【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第232話 塹壕を守れ

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:02
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:48
文字数:3,268


 現在のBNPビル内は、帝国軍部隊が大挙して、押し寄せて来ていた。



「まだ、負傷兵が残っているっ! 連中が後送されるまで、踏ん張れっ!」


「負傷者は、残り三割だっ! 今、テミスに載せている最中だっ!」


「増援も向かって来ているっ! 心配は要らんっ!」


「ガスだっ! 奴ら、ガス攻撃をして来やがったっ!?」


 ジハードの怒声で、士気が高まり、増援にやって来た連合側は勢いを増す。


 白人民兵は、AKMを単発連射しまくり、黒人民兵はMP5短機関銃を撃ちまくる。


 しかし、そんな彼等を科学攻撃しようと、グレネード弾が飛んできた。



 東南アシュア系レジスタンス員は、榴弾が爆発すると思って、防弾板に隠れた。



 だが、落下した弾頭からは黄色いガスが噴出し始める。



「はやく投げ返せっ! このままじゃ、殺られちまうぞっ!」


「こんな物っ! こうしてやるわっ!」


 ナタンは、AK12から、ヘリカルマガジンで、敵を足止めするために連射していたが。


 背後から、いきなり、ガスが漏れる音に反応して、振り返った。



 そして、まだ、ガスを噴出させたばかりの弾頭を、メルヴェは蹴ったくってしまった。



「不味い、ガスが戻ってきたっ!」


「怯むなっ! 前進しろっ! ぐわっ!」


 戻ってきた、ガス弾に慌てる帝国軍兵士だったが、シュヴァルツ・リッターは動じない。


 対NBC防護機能を、防弾鎧に有する奴は、弾頭を蹴っとばして転がす。



 こうして、双方の中間地点に黄色いガスが充満して、互いに姿が見えなくなる。



「不味い、おい? そこの若い奴、87式から榴弾を撃ってくれっ!」


「分かった…………狙いは適当だっ!」


 敵部隊の中には、オーガー&シュヴァルツ・リッターが存在する。


 連中は、弾頭から吹き出る黄色い催涙ガスを気にせず行動できる。



 それに対抗するため、ジハードは87式自动榴弹发射器を、ナタンに持たせた。



「撃つぞ、それと俺はナタンだっ! ジハードッ!」


「分かったぜ、ナタンッ! 連中をフランシーヌとともに、爆発させてくれっ!」


 ナタンは、87式自动榴弹发射器を抱えるように持つと、催涙弾の向こう側へと榴弾を発射する。


 ジハードも、ベルト給弾が途切れるまで、67式機関銃を撃ち続ける。



「敵部隊が突撃してきただとっ!?」


「ヤバイ、人数で圧倒されるぞっ!!」


「うわっ! なんだ、こりゃっ!」


「マフディ、良いところに来たなっ!」


 白人PMC要員や連合軍兵士たちが、何人か増援として現れた。


 その中には、FN、FALを構えた黒人兵士も混ざっていた。



 ジハードは、彼に声をかけつつ、自らは手榴弾を投げた。



「うわっ!」


「ぎゃっ!」


「ぐわあっ!?」


「があっ!」


 ジハードの手榴弾や、ナタンとフランシーヌ達による砲撃により、帝国側は大打撃を受ける。



「ジハード、援護するぞ…………」


 マフディも、防弾板の側から敵に照準を合わせて、FN、FALを単発連射し始めた。


 倍率調整可能スコープを覗く、彼は足音や叫び声を便りに、取り敢えず敵を撃っている。



「うん? 装甲車だっ! 援軍が来たぞっ!」


「後に下がれっ!」


 防弾兵と楯持ち兵たちが、急いで後方左右へと下がって行く。


 しかし、連中の目にした大きな車体は、装甲車ではなかった。



 黒い塗装を施された、BMDー4バフチャー空挺歩兵戦闘車が現れたのだ。


 100ミリ滑降砲を搭載した、コイツは車体両側のキャタピラを回転させながら真っ直ぐ進む。


 

「不味い、フランシーヌッ! 対戦車武器を使えっ!」


「もう少し待っ!?」


 ジハードが叫ぶが、フランシーヌは言われる前に行動に移っていた。


 彼女は、簡易トーチカ内で、即座に歩兵戦闘車を撃破せんと動く。



 スーパーバズーカでは、威力不足だと思った彼女は、後ろに下がる。


 そして、PLー83ブラインドシサイド対戦車兵器を構える。



「やったぞっ! 敵のバリケードを破壊したっ!」


 だが、一歩遅く簡易トーチカは、バフチャーの100ミリ滑降砲で吹き飛ぶ。



「不味い、フランシーヌッ! ぐっ!」


「生きているわよっ!! でも、ブラインドシサイドは…………」


「それより、RPGはっ!?」


「また、来るぞっ!」


 ジハードは、67式機関銃を撃つのを止めて、フランシーヌが無事か振り向いて確認しようとする。


 しかし、帝国軍部隊による銃撃を前に、彼は再び機銃掃射を行った。


 そして、白人民兵が叫び、黒人PMC要員は敵部隊による突撃を目にした。



「シュヴァルツ・リッターが来るぞっ!」


「かなりの重装備だっ!」


「そんな事より、また戦車が撃ってくるぞっ!」


 白人民兵と黒人PMC要員たちは、敵戦車の後方左側から新たな敵が現れたことに気づく。


 いつの間にか、催涙弾はガスを噴出しなくなっており、敵味方で姿が見える状態になっていた。



 そんな中、再びバフチャーは滑降砲を撃つべく砲塔を旋回させる。


 東南アシュア系レジスタンス員は、砲弾から身を守るべく、右側にある防弾板の裏に退避した。



「ぐわっ!?」


「どわっ!?」


「今だっ! 走れっ!」


「突撃開始だっ!」


 滑降砲により、白人民兵と黒人PMC要員たちは、右側の防弾板とともに消し炭と化した。


 ロシャ語で、スイカを意味する空挺歩兵戦闘車バフチャー。



 これの援護により、シュヴァルツ・リッターは前進し始めた。


 しかも、奴だけでなく、複数の黒騎士隊が、ガチャガチャと鎧を鳴らして走り出す。



 当然、その中には、オーガー達も混ざる。



「不味いっ! 誰か対戦車兵器をっ!」


「それより、来るわよっ!」


「フラグ投下っ!」


「スーパーバズーカは弾がない…………」


 バフチャーを、中心とする防弾鎧を来た重装甲兵部隊を前に、ナタンは叫ぶ。


 メルヴェも、ミニミ分隊支援火器を撃ちまくりながら何とかしようと頭を働かせる。



 そして、東南アシュア系レジスタンス員は、手榴弾を投げた。


 彼は、防弾板から少しだけ離れていたので、砲撃による衝撃から助かっていた。



「ぐわっ! だが、平気だ」


「これくらいでは、殺られん」


 シュヴァルツ・リッターとオーガー達は、手榴弾の爆発を耐え抜いて前進してくる。



「機銃掃射のお返しだっ!」


 連中は、背中の左右に、汎用機関銃や重機関銃を装備しており、激しい銃撃を行ってくる。



「他の連中は、どうしたんだっ! マフディ? マフディッ! 敵前逃亡しやがったのか?」


「違う、援軍を呼びに行ったんだっ!」


「ぐっ!」


 ジハードが怒鳴り声を上げる中、マフディはFN、FALから、ライフル・グレネードを放った。


 その一発は、オーガーに当たり、奴を一瞬だけだが足どめした。



「他の戦線にも、敵が来ているらしいっ!」


「だから、こっちは味方が少ないのか?」


「おいっ? それより、もう来るぞっ!!」


「真っ正面から、あんなに…………」


 マフディは、ライフル・グレネードの次弾を撃つべく、銃身に弾頭を装填する。


 味方が、中々到着しない理由に、ジハードは苛立ちながらも、67式機関銃を撃つ。



 手榴弾を何個か投げて、重装甲兵を足どめしようと、連合軍兵士は抵抗を試みる。


 白人PMC要員は、M16A3で、敵の頭を集中的に狙って、こちらが見えないようする。



 シュヴァルツ・リッター&オーガー達は、重武装だが、それ故に走る速度が遅かった。


 さらに、連中は背部に搭載した武器の重さゆえに、動きが鈍重であった。



「うわっ! また、砲弾が来るぞっ!」


「ナタン、グレネードランチャーは?」


 ナタンは砲塔を旋回させた、バフチャーを警戒したが、メルヴェは武器の事を聞いた。



「さっきの戦闘で、使いきったっ!」


「ああ~~もう、じゃあ、どうすればっ!」


「うわああっ!?」


「ぎゃああっ!!」


 そう言って、ナタンとメルヴェ達が焦っている間に、バフチャーは滑降砲を撃った。


 今の砲撃で、今度は左側にあった防弾板が、連合軍兵士たち、諸とも粉々に吹き飛んだ。



「うわあっ!!」


「きゃあっ!」


「ぐわああっ!」


「誰だっ!」


 砲撃により、灰色の塵芥が舞う中、一発だけ大きな銃声が轟いた。


 ナタンとメルヴェ達は、頭を下げて、砲撃により吹き飛んでくる破片から身を守ろうとする。



 そして、砲撃後に鳴り響いた銃声は、シュヴァルツ・リッターの頭を撃ち抜いた。


 今の攻撃は、誰が行ったか分からない、ジハードは後ろに振り向いた。

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