【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第260話 帝国軍の第二次攻撃

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:59
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:03
文字数:3,556


 連合側は、郵便局や大聖堂を占拠して、帝国軍の包囲攻撃を耐えていた。



「援軍だっ! 撃つなよっ!」


「無反動砲を持ってきた」


 52式57ミリ无后坐力炮の砲身を抱えた、チィーナ軍砲手が現れた。


 その後に、三脚を右肩に担いだ、チィーナ軍兵士が走ってくる。


 他にも、弾薬箱などを抱えた兵士達が入口に、多数やってきた。



 彼等は、両側の壁際で弾薬箱を積み上げると、砲身を三脚に載せ始めた。


 また、ガラスが割れている出入口にも、空の弾薬箱を積み上げて、簡易バリケードを作る。



「それは、屋上に置いた方が、いいんじゃないか?」


「屋上にも、置きに砲兵チームが向かっている」


「俺達は、地上担当のチームなんだっ!」


 ハキムは、チィーナ軍部隊兵たちに話しかけたが、砲手は砲弾を後部から詰め込みながら答えた。


 また、弾薬箱を床に設置した兵士も、返事しながら砲弾を取り出す。



「よっと?」


「ゾンビだっ!」


「待てっ! 援軍だっ!」


「撃つなよ」


 二階から飛び降りてきた女性兵士を、ゾンビだと思った、ナタンはベネット・メルシエを向ける。


 しかし、後から同じような格好をした、連合軍兵士やPMC要員らしき兵士達が現れる。



「ゾンビッて、ブリュッセル公園に出たのは聞いたけど、私はグールよ?」


 黄緑色に染められた、ロングミディアムヘアに、灰緑色をした肌。


 オレンジ色の瞳と擦りむいたような赤紫色をした頬、怪我して血を流す紫唇。


 黒・焦げ茶・黄緑のブタン迷彩服を着て、AKー103を握る彼女だったが。



 上から下まで、どう見てもゾンビにしか見えない。



「分かった…………脅かすなよ?」


「脅かしてないわよ」


「オレーナ、喋ってないで、銃を撃てっ!」


「発射するっ! 後ろから離れろっ!」


 ナタンは溜め息を吐くが、その間に急いで、オレーナは壁裏に貼り付く。


 顔をバラクラバで隠した、PMC要員は、UMP45短機関銃を向かい側のビルに撃ちまくる。



 チィーナ軍砲手は、榴弾を発射して、遠く公園の向こうにある腕時計店がある建物を攻撃する。


 そして、52式57ミリ无后坐力炮は後部から、バックブラストして、灰煙を噴出した。



「このまま、攻撃を続けろっ!」


「ドラム缶を持ってきたぞっ!」


「土嚢も持ってきた」


「アラビ部隊が到着だっ!」


 チィーナ軍兵士が、次弾を入れると、右側から連合軍兵士が、ドラム缶を担いでくる。


 後ろからは、カートに土嚢を載せた、レジスタンス員が走ってくる。



 また、アラビ人兵士たちも、防弾板やRPGー7を抱えて、やってきた。


 彼等は、52式57ミリ无后坐力炮の周りに、土嚢壁を積み上げる。



 もちろん、砲を旋回した時、邪魔にならないようにだ。



「これだけ援軍が、っと?」


「ナタン、上にも敵は居るのよ、気を着けないと」


「私の虫を使っているのに、銃撃が止まないね? こりゃ、装甲兵が多いのか? それとも単に敵兵が多いのか~~」


「それより、なんだ、あのバスは?」


 味方部隊が増えてきた事で、ナタンは気が緩んだのか、ライフル弾が頬を掠めた。


 そんな彼を、メルヴェは注意しながら、イエローボーイを斜め上に撃ち続ける。



 こちら側の方が、RPGー7等を撃つ砲手は多いが、敵も中々銃撃を緩めない。



 ヤブロー・チャクは、それを不思議に思いながらも窓から空に向かって、榴弾を放った。


 コップ付きのスナイダー銃から放たれた弾頭は、向かい側に落下した。



 そして、壊れた建物の屋上を見た、ダンターは次に、マルキ通りに目を向けた。



「装甲バスだっ! 列車のように長いっ!」


「12、7ミリ機銃で、撃ってきたぞっ!」


「ぐわあっ!」


「ぎゃああっ!!」


 ハキムは、銃撃音を聞くと同時に、頭を引っ込めつつ、素早く窓の下に隠れた。


 ウェストも床に伏せて、12、7ミリ弾から身を守ろうとする。



 しかし、チィーナ軍の砲手やPMC要員たちは、手足を吹き飛ばされながら死んでいく。



 帝国軍が使ってきたのは、車体が黒く塗装された、KMAB研究所製、装甲バスだ。


 コイツは、公園内に侵入すると、停車して機銃掃射を強めた。



「野郎、反撃できないのか?」


「RPGを撃ってはいるっ!」


「無反動砲も使っている…………が、あの装甲バスの装甲板は硬い」


「なんにせよ、早く破壊しないとっ!」


 装甲バスを睨み、ウェストは何か使えそうな対戦車兵器は無いかと周囲に目を配る。



 しかし、アラビ人兵士が言うように、現在兵士が扱える対戦車武器は、RPGしか使える物がない。


 チィーナ軍の無反動砲も、ダメージは与えているが、車体を破壊する程ではない。



「今度は何だ、ヘリコプターか?」


「対空砲は?」


「地対空ミサイルは何処だ?」


「この角度からは、狙えない」


 ナタンは公園の方に目を向けたが、八機編成で、セルヴェルトSV52が飛んでくる姿が見えた。


 メルヴェも、ヘリコプターに対して、KNー12のスコープを合わせる。



 その間に、アラビ軍兵士は叫びながら、兵器を探しに奥へと走っていく。


 チィーナ軍兵士は、52式57ミリ无后坐力炮の射角を上に合わせようとしたが、無理だった。



「奴ら、なんか投下しているぞ? ありゃ、なんだ?」


「ゾンビだわっ!」


「早く撃墜しないとっ!!」


 味方部隊が、RPGー弾や機銃を撃ちまくる中、セルヴェルトSV52を、ウェストは注視する。



 メルヴェは、低空を飛ぶ無人ヘリをKNー12で、コックピットを撃ち抜き撃墜する。


 バレットM82で、パトリシアも同様に一撃を放ち、敵を撃ち落とした。



 だが、残りの機体からは続々とゾンビの群れが現れる。



「ゾンビが来るっ! さっきの列車と同じく、装甲バスは盾になる気だっ!」


「はっ! ウェスト、戦車もやってきたぞっ!」


 ウェストは、クリスヴェクターを向かいの建物に乱射しながら怒鳴る。


 そんな中、ナタンはベネット・メルシエの布ベルトが切れたから床に置く。



 彼は、AMDカービンに持ち変えたが、丁度その時、キャタピラが揺れる駆動音を聞いた。



 MMWT、カプランMT軽戦車が支援に現れたのだ。



「奴は、こっちを狙っているっ!」


「砲撃が来るぞ」


「頭を下げ、ぎゃっ!」


「ぐばあっ!!」


 ハキムは急いで、円形の入口付近から離れて、ウェストは頭を下げた。


 しかし、多数のレジスタンス員やアラビ人兵士たちが着弾すると粉微塵に吹き飛んでしまった。



 どうやら、砲撃はナタン達の後方にある廊下を破壊したらしい。



「ん、生きてたか? 怪我は?」


「ああーー?」


「うわっ! ゾンビだっ!」


 奥の方で、救援に駆けつけた衛生兵マミーが、負傷者に声を掛ける。


 だが、兵士は負傷しているのではなく、ゾンビ化していた。



 それを大慌てで、連合軍の軽機関銃手は、M60汎用機関銃を撃ちまくる。



「砲弾は、科学弾を使っているのか?」


「すごく厄介だわ?」


「退いて、私が煙幕を炊くわっ!」


 ハルドルとティエン達は、当たるとゾンビ化してしまう、科学弾頭を恐れて動けないでいた。


 そんな中、オレーナは前に飛び出ると口から毒ガスを噴射した。



「これで、視界は塞いだわ、サーマルスコープを装備していても、この濃さなら私達は見えないわ」


 建物の周囲を覆うように、オレーナは三方に向けて、大量に毒ガスを吐いた。


 緑色のガスにより、双方が攻撃を止めた。



「前が見えないな? これじゃあ、ゾンビ達を撃てないぞっ!」


「なら、逆に前に出るだけだわっ! 元ウクレイナ軍の底力を見せてやるっ!」


 ナタンが溢した愚痴に、オレーナはそう答えると、緑色の毒ガスに突っ込んでいく。



「よっしゃ、向こう側のビルに突っ込むぜ」


「突入戦だっ!」


「フラグ投下の準備は出来てるぜ」


「突撃開始、行くわよ」


 緑バラクラバを被り、灰・鼠・白のデジタル迷彩服を着た兵士も、AK74Mを両手に走ってゆく。


 VANTーVMシールドとRPCーフォルト12拳銃を持った、野戦帽の兵士も突撃していく。



 レミントンACRを背負い、PPS45を装備する、ウシャンカ帽の兵士も素早く駆けていく。


 M4ーWACー47を構えながら慎重に、赤茶色のロングヘアを靡かせた女性兵士も歩いていった。



「大丈夫か? 連中、やってくれるといいがっ!」


「それより、機関銃は飛んでくるわよっ!」


「連中の支援に回る、ここから離れる」


「火力支援が必要だしな」


 ナタンは、毒霧が晴れてくると、軽戦車が他の標的を狙って、射撃する様子を眺める。


 メルヴェも、装甲バスから飛んでくる機銃弾を避けようと、窓の下に隠れる。



 緑色の防弾ベストに、タクティカル迷彩服を着て、フリッツ・ヘルメットを被る防弾兵だが。


 彼は、マリュークMブルパップライフルを右手に構えながら何処かへと行ってしまう。



 もう一人は、緑・焦げ茶・黒からなる、フォレスト迷彩服を着ている機関銃手も走った。


 緑ベレー帽を被る、フォルトー401汎用機関銃を抱えた彼が、最後のウクレイナ兵だった。



 こうして、ウクレイナ軍特殊部隊は連合側を勝利させるため、勇猛果敢な突撃を行った。

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