【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第136話 彼女は、101号室へと運ばれて行った…………

公開日時: 2024年7月10日(水) 21:49
更新日時: 2024年7月13日(土) 11:47
文字数:3,012


「お願い、急いでっ! このままじゃ、レギナが死んじゃう」


「分かってるさ、だから急いでるだろ? 心配視るなって」


 ベーリットの頼みに答えた、カルミーネは廊下を、レギナを背負いながら走ってゆく。



 突撃兵である、ワーウルフに変身している彼は、彼女の重さを気にせず、悠々と疾走していった。



 こうして、負傷した捕虜である彼女は、医務室&洗脳教育室である、101号室まで運ばれた。



「よっ! よっ! よっ!! 急がないとっ!!」


「急がないと…………じゃなくて、もっと早くっ!!」


 101号室まで、重傷を負った捕虜である、レギナを背負って走る、カルミーネ。


 その後ろを追いかけ、彼を叱りながらも走り続ける、ベーリット。



「ーーしなくて、大丈夫、着いたからさ?」


「なら、良かったわ…………」


 101号室まで、あっという間に、カルミーネはたどり着いた。


 その後を追ってきた、ベーリットも安堵して、ふぅ~~と息を吐く。



「フェスターシュッ?」


「居るわよ、この騒ぎだから負傷者でも運んで来たんでしょう?」


「そうなんですっ! どうか、何としても彼女をっ!」


 ドアを開いて、カルミーネは軍医であるフェスターシュニー博士を呼ぼうとしたが。


 戦闘により負傷者が出ているだろうと、手術準備を、すでに終えていた、彼女が先に答えた。



 そして、ベーリットは今にも死にそうなレギナの事を心配する。



「……助けて上げるから落ち着きなさい? って、驚いたわ、テロリストを捕虜にしたのね……」


 室内の奥で、オフィス用・円椅子に腰掛けて、PCを見ていた、フェスターシュニー博士。


 彼女は、背もたれに掛けていた白衣を纏いつつ、立ち上がると驚いた表情を見せる。



「彼女は…………レギナは、私の幼馴染みでっ!」


「そして、テロリストの情報も知っている」


「まあまあ、事情は分かったわ……とにかく、今は麻酔と治療が先決ね? 彼女を置いたら貴方たちは外に出てなさい」


 レギナを助けて欲しいと必死で訴える、カルミーネとベーリット達。



 だが、そんな二人とは対称的に、フェスターシュニー博士は冷静に、昏睡状態の彼女を見る。



「カルミーネ二等兵、スキャナー台に運んで……それから、さっき言った通り二人とも暫くは外にね」


「分かりました」


「そうします」


 フェスターシュニー博士の指示に、大人しく従う、カルミーネとベーリット達。


 こうして、CTスキャナー台に運ばれた、レギナは負傷した部位の診察を受ける。



 また、カルミーネとベーリット達は、部屋から外に出て行った。



「うぅ…………」


「ふふ、直ぐに苦しみは無くなるわ……そうしたら楽になるわよ」


 急に小さな声で呻いた、レギナに対して、フェスターシュニー博士は不気味な微笑みを浮かべる。


 スキャナー台上で、負傷者の四肢を拘束した、彼女は早速治療に移る。



「まずは、全身麻酔…………それから患部を治療&血液を入れ換えないとね? 洗脳は軽い程度にしておきましょう」


 フェスターシュニー博士は、レギナを死なせぬ為に緊急治療を行うべく、コンソールパネルを触る。


 そして、天上が開き、そこから何本ものロボットアームが降りてきて、レギナに近づいていく。



 今度は、それ等が彼女の顔に医療用酸素マスクを取り付け、洗脳用アイマスクを装着させる。


 ヘッドギア型の装置が、頭部に密着すると、次に四肢に注射器を備えた、ロボットアームが近づく。



「いぅっ!?」


「まだ、意識があるのね? 大丈夫、直ぐ夢の中に入れて上げるから♡」


 こうして、レギナは何本ものロボットアームに取り付けられた、注射器を打たれる。


 その様子を、ウットリしながら見下ろす、フェスターシュニー博士。



 今、彼女が見ている前で、レギナは赤い血液を抜き取られ、青い血液と薬物を投与されているのだ。



「青い血液は生命力が強いからね…………そう簡単には死ななく成るわよっ!」


 そう言いつつ、フェスターシュニー博士はコンソールパネルを操作する。


 彼女が、次に行う治療は、負傷した患部の回復手術だ。



 そのために、ロボットアームが素早く動き、メスやピンセットを使って、手術を行った。



「…………終わったわね」


 結果、レギナは弾丸に貫かれた脇腹を塞がれ、あっという間に治された。


 そうして、最後に呟きながら、フェスターシュニー博士は、彼女の脇腹前後に湿布を貼った。



「はぁ~~ようやく、一服できるわ」


 そう言うと同時、フェスターシュニー博士は、白衣のポケットから煙草を取り出して口に加えた。


 それから、レギナは安静に休ませるために数時間もの間、しばらく眠らされた。



 一方、彼女が治療を受けていた頃、カルミーネとベーリット達は。



「レギナは…………無事だよな?」


「きっと無事よ、きっとね」


 外のドア両脇で、カルミーネとベーリット達は呟く。



「あーー殺られちまったぜぇ? ナタンの野郎、次あった時は?」


「また、やり返されちゃうんじゃないのっ? あれ?」


 そこに、レオとミア達が話ながら現れた。



「あ、その様子だと戦闘に巻き込まれたか?」


「…………で、そっちは勝ったのよね?」


「もちろん、勝ったーーと言いたいが、勝ったには勝ったんだが、ナタンには逃げられた」


「それから、内側だけでなく、外からも砲撃があったわ…………ナタンは砲撃で開いた穴から落下しつつ逃亡していったのよ」


 カルミーネは、二人の少しボロくなった姿を見て言い、ベーリットも何気なく呟いた。


 彼等の問いに、苦笑いでレオは答え、疲れたと言う感じで、ミアも起きた出来事を教えた。



「ナタンか? やるな、やっぱ、アイツは凄いやっ!」


「感心して、どーーすんのっ! てか、それより大事な話があるわ」


「なんだ、大事な話しって?」


「かなり気になるんだけど、悪い話しじゃないわよね…………」


 カルミーネは、テロリストとして現れた、ナタンの名前を聞いて喜ぶ。


 ベーリットは、そんな子供みたいな彼に対して、軽く突っ込みを入れた。



 そして、レオとミア達はベーリットの口からでた大事な話しと言う言葉に食いつく。



「良い話しよっ! なんと、レギナを捕らえる事ができたのっ!」


「そうだぜっ! いや~~最初は、まさかレギナを捕まえられるとは思ってなかったんだけどな」


「レギナ、マジかよっ!? アイツもようやく帝国警察の仲間入りってか?」


「また、昔みたいに、一緒に戦争ごっこ成らぬ、本物の戦争が出きるのねっ♡」


 ベーリットは嬉しそうに話すと、カルミーネも自慢げに語る。


 それを聞いて、レオは大喜びし、ミアも昔馴染みが時陣営に来てくれたと歓喜した。



「ふん…………お前ら、邪魔だぞっ! ここは学校の廊下じゃあ~~ないっ! このゴプニクどもがっ!」


「そう言わないでくれって、彼等も功績は上げているんだからさ?」


 四人が、ワイワイガヤガヤと騒いでいると、ザミョール中尉とフロスト中尉たちが現れた。


 因みに、ゴプニクとはロシャ連邦で、悪ガキ・或いはヤンキーを意味する言葉である。



「だとしても、躾はきちんとしておけ…………フロスト」


「ゴメン、ゴメン……ほら、君らもボケっとしてないで、敬礼して」


 ザミョール中尉は機嫌が悪いらしく、フロスト中尉を置いて先に歩いて行ってしまう。


 それに、フロスト中尉から指示が出た、四人は壁際に並び、急ぎローマ式敬礼を行った。



「はぁ~~? やれやれ、あの狼にも困ったもんだ…………」


 フロスト中尉は、先を行ってしまった、ザミョール中尉を、見ながら溜め息を吐く。


 そして、彼が曲がり角から、姿が見えなくなるまで見送った。



 こうして、一人静かに、彼は呟くのだった。

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