【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第215話 室内戦

公開日時: 2024年7月12日(金) 10:51
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:37
文字数:3,235


「あれを狙って、こうして私が…………」


「うんうん、なるほど、なるほど?」


 ベーリットは、レギナに作戦を説明し終えた。



「…………っと言うワケで、行くわよっ! ブシュアアァァァァァァーーーー!!」


「分かったわ、今やるから待っててっ!!」


 大きく息を吸い込み、事務机の裏から立ち上がった、ベーリットは口から青い毒ガスを噴射した。


 さらに、シモーネは風刃魔法により、風の勢いに毒ガスを載せて運ぶ。



「毒ガスが来るっ! 気を付けろっ!! ぐあ? あ…………」


「ヤバいっ! ぐああああっ!?」


「ごあっ! ブクブク…………」


「ぐああっ!! ぐええぇぇっ!!」


 連合軍兵士は、毒ガスから離れようとしたが逃げ切れずに吸ってしまい、床に倒れる。


 アシュア系民兵は、毒ガスを吸うまいと走ったが、散布範囲に入ってしまい、苦しみに悶える。



 黒人PMC要員は、青いガスを吸って、口から泡を吹いて倒れてしまう。


 白人PMC要員も、一気に狭った青い霧に包まれて悲鳴が聞こえる。



「グールが存在するっ! 気を付けろっ!」


「あそこだっ! 火力集中しろっ!!」


「援軍だーー! 敵兵は何処に居やがる?」


「前進する、援護してくれっ!」


 グリーン・シュヴァリエは、ミニミ分隊支援火器を連射してきた。


 東南アシュア系PMC要員も、RDIストライカー散弾銃を乱射してくる。



 アシュア系民兵は、机裏からDP28軽機関銃を機銃掃射させる。


 アラビ系民兵は、エンフィールド小銃を撃ってきた。



 また、敵に複数の増援が現れて、戦列に加わると即座に射撃を開始する。



「援軍登場っ! 敵を殲滅する」


「敵部隊を確認」


 連合側に、ラテン系民兵と南太平洋系PMC要員が現れる。


 その奥から、ドリアード・マジシャン・スパルトイなどが、続々と援軍にやって来た。



「敵も特殊兵種を投入してきたぞっ!」


「不味いわね? 何とかしないとっ!」


 レオは応戦しようと、H&K、UMPだけを隔て板から出して撃ちまくる。


 ミアも、事務机の横から少しだけ顔を出して、二連散弾銃メルケル200Eを発砲する。



「そうだ、何とかしないとなっ!」


「ぐあっ! 現れやがったか? このっ!」


 身を隠して背中を隔て板に預けていた、レオの右側からワータイガーが現れる。


 それと同時、奴は肩に噛みつき、強力な右拳《パンチ》を彼にぶつける。



「ぐあっ! 喰らえっ!」


「当たらんなっ!」


 腰から素早く、ワルサーP5Lを抜き取り、レオは何回も引き金を引いて反撃する。


 それを受けて、ワータイガーは素早く後ろに、スウェイして、銃撃を回避した。



 次いで、直ぐさま隔て板の裏に隠れる。



「プライシンスバイトかよ…………」


 麻痺かみつき攻撃を受けた、レオは肩から力が抜けてしまい、体が動かしずらくなる。



「レオ、大丈夫? 毒じゃないわよね?」


「いや、ワータイガーの牙にやられたんだ? そこまで強力な毒じゃないが、体に力が入らん」


 隔て板の後ろを通ってきた、ミアは動けないでいる、レオを心配した。



「しっかし、数が多いなぁ?」


「シモーネ、今度は私と連携してっ!」


「分かったわよ、準備するから待って?」


 レオは、キョロキョロと目を動かしつつ、周囲を探って、敵味方の交戦状態を確かめる。



 すると、レギナがゴクリと唾を飲んで、口を開く姿が遠くに見えた。


 シモーネは仕方なく、彼女に合わせて、魔法を展開する準備を行った。



「もっと、RPGを持ってこいっ!」


「69式なら、あるぞっ!!」


 白人民兵が叫ぶと、黒人民兵がチィーナ製RPGー7である、69式火箭筒を持ってきた。



 そして、榴弾を発射した。



「ぐわっ!! 外れなかったら、死んでたぞっ!」


「ソムサック、もう隠れた方がいいわ、敵の数が増えてきたし」


 ソムサックは、分隊の中央で敵を牽制し、また注意を惹くべく、一人両腕から銃撃を行っていた。


 そんな彼に対して、RPGー弾が四方八方から飛んできた。



 幸い、RPGー7による攻撃は周辺にある、机や隔て板に当たって爆発するだけだった。


 だが、このままでは何れ、彼に弾頭が直撃してしまうだろうと、オルツィは判断する。



「分かってるって、ほら身を隠したぞ」


「そんな事より、敵が多い…………」


「火炎魔法を喰らえっ! 喰らえっ!」


「敵の装甲兵種が面倒だわ?」


 ソムサックは、サッと素早く遮蔽物の後ろへと身を隠した。


 オルツィは事務机から身をだし、リカーブボウを射つ。



 両手からバスケットボール大の火球を、交互に乱発する、シモーネ。


 AGー3を単発連射しまくる、ベーリット。



「うわっ! 火球がくるっ!」


「避けろっ! ぎゃあっ!」


「魔法で反撃してやる」


「俺には効かんぜ、機銃掃射のお返しだ」


 黒人PMCは、連発される火球を、机下に身を屈めた事で何とか避けられた。


 しかし、RRGー7を発射しようとした、アシュア系民兵は、頭に火球が直撃してしまった。



 そして、奴は引き金を引いたまま後ろに倒れた。



 その結果、弾頭が後方左側へと発射され、天井をブチ抜いてしまった。



 アラブ風に、ターバンを巻いた、アラビ人らしき、マジシャンは頭上に両手を掲げる。


 そして、1メートル程の大火球を作ると、シモーネの方へと投射してきた。



 グリーン・シュヴァリエは、相変わらず、ミニミ分隊支援火器を乱射している。



「やばっ! どわあっ!!」


 榴弾やグレネードランチャー並みの威力を持つ、大火球はシモーネが隠れる事務机に命中する。


 すると、炎が弾けてしまい、火の粉が彼女に降りかかる。



「うわわわわ、」


「慌てないで、ほら?」


 衣服に付いて燃え広がる炎に対して、シモーネは転がりながら消そうとするが。


 それを、急いで駆けつけた、ベーリットが冷静に上着を脱いで、バサバサと叩いて消火した。



「ありがとう…………助かったわぁ」


「それを言うより、魔法を? ん…………」


 疲れたと言う表情で、床に伏せる、シモーネに対して、ベーリットは魔法による援護射撃を求めた。


 だが、彼女は敵部隊の後方で、何かが動いている姿を目撃する。



 敵には、ドリアードが存在するから、囮《デコイ》や案山子かも知れない。


 そう思った、彼女はAGー3を構えて敵を狙うが。



「背後からだっ!? 連中、回り込んでやがったぞっ!!」


「反撃し、ぐわあっ!!」


「撃ちまくれーー!?」


 南アシュア系民兵が叫びながら、上下二連散弾銃撃を撃つ。


 その横では、コーカサス系PMC要員が、ステアーAUG、A3を撃とうとしたが逆に射殺される。



 また、カルカノ小銃を構える白人民兵が反撃していた。



「敵が後退していくわ、何かしら? は? 味方…………」


「味方部隊が来てくれたの?」


 ベーリットとシモーネ達は、味方部隊の登場と言う、思わぬサプライズに驚く。



「不味い、挟み撃ちにされる」


「援軍だぜっ?」


「今は、後退しろっ! 敵に挟まれるっ!」


「退避、退避ーーーー!?」


 RRK分隊支援火器を抱える連合軍兵士は、焦ったのか射撃を止めて逃げ出した。


 援軍に、RPGー2を抱える白人民兵が現れたが、黒人民兵に撤退を告げられる。



 アラビ人PMCも、慌てて奥の方へと、真っ直ぐ逃走を開始した。


 連合側は、正面からは、警察隊員が銃撃してくる上に、背後からは別動隊が回り込んでいた。



 そう勘違いしたのだ。



「ぐわっ!? ぐえっ!」


「うっ! があっ!!」


 敵の左側から出てきた味方部隊は、正確な射撃と素早い動きで、次々と敵部隊を倒していく。



「反撃するっ! 先に行けっ!」


「殿は任せてっ!」


 敵部隊の中で、何人かが残り、後退していく味方部隊を援護する。



「今よっ! 私たちも一気に仕掛けるわっ!」


「ランチャー野郎どもも、奇襲には敵わないのね」



 ミネットは、左横から受け銃撃で、混乱する敵兵士に向かって疾走していく。


 シモーネも、両手を掲げて雷玉を三個も作り、それを一斉投射した。



 こうして、殿を勤める敵部隊を狙って、二人は攻撃した。



「ぐわあっ!?」


「ぎゃああああっ!」


 シモーネの雷撃魔法により、弧を描いて飛んでいった光球は、殿を勤める民兵たちに命中した。


 そして、弾けた雷光は周囲の兵士たちを感電死させる。



 こうして、味方部隊の到着により、警察隊員たちは窮地を救われた。

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