【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第十六部 レジスタンスとして、いや? 俺は最後の人間として…………

第284話 脱出、そして、大聖堂に向かえ

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:26
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:39
文字数:3,095


 帝国軍は、郵便局内を完全制圧して、ナタン達は外に向かって逃げ出していた。



「ぐあ、ヤバいわ…………転んじゃった」


「レジーヌッ!!」


 外に出る際に、レジーヌが転んだらしく、シルビアが声を上げる。



「大丈夫、先に行ってっ!!」


「く…………分かったわ」


 レジーヌは、シルビアに心配するなと言って、彼女を走らせた。



「急ぐんだっ!」


「早くしないとっ!」


「援護するから先に行け」


「今走っていくわ」


 ナタンとメルヴェ達は、素早く向かい側の建物へと走って行く。


 チューは、逃げている途中、時おり振り返ると、03式自動歩槍を何発か撃つ。



 その間、シルビアも後を追って駆けていく。



「死ねっ! 連合兵っ!」


「味方の仇だ、殺してやる」


「あわわわわ、ちょっ! タンマッ!」


 シュヴァルツ・リッターは、ドラムマガジン付きAKMの銃口を突きつける。


 女性ウィザードは、AK47Sに装着した銃剣を向けてきた。



 しかし、レジーヌは、二人の前で、砂漠迷彩服を脱ぎ捨てて始めた。



「味方だよ、み・か・た?」


 レジーヌは、砂漠迷彩服の下から、青いスポーツブラ&ホットパンツを見せた。



「だからと言って、信用できんっ!!」


「連行しろっ!」


「ちっ! 仕方ないねーー?」


 シュヴァルツ・リッターと女性ウィザードの命令を聞いて、帝国軍兵士たちが歩いてくる。


 彼らは、両手を上げる、レジーヌを背後から銃を突きつけて連行する。



「連中は、行ってしまったか? 向こう側は、まだ火力が激し過ぎる…………」


 女性ウィザードは、壁際に身を隠しながら通りを見て、連合軍部隊を観察しながら呟いた。


 一方、ナタン達は、向かい側にある建物内へと無事退避できた。



「味方だ、撃つなっ!!」


「撃たないでくれっ!」


 割れた窓から屋内に入った、チューとナタン達が、両手を上げて叫ぶ。



「それは分かっているわ? それより、貴方たちには悪いけど、向こうの大聖堂に伝令に向かって貰うわ」


「オレーナ、榴弾砲陣地に向かったと」


 何人かの連合軍兵士たちが、AK74やM16A1を構える中、オレーナが登場した。



 そして、ナタンは彼女に質問する。



「陣地は、爆撃されたし? 援軍が必要だったから、こっちに来たのっ!! まあ、とにかく、撤退命令が出たと伝えてね?」


「分かった、その任務は引き受けるが、俺一人で行くっ!」


 オレーナからの説明を聞いて、ナタンは自身が身を投げうってでも、任務を遂行しようとする。


 その代わり、メルヴェ達を残してくれと、彼女に交渉を持ちかけた。



「待て、援護射撃くらいは任せろっ!」


「それくらいなら、私達にもできるわっ!」


「ナタン、私も着いていくわ」


 チューとシルビア達は、援護を申し出て、メルヴェも残りはしないと強く言う。



「はぁ? まあ、援護は任せるっ! メルヴェも俺の護衛を頼んだぞっ!」


「あと、コレを持って行ってね? 赤の発煙弾は爆撃用、緑の発煙弾は味方が居ると知らせる用ね?」


 ナタンが大聖堂に行こうとすると、オレーナは彼に信号拳銃と一発ずつ弾丸を渡す。



「連合軍空挺部隊が迫っているわ? でも、万一の時は大聖堂ごと爆破してちょうだい」


「うわ、撃って来たぞっ! 分かった、今すぐ向かうっ!」


 オレーナの説明が終わると同時、窓ガラスや壁に機銃弾が次々と撃ち込まれていく。


 ナタンは、素早く信号拳銃を、ズボンの右ポケットに仕舞うと壁に身を隠した。



 それから、直ぐ大聖堂の方に向かって、廊下を駆け出していく。



「あ、待ちなさいっ! ボワ・ソヴァージュ通りは、こっち側の窓や入口を鉄条網だらけにしたから、通れなくなっているわ」


「じゃあ、どうしろってんだ?」


 オレーナは、レミントンM870を抱えながら走る、ナタンを追いながら話してきた。



「何か、他に手段は無いの?」


「二階に行きましょう、吊り橋が有るわ」


「吊り橋…………マジかよ」


「落ちないわよね?」


 走りながら、メルヴェが質問すると、オレーナは階段を登っていく。


 それに続く、チューとシルビア達は、吊り橋と聞いて大丈夫だろうかと思う。



「これしか、手段は無いわ…………さあ、行って」


「私も、援護するわっ!」


 二階から円形の尖塔にまで、たどり着くと、オレーナは窓に近づき、AKー103を掲げた。


 シルビアも、向かい側の建物屋上に、陣取る敵を狙って、コルトM16、9ミリSMGを構える。



「今、俺も援護してやるっ! さあ、行ってくれっ!」


「チュー…………有り難う、援護に感謝するぞっ!」


「今出ていくからね?」


 チューも、窓から03式自動歩槍で、敵の狙撃手や機関銃手を連射して牽制する。


 ナタンとメルヴェ達は、ベランダに出ると、吊り橋を渡って、サン・ミッシェル大聖堂に向かう。



 その先には、低い円形尖塔があった。



「くっ! メルヴェ、走れっ! 敵の戦車だっ!」


「銃撃も激しいわねっ!!」


 ナタンとメルヴェ達が向かう先には、六角形型屋根に、楕円形の窓があった。


 しかし、二人を狙って、郵便局の屋上から、MG3汎用機関銃による機銃掃射が飛んでくる。



 さらに、サント=ギュデュ広場からは、黒いピサロ歩兵戦闘車が、進軍して来ていた。


 その後ろには、三両からなる、MTーLB部隊が続く。



 コレ等は、上部に艦載砲である、25ミリ2Mー3艦載機関砲を搭載している。



 この機甲部隊は、オレーナ達を狙って、機関砲で、建物を連続砲撃していた。



「不味いわ、本当に不味いわっ! ナタン、急いで中に入ってっ!」


「言われなくても、メルヴェ、手を貸してくれっ!」


 メルヴェは、円形尖塔の二階に入った、ナタンから手を捕まれる。



 内部に入ると、他の窓には、格子と金網が儲けられていた。


 ようするに、この窓は出入口にするために邪魔な物を切断したんだろう。



 そう思った、二人は階段を下りていく。



「誰だっ! 撃ち殺すぞっ!」


「よせ、味方の伝令だっ!」


「私達は、撤退命令を伝えに来たのよ?」


「そうだ、もうすぐ帝国軍が来るっ!」


 白人レジスタンス員が、M2カービンを向けると、黒人民兵は止めに入る。


 メルヴェが話し出し、ナタンも敵が来ていると言って、命令を伝えようとした。



「分かった、全員に伝えてくるっ!」


「できるだけ早くしてくっ?」


 黒人民兵が、左右両側に並ぶ真っ赤な椅子の間を通って走る。


 それを、ナタンが見ていると、いきなり爆発音が鳴った。



「ドアが破られたっ!!」


「敵が侵入してくるっ!」


 黒人PMC要員は、AKー101を構えて、ドアから離れた場所で待ち伏せる。


 白人民兵も、柱の陰から、三八式歩兵銃を抱えつつ待機する。



 次の瞬間、マーカー軽戦車が突撃してきた。



「RPGーーーー!!」


 黒人レジスタンス員が、赤椅子から飛び出て、RPGー7を発射して、マーカー軽戦車を破壊する。



「マーカーが、殺られたわっ! それっ!」


「ぎゃあっ!」


「なら、我々がっ!」


「ぐあっ!?」


 外から、閃光手榴弾を何個も投げられて、大聖堂内が、爆発音ともに白く輝いた。



 そして、連合側が怯んだ隙を狙い、ルイチアが凄まじい跳躍力で飛び込むと、顎を大きく開かれる。


 次いで、近くにいた、アシュア系レジスタンス員の首を、真っ青な長舌が貫いた。



 リェンが入り込むと、直ぐに口を膨らませて、水を噴射した。


 これが、顔に当たった白人PMC要員は、後方に吹き飛されてしまう。



「反撃だっ! 撃てーー!」


「奴らを近寄らせるなっ!」


「敵を撃退するっ!」


「撃ちまくるんだ~~~~!」


 白人民兵が、MG34を途切れなく連射させると、連合軍兵士がAK74を単発連射する。


 アシュア系レジスタンス員が、カールグスタフ短機関銃を弾倉が空になるまで連射しまくる。


 コーカサス系PMC要員が、シェーングレン半自動散弾銃を撃ちまくる。



 こうして、連合側は必死の抵抗で、帝国側が突撃してくる事を防いだ。

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