【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第211話 突入作戦

公開日時: 2024年7月12日(金) 10:48
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:35
文字数:3,298


 建物内部に突入しようとする第三小隊の面々たち。



「あ~~? じゃあ、突入しようか? 俺、ミア、ミネット、ソムサックが、アサルト分隊な?」


「僕、ベーリット、シモーネ、サナダ? この四人はサポート分隊だよ」


「俺を含む…………イェスパー、シェラ、オルツィ? 四人とも、シューター分隊だ」


 レオが言うと、カルミーネとヴラウリオ達も、分隊編成していく。



「チーム別けより、アレは何なの?」


「ずっと、気になってたんだけど?」


 ベーリットとレギナ達は、EVOの後ろに停車した、青いバスが気になる。


 ポローランド警察で使用されている、アウトサンH7ー10Ⅰ 警察バスだ。



 その車体からドアが開き、中から大量に帝国軍兵士が飛び出てくる。



「帝国軍の市民義勇隊だっ?」


「市民突撃隊も混ざっているようだけど?」


「義勇隊と突撃隊ね?」


「志願と洗脳の違いね…………」


 レオは、バスから降車する部隊を気にする事なく、EVOに入る。


 ミアも同じく、車内に呟きつつ入り、物資を物色する。



 その間、ベーリットは同じような単語を聞いて、小さな声で呟いた。


 そして、レギナが名前が違う理由に関して、知っている事を語る。



 市民義勇隊は、戦時・有事に際して、臨時編成される部隊だ。


 そのため、通常時は他業種に従事している。



 市民突撃隊は、戦時に市民を強制徴集して、洗脳改造したあと、最前線送りにした部隊だ。



「連中、装備が全然ちがうわね?」


「所詮は、捨て駒だからな…………」


 ベーリットが何気なく呟くと、ヴラウリオが軽装の理由を話す。



 市民義勇隊は、自動小銃や防弾ベストなど、一般兵と同じ装備を身に付けている。


 対する、市民突撃隊は軽装備で、旧式の短機関銃や散弾銃で武装している。



「アイツら以外にも、シュトゥルムZ、アスカリとかも存在するからな?」


「よっと、準備完了ってね?」


 レオは武器を漁りながら、H&K、UMP短機関銃を手に取りつつ話す。


 彼が言った通り、現在の帝国には、軍・警察ともに臨時編成された幾つか部隊が存在する。



 そして、同じく武器を欲していた、ミアは二連散弾銃メルケル200Eを探し当てた。



 それから、二人は狙撃銃であるPSGー1とSSG、82を、武器ボックスの上に置いた。


 これから室内戦を始めるのに、狙撃専用に作られた銃は必要ないからだ。



「よし、ソムサック? 先導は頼んだぞっ!」


 市民義勇隊と市民突撃隊が、ビルの室内に銃撃しながら窓を割って、突入していく。


 一部、ワーウルフやヴァンパイアなどの兵士は、バスの上に飛び乗った。



 そこから、歩道の上にある雨避け用に設けられた、屋根から室内に入っていく。



 彼等を見ながら、レオは指示を下す。



「あいよ?」


 ソムサックは、付近にある車両用の地下入口から突撃していく。


 その後を追って、他の隊員も内部に入っていった。



「内部に敵影は無し…………」


「クンクン、爆弾などの罠もない」


「駐車場は、安全だわっ!」


「次は、上の階ね? 既に帝国軍部隊が動いているようだけど」


 ソムサックは、どんどん奥に向かって罠を気にする事なく走っていく。


 彼は、防弾鎧を着ているため、多少の爆風や銃撃は効かないゆえに、奇襲などを恐れずに進む。



 その後を追っていく警察隊員たちだが、イェスパーは匂いを嗅いで警戒する。


 さらに、罠の有無を調べつつ、地下駐車場を進んでいく面々。



「おわっ? 爆弾か?」


「揺れたわ」


「どうやら、上の階で、下手こいたらしいな」


「それか伏兵でも居たのかしら?」


 いきなり、駐車場が揺れたので、レオとミア達は一瞬だけ焦った。


 カルミーネは険しい表情で呟き、ベーリットも天井を睨む。



「前進するか? 爆弾らしき物は無いんだろ?」


「匂いはしない、トラバサミとかなら壊してくれよ」


 ソムサックは、両腕を前にして、腕着式の短機関銃を、いつでも撃てるように歩いていく。


 その背後から、カルミーネは左右に目を配り、ベレッタCX4を構えながら移動する。



「階段だ、シェラ、ソムサック、先に突入してくれるか?」


「二人なら、トラバサミや地雷に対処できるしな」


「分かったぜ、いつでも行ける」


「了解…………」


「援護する、準備してくれ」


「後ろは任せてくれよっ!」


 レオが指示を出しつつ、駐車場の隅にあった、ドアから右にある壁に貼り付く。


 カルミーネは、左側の壁でベレッタCX4を構えて立つ。



 オーガーであるソムサックは、ドアから突入する準備のために、体勢を前屈みにさせる。



 その後ろで、シェラは両手に武器を持ちながら立っていた。



 鞘から抜いた、細剣フルーレを右手に、左手にはH&K、MX8コンパクト・カービンを握る。


 この銃は、フォアグリップを銃身下部に備え、リフレックスサイトを上部に装着している。



 また、彼女はベルトに、四個の弾帯を装備してる。


 そして、背中側のベルトには、ダブルドラムマガジンを、二個ぶら下げていた。



 彼女の背後で、イェスパーはMg M/07軽機関銃を構える。


 ヴラウリオは、セトメ・モデロLを構えながら膝立ちする。



「シェラとサナダ達は、脳を弄られているからなぁ?」


「突入開始…………」


「二人の事より、奇襲に気をつけて」


「敵は何処から出てくるか、分からんからなっ!」


「周囲の警戒は任せて」


 ソムサックが呟きながらドアを蹴破り、強引に突入していく。


 その真後ろに、シェラが続き、素早く走っていった。



 レギナは、コンパウンド・ボウを構えつつ、二人を援護するべく、階段の上に右目を向ける。



 レオとミア達も、中に突入してきた。



「ここから先は、何も無いんだろ? いっちょ、派手に行きますかっ!」


「あっ! 誰か来るっ!」


 ソムサックは、タックルの構えを取り、猛烈な勢いで階段を進んでいく。


 その先にある曲がり角から、フラッシュライトが浴びせられた。



 それに、ミアが気がついて、メルケル200Eの二連銃口を向ける。



「落ち着いて下さい、帝国軍の市民義勇隊員ですよ」


 オルツィが、ミアの右側から銃口を静かに掴んで下げさせた。



「驚かせて済まなかった、この建物は我々が大体は制圧できた…………上階部分はまだ調べてないが、次の目標は隣の建物だ」


 現れた帝国軍・市民義勇隊員の兵士は、警察隊員たちに情報をもたらした。



「分かった、敵は居ないんだな? 話が上手すぎるぜぇ? おそらく、隣の建物で罠とともに待ち構えているんだな」


「だろうけど、僕たちは行くしかない? そっちの制圧は任せてくれ」


「了解した、我々は引き続き、この建物上階を制圧に向かう」


 ソムサックは、愚痴りながら階段を大きな音を立てながら歩いていく。


 そんな彼に、文句を言っても仕方ないと答え、カルミーネも階段を登る。



 また、その先に居た帝国軍・市民義勇隊員は、部下を引き連れて、階段を上がって行った。



「みんな、この先は廊下だ、そこから渡り廊下を進むが、たぶん…………」


「そこが、奇襲を受ける場所だわーー? はぁ、どうやって突破しましょうか?」


「ドローン、歩兵戦闘車、RPGー7は無いのか?」


「いや、これが有るから心配は要らないわ」


 カルミーネは、廊下から先に進むには、渡り廊下を通らねばならず、ここは鬼門だと考えた。


 ベーリットも、AGー3バトルライフルの銃身を下げながら、悩みつつも進んでいく。



 敵からの集中砲火・十字砲火を受けるかも知れないと、レオは心配する。


 しかし、レギナは背中から、ラップトップを取り出した。



「ヒュ~~やるじゃん、で? 使うのは無人航空機? それとも、ドローンに砲撃地点の観測をさせるの?」


「いや、さっきのサン・ミッシェルの隣にあった、ビルを爆破した、プロダクト54を使うのよ?」


「そうね…………二人とも、正解よ? まずは全天候型ドローンを使って、上空から観察する? それからプロダクト54で爆撃してやるわ」


 シモーネとミネット達は、ラップトップを見て、どんな手段を講じるのかと興味津々だ。


 そんな二人に対して、レギナは折り畳まれていた画面を開いて眺めた。



 そこには、ドローンに搭載された、暗視カメラにより、画面全体が緑色になっていた。



「じゃあ、次は…………」


 レギナは、画面を見ながら空中静止させた、ドローンが捉えた隣の建物を眺める。


 そうして、徘徊型自爆ドローン、プロダクト54を射つ機会を伺うのだった。

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