【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第220話 乱戦と敵に増援がっ!

公開日時: 2024年7月12日(金) 10:58
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:39
文字数:3,213


 未だに、カントリー・プラザ・BNP・PFビルでは、激闘が続いている。



「あの女兵士、中々やるな? お陰で助かった」


「彼女は優秀なドライアドだからな」


 レオとドミニック達は、隔て板に移動して、戦闘を観察する。


 既に、味方部隊が用意した全てのプレットフォルマーMも破壊されている。



「不味いなぁ…………ドミニック、左側から攻めてくれないか? 俺とミア達は正面から押すっ!」


「分かった、では行くとしよう…………トゥキリ、ペゼリ、行けっ!」


「突撃しますよ、分隊長」


「行けと言うなら行きますよ」


 レオは、ドミニックに対して、指示を伝えると、即座に行動に移る。


 そして、彼女はトゥキリとペゼリ達に命令を下す。



 二人は、それぞれ銃を腰だめで構えながら走っていく。



「敵兵っ!! こっちに向かっ! ぎゃあっ!」


「敵部隊がっ! このっ! う、ぐ…………」


「うっ! 何処か、ら…………?」


「奇襲っ! うぎゃ、ぐ、ぐふっ!!」


 トゥキリと呼ばれた男性兵士は、敵が隔て板や事務机から身を出すと、RPKー201で撃退する。


 彼は、勢いよく乱射せず、正確な射撃で何発かずつ機銃弾を撃ちつつ走る。



 その後に続く、ペゼリは敵が倒れた事務机まで滑り込むように行くと、直ぐさま床に伏せた。


 次いで、AK101で右側の敵部隊に射撃を浴びせる。



「連中は、かなりの精鋭部隊だな? っと、俺もグズグズしていられんなっ! ミア、カルミーネ、行くぞっ!」


「きゃあっ!? レオ、カルミーネは居ないわよっ!」


 レオは、突撃を敢行しようと、二人の名前を呼んだが、直後RPGー7の弾頭が飛んできた。


 それは、ミアの背後にあった、隔て板を貫通して爆発した。



「は? どう言うこったよ…………それ」


「乱戦で離れてしまったのよ、何処に入るかは分からないわ?」


 レオは、居なくなった、カルミーネを心配すると同時、何処に行ったかと思う。


 小さな瓦礫の破片や灰塵で汚れた、ミアは戦っている途中で消えたと告げる。



「しゃあーーねぇな? 俺達だけで行くぞっ!!」


「あ、ちょっ! たく…………行くのは待ちなさい」


 H&K、UMPを構えて乱射しながら、レオは突撃していく。


 ミアも仕方なく指示に従い、メルケル200E二連散弾銃を撃つと走り出す。



「行かせるかっ! このっ!」


「うわあっ! 脅かす…………ぐうっ!」


 RPGー7を構えていた、ギガントが防弾板の裏から現れて、レオにタックルしてきた。


 その勢いで、彼は吹き飛ばされてしまい、地面に倒れてしまう。



「レオッ!」


「おっと、お前はコレで仕留めてやるっ!!」


 ミアは叫ぶが、再びギガントがRPGー7を発射してきた。



「ぎゃああああっ!!」


 たちまち、ミアは爆風に包まれてしまう。



「くっ! このっ! くたばりやがれっ!」


 レオは、うつぶせ状態で、腰からワルサーP5Lを抜き取り拳銃弾を撃ちまくる。



「そんな物が効くわけ無いだろうっ! お前も死ねっ! ぐおっ!」


 何発か撃たれても、拳銃弾ではギガントを倒せるはずもなく、逆に奴はS&W29マグナムを撃つ。


 積もりだったのだろうが、いきなり奴は爆発に巻き込まれてしまった。



「大丈夫か? 生きているよな?」


「ファルク…………か? 助かったよ、マジでさ」


 ファルクが現れると、彼は弾頭を使い果たした、RPGー7の発射器を背中に回す。


 今のギガントが爆発した理由は、彼による砲撃で殺られた。



 なので、レオは立ち上がりながら感謝する。



「狼顔になっているな? 敵は、まだまだ多いっ? 気は抜けないな…………」


「全くだぜ、さあ~~直ぐに次の奴を片付けようやっ!!」


 立ち上がった、レオはワルサーP5Lを右手に構えながら走り出す。


 ファルクも、立ったまま敵がかくれていそうな遮蔽物にダネルMGLを射ちまくる。



 それは、ドラム缶の壁を吹っ飛ばし、積み上げられた、土嚢を破壊する。


 さらに、事務机やソファーなどを粉々にしていく。



「ぐわああああっ!!」


「ぐおっ!?」


「きゃあ…………ぁ?」


 幾つかの遮蔽物には、敵が隠れていたらしく、民兵やPMC要員を爆殺する。


 しかも、その中には緑色に染色された衣類を纏う、ペルシャ系と思われるドリーマーも存在した。



「ドリーマーを殺ったのか? でも、敵兵は全く減らないぞっ?」


 レオは、ドラム缶の山に潜み、消え失せることなく増え続ける敵を脅威だと思う。


 なので、ここは一回後方へと撤退しようかと考えていると。



「ぐあああっ!!」


「うぐ、ブワッ!」


「こっちかっ! ぐっ!」


「居たぞっ! ぐおっ!」


 喉を押さえて倒れるアシュア系民兵や、口から血を吐きながら死体と化す、連合軍兵士。


 その様子を見て、反対側にレオは目を配ると、そこにはトゥキリとペゼリ達が居た。



 二人とも、隔て板に潜伏しながら敵の様子を伺っていた。



 次に、トゥキリは口から細菌粘液を噴射しながら、M45A1ピストルを両手で撃つ。


 ペゼリは、薔薇《バラ》を何本も投げて、隔て板に潜んでいる敵の注意を惹く。



 それに誘き寄せられた、白人民兵と黒人民兵たちは、銃を構えつつ飛び出た。


 だが、直ぐに、AK101のライフル弾を何発も浴びてしまった。



「ん? 敵は特殊兵の集まりらしいな? だったら、これを喰らえっ!!」


 ドローンを呼んだ、アラビ風のターバンを頭に巻いた兵士は、機体を床に降下させる。


 それから、胴体下部のハッチを開いて、投下された武器を受け取った。



 次いで、即座に小型マンホール型空中炸裂地雷を、幾つも投げてきた。



「ぐふっ!?」


「ごべぇーー」


 小型マンホールは、空中で回転しながら、高速で大量の拳銃弾や、矢が発射されてきた。


 今の攻撃により、被弾した、トゥキリとペゼリ達は倒れてしまった。



「チッ! お前は、シェイプシフターかっ!」


「ぐはっ! が、がばあっ!?」


 レオは、ドラム缶の陰ならH&K、UMP短機関銃を何発か撃って、シェイプシフター仕留める。



「厄介な連中だな? ふっ!」


「ぐあっ! ごお…………」


 シェイプシフターの死体を見ながら、背後から近寄ってきた連合軍兵士をレオは蹴飛ばす。


 次いで、H&K、UMPを奴の腹に十何発も撃ち込んでやった。



「これなら防弾ベストも破れただろう?」


 レオは、辺りの敵が再び奇襲を仕掛けて来ないかと、周りを見回して状況を確認した。


 左側からは、ドミニックの分隊が射撃を仕掛けているらしく、銃撃音が止む事がない。



 右側にいるはずのカルミーネ達は、乱戦に持ち込んだか、陽動されたか。


 それは、ここからでは分からないが、とにかく姿が見えない。



 彼は、次に背後を向いたが、そこに居るはずのミアや仲間たちが居ない。



 敵味方ともに、ソーサラー&ミミックマスター達による錯乱と奇襲で、入り乱れてしまったのた。

 


「んだよっ! この状況は…………? 中々にカオスだな? てか、下手したら同士撃ちしかねないぞ」


「連合兵が居たぞっ!! 死にやがれっ!!」


「止めろ、ソムサックッ!?」


 ぶつくさ文句を言いながら、ドラム缶の陰から出た、レオは次に土嚢まで走っていく。


 そこにたどり着くと、H&K、UMPの弾倉を交換しながら身を伏せた。



 しかし、そこにソムサックが現れると、両手を前に出して、短機関銃を撃とうとした。


 だが、幸いにも、カルミーネが彼を止めた事で、拳銃弾は両腕から放たれなかった。



「うわっ!? ソムサック、何すんだっ!」


「済まん…………申し訳ない…………」


「いや、今のは彼に責任は無い、やったのはドリーマーだっ!」


 レオは驚きながら、ソムサックを見て叫んだが、カルミーネは冷静に事態を把握していた。


 彼は、今の事故で誤射しそうになった事は、全てドリーマーによる幻影魔術が原因だと考えた。



「敵には、まだまだ特殊部隊が居るっ! 連合側の精鋭部隊だっ!」


 カルミーネは、そう言いながら、緑煙や手榴弾が爆発する連合側の遮蔽物を眺める。


 事務机・隔て板・防弾板など、他にも様々な遮蔽物が、バリケードとして並ぶ。



 きっと、どこかに敵のドリーマーが伏兵として、息を殺して潜んでいる。


 ソイツを見つけるべく、彼は耳だけを獣化させて、研ぎ澄ますのだった。

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