「うわああああっ!? やらせはしない、これでも喰らいやがれーーーー!!」
「〇○◤◥◤っ!! ◆◣〇◇▧◎…………」
「◤▧〇◢■◣□▩▧◥◤っ!?」
目の前が見えなくなった状態にも関わらず、シュヴァルツ・リッターは乱射を止めない。
それどころか、機銃掃射の勢いは歯止めが効かなくなり、味方兵士を巻き込みながらも続けられる。
「チャンスだっ! 今のうちに攻撃するぞっ!!」
「この好機は逃がしませんよっと?」
ドォロルは、強力な火炎魔法を放ちながら、敵が隠れていた遮蔽物を焼き払う。
そうして、敵が混乱している最中を狙って、マイクロ・タボールを橫から凪ぎ払うように連射する。
それと同じく、敵が混乱した隙を突いて、シルヴィはガリルARで精密射撃を加えていく。
一発ずつ放たれる小銃弾は、敵兵士の眉間や側東部を撃ち抜き、何人か正確に仕留める。
「◆◤◣◥▩□■っ!?」
「よし、俺たちも前進するぞっ!」
「突撃だっ!!」
「▶◣〇▩◌◣◤◆▧▣●○」
フジ・ダイナミックオートを持っている、ジューポン人兵は、炎上しながら何発もの銃撃を受ける。
AK74を撃ちつつ、顔を布で被ったPMC要員は、燃える敵の遮蔽物に向かって突撃を開始した。
ステンガンを持つ民兵は、特攻しながら乱射しまくり、弾丸をアチコチに飛ばしまくる。
DAK47を握る、コリャン人兵は銃身下部に取り付けた、フラッシュライトを光らせる。
「うわわっ! 眩し…………」
「ぐぅおっ!?」
眩しい光りに目を瞑ってしまった、顔が分からないPMC要員は、機銃掃射を受けて倒れてしまう。
一方、民兵の方はセンサーに触れたらしく、マンホール型・空中炸裂地雷が宙を舞う。
そして、マンホールから何発もの拳銃弾を受けてしまった。
「気をつけろっ! まだ、ミミックマスターが居るぞっ!!」
「罠だらけなワケね、これじゃあーー? 迂闊に近寄れないわ」
ナタンとメルヴェ達は、制圧射撃を敵が潜む燃え上がる遮蔽物に撃ち込んでゆく。
しかし、二人とも何処に、ミミックマスターが罠を仕込んでいるか分からない。
ゆえに、前進を阻まれて、これ以上は先に進軍できずにいる。
「罠なら、俺が纏めて破壊するっ!」
雷撃魔法の紫電と雷光を四方八方に、ドォロルは放ちまくる。
ドンッポンッと、設置されていた空中炸裂地雷は、魔法により全て吹き飛んでしまった。
「これで、前し…………は、出来そうにもないかっ!」
「▼●▣◤◆▩◢〇」
「◣◢◌◥●▧◣◢◤▣っ!!」
「■◁◆▩◌▧◆〇◥っ!」
ナタンは机の向こう側へと、行こうかと思ったが、未だ自動小銃と機関銃類は火を吹いている。
それは、衰える様子がなく、激しい銃火となって連合側部隊の突撃を阻む。
「やべーーな? どうするんだよ、この戦力差は? 前進どころか、敵すら倒せないぜ?」
「それでも、やるしか無いわっ? 辛くても、前進あるのみっ! ……の前に撃たなくちゃ」
88式自動小銃&98式自動小銃からは絶えず、ヘリカルマガジンにより暴風が如く弾が飛び出る。
ナタンとメルヴェ達は、集中的に浴びせられる銃撃を掻い潜りつつ、たまに何発か撃ち返す。
「おいっ! 増援だっ! ドローンも連れてきたぞっ!」
「爆薬は、別動隊が使うっ!」
困っている二人の耳に、PMCと民兵たちによる声が聞こえてきた。
階段付近から、ヘリカルマガジン付き、88式自動小銃を乱射する、アラビ人民兵。
二連散弾銃を、ぶっぱなしつつ、次にAK103を撃ちまくる白人民兵。
さらに、四機のドローンが機体下部から小型短機関銃を射撃する。
こうして、民兵たち&ドローン達は、帝国側を攻撃していく。
「喰らえっ! ランチャーだっ!」
「おっし、やっちまうぜっ!」
「●■◥◣▣▣◆▧◢〇◥」
「◆▩▧■◣●◥▨…………?」
「▤◣◣◥◆■〇◆〇◤っ!!!!」
「◢■〇◤▤◌◉◇◎◣◣っ!?」
東南アシュア系PMC要員が現れると、M80ロケットランチャーを膝だちで構える。
その砲筒から放たれた、一発は右側で銃を撃っていた、帝国側兵士たちを纏めて吹き飛ばす。
次いで、オセアニア系PMC要員も現れた同時、MG3を派手に撃ちまくった。
この二人による攻撃で、東アシュア系を中心とする帝国兵部隊は、一気に劣勢となる。
だが、敵にも新手が現れた。
「負けているようだな?」
「使えん奴らだっ!!」
「うわっ! 撃ってきたっ!」
「不味いぞっ! 隠れろっ!」
指揮官らしき、女性ウィザードが天井の穴から落下するとともに、氷柱を何回も連発する。
また、副官らしき制帽を被るヴァンパイアも、女性民兵を肉盾にしながら降りたった。
「美味い、美味いっ♡ 美味いぜっ♡」
どうやら、ヴァンパイアは胸や腹を撃たれているらしく、制服の弾痕から青い血を垂らしている。
とは言え、女性民兵の死体に噛みつき、首筋から血を啜《すす》って回復しているようだ。
「どわああああっ!? 前が見えんっ!!」
「貴様、何をやっているっ!」
暴れ回るシュヴァルツ・リッターに対して、女性ウィザードは火炎魔法を暫く放ち続ける。
それにより、防弾バイザーに張り付いていた、雪や氷塊が溶けた。
「ああ、敵の増援かっ!」
「形勢逆転したと思いきや、また形勢不利……………」
ナタンとメルヴェ達は、新たな敵兵士の出現に不利を悟る。
しかし、それでも二人を含む連合側の兵士たちは、様々な銃を撃ちまくった。
「ふんっ! この程度、効くわけないだろうっ!」
女性ウィザードは、薄くキレイで大きなガラス窓を展開する。
しかも、この窓は防弾性能が高く、機関銃による7、62ミリ弾すら弾き返してしまう。
「あの防護壁、あれは氷結魔法で作ったんだっ!」
「いったい、どうすれば…………」
「イズラエル兵たちも、困っているな」
「どうにか出来ないからしら?」
机裏からドゥロルの声が響き渡り、シルヴィは分身を作りまくる。
精鋭兵士たる二人が、取れる手段がないと困る姿に、ナタンも冷や汗を垂らしながら様子を見守る。
高性能な防弾ガラスと化した、氷結魔法による氷壁を打ち破るべく、メルヴェは思案する。
氷壁には、円い穴が空き、そこを銃眼として帝国側兵士たちは銃撃してきた。
「◤〇◎■? ◇◢◌◥◢っ!」
「◣◤◤◎〇◇■◢◉……………?」
「あら、あら? 大変ね?」
「ここは、凄まじい死臭がするな」
さらに、敵側に廊下に通じる出入り口から、東アシュア系・黒髪ロングの女性リッチが現れた。
彼女は、死にかけの味方を笑顔で見つめると、直ぐに回復魔法を唱えていく。
その間、同じ場所を通ってきた、黒い制服に身を包む、黒毛ワーウルフは直ぐに戦列に加わる。
奴は、持っていた91式歩槍を、銃眼から素早く構えて射撃してきた。
「また、増援かっ! 多勢に無勢だぜ、神様、助けてくれっ!」
「いったい、何人敵兵は居るのよっ! もう腹立つわっ!!」
「◤◣〇◥◎◌◢◆■◤◤」
「〇▶◆◼▧◉◌■■◥」
「フフ、これで再び戦えますよ」
「よし、このまま一気に潰すっ!」
ナタンとメルヴェ達は、怒鳴りながらも何とか起死回生の手はないかと探す。
だが、特殊な兵種が揃った敵部隊を前にして、取れる手段は、無駄弾をバラまくしかない。
しかも、東アシュア人兵士をリッチが応急手当てしたため、負傷していた者も動き出す。
そうして、ホラー映画に登場するゾンビの如く、アンデッド兵たちは銃を持って立ち上がる。
彼らを統率しつつ、ウィザードは風刃魔法を全体魔法として、一斉に放ち攻撃してきた。
「うわっ!? 機銃弾より、凄いっ!!」
「まるで、台風の真っ只中だわっ!!」
風刃魔法は、力強くノートPCや固定電話を、ナタンとメルヴェ達の後方に吹き飛ばす。
やがて、それらは再奥にある壁まで到達すると、ガチャンと音を立てて壊れるのだった。
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