【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第177話 北米大陸と南米大陸の戦い

公開日時: 2024年7月11日(木) 22:17
更新日時: 2024年7月14日(日) 09:53
文字数:4,385


 アルメア、カリフォルニア州ロサンゼルス。



 ここも、また寒冷化されていたが、雪までは降り積もっては居ない


 しかし、分厚い暗雲は北アルメア大陸全域の空を覆っていた。



「ヒャッハー!」


「イェイッ!」


 ローライダー化された、旧式の改造車が街中を爆走する。



 ローライダーとは、車体が赤や緑など派手に塗装され、車輪は小さな物を使っている車だ。



 これに乗った、チカーノ・ギャング達は、複数のローライダー車から銃を撃ちまくる。



 片手で撃てるイングラム、金ピカに装飾されたAK47、カールグスタフ短機関銃。


 これらを撃ちまくる彼等は、全身に妻や父母の黒タトゥーを入れて、シャツを着るラフな姿だった。



「待てっ! そこの車、止まれっ!」


「止まらないと、撃つぞっ!」


「発砲しろっ!!」


「撃つしかないっ!!」


 そう言いながら、帝国警察隊員や配下のロス市警たちは、拳銃を発砲する。



 しかし、そこに大型トラックが走ってきた。



「ごきげんよう、皆さん」


「があああ、あ?」


「ぐぇぇーー!?」


 窓が開くと、中から野戦帽を被った、連合軍兵士が口から毒ガスを噴射してきた。


 トラックを運転していたのは、毒撃兵スパルトイであり、奇襲攻撃を行ったワケだ。



 これにより、猛毒を吹き掛けられた帝国警察隊員たちは、苦痛に悶え、首を押さえて倒れてしまう。



「止まれっ! 止まれーー!」


「射撃するぞっ!!」


 他所でも、チカーノ・ローライダーズに気を取られた、帝国軍兵士が、M4A1を撃ちまくる。


 歩道左側で巡回していた、二人は奇襲攻撃に対処しようと躍起になる。



 だが、やはり連中には、一台の不振なクリーム色をした、シボレー・テクニカルが迫ってくる。



「喰らえっ!」


「ぐええっ!」


「うわあぁ…………」


 疾走しながら、シボレーの左側から歩道に向かって、勢いよく粘液が飛ばされた。


 粘液から発せられる、揮発性の高い細菌により、二人はすぐに口から泡を吹いて倒れた。



 これは、細菌兵デバッグ・ソルジャーによる攻撃だ。



「撃ちまくれば、これくらい、どうと言う事はないっ!」


 シュヴァルツ・リッターは、M60汎用機関銃をランボーのように激しく乱射する。


 しかし、いくら途切れなく弾幕を張ろうとも、黄色や白のローライダーには当たらない。



 何故か分からないが、全ての弾が、すり抜けてしまうのだ。



「クソがっ! 何で当たんねーーんだよっ!」


「その答えはな…………」


 赤いフードを被った黒人ギャングが、背後から近寄り、シュヴァルツ・リッターに爆薬を付けた。



「な、貴様ああああっ!」


「俺たち、ブラッズを嘗めんなよっ!」


 後ろからの気配を察知した、シュヴァルツ・リッターは背中に手を回したが、すでに手遅れだった。


 それから踵を返した、ブラッズ構成員は狭い路地へと消えてゆく。



「ぐおおーーーー!!」


 急ぎ、鎧を脱ぎ捨てようとした、シュヴァルツ・リッターは咆哮を上げながら爆散した。


 周囲の道路に、被っていた、一本角が生えた防弾ヘルメットが転がる。



「ああ、答えをまだ言ってなかったなぁ? ローライダーに弾が当たらないのは、俺や仲間たちの幻影魔法だよ、クック…………」


 ブラッズ構成員は、そう言いながら自らの分身を増やしていく。



 彼は、連合側の幻術兵ドリーマーだった。



 アルメア・メヒシコ・キャナダ等、これら北米地域は帝国の支配下にあった。


 だが、今や抵抗勢力による一斉蜂起により、あらゆる場所が戦場と化していた。



 ブラジラ、リオデジャネイロ、イパネマ。



 ここは、治安維持が優先され、寒冷化措置は行われていなかった。



「うわーーーー!?」


 ドンッと言う音がすると、帝国警察隊員の死体が道路に頃がっていた。


 そして、ホテルの屋上では、ギャング達がAK47やM4を空に向けて撃ちまくっていた。



「コマンドPCCの復讐だっ!」


「うおおーーーー!!」


「うらあーーーー!?」


 赤いシャツ姿のラテン系が叫ぶと、仲間たちも雄叫びを上げる。


 コマンドPCCとは、リオデジャネイロを拠点としていた、巨大なギャング組織だ。



 別名、首都第一コマンドとも呼ばれる。



「下から来るぞっ!」


「撃ち殺せっ!」


 コマンドPCCの白人ギャングと黒人ギャングは、AK47をビルの真下に撃ちまくる。


 ビルの真下でも、帝国警察の黒いパトカーに向けて銃撃が行われていた。



 当然ながら、彼等は、非常に凶悪なギャング組織である。



 かつて、州軍警察や特殊部隊BOPE《ボッピ》などとは、ファベーラと呼ばれる貧民街《スラム》で派手に戦った。



 しかし、この区域は、余りにも犯罪件数と殺人発生率が高過ぎるため、治安改善が成された。


 ブラジラ警察とジューポンから派遣されてきた警察官により、福祉サービスが導入されたのだ。



 これにより、この地域には、交番と移動警察が使用するバンで、犯罪率が低下した。



 それも劇的にだ。



 だが、ファベーラ全体が破壊されてしまい、跡地には帝国警察の基地が建設された。


 その時、コマンドPCC&ファベーラに住んでいた住民たちは、強制的な立ち退きが成された。



 当然ながら、コマンドPCCのギャング達は抗争を仕掛け、貧民たちも大規模なデモを行った。


 それ故、帝国軍・帝国警察による大虐殺と言う悲劇が起きた。



「ファベーラの復讐をっ!」


「帝国と警察の暴力に反対だっ!」


「ぐわぁ? 頭を下げろっ!」


「も、燃えるぞっ! 離れろっ!」


 応援に現れた、黒いパトカーが、コマンドPCCの標的にされる。


 彼等は、ホテルの中から出てくると、即座に襲撃を開始する。



 ラテン系ギャングが、M1ガーランドEBRを何発も撃ち、アジア系ギャングも火炎瓶を投げる。



 彼等が狙うのは、帝国警察が使用する青いパトランプを灯す、黒いランボルギーニだ。


 これは、強引に押収されて、パトカーに改造された車両だ。



 そのため、彼等は激しい攻撃を行うわけだ。



 ランボルギーニ・パトカーに乗っていた帝国警察隊員たちは、すぐにドアから離れてゆく。



「今だっ! 喰らえっ!」


「逃げきれると思うなよっ!」


 ワータイガーの姿と化した、黒人ギャングが警察隊員を背中から、二刀流マチェットで斬り倒す。


 大型散弾銃を構えた、白人ギャングが発砲して、背中から警察隊員に大量の散弾を浴びせた。



「急げ、次が来るぞっ!」


「分かってるぜ」


 ワータイガーは、二刀のマチェットを背中に背負った茶色い鞘に素早くしまう。



 白人ギャングの散弾銃は、かつてブリティン海軍で使用されていた、ボレーガンを彷彿《ほうふつ》させる。


 何故ならガトリングのように何本も銃身が束ねられていたからだ。



 おそらく、違法改造された物だろう。



「さあ、こっちだっ!」


 仲間のインディオ系ギャングが、二人をホテル内から呼ぶ。


 壮絶な戦闘を、BOPEとは何度も繰り広げた彼等だが、しばらく地下や森林に逃亡していた。



 その間も、他国のレジスタンス組織と同じく、抵抗運動を行っていた。


 もちろん、それにより、帝国警察や配下となったBOPEとの戦いは続いた。



「警察だっ! 無駄な抵抗はよせっ!」


「ホテルは方位されているっ!」


 真っ黒く塗装された、パフィカドール装甲車、カベッロー装甲車が、ホテル前に現れた。


 中からは、帝国傘下に着いた、特殊警察作戦大隊BOPEの隊員たちが続々と出てくる。



 黒いベレー帽を被る隊員は、マドセン軽機関銃を装甲車の後部から構えて撃ち続ける。


 フリッツ・ヘルメットを被った隊員も、オチキス軽機関銃を撃ちまくり、保弾板を移動させる。



 他の隊員たちも、インベルIA2を抱えながら装甲車に隠れるべく、後ろ側へと素早く移動する。



「オラッ! オラッ! 公権力を嘗めんなよっ!」


「援護するっ! このまま突っ込むぞっ!」


「あのオオカミ野郎に集中しろっ!」


「ふざけんなっ! 来るんじゃねぇっ!」


 トーラスPT92を両手に握った、ワーウルフのBOPE隊員は、乱射しながら走ってゆく。


 また、彼にLAPA、FAー03ブルパップライフルで支援しながら、オーガーも駆け出していく。



 それに応戦しようと、ホテル内から白人ギャングが片手でトーラス・ジャッジを撃ち散弾を放つ。


 同じく、黒人ギャングがトーラス・レイジングブルを両手で構えて、マグナム弾を撃ちまくる。



「絶対に近寄らせるなっ!」


「魔法で止めるっ!」


「ぐうああああーーーーーー」


「ぎゃあっ!!」


 M4を連射しながら黒人ギャングが、敵を牽制する中、白人ギャングが両手から火炎魔法を放つ。


 流石に、魔法には勝てなかったらしく、ワーウルフとオーガー達は火達磨となる。



 しかし、オーガーは全身を防弾鎧に包まれているため、そう簡単には死なない。


 

「クソ…………何とか助けないと」


「は? アレはっ!」


 コマンドPCCは、BOPE側を見事に撃退したかと思えた。


 しかし、BOPEの隊員たちは援軍が来たことが分かった。



「うわーー!? 突っ込んできやがるぞっ!」


「ヤバいっ! 戦車かっ!」


 ホテルに建て込もっていた、コマンドPCCのギャング達は慌てて奥へと逃げ出す。


 彼等が見たのは、黒いパワーローダーだった。



 それは、勢いを下げることなく、ホテルの正面玄関へと突っ込んできた。



「ぐわぁーーーー!?」


「ぎゃあっ!」


「ぐお…………?」


 何人ものコマンドPCCたちが、パワーローダーに踏み潰され、呆気なく絶命する。


 次いで、いきなり突っ込んできた、この重機に集中砲火が浴びせられる。



「撃ち殺せ、仲間の仇だっ!」


「やっちまうんだっ!」


 AK47やトーラス・ジャッジなどが、コマンドPCC達により撃ち込まれる。


 だが、パワーローダーの窓は防弾仕様となっているらしく、全然銃弾が貫通しない。



「喰らえっ!」


「ぐお?」


「ぐぇ…………」


「がああっ!?」


 弾倉が空になり、隙が出来た瞬間を狙って、操縦席から金髪のBOPE隊員が飛び出す。


 それと同時、彼はスローイングナイフや金コイン等を連続で投げる。



 刃が眉間に刺さったり、コインが首にめり込んだ、コマンドPCC達は倒れてしまう。


 また、最後はギャングを、背中の鞘から抜いた日本刀で、頭上から真っ二つに切り裂く。



「クソ、反撃だっ!」


「させるかっ!」


 AKを乱射しようとした、ギャングに対して、金髪のBOPE隊員は、PT900ピストルを撃つ。



「う…………」


 一瞬だけ素早かった奴の銃撃により、マグナム弾を浴びたギャングは苦しそうに呻きつつ死亡した。



「このまま、他の…………グフ?」


「それも、させねーーよっ!」


 BOPE隊員の腹部を、鋭いマチェット飛び出していた。



 背後から、ワータイガーが奇襲を仕掛けたのだ。



「おい、サツが来るぞっ!」


「よし、ズラかろうっ!」


 ボレーガン型の散弾銃を構えた、白人ギャングが走ってくる。


 ワータイガーも、それに合わせて、ホテル内から脱出するべく逃走を開始した。



 南米大陸は、山林や大河などにより勢力圏が分断されて複雑な地域となっていた。


 ある国は帝国側に、また別な地域は連合側にと言う具合にである。



 しかし、ここでも、連合軍やレジスタンス達は戦いを行っていた。

 面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。


 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート