【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第180話 帝国軍の破壊工作

公開日時: 2024年7月11日(木) 22:23
更新日時: 2024年7月14日(日) 09:54
文字数:4,730


 アラビ首長国連邦、ドバイ。



 ジュメイラモスク。



「撃つ…………」


「狙う」


「いくわよ」


 モスクに備わった、ミナレットと言われる尖塔の上に、人影が見える。



 右側のミナレットに座る一人は、RPGー7Dをを連結して組み立てる、ワーウルフである。


 もう一人は、ヴァンパイアであり、モシン・ナガンM1891/30の精桿《ボルト》を引いている。



 さらに一人、リッチがRGMー40を構えて、榴弾を撃つ。



 三人は、真下を歩く人々に向かって、ゆっくりと引き金を引いた。



「銃声だっ! 何処からっ!」


「モスクの上だっ! ぐえっ?」


「ひぎゃあっ!?」


「きゃーー! 誰か警察をーー!」


「いや、がはあっ!?」


 逃げ惑う民間人を、ミナレットから二人の放った強弾が襲う。



 モシン・ナガンによる狙撃は、アラビ人男性の首を見事に貫通する。


 RPGー弾を、喰らった白人女性は直撃しなかっらたが、体が宙を舞い、地面に叩きつけられた。



 榴弾が当たった、黒人男性は、木っ端微塵に吹き飛んだ。



 しかし、すぐに彼等の元に、濃緑に塗装されたドローン型S3、2019ホバー・バイクが現れた。



「ドローンか」


「問題ない」


 帝国軍・特殊部隊員たちは、空に現れた敵に対して動じる事はない。


 S3、2019ホバー・バイクは、即座に撃ち落とされたからだ。



「狙撃完了よ…………」


「次がくる」


 左側のミナレットにも、帝国軍・特殊部隊員たちがおり、彼等が狙撃した。


 撃ち落としたのは、青緑色をしたギリ・スーツに包まれた、女性ドライアドだ。



 彼女は、床に伏せながら、SVー98M狙撃銃を握っていた。


 その右隣には、シモノフPTRS1941を構えた、トーテン・シェーデル・ゾルダートが居た。



「今度は何が来るか」


「地上部隊よ」


 女性ドライアドが覗く、スコープはモスク正面の道路に向けられる。



 そこには、ドバイ警察の車両が集まってきていた。


 ジューポン製電動バイク、ZeC00も何台か走って来た。



 日産GTーR、ランボルギーニ・アヴェンタドール。


 さらには、フェラーリFFなどの高級車両のパトカー型も揃う。



 ドバイは、裕福な都市であり、バイクやパトカーも高級スポーツカーを配備しているのだ。


 パトカーには、白い車体で、ボンネット中央部や側面には深緑色の線が描かれている。



「敵が来たか…………」


「火力支援するわ」


「敵を制圧する」


「死を与えよう…………」


 ドラグノフSVDMのスコープを覗く、帝国軍・アラビ人女性兵士。


 ドラムマガジンを備えた、RPK201を激しく連射させまくる、帝国軍・黒人女性兵士。



 AK12を構えて、単発で何発も銃弾を放つ、帝国軍・アシュア系兵士。


 PKPM汎用機関銃を構えつつ、連続で機銃掃射する黒人兵士。



 ジュメイラ・モスク正面から連中は、車両に向かって、狙撃や機銃掃射を続ける。



 帝国軍兵士の制服に身を包んだ、連中は全員トーテン・シェーデル・ゾルダートだ。



「ぎゃっ!」


「う…………やられた、がは」


「怯むなっ! 増援が到着するまで持ちこたえるんだっ!」


「頭を下げろ、撃たれるぞっ!」


 パトカーのガラスを割って当たった、狙撃や機銃弾は警官を殺傷する。


 それでも、緑ベレー帽を被り、クリーム色の制服を着た警官隊は、車の陰に隠れて銃を構える。



 カラカルFピストルを握る彼等は、ジュメイラ・モスクに向かって、発砲し続けた。



「撃たれた、手当てを頼む」


「分かったわ…………」


 RPGー弾を撃ち尽くした、ワーウルフは腹部に重傷を受けた。


 それで、背後に控えていた予備の弾頭を用意していた、リッチに治癒魔法をかけるよう頼む。



「そろそろ、撤退時期だ……」


 ヴァンパイアは、モシン・ナガンM1891/30を床に置くと、発煙弾を何個も下に投げた。


 それから、彼は小型パラグライダーを装着すると、ミナレットからモスクの裏へと降下してゆく。



 ワーウルフやリッチ達も、それに続く。



 向かいのミナレットからも、トーテン・シェーデル・ゾルダートが降下した。


 ドライアドだけは、ミナレットから小ドームのポールに蔦《ツタ》を絡めて降りる。



 さらに、奴は、日除け休憩所の小ドームに、そして最後に白い柵に蔦を伸ばした。



 そうして、地上へと降りたった。



 この頃には、正面で銃を撃っていた部隊も裏手に撤退していた。



「来たぞ…………」


 無人で動く、白い移動式交番が二台も現れると、左右に開いたドアの中に、ヴァンパイアが入る。


 三笠製作所が作った、自動運転無人交番SPSーAMV一号機型だ。



 こうして、ジュメイラ・モスクでは、帝国軍・特殊部隊によるテロは成功するのだった。



 ジュメイラ・ビーチ・ホテル、タクシー乗り場。



「仕掛けたぞっ!」


「よし、出せっ!」


 黄色い、ランボルギーニ・タクシーに私服姿の帝国軍・特殊部隊員が乗ると走り出した。


 しかし、その後ろには濃緑色に塗装された、小型無人パトカーが遠くから密かに走っていた。



 オトソー・デジタル社製、OーR3だ。



 この無人車両は、車体後部から小型ドローンを一機発進させると、カメラ映像を司令部に送信する。


 そうして、不審車両であると思われた、ランボルギーニ・タクシーを、ドローンとともに追跡した。



「これで、後は三番アジトまで逃げるだけだな」


「チョロい任務だぜ?」


「後は、ビーチで遊ぼうか…………日焼け止めを買わないと」


「アハハ、そりゃいいなっ!!」


 そうとは知らず、アロハシャツに身を包んだ、帝国軍・特殊部隊員たちは軽口を叩く。


 車内から見る、ガラス窓の向こうには、綺麗な景色が映る。



 右側には、斜め下へと傾斜が付いた、ジュメイラ・ホテルがある。


 また、その先にはウォータースライダーがあり、どちらにも歩道手前に木々が植えてあった。



 左側には、インサイド・ブルジャ・アイ・アラブの茶色い建物があり、手前には車が並ぶ。


 こうした、観光名池を見つめる連中は、慢心しきっていた。



 道路に出た、連中のランボルギーニ・タクシーは、暫くは普通に道路を走っていた。



 しかし、いきなり前方から何かが来る。



 右側から、新型セグウェイ、ホバーボードセグウェイが、急に飛び出してきたのだ。



「うわっ?」


「なっ!?」


 帝国軍・特殊部隊員たちは驚いて、ランボルギーニ・タクシーを止めた。


 だが、その隙を狙って、ホバー・ボードセグウェイに乗った人物たちが撃ってきた。



 その内、一発がタイヤに当たり、パンクさせてしまった。



「クソッ! 降りろっ! 私服警官か、警備員だろうっ!」


「まったく、邪魔しやがって…………」


 帝国軍・特殊部隊員たちは、ランボルギーニ・タクシーから降りると即座に銃を撃つ。


 連中は、ステッチキン機関拳銃やレベデフ・ピストルを撃つ。



「ヤバイな、俺たちだけじゃ…………」


「このままじゃ、やられちまう」


 ホバーボードセグウェイに乗っていた、私服警官たちも、急いで近くの木々に隠れる。


 そこから、二人はカラカルCピストルで応戦しながら、応援が来るのを待つ。



 しかし、そこに、ベントレー・コンチネンタル・パトカーが敵の背後に現れた。


 深緑色の線が入ったドアから、女性警官が素早く降りて、カラカルSCピストルを構える。



「お前ら、降伏しろっ!」


「動くなーー!」


 上部だけが白く染められた、深緑に塗装された、カウボーイ・ハットを被る女性警官。


 その短い唾は、左右だけが上に折り曲げられており、帽子正面には金色紋章がある。



 また、すっぽりと頭部は、顔以外の部位を深緑色の布で覆っていた。


 彼女たちは、深緑色の制服を着て、足首まで覆うロングスカートを履いていた。



「クソがっ! が…………」


「うあっ!?」


 帝国軍・特殊部隊員たちは、背後からの激しい銃撃を受けて死亡する。



 後部ドアの右側に居た、PLKピストルを撃っていた隊員は、右目を撃ち抜かれてしまう。


 左側に居た、MPー443グラッチを握る隊員は、胸に何発も銃弾を受けて力なく倒れた。

 


「ヤバイぜ? あ? ぐああ?」


「上からだっ! め、目がーーーー」


 上空から一台のS3、2019ホバー・バイクが現れると、何かを落とした。


 これには、白いバイクヘルメットを被り、深緑色のレーシングスーツを着た、警官が乗っている。



 彼が、閃光手榴弾を下に投げたことで空中で炸裂したのだ。


 これにより、残り二人となった帝国軍・特殊部隊員は目が眩む。



「増援が来たわっ!! もっと撃ち続けてっ!!」


「分かったぁっ! 貴様ら、動くなよっ!」


 女性警官は、ベントレー・コンチネンタルから射撃を継続しながら叫ぶ。


 その声を聞いて、私服警官も銃撃を緩めることなく発砲しまくった。



 そこに、三笠製作所により作られた、自動運転無人交番SPSーAMV二号機型が、到着した。


 灰色の車体と、正面が真っ黒なガラスで覆われた、大きな車体はバスにも見える。



 その後部からは、REEMロボコップが四体も出てきた。


 可動式台座に、人型ロボットが備えられた、これは車輪を回転させながら走る。



『犯罪者を拘束しますっ!』


『犯罪者を制圧しますっ!』


 REEMロボコップたちは、四体とも並びながら疾走していく。



 顔・手・台座などは、白く塗装されており、指先・腹部・肩部・首などは黒色だ。


 腕・胸部・台座の中央下部などは、クリーム色である。



 このように塗装された、彼等だが、胸にはモニターがあり、頭には深緑の制帽を被る。


 そんな彼等は、走りながら背部に搭載した網カゴから電磁警棒を取り出した。


 

「く、な、なな何だ? ぐあっ!?」


「うぅぅ…………う? ぶあっ!!」


『犯人確保しました』


「アンタたち、ジュメイラ・ホテルに仕掛けられた爆弾は、既に解除してあるわよ」


「捜査は何ヵ月もかかったが、これで終わりだ…………さあ他の情報も、きっちり吐いて貰おうか?」


 ステッチキン機関拳銃やレベデフ・ピストルを握っていた、帝国軍・特殊部隊員たちだが。


 連中は、REEMロボコップ達に、頭や肩を叩かれたことで、凄まじい電流が体中に走る。



 そして、女性警官や私服警官たちが、残る二人組に手錠をかけた。


 このようにして、ジュメイラ・ホテル爆破事件は、ドバイ警察の活躍により幕を閉じた。



 ドバイから離れた砂漠の何処かにある、地下・秘密基地。



「ジュメイラ・モスクは成功か、ジュメイラ・ホテルは失敗……他は順調に作戦行動中と」


 薄暗い地下空間で、一人の帝国軍士官は歩きながら呟く。


 そして、廊下の奥に着た彼は、自動ドアが両方に開くと中に入った。



『ぐあ、あ、ああぁぁ…………あ、ああーー』


『お、あ~~?』


『うぅ? うがっ! うぎぃっ!』


『いひっ! あがが、お…………』


 そこには、大量の男女が裸で、カプセル内に閉じ込められていた。


 と言っても、胸や腰周りは、流石に機械が取り付けられている



 また、顔には、バイザーと透明なガスマスクが装着されており、白い吐息を吐くさまが見えた。


 両腕がカプセル内の天井に、両足は膝まで機械に覆われている。



 青く発光する液体にとともに、媚毒漬けにされているのだ。



 ここは、地下深くに作られた帝国軍・兵士の工場だ。



「いやぁーー!? 離してっ! あぐ?」


「やかましいっ!」


「離せっ! 離せってんだっ! う……」


「黙れ……………」


 帝国軍士官は、後ろから誰かの声が聞こえたことで背後を振り替えって見た。


 そこには、両手に手錠を掛けられた男女が連行されてきており、暴れるので麻酔注射を打たれた。



 ぐったりする二人は、カプセルへと運ばれていく。



「この地下工場さえ有れば、後は人員を滷獲すればよいだけ…………我々に敗けはない、フフ…………」


 ニヤリと嗤う、帝国軍士官だが、帝国では捕虜や拉致した人間を、兵士として扱わない場合もある。


 その時は、誘拐してきた民間人を武器もつ兵士ではなく、使い捨ての兵器として扱う。



 ゆえに、捕獲ではなく、滷獲と言うワケだ。



 ドバイで、派手なテロ戦いが繰り広げられている間に、帝国は地下に潜伏しながら暗躍していた。

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 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)



 ⭕️


 女性警官の帽子は、ハイバックスタイルと言うそうですが。


 日本だけでしか、こう呼ばないのかも知れないから、カウボーイハットにしときました。


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