【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第44話 子供達の向かう先は未来か? それとも絶望かっ!

公開日時: 2024年7月9日(火) 20:20
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:54
文字数:3,727


「それで、これからどうするの?」


「後三十分位したら出発するわよ、此処でグダグダしていても埒が開かないし、デパートまで行けば何かは有るだろうし」


 どうするのかと皆に訪ねた、レギナに対して、三十分後に出発すると、メルヴェは勝手に決めた。



 だが、みんな誰も反対はしなかった。



「そう言えば、フィーン先生は何で、急に奴等の仲間に成ってしまったのかな?」


「最初から洗脳されて居たのさ、フロストのエイリアン野郎になっ!」


 フィーン先生の事を不思議そうに話す、ミアだが、すでに洗脳されていたと、キーランは語る。



「もしかして…………フロスト先生も洗脳されたんじゃあ?」


「それは無いな? だって、奴はどう見てもあの黒いゾンビ達の隊長だっただろ?」


「偉そうに、ゾンビ達に命令を下して居たしねぇ? 例えば、発砲は禁ずる子供達を撃つなっ! ってね?」


 フロスト先生、もとい、フロスト中尉も帝国に洗脳されたのではと、ミアは考える。


 ナタンは、その考えを否定して、彼が偉そうに振る舞っていたことを思いだす。


 メルヴェも、彼は最初から帝国の隊長であったと言って、声真似を始めた。



「って言うか? デパートまで行く時に誰がベーリットを背負うの、ナタン? キーランそれともカル…………」


「それは勿論、僕だよっ! レオだけに格好つけさせて堪るか、それに栄光あるローマン帝国の子孫たるイタリィーの男児が仲間に助けられっぱなしな上に、昏睡状態の女の子を放っては置けないからねっ!」


 レギナの誰が、ベーリットを背負うかと言う問いに、カルミーネが反応する。


 立ち上がった、彼は胸に右手を添えて、自分に任せてくれと胸を張る。



 そんな彼を見て、仲間たちは、自身のせいで、レオが犠牲に成ってしまった。


 これで、本当は自責の念に借られている精神状態であることを隠しているんだと思う。


 また、皆に、心配を掛けないように心配りしていることにも気付く。



「だから、ベーリットの事は心配しないでくれっ!」


「まあベーリットは、お前に任せるとしてだ…………少し早いけどデパートまでもう行こうか?」


「ちょっと待ってっ! デパートに行く前に、これを聞いて頂戴っ!?」


『…………現在…………ンザ連邦合国では各…………でノルデンシュヴァイク帝国を名乗る勢力とハンザ連邦軍が交戦中です、またアルメア合衆国にて、同勢力とアルメア合衆国軍が開戦し、ハシントン、ニューユークは陥落したとの情報が入りました…………』


 ドンッと胸を張って、ベーリットを任せろと答えた、カルミーネ。


 そろそろ、ここから出発しようかと言い出した、キーラン。


 そんな二人に、倉庫の奥からメルヴェは、ラジオを見付けた。。



 彼女は、早速スイッチを押して、ダイヤルを調整して、ニュースを聞いた。



「世界最強の軍隊って言われた、アルメア合衆国軍が押されている? そんな事が有り得るのかよっ!」


「ノルデン何ちゃら帝国軍は、そんなに強いの? 私達ハンザの軍隊は奴等に勝てるのかしら?」


 ラジオからは、遥か彼方にある自由の国に関する情報が聞こえてくる。


 そして、アルメア合衆国軍が負けていると言う情報に、ナタンを含む仲間達は、衝撃を受ける。



 目を丸くして聞き入る彼等だったが、ミアは強大な帝国を恐れる


 また、自分達の祖国ハンザ連邦は、果たして勝つことが出来るのかと、不安気な表情を浮かべる。



「ラジオを消すよ? そして、デパートまで行こう…………」


「そうだわ、ここでラジオの暗いニュースを聞いて居てもしょうがないし、私達は前に進まなきゃ駄目よっ!」


「それで…………どうするんだよ? 道路には奴等がウヨウヨしてるだろうし、デパートまで行けたとしても絶対に安全だって言う保証はない」


 このまま、スイッチを入れて置くと、耳に悪いニュースばかり流すだろう。


 なら、ラジオを消した方が良いと判断した、ナタンは、スイッチを押して、音声を消してしまった。



 グズグズせず、前に進まなきゃダメだと、メルヴェは仲間達を励ます。



 キーランは、路地裏ばかりは進めず、道路に出た場合、帝国軍兵士に見付かる可能性がる。


 それに、デパートが、絶対に安全では無いと言う事実を心配する。



「良いから皆で行こうっ!」


「グダグダ言っても仕方無いよ?」


 倉庫のドアを開いて、誰よりも先に慎重に外へ出ようとする、ナタン


 ベーリットを背負いながら、彼に着いていこうとする、カルミーネ。



 彼等が出発しようとすると、他の仲間達も、なし崩し的に移動した方が良いかも知れないと思う。


 こうして、全員が立ち上がり、デパートを目指して、再び移動を開始する。



「っで…………進んで見たけど早速、帝国兵のお出ましね?」


「くそぉーー! 何て邪魔な奴等だっ!」


 路地裏の陰から、通りに検問所を設置した、帝国軍部隊を観察する、ナタンとメルヴェ達。


 二人よりも、後ろから心配そうな表情で、他の仲間達は待機する。



「ここを通るのはキツいなぁ? 他の道を探そう」


「私も賛成よ、奴等に見付かる前に他の道からデパートを目指しましょう」


 ナタンとメルヴェ達の背後から、身を潜めて通りを見つめる、キーランとレギナ達。


 二人は、別の道筋からデパートを目指そうと提案した。



「そうしよう? 早く寝込んだままの状態のベーリットを、デパートまで連れて行くにはそれしか無いよ」


「ベーリットは、まだ寝たままね? きっとカルミーネよりガスを多く吸い込んでしまったのね、可哀想に…………」


 吸い込んでしまった、催眠ガスによる影響で、寝込んだまま目を覚まさない状態のベーリット。


 彼女の身を気遣う、カルミーネとミア達が、昏睡している彼女に視線を送ると。


 他の仲間達も、彼女を救うためにも先を急ごうと、帝国軍に封鎖された通りを、後にした。



「こっちは大丈夫だっ!」


「こっちもよっ!」


 路地裏の十字路に差し掛かると、キーランとレギナ達が、左右両側に繋がる曲がり角に顔を出す。


 そして、ここには敵が居なくて、安全なことを確認する。



 こうして、ナタン達は二人の後に続いて、狭い路地をどんどん進んで行く。



「また、帝国軍兵士達だ? 早く行ってしまえ」


「奴等パトロールかしら?」


 Akー5自動小銃を構えた、複数人の帝国警察隊員たちが、道路を警戒しながら歩いていた。


 連中の先には、道路脇に駐車させている、青いパトランプが付いた、黒いパトカーが二台あった。


 また、上部に、ガトリングガンを備えた、黒い防弾仕様のバンみたいな車も一台あった。



「早く…………早く行ってくれよ」


「黙って、ちょうだいっ! 敵に見付かるでしょっ!」


 何時見付かってしまうのかと言う、緊張感で不安になり、ぶつぶつと呟く、カルミーネ。


 そんなに対して、レギナは囁き声が、帝国警察に聞こえたら困ると思い、黙ってと小声で彼を叱る。



「おいっ! お前ら、黙れ、最後の奴が行ったんだっ! 早く準備しろ! 向かい側の路地まで飛び出すぞ」


「二人とも、準備はもう良いの? 行くよっ」


 最後の警察部隊員が、パトカーに乗ってしまい、何処かへと、車列が向かって行った。


 それを見届けた、キーランとミア達は、ぶつぶつと喋る、二人に声をかける。



 こうして、向かい側の路地に進むと、伝えた。



「お前ら、先に俺達が行く」


「皆は後に続いてねっ?」


 後ろの仲間達に、路地・反対側まで向かうと伝えて、道路へと飛び出す、ナタンとメルヴェ達。


 二人が走って行くと、右側から、漆黒の装甲車が二両も現れた。



『そこを動くなっ!! 帝国はガキだろうと容赦はしないっ! だが大人しく降伏するなら危害は加えない?』


「そんなの信じられるかよっ!」


「絶対に、あんた達なんか信用しないわっ!」


 装甲車の拡声器から聞こえてきた、帝国軍兵士による勧告を無視して走る、ナタンとメルヴェ達。


 その様子を見ていた、仲間達も、路地裏から奥へと逃げ出して行く、



「急げっ! ナタン達が見付かった」


「二人はどうなるの!?」


「仕方が無いっ! 置いて行くしか無いんだ」


「私達も早く逃げるのよっ!」


 キーランが、逃げろっと仲間に指示を出しながら、すばやく走る。


 そして、ミアは帝国軍に見付かってしまった、二人は、どうなるのと心配するが。



 助けに行ったとしても、自分達も捕まるかも知れない。


 なので、諦めるしか無いと考えた、カルミーネとレギナ達も、早く逃げるしかないと彼女に言った。



「こっちにも居るぞ、追えっ!!」


「了解…………」


「了解しました」


 装甲車の後部ハッチから降車した、帝国兵たちは、ナタンとメルヴェ達を追い掛けるが。


 その内、兵士達が何人か路地裏へと逃げる、キーラン達を発見して、彼等を追いかけて行く。



「ちくしょーー! アイツ等も見付かったか!」


「ナタンッ! 今は後ろを振り返らないで走って頂戴っ!」


 キーラン達とは、反対側の路地裏に逃げ込む、ナタンとメルヴェ達。


 二人は、帝国軍兵士に捕まらないように、凄まじい勢いで走る。



「居たぞぉーー! 逃がすなぁ~~!」


「了解です」


「…………了解」


 ルガーP08を右手に構えた、制服姿の帝国軍下士官が、逃走する二人を発見する。


 そして、すぐさま部下達に追跡する様に命令を下した。



「しつこい奴等だっ!」


「その通りねっ!」


 走る、ナタンとメルヴェ達は、無我夢中で路地裏に向かっていき、そのまた奥に進む。


 二人は、帝国軍が追って来なくなるまで、狭い道を進んだ。

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