帝国軍の猛攻振りに、イズライル軍&チィーナ軍部隊は撤退を余儀なくされた。
一階に降りた、ナタンとメルヴェ達を味方部隊が出迎えた。
「こっちだっ! 反撃の準備をしろっ!」
「負傷者は奥に運べ」
M16A1を背中に背負った、緑色フリッツ・ヘルメットのラテン系兵士は、土嚢に隠れつつ叫ぶ。
彼は、アルメア軍でも使用されている、ウッドランド迷彩服を着ていた。
腹には、茶色い防弾プレートの上に同じ色に染色された、タクティカルベストを装着している。
迷彩カバー&ベージュ色ゴーグルの付いた、ECHヘルメットを被る兵士が、負傷者を誘導する。
それにより、イズライル軍やチィーナ軍の負傷者たちが奥へと搬送される。
誘導作業が終わると、FXー05、シウコアトルを手にした彼は、柱の陰に隠れた。
「俺達も、防衛戦に加わるっ!」
「なら、そこのドラム缶や土嚢に隠れるんだな」
柱の陰に居る兵士に、ナタンは声をかけると、ドラム缶をロープで纏めた遮蔽物に行けと言われた。
彼も、ラテン系であり、深緑・緑・茶・黒からなる、デジタル・ウッドランド迷彩服を着ている。
弾帯付き防弾ベストに、両脚にも、上から弾倉が見えている弾帯を装着している。
「突入しろっ!」
「敵を殲滅するっ!」
「カルロス、敵が直ぐそこまで来ているぞっ!」
「分かっている、」
帝国軍兵士たちが急いで走る足音が、ナタン達に聞こえてくる。
中には、シュヴァルツ・リッター&オーガーの駆けてくる重たい音も混じる。
FXー05、シウコアトルを持った兵士は、仲間に敵が近いと叫ぶ。
M16A1を持った兵士は、カルロスと言われて、引き金を動かす準備をする。
『待機します』
『敵が接近中』
「不味いな…………」
「ミゲル、敵は近いのか?」
「私達も援護するわ」
RPGー7を構えた、REEMロボアーミーは、柱の裏で敵を待ち構える。
ウージーを右手に、防弾盾を左手に持った、REEMロボアーミーは、後方で待機する。
FXー05、シウコアトルを持つ兵士は、ミゲルと言うらしい。
リーシアンは、M4A1突撃歩槍を抱えながら、三枚も並べられた、防弾板の後ろに移動する。
ユーシンも、57式歩槍を、防弾板の裏で構えながら突撃を警戒する。
「二人とも、敵は近づいてきている、もう直ぐだ」
ミゲルは、そう答えながら柱の陰から動かない。
「ナタン、連合軍は来ているのかしら…………」
「戦闘機は、上空を飛んでいるが? 分からないな」
メルヴェは、バレットM82をドラム缶に立て掛けながら、不安そうな表情で話しかけてきた。
ナタンも、MASー1935を構えながら答えるが、連合軍が近いのかは正直自身にも不明だ。
彼は、取り敢えず、辺りを見渡して周りの遮蔽物を探す。
左側には、防弾板に、アシュア系兵士たちが二名も隠れている。
そこから手前には、柱の陰で、ミゲルが待ち伏せしている。
右側では、柱の裏からREEMロボアーミーがRPGー7を構えて待機している。
また、土嚢に隠れた、マフディとカイリー達が、身を伏せつつ顔だけ出して、敵の出方を伺う。
「後ろは…………」
「設置完了、私は大丈夫だよ?」
「こっちもさっ!」
「そろそろか」
「来るわよ」
「…………ふぅーー?」
ナタンは、背後にある複数の遮蔽物にも、兵士達が潜んでいる様子を見た。
土嚢の裏に、女性兵士たちが、忙しそうに武器を準備している。
ナタリーは、三脚に搭載された、デューシカ38重機関銃を両手で握る。
カトリーヌも、デューシカ38歩兵支援用火器に着いた、二脚を展開していた。
そこから、左側にある二枚の防弾板には、シルビアとレジーヌ達が見えた。
右側のドラム缶を纏めた物では、フランシーヌがストックレスAKを両手で握っている。
「勢揃いしているな…………」
この奥にも、大量に遮蔽物へと隠れる、イズライル兵・チィーナ兵・自衛隊員たちが存在する。
ナタリーは、それらを見ると、再び前を向いた。
「来るぞっ! いや、待てっ!」
「罠を仕掛けて来たよ、これで何人かは死ぬよ? ああ、あと、何人か殺しといたから」
ミゲルが銃を向けた瞬間、前方からベリー・レパードが現れた。
「ぎゃああああっ!」
「ぐわああっ!?」
「私は、後方から狙撃させて貰うからね?」
爆発音とともに、帝国兵の悲鳴や叫び声が木霊する中、ベリー・レパードは悠々と歩いていく。
そして、彼女はサプレッサー付きSV98のボルトを引きながら歩いていった。
「次が本番だっ!!」
「来るぞ、いや、手榴弾だっ! 離れろっ!!」
ミゲルとカルロス達が叫ぶと、手榴弾が幾つも投げられてきた。
それが、炸裂すると、連合軍側は怯んでしまい、さらに再び無数の爆発音が鳴る。
「グオオッ! ガアアアアッ!」
「グラアアーーーー!?」
広い室内の真ん中に、とつぜん大穴が開いたかと思うと、ゾンビ達が走り出してきた。
また、左右両側の壁も崩れて、動く使者たちが雪崩れ込んできた。
「後方からだっ!!」
「カイリー、前からも来るぞっ!」
カイリーが叫ぶと、マフディは前方から敵が攻めてきたと思い、FALを撃つ。
しかし、現れたのは、ネレフタを中心とする、プレットフォルマーM部隊だった。
『敵発見、直ちに撃破します』
REEMロボアーミーは、RPGー7で、ネレフタを撃破する。
だが、その後ろから再び、ネレフタ部隊が登場する。
「ロボット兵器だっ!! 俺達では対処できないっ!」
「私達に任せなっ!」
「やってやるよっ!」
マフディは、手榴弾を一個だけ投げつけると、後方へと走っていく。
ナタリーは、三脚に搭載された、デューシカ38重機関銃を機銃掃射させる。
カトリーヌも、デューシカ38歩兵支援用火器を猛烈に火を吹かせる。
手榴弾は爆発して、プレットフォルマーMを二台だけ破壊した。
二人の銃撃で放たれる大口径弾も、ネレフタ豆戦車部隊を、次々破壊していく。
「グオオーーーー!」
「ガアアアアッ!」
「来やがったねっ!?」
「来るなら来なっ!」
中央付近で、重機関銃を撃っている二人は当然だが目立ち、ゾンビの群れが近付いていく。
ナタリーは、SKSカービンを撃ちまくり、カトリーヌはMASー38短機関銃を連射する。
「二人を援護しないとっ! メルヴェ、ここは任せたっ!」
「ちょっ! 仕方ないわね?」
ナタンは、MASー1935を片手に走り出しながら、メルヴェに正面の敵を任せた。
それで、彼女は仕方なく、バレットM82をネレフタに撃ち込む。
「おい、マフディ見たいに下がるぞっ! 援護するっ!」
「ユーシン、我々も下がるっ!」
「了解ですっ!」
カイリーは、手榴弾を転がしながら、ネレフタとプレットフォルマーMを破壊する。
リーシアンも、手近にあった梱包爆薬をなげると、ユーシンが57式歩槍で撃って爆発させる。
「ミゲルッ! 後退だっ!」
「ああっ!」
カルロスとミゲル達も、発煙弾を投げて、敵のロボット戦車隊から逃げる。
「ガアアアアアアッ! グア?」
「グゥーーーー!? グオオ…………」
「ガアアァァァァッ!!」
「ゴアアアア~~~~!!」
「不味いわ、マッチョな奴が来たわっ!」
「これじゃ…………」
ナタリーは、SKSカービンの弾が切れると、MAC50拳銃を撃つ。
カトリーヌは、MASー38短機関銃で、ゾンビを倒す。
しかし、雑魚はともかく、マッチョ・ゾンビを前にして、二人の銃撃は効果がなかった。
「不味いっ!! お前ら、こっちだっ!?」
「グア? グオオーーーー!」
「ガア? ガアアアアッ!!」
ナタンのMASー1935による射撃を浴びた、マッチョ・ゾンビ達は、彼に狙いを定めた。
「グオオーーーーーー」
「ガアガアッ! グ…………」
「今度は、俺か?」
ナタンは、踵を返して、マッチョ・ゾンビ達から逃げたが、その直前一匹だけ吹き飛ぶ。
「ナタン、もう弾切れっ! 後は何とかしてっ!」
「そうは言ってもっ! ん?」
「グア? グオオッ!! …………」
「グオオオオオオーーーー!? グャ…………」
「味方の射線に入ってなきゃ、撃てるんだよっ!」
メルヴェは、そう言いながら、バレットM82を床に捨てて走り出す。
ナタンは、後ろを振り返って、マッチョ・ゾンビ達を見た。
腹を撃たれた奴は、起き上がると再び駆け出した。
また、もう一体も、未だ執拗に追いかけてきていた。
しかし、二体とも、カトリーヌのデューシカ38歩兵支援用火器に撃たれて、細切れにされた。
面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。
あと、生活費に直結するので、頼みます。
(^∧^)
読み終わったら、ポイントを付けましょう!