「続いてのニュースです、暴徒化した難民による警官隊との衝突はハンザ連邦各地の州で発生して、一部の州ではイズラム過激派によるテロも頻発しており…………」
ハンザ連邦・西方地域、フランシュ州、パァリ市、安アパートの一室にて。
「嫌だわねぇ? また難民とテロだなんて…………」
ボケッとした、老婦人は柔らかいソファーに座りながら、テレビの液晶画面に視線を向ける。
そうすると、自然と口が動き、小さな声で愚痴を溢していた。
『…………テロリストは特殊部隊の投入により…………速報ですっ!? たった今入った情報によりますと、メッケル大統領とマクロニ首相が反乱軍によって銃殺刑に処されましたっ!!』
「反乱軍? って…………? はいいっ!!!!」
老婦人は、聴こえてきた内容に驚いて、テレビのニュース映像を見やる。
彼女の眺めた、テレビの明るい画面に映る、ニュース番組だが。
その内容は、大変衝撃的であり、非常に強烈な映像が流れてきた。
ハンザ連邦の西方地域、ベルギュー州、首都ブリューセル、大統領府。
「大統領っ!? 大変ですっ!!」
大統領府、警備担当の責任者である、スーツ姿の警備隊長は非常に慌てた様子だ。
彼は、乱暴にノックもせずドアを開いて、会議室に入室して来た。
「何なの? 難民の犯罪? テロ…………それとも、ネオナチの馬鹿共が大統領府前で、デモとかして騒いでいるのかしら?」
ハンザ連邦合衆国、初の女性大統領である、メッケル。
彼女は不遜な態度で、会議室の椅子に、ふんぞり返りながら警備隊長を睨み付ける。
「はいっ! 大統領…………反乱軍が大統領の元まで迫っているのです…………」
「成ら何で貴方は此処に居るのよっ! さっさと警察や軍を応援に呼びなさいよっ!? こーーのぉっ! 役立たずっ!!」
情況を説明した、警備隊長だったが、メッケル大統領は、ヒステリックに罵声を浴びせる。
彼女は、政治家としての義務感や国家運営能力は全く持ってない。
ただ、部下に八つ当たりするだけの凄まじく傲慢な豚女である。
「まあまあ、良いじゃないか~~? メッケルぅ~~? 社会の負け犬の遠吠えや、頭の固い田舎者の事より、今夜も僕とホテルで政治談義をどうだい?」
メッケル大統領に、気安く話しかける男性は、フランシュ州出身のマクロニ首相だ。
彼は、二六歳も年上の女性と結婚した、変態年上熟女好き、腐れキモハゲ男である。
「あ~~らぁ? マクロニィーー♡ 貴方には、あ~んなに美しい奥様がいらっしゃるのに? 夜の方は満足出来て居ないのかしら♡」
「当然さっ! 君みたいな美女が僕のパートナーだったら、毎晩素敵で情熱的な夜を過ごせるだろうと、嫁を抱きながら毎晩思うんだよっ♡」
メッケル大統領とマカロニ首相たちが、ともに抱き付き合って、熱々な雰囲気になる。
そして、自分たちが連れてきた部下や、警備隊長の前で、イチャイチャし始めた。
「…………コイツ等は…………ふざけやがってっ! …………こんな馬鹿共と難民の為に高い税金を納めているんじゃあ無いんだぞっ! …………」
いちゃつき始めた、馬鹿大統領と変態首相を黙って見つめていた、警備隊長は遂にブチギレた。
突如、彼は腰から抜いた、シグP226の銃弾を何発も撃ちまくる。
そして、メッケルとマカロニ達のボディーガード連中に、次々と弾丸を浴びせる。
スーツ姿の警備隊員も、次々と両手に握る、シグP226を発泡して行く。
最後に残ったのは、警備隊長を含む警備隊・三人と、メッケル大統領とマクロニ首相たちだけだ。
「なっ? 何っ! 何で私達に銃を向けるのっ!? いったい? 何でよっ!?」
「貴様っ! 警備隊長の癖に、こんな事をして、只で済むと思って居るのかぁっ!」
メッケル大統領とマクロニ首相たちは、部下たちによる反乱を前にして叫ぶ。
だが、警備隊長は冷ややかな視線を向けると、ゆっくりと喋り出した。
「大統領、それに首相…………ある人は難民の男に大事な一人娘を殺されました、その犯人の男は左翼弁護士に守られ国から生活保護を貰い…………結婚して可愛らしい娘を二人も天から授かり裕福な暮らしを続けました」
警備隊長は、醜い雌豚&変態ハゲ達に向け、ゆっくりと諭すような口調で、喋りだした。
そして、歪みきった、社会が産み出した不公平な出来事を語り出す。
「また…………ある人は移民に大事な一人娘を監禁され大勢の男に犯されました、なのに犯人の男は国外追放と言う寛大な処罰しか受けずに済みました…………」
警備隊長は、一人で淡々と、雌豚と変態ハゲたちに語り続ける。
彼は、前々から二人の政治家による身勝手さに呆れ果てていた。
「貴方達には全ての責任をとって貰います…………」
「そんな事は知らないわよっ!」
警備隊長の話を聞いた、メッケル大統領は怒鳴り散らす。
それから、まるで子供の如く、自分には全く落ち度や責任も無いと言うように駄々をこねる。
「警備隊長殿? 失礼しますよ」
「入って良いぞ、部隊長殿…………」
コンコンと、扉を叩く音が聞こえると、今度は、透き通るような声が聞こえた。
すると、警備隊長は、声の持ち主である部隊長に入室を許可した。
「お初に目にかかります、メッケル大統領、マクロニ首相…………早速ですが貴方達は我々に処刑されて貰います…………」
「ふっざけるなぁーー! いったい私がどれだけハンザ連邦合衆国の為に努力して来たのだと思って居るんだっ!? 貴様っ! 所属はその服装からすると国家憲兵隊か? それとも、その腕章や帽子の紋章から察するに貴様はネオナチかっ! どちらにしろ貴様等を逆に死刑にしてやるっ! 覚悟しろっーーー!!」
メッケルは、状況を全く理解出来ていないらしく、ヒステリック・クソババアとして騒ぎまくる。
また、豚のように醜い口から凄まじい勢いで、罵詈雑言を吐きまくった。
「五月蝿いババ…………熟女大統領だ事? おいっ! 大統領と首相を連行してくれっ」
「くそっ! ネオナチが偉そうにっ!!」
黒い制帽・黒いマント・軍服などと言った、服装に身を包んだ、白髪&藍眼の部隊長。
彼は、大統領と首相たちを背後に控える兵士等に連行させる。
マクロニ首相は、突然の処刑宣告に驚き、茫然自失と成り、黙って連行されて行くが。
もちろん、豚女メッケル大統領は諦めが悪く、激しく抵抗し始める。
そうして、彼女は会議室から姿が見えなくなるまで、喚き散らしながら連行されて行った。
「大統領…………私はもうこの国と貴方達には愛想が尽きました…………私はこれからは彼等の国へ忠誠を誓います、彼等ファシストの国家…………ノルデンシュヴァイク帝国にっ!」
警備隊長は、ただ突っ立ったまま連行される二人を見ていた。
養豚場から、屠殺場に連れて行かれるような豚女、メッケル大統領。
そして、熟女が大好きな無能な変態政治家である、マクロニ首相。
彼等の後ろ姿を眺めながら、警備隊長は小さな声で呟やいた。
メッケル大統領とマクロニ首相たちは、大統領府の駐車場まで連行されて行く。
そこには、大勢の黒い軍服を着た兵士たちが、ズラッと整列していた。
青い腕章を身に付け、フリッツ・ヘルメットを被って、黒い軍服を身に纏う兵士たち。
彼等は、青髪や白髪であり、瞳も碧眼や蒼眼で、唇も青かった。
要は、精気を感じさせない色白肌をした、傷だらけのゾンビ顔だ。
その兵士たちが、銃を構えて待機していた。
「これは…………?」
メッケル大統領とマクロニ首相たちは、眼前に広がる兵隊たちを見て思った。
この光景は、世界大戦を開戦させた過去の国家社会主義を掲げた死神軍団。
それと、ゲルマン民族の繁栄を目指した、帝国国家の行進を彷彿とさせる。
そう、それは当に消え去ったはずである過去の亡霊、ナチスを思い起こさせる。
「何なのよ? いったい何で私がコイツ等ネオナチに処刑されなければいけないの? あのゾンビ顔はコスプレっ? ハロウィーンはまだだし、メイクが安っぽ過ぎるわよっ!」
連行されて、駐車場にある台の上まで連れて来られた、メッケル大統領。
彼女は、十字架に貼り付けにされ、いよいよ処刑の時刻が迫る。
「ああ…………もう駄目だ…………」
「このナチスの亡霊達めえぇっ~~何時まで私達ドイツェル人に付きまとう気だーー!? 私がお前達に何をしたって言うんだっ! 私は国の為、お前達がやった罪を贖罪してきただけだぞぉーー! それを無に帰す気なのかぁーーーー!!」
マクロニ首相は、すでに絶望し切っており、非常に大人しくなっていたが。
やはり、メッケル大統領は、雌豚がピィピィ喚き泣くように騒いで怒る。
「構ええーー!!」
四人の兵士達は、上官による命令に従い、長大な銃身を持つ黒いバトルライフル、FALを構える。
遂に喚き散らす、ハンザ連邦合衆国を食い物にしてきた、魔女。
いや、馬鹿女が最後には、十字架に貼り付けにされる。
その光景を、テレビやタブレットから中継を通して、成りゆきを民衆は見守っていた。
「発砲を許可する、射撃開始だぁーーーー!!」
「これは嘘よっ? テレビのドッキリッ!? これは夢? 私達を支持するハンザ国民と可哀想な難民達の為に粉骨砕身して働いてきた私がぁ~~~~何でぇーーうわぁーーん~~!?」
最後の最後まで、みっとも無く喚き散らしていた豚女メッケル。
この雌豚は、本当に最後まで、ギャンギャンと喚き散らしていた。
だが、たっぷりと皮下脂肪の貯まった、ビールっ腹に、何十発も銃弾を浴びてしまった。
それにより、ボロボロに成り果ててしまい、呆気なく息絶えた。
マクロニ首相も同じく、体中を7、62ミリ弾に貫かれてしまう。
そして、チーズのように、体を穴だらけにされて、真っ赤な血塗れになり事切れた。
「同志諸君っ! 我等ファシストは今腐り切った豚を二匹も排除する事に成功した…………だが我等の崇高なる戦いはここからが本番だっ!!」
高級仕官らしき、シルバーブロンド髪と、薄青色の瞳を持つ男。
彼は、兵士達と中継を見ているであろう、民衆に向かって叫ぶ。
「我等ファシストは難民を駆逐するっ! 不法入国者や左翼もだっ! 我が帝国の名前はノルデンシュヴァイク! この世界の、この星の人間達よっ! 偉大なる白人種以外は我等ファシストにひれ伏せっ! 我等ノルデンシュヴァイク帝国の奴隷と成れっ!」
高級仕官は、舞台俳優や神聖な僧侶のように腕を振るい、饒舌に演説を行う。
その姿はまるで、ヒトラーを思わせる。
「白人種成らば我等の同志と見なそうっ! しかし白人種で合っても逆らう成らば左翼と見なし即射殺する! 分かったな愚民共?」
西暦2015年。
この星は、異世界からやって来た邪悪な帝国に宣戦布告された。
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