【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第九部 レジスタンス達は回想に耽る

第103話 明日はどうなるのだろうか?

公開日時: 2024年7月10日(水) 09:44
更新日時: 2024年7月13日(土) 10:10
文字数:3,012


 レジスタンスのアジト内では、男女二人が賑やかに話し合っていた。



「はぁ~~? これから、休む間もなく銃の点検をしないとな」


「そう言わないでっ! もう少ししたら、連合軍が来るから、そうしたら派手に暴れられるのよっ!」


 部屋に戻ってきた、ナタンが愚痴ると、メルヴェは文句垂れるなと、彼の腹を肘でどつく。



「その日が待ち遠しいわ…………」


「それが、明日か? それとも明後日か? いずれにしろ、決戦の日は近いね」


 ベットに寝そべる、メルヴェと、その側に座る、ナタンはFAーMASを壁に立てかける。



「組み合わせた、これも、かなり長く使ってるな?」


「新しい武器や強力な武器も、連合軍から届いてるわよ?」


 ナタンが、長く愛用している、フランシュ製FAーMASブルパッブ小銃だが。


 これは、改良型のFAーMASG2と組み合わせた、ニコイチ銃である。


 だから、FAーMASが本来は使用できない、NATO使用の三十連弾装が使える。



「それだけ、連合軍も本気って事か?」


「そうね~~」


 ナタンは、弾帯などと言った装備を下ろし、メルヴェは靴下を脱ぎながら、他愛のない会話をする。



「それよか、午後からミーティングよ、忘れてないわよね?」


「忘れてないよ、大丈夫さ…………♡」


 メルヴェの言葉に、ナタンは呑気な笑顔を浮かべて、返事を返した。


 彼は、彼女の身体に覆い被さり、かなり顔を近くにまで近づけた。



「ちょっ? いきなりっ!」


 メルヴェは襲われて、顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに、彼から目を背けつつ驚くのだが。



「嫌かい? 嫌なら別に良いんだ…………僕は帝国兵じゃないからね、無理強いはしたくっ!?」


「待って、無理強いじゃないわ…………良いわよ、好きにしても♡」


 一度は離れた、ナタンに対して、彼の唇に人差し指を押し付けた、メルヴェ。


 彼女は、直ぐに彼の身体をガッチリと着かんで、抱き寄せた。



 それから長い間、二人は身体を密着させた。



「はっ!? ヤバイ、ヤバイわっ! ミーティングに遅れる」


 長い間、ベットで寝ていた、メルヴェは何気なく時計を見ると、既に時刻は午後を過ぎていた。



「ナタン、起きてよ、起きてってばっ!」


「ん、んん…………なんだい? メルヴェ?」


 それを見た瞬間、メルヴェの目と頭は、一気に覚醒して、彼女はナタンを揺さぶる。



「ミーティングの時間、後もう少しで開始よ」


「あっ? 早く支度しないと遅れちまうっ!」


 こうして、メルヴェの言葉で目が覚めた、ナタンは急いで支度をし始めた。


 二人は服を着替え、専用の銃を構えると、急いで、ブリーフィングルームまで走って向かう。



 薄暗い廊下を歩く途中、二人は様々な仲間たちと、すれ違う。



 四人がかりで、デカイ農緑色のケースを運ぶレジスタンス員たちを避ける。


 巡回中で歩き回っている、レジスタンス員たちと、挨拶する。



 他にも、二組で武器をぶら下げたドローンや、重装備のレジスタンス員などを見かけた。



「あんなに武器が、それに見た事も無い装備も…………」


「緑色のシュヴァルツ・リッターに? 緑色のオーガー」


 新しい装備を、身につけた仲間たちを見て、非常に驚きながら走る、メルヴェ。


 その後を追う、ナタンも連合軍が噂通り、本気を出したと悟った。



「着いたわ」


「着いたね」


 ミーティング開始時刻、ギリギリ三分前に着いた、メルヴェとナタン達。


 二人は、ブリーフィングルームのドアを直ぐに開いて、すばやく室内に入る。



 そこには、大勢のレジスタンス員たちが、左右に分けられた、パイプ椅子に座っていた。



「お前ら、遅いぞっ! 何をやっていたんだっ!」


「ごめん、急にトイレに行きたくなっちゃって」


「そう言う訳なんだ」


 ウェストの叱咤に、メルヴェが適当な言い訳を言うと、ナタンもそれに合わせた。



「…………はぁ? 二人ともか? まあ良い、始まるぞ黙って聞いてろ」


 そんな、二人の言い訳に半ば呆れつつも、ウェストは、あまり怒らなかった。


 それは、ミーティングが始まるので軽く注意しただけで済ませた訳だ。



 パイプ椅子の後ろにある、テーブルに備えられた、プロジェクターからは青白い光が出ている。


 そのレンズから出た発光は、宙を舞う埃《ほこり》を光らせるが、巨大スクリーンに投影され始める。



 こうして、レジスタンスのリーダーが、奇襲作戦を語り始める。



「良いか、今回の作戦は前回同様に複数の帝国軍・帝国警察の施設を襲撃する」


 スクリーンに映し出された映像には、様々な画像が映し出されていく。



 帝国軍関係の武器製造施設・帝国病院・帝国警察都市監視タワーなど。


 そう言った、複数の帝国軍・帝国警察に関連する施設が、写真として見せられる。



「だが、以前とは違い本格的な戦闘になる事が予想させる…………まずは奇襲部隊が複数の施設を襲撃し、次いで第二次攻撃隊が手薄になった帝国側の軍事施設を叩く」


 第二次攻撃隊の目標、それは、かなり厳重な警備が敷かれた場所だ。


 そして、重武装を施した、人員を大量に配する帝国軍・帝国警察の軍事施設である。



「その後、出来る限り市内に混乱を起こし、敵の目を釘付けにする」


 レジスタンスのリーダーが、全員に向き直り、奇襲作戦を説明し続ける。


 スクリーンには、市内全体の地図が映し出されており、襲撃する各所が示されている。



 奇襲隊の担当する、第一攻撃目標は、赤⭕で囲まれている。


 第二次攻撃隊の目標地点は、赤い二重⭕が記されていた。



「以上だが、質問は無いな? では解散だっ!」


 明日の攻撃目標が知らされた事で、ブリーフィングは終了した。


 それで、殆どのレジスタンス達は立ち上がり、廊下を目指して出ていく。



 その中には、ナタンとメルヴェ達もあったが、二人は廊下に出ると、また来た道を戻り部屋に帰る。



「部屋に帰るか? それとも食道に行こうか?」


「取り合えず、いったん部屋に帰りましょう」


 どうするかと、ナタンは右隣に立つ、メルヴェの方を向いて聞いた。


 少しだけ思案した、彼女は天井の方に目を向けて、帰ろうと答えた。



 その後、二人は呑気《のんき》に歩いていたが、十字路に差しかかる。


 すると、通路右側から、いきなり、ワーウルフのような影が飛び出てきた。



「…………ナタンとメルヴェじゃあないっ? 見てよ、私の新しい姿をさっ!」


 それは、緑色の野戦服を纏った、チーター型の獣人になった、ハーミアンであった。



 今の彼女は、濃い黒肌、細くガッチリとした身体つき、鋭い鉤爪が付いた両手を持つ。


 顔は、真ん中分けされた癖があるパーマがかった、クローム・イエロー色の髪に猫耳を生やす。


 また、アーモンド型の大きな、サラダ・グリーン色の瞳を輝かせていた。



 鼻は、猫のように成り、両頬にも何本か長い髭が生えている。


 それから、薄いピンク色の唇にも、鋭い犬牙を生やしている。



 服装は、首にサン・オレンジ色に染められたら、スカーフ&同色のマフラーを巻いていた。


 体には、ムーンライト色に染められた、Tシャツを着ている。


 さらに、上には、ジャスパーグリーン色のミリタリーブルゾンジャケットを羽織る。



 髪の色を除いて、服装は変わらなかったが。



 脚に履いてる、ピーグリーン色ズボンとともに、特別製の同色に塗装された、ブーツを履いていた。



「いや~~? ワーウルフならぬ、ワーキャットに成っちゃったわ? しかし、獣人になると凄い力が漲るっくるわ」


 ハーミアンは、くるるんっと、一回転しながら背中側も二人見せた。


 すると、腰からは猫のように長い尻尾が生えている事が分かった。



 また、それを彼女は、クネクネと自由自在に揺らしたのだった。

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