【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第280話 連合軍は窮地に陥る

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:21
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:37
文字数:3,339


 帝国軍の猛攻振りに、イズライル軍&チィーナ軍部隊は撤退を余儀なくされた。


 一階に降りた、ナタンとメルヴェ達を味方部隊が出迎えた。



「こっちだっ! 反撃の準備をしろっ!」


「負傷者は奥に運べ」


 M16A1を背中に背負った、緑色フリッツ・ヘルメットのラテン系兵士は、土嚢に隠れつつ叫ぶ。



 彼は、アルメア軍でも使用されている、ウッドランド迷彩服を着ていた。


 腹には、茶色い防弾プレートの上に同じ色に染色された、タクティカルベストを装着している。



 迷彩カバー&ベージュ色ゴーグルの付いた、ECHヘルメットを被る兵士が、負傷者を誘導する。


 それにより、イズライル軍やチィーナ軍の負傷者たちが奥へと搬送される。



 誘導作業が終わると、FXー05、シウコアトルを手にした彼は、柱の陰に隠れた。



「俺達も、防衛戦に加わるっ!」


「なら、そこのドラム缶や土嚢に隠れるんだな」


 柱の陰に居る兵士に、ナタンは声をかけると、ドラム缶をロープで纏めた遮蔽物に行けと言われた。



 彼も、ラテン系であり、深緑・緑・茶・黒からなる、デジタル・ウッドランド迷彩服を着ている。


 弾帯付き防弾ベストに、両脚にも、上から弾倉が見えている弾帯を装着している。



「突入しろっ!」


「敵を殲滅するっ!」


「カルロス、敵が直ぐそこまで来ているぞっ!」


「分かっている、」


 帝国軍兵士たちが急いで走る足音が、ナタン達に聞こえてくる。


 中には、シュヴァルツ・リッター&オーガーの駆けてくる重たい音も混じる。



 FXー05、シウコアトルを持った兵士は、仲間に敵が近いと叫ぶ。


 M16A1を持った兵士は、カルロスと言われて、引き金を動かす準備をする。



『待機します』


『敵が接近中』


「不味いな…………」


「ミゲル、敵は近いのか?」


「私達も援護するわ」


 RPGー7を構えた、REEMロボアーミーは、柱の裏で敵を待ち構える。


 ウージーを右手に、防弾盾を左手に持った、REEMロボアーミーは、後方で待機する。



 FXー05、シウコアトルを持つ兵士は、ミゲルと言うらしい。



 リーシアンは、M4A1突撃歩槍を抱えながら、三枚も並べられた、防弾板の後ろに移動する。


 ユーシンも、57式歩槍を、防弾板の裏で構えながら突撃を警戒する。



「二人とも、敵は近づいてきている、もう直ぐだ」


 ミゲルは、そう答えながら柱の陰から動かない。



「ナタン、連合軍は来ているのかしら…………」


「戦闘機は、上空を飛んでいるが? 分からないな」


 メルヴェは、バレットM82をドラム缶に立て掛けながら、不安そうな表情で話しかけてきた。


 ナタンも、MASー1935を構えながら答えるが、連合軍が近いのかは正直自身にも不明だ。



 彼は、取り敢えず、辺りを見渡して周りの遮蔽物を探す。



 左側には、防弾板に、アシュア系兵士たちが二名も隠れている。


 そこから手前には、柱の陰で、ミゲルが待ち伏せしている。



 右側では、柱の裏からREEMロボアーミーがRPGー7を構えて待機している。


 また、土嚢に隠れた、マフディとカイリー達が、身を伏せつつ顔だけ出して、敵の出方を伺う。



「後ろは…………」


「設置完了、私は大丈夫だよ?」


「こっちもさっ!」


「そろそろか」


「来るわよ」


「…………ふぅーー?」


 ナタンは、背後にある複数の遮蔽物にも、兵士達が潜んでいる様子を見た。


 土嚢の裏に、女性兵士たちが、忙しそうに武器を準備している。



 ナタリーは、三脚に搭載された、デューシカ38重機関銃を両手で握る。


 カトリーヌも、デューシカ38歩兵支援用火器に着いた、二脚を展開していた。



 そこから、左側にある二枚の防弾板には、シルビアとレジーヌ達が見えた。



 右側のドラム缶を纏めた物では、フランシーヌがストックレスAKを両手で握っている。



「勢揃いしているな…………」


 この奥にも、大量に遮蔽物へと隠れる、イズライル兵・チィーナ兵・自衛隊員たちが存在する。



 ナタリーは、それらを見ると、再び前を向いた。



「来るぞっ! いや、待てっ!」


「罠を仕掛けて来たよ、これで何人かは死ぬよ? ああ、あと、何人か殺しといたから」


 ミゲルが銃を向けた瞬間、前方からベリー・レパードが現れた。



「ぎゃああああっ!」


「ぐわああっ!?」


「私は、後方から狙撃させて貰うからね?」


 爆発音とともに、帝国兵の悲鳴や叫び声が木霊する中、ベリー・レパードは悠々と歩いていく。


 そして、彼女はサプレッサー付きSV98のボルトを引きながら歩いていった。



「次が本番だっ!!」


「来るぞ、いや、手榴弾だっ! 離れろっ!!」


 ミゲルとカルロス達が叫ぶと、手榴弾が幾つも投げられてきた。


 それが、炸裂すると、連合軍側は怯んでしまい、さらに再び無数の爆発音が鳴る。



「グオオッ! ガアアアアッ!」


「グラアアーーーー!?」


 広い室内の真ん中に、とつぜん大穴が開いたかと思うと、ゾンビ達が走り出してきた。


 また、左右両側の壁も崩れて、動く使者たちが雪崩れ込んできた。



「後方からだっ!!」


「カイリー、前からも来るぞっ!」


 カイリーが叫ぶと、マフディは前方から敵が攻めてきたと思い、FALを撃つ。


 しかし、現れたのは、ネレフタを中心とする、プレットフォルマーM部隊だった。



『敵発見、直ちに撃破します』


 REEMロボアーミーは、RPGー7で、ネレフタを撃破する。


 だが、その後ろから再び、ネレフタ部隊が登場する。



「ロボット兵器だっ!! 俺達では対処できないっ!」


「私達に任せなっ!」


「やってやるよっ!」


 マフディは、手榴弾を一個だけ投げつけると、後方へと走っていく。



 ナタリーは、三脚に搭載された、デューシカ38重機関銃を機銃掃射させる。


 カトリーヌも、デューシカ38歩兵支援用火器を猛烈に火を吹かせる。



 手榴弾は爆発して、プレットフォルマーMを二台だけ破壊した。


 二人の銃撃で放たれる大口径弾も、ネレフタ豆戦車部隊を、次々破壊していく。



「グオオーーーー!」


「ガアアアアッ!」


「来やがったねっ!?」


「来るなら来なっ!」


 中央付近で、重機関銃を撃っている二人は当然だが目立ち、ゾンビの群れが近付いていく。


 ナタリーは、SKSカービンを撃ちまくり、カトリーヌはMASー38短機関銃を連射する。



「二人を援護しないとっ! メルヴェ、ここは任せたっ!」


「ちょっ! 仕方ないわね?」


 ナタンは、MASー1935を片手に走り出しながら、メルヴェに正面の敵を任せた。


 それで、彼女は仕方なく、バレットM82をネレフタに撃ち込む。



「おい、マフディ見たいに下がるぞっ! 援護するっ!」


「ユーシン、我々も下がるっ!」


「了解ですっ!」


 カイリーは、手榴弾を転がしながら、ネレフタとプレットフォルマーMを破壊する。


 リーシアンも、手近にあった梱包爆薬をなげると、ユーシンが57式歩槍で撃って爆発させる。



「ミゲルッ! 後退だっ!」


「ああっ!」


 カルロスとミゲル達も、発煙弾を投げて、敵のロボット戦車隊から逃げる。



「ガアアアアアアッ! グア?」


「グゥーーーー!? グオオ…………」


「ガアアァァァァッ!!」


「ゴアアアア~~~~!!」


「不味いわ、マッチョな奴が来たわっ!」


「これじゃ…………」


 ナタリーは、SKSカービンの弾が切れると、MAC50拳銃を撃つ。


 カトリーヌは、MASー38短機関銃で、ゾンビを倒す。



 しかし、雑魚はともかく、マッチョ・ゾンビを前にして、二人の銃撃は効果がなかった。



「不味いっ!! お前ら、こっちだっ!?」


「グア? グオオーーーー!」


「ガア? ガアアアアッ!!」


 ナタンのMASー1935による射撃を浴びた、マッチョ・ゾンビ達は、彼に狙いを定めた。



「グオオーーーーーー」


「ガアガアッ! グ…………」


「今度は、俺か?」


 ナタンは、踵を返して、マッチョ・ゾンビ達から逃げたが、その直前一匹だけ吹き飛ぶ。



「ナタン、もう弾切れっ! 後は何とかしてっ!」


「そうは言ってもっ! ん?」


「グア? グオオッ!! …………」


「グオオオオオオーーーー!? グャ…………」


「味方の射線に入ってなきゃ、撃てるんだよっ!」


 メルヴェは、そう言いながら、バレットM82を床に捨てて走り出す。


 ナタンは、後ろを振り返って、マッチョ・ゾンビ達を見た。



 腹を撃たれた奴は、起き上がると再び駆け出した。


 また、もう一体も、未だ執拗に追いかけてきていた。



 しかし、二体とも、カトリーヌのデューシカ38歩兵支援用火器に撃たれて、細切れにされた。

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