなく、顔面に吹きかけた。



「…………なっ? ………………」


 フラりと倒れる、若い難民の男性と、それを抱える、青ピエロ女性。


 彼女は、ニヤニヤと笑いながら、負傷者を連れ出す振りをして、彼を運んでいった。



「ウフフフッ♡ この人は凄く勇敢なようね? その勇気と白い肌おかげで私達の仲間に選ばれたのよ…………感謝しなさい…………」


 ピエロの女性は、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべながら呟き、彼を抱える。


 それから、鬼のような大男と共に、モールから外へと歩いて行った。

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