【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第0章 レジスタンスVS帝国

第1話 レジスタンスは今日も戦う

公開日時: 2024年7月6日(土) 13:53
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:26
文字数:3,377


 ここは、ベルギュー州、州都ブリューセル。



 かつて、そう呼ばれた場所だ。



 週末世界のように、灰色雲が空を覆う中、街中には怪しい雰囲気が漂っていた。



「奴らだ…………」


 イポカンプ通り、薄暗い屋内の中で、密かに蠢く影が、一つあった。



「メルヴェ、来たよ…………」


「分かったわっ! ナタン」


 茶髪で、青目の青年は、建物内からBTRー80装甲車が近づいてくる音を聞いて、準備する。


 湿っぽい室内から、もう一人、黒髪ショートヘアで黒みがかった瞳の女性が窓に近づいた。



 二人とも、緑色のコートを着ており、ただ、静かに敵を待つ。


 その背中には、リュックが背負われている。



「爆発したっ! 今だっ! 火炎瓶投下っ!」


「これでも喰らいなさいっ! タンデム弾よっ!」


 BTRー80装甲車は、路上に仕掛けられた即席爆弾により、派手に車体を舞いあげる。


 その後ろを走っていた、同じ車両も火炎瓶により、視界を炎で塞がれてしまう。



 また、対戦車用武器であるRPGー7から発射された、タンデム徹甲弾が車体を貫いた。


 直後、激しい爆発が起こり、この車両も粉々に吹き飛んでしまう。



「敵襲っ! 反撃しろっ! 歩兵部隊は降車するんだっ!」


 黒いフリッツ・ヘルメットや防弾ベストを身に付け、野戦服を着た帝国軍隊長は叫ぶ。


 すると、残り二台のBTRー80装甲車からは、素早く帝国軍兵士たちが降りてきた。



 そこを狙って、四方八方からレジスタンス部隊が、銃撃を仕掛ける。



 青白い肌の帝国軍兵士たちは、まるで死人みたいに不気味な顔をしている。


 それに、弾を何発か喰らっても気にせず、腰だめで、AK74を撃ちまくってきた。



 レジスタンス側の放つ銃弾は、確実に帝国軍兵士を貫いている。


 だが、ターミネーターを相手しているように、あまり効いてないように見える。



「火炎瓶だっ!」


「フラグもっ!」


「ぐあ」


「が……………」


 建物二階の窓や、三階屋上から、レジスタンス部隊が矢継ぎ早に武器が投擲される。


 落下していく、それらは帝国兵たちを焼き払い、爆散させてしまう。



「ん…………この音は? 不味い、戦闘ヘリだっ!! 撤退しようっ!!」


「向こうで、緑の信号弾も撃ったわね? じゃあ~~最後に、ここも焼き払うわよ」


 五月蝿いプロペラ音を聞いた、ナタンと言われた白人青年は直ぐに逃げる準備に移る。


 メルヴェと呼ばれた、女性レジスタンスも、床に撒かれていた灯油に着火したマッチを投げつける。



 それは、燃え広がり、火の海を作り上げる。



「突入っ! GOーー! GOーー! GOーー!」


「ストーイッ!! ダスビダーニャッ!!」


 屋内に侵入してきた、帝国軍兵士たちは、AK74を乱射しまくる。


 だが、炎の影から床に身を伏せた、ナタンとメルヴェ達も、AKMとAK47Sで反撃する。



「ぐふっ!」


「うわ、あ?」


 二人の放った銃弾は、防弾ベストを貫通して、帝国兵たちに何発も弾丸を浴びせた。


 それにより、帝国軍を撃退した二人は地下室への入口に飛び込んだ。



「メルヴェ、今爆破するぞ」


「分かったわ、やって頂戴」


 ナタンとメルヴェ達は、地下道を走っていき、仕掛けられていた、C4爆弾を起爆した。


 これで、入口は完全に土砂で覆われてしまい、帝国軍部隊の追跡を不可能にした。



「ナタン、帰るわよ」


「ああ、行こう…………俺達のアジトに」


 メルヴェは、AK47Sのスリングベイルを右肩に背負い、先に地下道を歩いていく。


 その黒いショートヘアを後ろから見ていた、ナタンもAKMを抱えたまま一歩進み出す。



 二人は、レジスタンス組織の一員であり、終わりなき戦いに身を投じている。



 現在は、ノルデンシュヴァイク帝国により、州都ブリュッツェルと言われる場所で戦っているのだ。


 帝国は、異次元からの侵略者であり、圧倒的な科学力と軍事力を誇っていた。



 2015年。



 帝国軍の総攻撃により、難民危機を迎えていた、EU軍&NATO軍は完全に瓦解した。


 逆に、北アフレアを目指して、地中海から船舶で、難民を引き連れて撤退していった。



 帝国軍は、各地で極右勢力&ネオナチの協力により、逃げ送れたEU軍を各個撃破した。


 破竹の勢いで、進軍した後はレジスタンスが組織されたが、帝国警察により掃討作戦が開始された。



 EU軍残党と民間義勇兵からなるレジスタンス部隊も、次々と帝国警察に狩られていった。



 だが、それでも人々は希望を捨てなかった。



 二人が、少し広い空間に出ると、右側の地下道へと歩いていく。



「こっちで物音が聞こえた気がする?」


「行って見よう、まだ敵が潜んでいるかも知れない」


「追っ手だわ、私達を探しているわ? いえ、どうやら既に片付けた見たいね…………」


「先回りされていたのか、こっちだ、身を隠すぞっ!」


 制帽を被る帝国警察の隊員たちが、二人に気がついたらしく、前方から段々と近づいてくる。


 そんな中、ナタンとメルヴェ達は、レジスタンス仲間達の死体を見つけた。



「どうだ、誰か居ないか? 誰だっ!」


「敵かっ! 射殺するぞっ!」


 長身の警察隊員は、グロック18拳銃とライトを敵に向かって、素早く構える。


 ガタイの良い警察隊員は、フランキ・スパス15散弾銃を両手で持ち上げた。



「撃つなっ! 帝国軍部隊だ」


「テロリストを追ってきたんだ?」


 だが、見つかったのは、前方から現れた帝国軍兵士たちだった。



「こっちは、掃討が終わってる、このまま捜索しても無駄だろう」


「我々が、チェックしたが逃げていた連中は、この様だよ…………」


「分かった、我々は帰投する」


「そっちも、索敵任務は終了だろう」


 長身の警察隊員が、銃を下ろしつつ歩きだし、ガタイが良い警察隊員も散弾銃を背中に背負う。


 すると、若い帝国軍兵士は踵を返して進み始め、もう一人の帝国軍兵士も後に続く。



「奴ら、行ってしまったな?」


「私達も行きましょう」


 ナタンとメルヴェ達は、地下道の脇に死体に重なるようにして、身を隠していた。


 そして、危機が去った今、二人は再びアジトへの帰還ルートへと向かっていく。



 縦横無尽に掘られた地下道は、中世から現在に至るまで様々な理由で作られた物だ。


 大戦時には防空壕として、平時には密輸品の貯蔵庫を隠すために様々な勢力が作った。



 現在も、レジスタンス員が隠れ家にしながら坑道を広げている。



「この先を降りれば、次の道に行ける」


「そうね、先に行くわっ!」


 ゆっくりと、地下道を進んでいた、ナタンの前に大穴が現れた。


 メルヴェは、飛び降りると同時に周囲にAKMの銃口を向ける。



「敵は居ないわ、大丈夫よっ!」


「分かった、こっちも降りる」


 メルヴェは、前方にAK47Sを構え続けながら、ナタンを呼ぶ。


 暗闇の中に広がる黄色い土壁を、二人は見ながら奥へと前進していく。



 眼前に広がるのは、何処までも続いるように見える地下道だけだ。


 気を抜かず、早歩きで動いていた彼等だが、急に左右の壁が爆発して襲う。



「うわっ! なんだっ!」


「敵襲よっ! 反撃しなきゃっ!」


 どうやら、帝国軍が罠を仕掛けていたらしく、二人は不意討ちを喰らってしまい、吹き飛ばされる。


 尻餅を突いた、ナタンは直ぐさまAKMを持ち上げ連射しまくる。



 メルヴェも、左右に銃口を揺らしながらAK47Sを大口径弾を撃ちまくった。


 当然、向こうも壁に身を隠しながら、AK74やH&K416と言った、自動小銃を乱射してきた。

 


「引っ掛かったぞ、敵は二人だけだっ!」


「すぐに殲滅してやるからなっ!!」


 帝国軍部隊が、ナタンとメルヴェ達に銃弾を浴びせようとしてくる。


 連中が放った弾丸は、二人を蜂の巣みたいに貫かんと大量に跳んでくる。



「不味い、喰らえっ!」


「な、煙がっ!」


 このままでは、撃ち殺されてしまうと判断した、ナタンは発煙弾を投げた。


 それにより、帝国軍部隊の視界は遮られてしまい、二人は身を隠すことに成功する。



「メルヴェ、今のうちに投げるぞっ!」


「分かってるわっ! 行くわよっ!」


 ナタンは、素早く着火した火炎瓶を投げつけて、地面に炎を広げる。


 メルヴェも、手榴弾を二個も転がして、敵の眼前で炸裂させる。



「うわああああっ!!」


「ああーーーー」


「ぎゃあっ!?」


「うああぁぁぁぁっ!」


 この結果、帝国軍部隊は、火炎と爆風で一気に殲滅されてしまった。



「なんとか、助かったか?」


「そうね、早く行き?」


「あっちで、銃声がしたぞっ!」


 ナタンとメルヴェ達が、ホッと息を吐くことが出来たのも一瞬だけだった。


 なぜなら、後方から帝国側の追跡部隊が差し迫っていたからだ。

 面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。


 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)



 ⭕️ 帝国軍&帝国警察に関して。



 モデルは、ナチス・ドイツの国防軍と武装親衛隊ですね。


 この作品で、帝国は様々な国をモデルにしました。



 ナチス+ソビエト連邦+現代ロシア。



 この中でも、特に装備や兵器に関しては、現代ロシア軍やスペツナズ寄りになってます。



 まあ、その辺りは御了承ください。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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