【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第74話 鼻が曲がる程臭う水路での激闘2

公開日時: 2024年7月10日(水) 01:10
更新日時: 2024年7月12日(金) 23:13
文字数:3,039


「やったわっ! でも何が?」


「爆発したっ?」


 爆風により防盾《シールド》ごと四散した、NSV重機関銃の機関銃手。


 H&K、MG4分隊支援火器を連射していた、シュヴァルツ・リッター。



 連中の無惨な残骸を見た、レギナとティエン達は驚いてしまう。



 二人は、連続して飛んでくる銃弾から身を守るため、出口の壁裏に隠れていた。


 それで、密かに飛んでいた、味方が飛ばした、ドローンの存在には気がつかなかったからだ。



「そんな事より、他の皆は何処へ行ったの?」


「大丈夫よ、直ぐに来るわっ!」


 壁裏に張り付き、他の仲間達が何処に居るのだと所在を問うティエン。


 彼女に対して、未だ、こちらに銃弾を飛ばし続ける、帝国軍部隊。



 連中を、角から顔を少し出して覗いて様子を伺う、レギナは答える。



「…………来たわよっ!」


 じっと、下手に身動きせず、壁裏から敵の様子を伺っていた、レギナ。


 彼女は、帝国軍部隊の背後から、味方が来たことを視認した。



「うっ!?」


「誰だ?」


「撃たれ…………た」


 帝国軍部隊の兵士達が、数人ほど、立て続けに倒れていく。


 それで、帝国軍兵士たちは、何処から攻撃されたのかと混乱に陥るが。


 連中は、直ぐに背後から銃弾が飛んで来たのだと理解した。



 すると、連中は暗闇の中に、レジスタンス達が存在することも見つけた。



 それで、後方にも即座に銃撃を開始した。



「連中は、あそこに居るぞっ!」


「直ちに排除します」


 帝国軍兵士たちによる銃撃に対して、二人は即座に反撃する。


 暗闇からサプレッサーを装着した、AK74をハーミアンは構える。


 C7CTマークスマンライフルを、リュファスは両手に握る。



 彼等は、攻撃したあと、直ちに消音武器による暗殺射撃を止めて、壁裏に隠れた。



「撃ち返して来たわ、隠れてっ!」


「言われ無くても分かっているさ」


 銃撃から逃れるため壁裏に、サッと素早く身を隠した、ハーミアンとリュファス達だが。


 二人が隠れた場所の角には、敵が放った銃弾が飛んできた。



 その弾丸は、コンクリート壁に小さな穴を幾つも開ける。



「こっちで音がしたぞっ!」


「本当だ、銃撃音がする」


「敵発見っ!」


「掃討する」


 壁裏に隠れた、ハーミアンとリュファス達を含む、レジスタンス達だが。


 その背後から、レジスタンス・帝国軍部隊と、双方から増援が現れた。



 彼等は、互いの姿を視認すると、我先にと機先を制して、相手方を押さえ込もうと銃火を交えた。



「ぐっ! …………私の毒を喰らいなさいっ!」


「俺のマジックで愉快な死に様を見せてくれよ」


 レジスタンス達から銃撃を受けた、五人の帝国軍兵士たちだったが。


 そこから、兵士二名が、銃弾が自らの身体を貫通することを気にせず、突撃を敢行してきた。



 一人は、フリッツ・ヘルメットを被った、バクテリエラー・ゾルダートの女性兵士だ。



 もう一人は、黒と青色の丸い王冠を被り、袖と襟足が青く縁取られた、黒いジャケットを着ている。


 コイツは、マジシャン姿のミミックマスターである。



「デス・ロープ、ボンバーカード」


「げぇっ!!」


 ミミックマスターは、顔に薄ら笑いを浮かべつつ動き出した。


 奴は口から、一見すると何の変哲も無い短い縄&トランプ・カードを取り出す。



 その二つを、レジスタンス達へと投げ飛ばしてきた。



 バクテリエラー・ゾルダートも走るのを、一旦止めると、次いで顔を上に向ける。


 それから、頭を一気に振って、口から大量に細菌が混ざった、紫色の毒液を吐き飛ばした。



「ぐぅぅっ! 苦…………」


『ボンッ!』


「うわっ!」


 ミミックマスターの攻撃を受けた、先頭を走っていた、二人のレジスタンス達だが。


 右側の赤いベレー帽を被った、レジスタンス員がまず殺られてしまう。


 彼には、飛んできたピンッと棒のように伸びた縄が首に巻き付く。



 それで、ギチギチに絞められてしまい、地面に倒れてしまった。


 また、彼は両手で何とか、喉を絞める縄を解こうとするが。


 余りに酷い苦しみに耐えられず、のたうち回る事しか出来なくて、息絶えてしまった。



 もう一人、頭に緑色のバンダナを巻いた、レジスタンス員だが。


 彼も、胸元で爆発したトランプのカードに因って、後方へと弾き飛ばされてしまった。



「くそっ! 二人殺られたぞ」


「怯むな、撃ち返せーー」


 残り五人となった、レジスタンス達の足下に、紫色の粘液が落ちる。


 すると、彼等の内、三人は突然地面に倒れて苦しみ出した。



「うっ?」


「ぁっ!」


 吐き出された粘液には、普通の人間に取っては、猛毒である細菌が多量に含まれている。


 レジスタンス達は、それを見たが、もう遅い。



 バクテリエラー・ゾルダートの口から吐き飛ばされた、粘液の軌道と落ちた場所だが。


 それを、暗闇で視界の悪い為に、レジスタンス達は見切る事が出来なかった。



 そして、揮発性が高い、毒粘液の効果を、直に受けてしまう。


 それにより、彼等はもがく暇も無く即死してしまった。



「不味い、放れろっ!」


「クソがっ!」


 残り二人となった、レジスタンス達は、自身らを狙って、銃弾が飛び交う中を走る。


 そして、今来たばかりの他の地下道に続く出口へと、踵を返して向かって行く。



 そして、地下通路奥の曲がり角に身を隠した。



「貴方達、彼処に隠れた連中を任せたわよっ」


「了解です」


「了解しました」


 バクテリエラー・ゾルダートの命令を聞いた、帝国軍兵士たち。


 連中は、短く返事をすると、命令通りに素早く銃を構えた、連中は連射しまくる。



 下水道を流れる汚水の川。



 それを挟んだ、向かい側奥の通路へと逃げた、二人に連中は制圧射撃を加えた。



「後は任せて、俺達は奴等を挟み撃ちにっ?」


「させるかよっ!」


 こちらに向かって走って来た、バクテリエラー・ゾルダート&ミミックマスターだったが。


 連中に、サプレッサー付きクリス・ヴェクターの銃口をウェストは向ける。


 彼は、ドラムマガジンの弾倉が弾切れに成るまで乱射して、連中を足止めしつつ見事に倒した。



「まだ敵は存在するからな、気を抜くなよ」


「そんな事より早く撃ち返してってば」


 仲間達を気遣い、ハキムは壁に背中を預けながら指示を飛ばす。


 彼に対して、河川哨戒艇リベラシオンの後部甲板から、帝国軍兵士は銃撃してくる。



 メルヴェは、角から身を出して、奴にMKEKーMPTライフルを向けて応戦する。



「そうだな」


 今度は、ハキムが動き出し、メルヴェが隠れた瞬間、ムーディーAKMSを連射する。


 それに続いて、彼の下から屈んで、ナタンもFAーMASを三点バースト射撃させる。


 互いに、挟み撃ち状態になってしまった、レジスタンス・帝国軍部隊。



 彼等は双方共に、銃を激しく撃ち合う。



 そして、暗い下水道内の彼方此方《あちらこちら》で、銃声を絶やす事なく連続で鳴らす。



「段々有利に成ってきたな」


「後はゾンビ達だけね、畳み掛けるわよっ!」


「行くぞ」


 残り僅かとなった、帝国軍兵士達を少しずつ倒していく、ナタン達レジスタンス。


 彼等は、戦況が自分達にとって、有利に傾いたと判断する。


 また、更なる銃撃を加えて、周囲に散らばる、帝国軍兵士達を蹴散らすように次々と倒していった。



「がはっ!」


「ぐふっ!」


 ハルドル・メルヴェ・ナタン達は、残存する帝国軍兵士を、一人、また一人と倒していく。



 こうして、ついに全ての敵を殲滅する事に成功した。



「あんた等は無事かぁーー?」


「ああ無事だ、お陰で助かった」


「そっちわぁーー?」


「何とか無事だーー」


 ウェストが、四人のレジスタンス達に、声をかけると、彼等も感謝してきた。


 ティエンも生き残った、二人のレジスタンス達に声を掛ける。



 すると、彼等も無事だと返事してきた。

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