【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第146話 もう一人のワーウルフとリッチ達?

公開日時: 2024年7月10日(水) 21:56
更新日時: 2024年7月13日(土) 11:57
文字数:3,120


「ぐわあっ? 閃光手榴弾《スタン・グレネード》かっ!」


「あ? ……何がっ!?」



 空中で、破裂した手榴弾は、真っ白な閃光を放ち、目映い光が二人を包む。


 それに、目が眩《くら》んだ、レオとカルミーネ達は、姿を見せぬ敵を前にして怯んでしまう。


 

 目と耳をやられ、窮地に陥る二人。



「今だっ! 攻撃を仕掛けろっ!」


「連中は、怯んでやがるぞっ!」


 連合軍兵士たちは、立て続けに室内へと、突入していく。


 彼方此方《あちらこちら》、四方八方《しほうはっぽう》から現れる連合軍兵士たち。



 こうして、自動小銃や分隊支援火器を手にした、連合軍部隊が、いよいよ襲いかかってきた。



「うぐぅ…………? クソ、目さえ見えればっ!」


「レオ、大丈夫だ…………僕には、敵が何処に居るか分かるからね」


 混乱する中、レオは相棒に当たらぬようにと、ワルサーP5Lを前方に撃つ。


 その隣では、ワーウルフ顔に変身した、カルミーネが鼻を、ヒクヒクと動かす。



「カルミーネ、本当に大丈夫なのか?」


「ああ、さっきは頭に血が登ってたけど……」


 レオは、ヨロヨロと体を動かしながらも、カルミーネの心配をする。


 当の彼は、自信満々に、ベレッタMX4を片手で撃ちまくる。



「鼻さえ使えるなら、匂いで敵の居場所は分かるっ!!」


「ぐっ! これしき」


「まだまだ、やれるぜっ!!」


 カルミーネの銃撃を食らっても、連合軍兵士たちは、走る勢いを止めずに突き進んでくる。



「は? コイツら、鍛えられているなっ!」


 カルミーネが使う、ベレッタMX4カービンは、拳銃弾である9ミリ弾を使用する。


 彼が、この低威力弾しか撃てない騎兵銃を使う理由は、2、5キログラムと軽量だからだ。


 また、これは民間用のセミオート式が主流だが、彼が使用している物は軍用型である。



 そして、彼は突撃時などに低威力がでも、低反動で軽便ゆえ、走りながら撃つために愛用していた。



「お前ら、はやく死ねっ!!」


「この程度っ!!」


「多少は問題ないっ!」


 何発、カルミーネが撃とうとも、連合軍兵士たちの進撃は止まらない。


 フリッツ・ヘルメットを被った、黒人兵士はAK47を走りながら撃ってきた。


 野戦帽を被る、アラビ人兵士も、五八式小銃を撃ちまくりながら、突き進んでくる。



「ぐわあっ!?」


「ぐっ! どうなって、やがるんだ?」


 連合軍兵士たちは、カルミーネの銃撃にも怯まず、がむしゃらに突撃しながら乱射しまくる。

 

 拳銃弾の威力が低くて、防弾ベスト内にあるプレートを貫通できなかったか。


 それとも、鍛え上げられた連中の肉体には、多少は弾丸が当たっても平気な訳だろうか。



「チッ! こう言う時はカービンのが便利なのさっ!」


「は?」


「ぐぅ」


 パンッパンッと短い銃声が、カルミーネのベレッタMX4から鳴った。


 そして、短い言葉を吐きつつ黒人兵士はAK47を落としつつ、前のめりに倒れた。


 同じく、アラビ人兵士も力を失ってしまい、後ろにバタりっと倒れた。



「やったか…………」


 カルミーネは、匂いを嗅ぎつつ、二人の位置や体勢を調べていた。


 そうして、大体この場所に頭があるだろうと、思うと同時に引き金を引いた訳だ。



「カルミーネ、次が来るっ! 後退するぞっ!」



「分かっている……はっ!」


 レオは、カルミーネとともに別の部屋へと逃げ込むために言葉をかけた。


 だが、その時、名前を呼ばれた彼は連合軍兵士たちが死体として、床に頃がっている姿を見た。



 物言わぬ骸と化した彼等の体中には、傷跡があり、一見するとに負傷したように見える。



「レオ…………コイツら、トーテン・シェーデル・ゾルダートと同じだっ?」


「これか…………ザミョール部隊が見た、連合軍側の改造兵士ってのはっ!」


 カルミーネは、死体を見て、敵が本格的に改造人間を戦線に投入してきたのだと思う。


 レオも、二人の兵士たちが、自分らと同様に体力と生命力が高い敵だと考えた。



「カルミーネ、もう行くぞっ! 次も俺たちと同じ…………」


「二回、言わなく…………」


「もう遅いっ! 既に来てるぞっ!」


 レオは、カルミーネを連れて、早々に退散しようとしたが、そこに敵が現れた。


 しかも、奴は逃げようとしていた真後ろの方から

急に出現した。



「喰らえっ!」


「死ね」


「包囲してやるっ!!」


「撃て、撃てっ!」


 背後からは、ワータイガーが奇襲を仕掛け、左右両側からも兵士たちが銃を構える。



「ぐっ!!」


「レオッ! うぅっ!」


「貴様らは終わりだっ!」


 ワータイガーは、レオの腹を、ヤクザキックで蹴り飛ばし、カルミーネは鋭い爪で左肩を切り裂く。


 痛みは感じなくとも、与えられた衝撃は、二人の体に響き渡る。



 ワータイガーが言ったと同時に、左右からはAKの7、62ミリ弾が撃ち込まれる。



「死ね、死ねっ!」


「くたばりやがれっ!」


 右側からは、フリッツ・ヘルメットの兵士たちがAKMを撃つ。


 左側からも、フリッツ・ヘルメットの兵士と全身に草を身につけた兵士達が、AKMSを連射する。




「ぐああっ? ごほ…………?」


「げふぁっ!?」


 流石の二人も、左右から体中を銃弾に貫かれては、立っていられない。



 レオは腹を押さえながら、青い血を撒き散らしつつ前のめりに倒れた。


 カルミーネも力を失ったらしく、だらりと後ろに倒れてしまった。



「まだ、息があるな…………」


「なら、止めを刺してやるっ!」


 ワータイガーが呟くと同時に、レオに向かって、脚をバネのように弾いて高く飛び掛かる。


 それに、合わせるかのごとく全身を草に覆われた兵士も、カルミーネに蔦を一気に伸ばした。



 全身が、草に覆われた兵士の正体は、ドライアドだった。



「ちっ! ここまでかよ?」


「まだ負ける訳には…………」


 レオとカルミーネ達は、悔しそうに顔を歪めるが今の二人は身動きすら出来ない。


 その時、しばらく途切れずに、弾丸が発射される音が鳴り響き続けた。



「がああっ!? げふっ!?」


「な、なんだっ!!」


「ぐはああぁぁーーーー!!」


「奇襲っ! うぐっ!」


 それら銃弾は、ワータイガーとドライアド達の体を貫きチーズ見たいに穴だらけにする。


 もちろん、周りを囲む兵士達も、何十もの銃弾を浴びて倒れてゆく。



「くっ! 敵の増援か? がっ!?」


「その通りだよ…………」


 一人、地面に伏せたことで、機銃掃射の嵐から難を逃れた、連合軍兵士だったが。


 しかし、いきなり背後から、何者かに背中を直刀で、貫かれてしまった。



「レオ、カルミーネ…………お前ら、無事か?」


「隠密行動しようとしたが、あんまり敵が居ないから妙だと思ったら、コレか?」


「ぐぼぉぉ…………た、助かったぜ、イェスパー、ヴラウリオ」


「もう動けないから手を貸して」


 そこに現れた機関銃手は、ワーウルフ姿のイェスパーだった。


 銀色の髪からは犬耳が生え、口から犬歯を伸ばした彼は、二人に近寄る。


 そんな彼は、黒いサバイバルジャケットを着て、下も黒いカーゴパンツを履く。



 直刀ヒネーテソードを振るい、赤黒い血液を飛ばすのは、ヴラウリオだ。


 茶髪こそ変わらないが、彼は制帽を被り、短く細い青色のストラを首から垂らす。


 その左右には、花十字が描かれていた。


 そして、左腕にはスター・オブ・ライフが描かれている青い腕章を巻いていた。



 レオとカルミーネ達は、現れた味方のワーウルフとリッチ達に安堵しつつ肩から力を抜いた、



「分かっている、今助けてやっから」


「後ろは任せろ」


 Mg M/07軽機関銃を背負い、イェスパーは倒れているレオとカルミーネたちの体を起こす。


 そうして、二人の体を肩に担ぐと、味方部隊が展開している後方へと走っていった。



 直刀ヒネーテを、背中の鞘に仕舞うと、ヴラウリオは周囲を見た。


 それから、自動小銃セトメ・モデロLを構えつつ警戒しながら、ジリジリと後退していく。



 こうして、彼等は自分たちの味方が銃を撃っている方向へと、ビル内から去って行った。

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