【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
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第二部 愉快な少年・少女たち

第17話 始まりのかなり前に…………

公開日時: 2024年7月9日(火) 13:09
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:34
文字数:3,713


「レオっ! 遅いぞっ!」


「ナタン? 待ってくれよっ!」


 二人の少年たちが、元気良く古い建物が並ぶ町中を遊びながら走り抜けて行く。


 ナタンと呼ばれた男子は、ウェーブがかったタバコ・ブラウンの髪を揺らす。


 ルクソールブルーの負けん気が強そうな瞳に、健康的な肌色をした、元気一杯な腕白坊主である。



 ナタンは、赤いシャツに灰色の短パンと言う、ラフな格好をしていた。



 もう一人、レオと呼ばれた少年は、毛先がカールしたサルファー・イエローの髪を風に靡《なび》かせる。


 メディシ・ブルーのキリッとした賢そうな瞳、白みがかった肌色などが目立つ。


 と、全体的な雰囲気は利発そうに見え、また実際に、そう言う性格の少年だった。



 レオは、黒いジャケットに青色の服を着ており、下には、青いデニムと大人びた格好をしていた。



「あははっ! 遅いっ! おせーーぞっ! レオ?」


「待てよってのっ! ナタンッ! …………」


 二人は、追い掛けっ子しながら町中を走り、友達との遊ぶ約束をした、遊び場である公園を目指す



「彼奴らはもう来ているかな?」


「大丈夫さ…………公園には俺達が一番乗りだっ!」


 ナタンとレオ達は、町角を曲がり、向かい合った花屋とパン屋の店先を駆け抜けて行く。



「ゼェーーゼェーー?」


「ハァッ! ハァッ!」


 それから、ナタンとレオ達は、息が切れてしまうくらい公園まで走った。


 二人とも背中を丸めて、膝に両手を当てて、地面の舗装された、灰色ブロックを見た。



「ゼェーーゼッ! 走り過ぎたなっ! やべっ疲れたわぁ~~?」


「お前が走り出したから、俺まで走らなければ成らなく成ったんだろうがっ!」


 息を切らした、ナタンとレオ達は疲れてしまい、二人して、公園にあった白い木製のベンチに座る。


 そして、辺りを見渡して、友達が自分達よりも早く公園に来ていてないかと探す。



 しかし、辺りの森と、芝生に囲まれた遊歩道には友達は居なかった。


 そこに居る人々は、杖を突いて歩く老人と、犬の散歩をしている若い女性などであった。


 その中に、当然だが子供は確認出来ず、友達は、誰一人まだ来てはいなかった。

 


「ミアとメルヴェ達はまだ来ないのか?」


「来るわけ無いだろ? 家の手伝いやら宿題で忙しいんだよ」


 ナタンの何気ない呑気な言葉に対して、即座に反論する、レオ。


 そして、二人は何もする事がなく、ベンチに座りながら下を向く。



 灰色の遊歩道をじっと見て、これからどうするのかと、頭を抱えて考え込む。



「おーーいっ! お二人さんっ?」


 何処からともなく聞こえてきた少女の声に、驚いて、二人は首を振って周囲に誰か居ないかと探す。


 視線をあちこちに向けて探す、ナタンとレオ達に、さらに少女の声がかけられる。



「ここよっ! ここっ! 後ろを見てよ?」


 ナタンとレオ達が、ビックリしながら後ろを振り向いて見る。


 そこには、黒髪パーマショートヘアの少女が腕を組んで立っていた。



「あんた達さあ~~? 気付くの遅いわよぉ~~」


 黒髪パーマショートヘアの少女は、背後で仁王立ちしていた。


 グリーンシャドウの勝ち気そうで、同時にくりくりとした、可愛らしく見える丸い瞳を持っている。


 やや白みがかった、ベージュ色の肌で、からからとした明るい性格をした少女だった。



 服装は、バナナカラーが目立つセーターに、アイボリーカラーのダッフルコートを羽織る。


 足には、ラベンダーグレーのワイドパンツを履いていた。



「いきなり驚かすなよっ! メルヴェ」


「本当だよっ! 心臓に悪いぜぇ~~」


 ナタンとレオ達は、背後から突然に現れた黒髪の少女メルヴェへと、二人して文句を言った。


 だが、文句を言われた、彼女は直ぐに怒り出して、反論する。



「あんたらが、早く私に気付かないのが悪いんでしょうにっ!」


「それは…………そうだけど…………」


「そうだけどさ…………なぁ?」


 メルヴェの言葉に対して、歯切れ悪く答える、ナタンにレオ達が二人が困ってしまう。


 すると、右側から明るい声が聞こえて来て、そこに新たな四人目の少女が加わった。



「みんな私の事? 待ったぁ~~?」


 優しそうな明るい声とともに、ニコニコと眩しい笑顔で現れた少女。


 彼女は、ライトクリーム色の長いサラサラの髪を揺らしながら歩いてくる。


 また、綺麗なシャレイ・ブルー色の眠たげで、トロンとしたタレ目な瞳を、ニヤケさせていた。


 それに、透けるような真っ白い肌などの愛らしい容姿を持った、元気な少女だった。



 服装は、白い長袖ワンピースに、サロメピンクのカーディガンを羽織っている。


 下には、カーネーションピンクのスカートを履いている。


 また、足には、黒と白のしましま模様のタイツとハファール・シューズを履いていた。



「もしかして先に遊んでた? 私遅れちゃったのかな…………」


「いえ…………まだ二人とお喋りしてただでね、ミアっ大丈夫よっ貴女は遅れていないわ」


 ミアと呼ばれた少女は、遅刻したのかと心配して、首を傾げて、顔を不安そうな表情をする。


 それに対して、大丈夫だと、メルヴェは言って、彼女を落ち着かせる。



「それと~~この二人が来るのが早すぎんのよっ!」


 メルヴェは怒りと共に厳しい視線を、ナタンとレオに向けながら言った。



「いや…………早く来た方が良いだろっ!」


「だとしても、お前は早く来すぎだし? 走らなくても良いのに走り出しただろう?」


 言い訳をする、ナタンに対して、メルヴェだけでなく、レオも呆れてしまう。


 しかし、みんなから非難されても、彼は全然悪びれる様子も無かった。



「それに…………もう秋だって言うのに何で? あんたは夏休み見たいな服装なのよ…………」


「本当ね? ナタンは風とか空気とかは寒くは無いの?」


 まだ、木の葉が赤や茶色くなり、風で地面に降り積もってはいない。


 とは言え、季節が夏から秋に変わったと言うのに係わらずにだ。


 ナタンの夏場に着るような服装を見た、メルヴェとミア達は、風邪を引かないのかと心配したが。



「遊んで動けば暑く成るだろ?」


 悪戯好きな悪ガキである、ナタンは皆に対して、そう言って遊ばうと急かすが。


 しかし、他の三人は、いい加減な言葉を放つ、彼に呆れてしまう。



「お前もう少し暖かい格好をしろよっ! 見ているこっちが寒くなるわっ!」


「分かったよ…………今度遊びに来るときは暖かい格好をして来るよっ!」


 レオが、ナタンを怒ったことで、流石に彼も渋々皆の意見に従い、暖かい格好をすると誓う。


 そして、四人以外の遊び中間達も、次第に公園に集まって来た。



「よおーー? お前らっ! 来るのが早いなぁ~~?」


「俺達は遅刻組か?」


 遊び仲間たちを待ち続ける、四人の前に、新たに少年たちが現れた。



 一人は、にヘラ~~とした笑顔の少年で、呑気な声を出して現れた。



 スモーキィーベージュカラーの短髪、シー・グリーン色に光る瞳。


 そして、ピンクがかった白い肌の持ち主だ。



 服装は、首にマフラーを巻き、黒色のチェスターコートを羽織っている。


 下には、キャメルカラーのプルオーバーシャツを着ていた。


 下には、ステーキ・ブラウン色のジョガーパンツと、灰黒いスニーカーシューズを履いていた。



 もう一人は、落ち着いた雰囲気の少年だ。



 マロンカラーで艶のある、多少長い髪、暗いクローブ・ブラウンな瞳。


 微かに赤みがかった、白い肌の持ち主だ。



 服装は、色落ちした白みがかった、アザーブルーカラーのデニムジャケットを着ている。


 中には、キャロットオレンジ&リオ・トマトのストライプシャツを着込む。


 下には、白いスキニーボトムと、動きやすそうな真っ黒い、ショートブーツを履いていた。



「カルミーネ、キーラン、お前達遅いぞっ! 何を道草食ってたんだ?」


 ナタンは遅れて来た、カルミーネとキーラン達を問い詰めるが、遅刻して来た訳を話し始めた。



「それがさぁ~~? 道の途中で警察が検問をやっていてねぇ?」


「どうやら強盗をやった逃亡犯を探しているそうなんだ…………」


「でっ! …………お前らは運悪く、警察官に見つかって危ないからって家に帰る様に説教されたんだろう?」


 遅れてきた理由を、素直に話し始めた、カルミーネとキーラン達。


 二人に対して、どうせ警察官に説教されていたんだろうと言って、ナタンはさらに喋る。



「警察官に説教されようと俺達は遊ぶぜぇっ! そして逃亡犯が来たら警察より早く捕まえて一躍有名人に成ってやるっ!」


「あんた…………何を馬鹿な事言ってんの?」


「アホっ! 逃亡犯に出会して人質にされたらどうするんだ…………」


 ナタンの空気を読まない有り得ない発言に対して、メルヴェとレオ達は、半ば呆れながら怒った。



「あははっ! ナタン君はやっぱり勇敢で面白いねっ?」


 そんな中、ミアだけは一人、タレ目を緩ませて笑顔で笑いこけていた。



「だろっ? 逃亡犯なんて気にしないで遊ぼうぜっ! なっ皆!」


「君は怖い物知らずだね…………」


「呆れて何も言えないな…………」


 またも元気満々に、アホみたいな事を言ってしまう、ナタン。


 彼に対して、カルミーネとキーラン達も流石に呆れてしまう。



 そんな中、また新しい遊び仲間が、二人ほど現れた。



「あれ? 皆居るわね~~私達も遅刻しちゃったかな?」


「しまったぁ~~仕度するのに時間掛けすぎたわぁーー!」


 新たに現れた、二人の少女たちは、遅刻して来たことを気にして、申し訳なさそうな表情をした。

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