【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第82話 尋問の時間

公開日時: 2024年7月10日(水) 09:09
更新日時: 2024年7月13日(土) 10:06
文字数:3,017


「クソッ! 離せっ! 離せってのっ!」


「さっさと、離しやがれっ!!」


 机の下敷きにされて、身動きが取れない、レオとカルミーネ達だったが。


 そんな二人へと、頭部に銃を突きつける、四人のレジスタンス員たち。



 白人レジスタンス員は、机の裏面に飛び込み、二人を押さえつける。


 また、フロックコート内側から抜き取った、五十四式手槍を倒れているレオの後頭部に突きつける。


 その右側では、黒人男性が、カルミーネに馬乗りに成って、コルトパイソンを顔面に向ける。



「そんな、子供のオモチャで脅されるかよっ!」


「そのデカブツをさっさと退けろ、低能っ!!」


 レオとカルミーネ達は、強気な姿勢を崩さないが、それは単なる虚勢であった。



「五月蝿い奴等だぜ、俺達、連合軍コマンドを嘗めるなよ」


「そうだ、我々連合軍も過酷な戦場を生き抜いて来たんだ、だから君達に負ける訳にはいかないんだ」


 連合軍コマンドと名乗った黒人男性と、同じく連合軍コマンドのアラビ人男性。


 二人は、憎々しげに目の前で苦しみ踠《もが》く、スパイ二名を睨む。



 それを、ラハーラーは黙って見ていた。



「ラハーラー、リーダーに帝国のスパイを捕らえたと伝えに言って来てくれっ!!」


「分かった、行ってくるよ」


 やがて、黒人男性コマンドが、リーダーへの報告を、ラハーラーに頼む。


 すると、彼は素直に従い、ドアを開けつつ部屋を退出した。



「退けっ! 退けろよぉおーーーー!!」


「邪魔だああああぁぁーーーー!?」


 その様子を見ていた、レオとカルミーネ達は、押さえられている身体を揺らす。


 こうして、暴れながらレジスタンス達による拘束から逃れようと、必死でもがく。



「このおーーーー!!」


「避けやがれっ!?」


 さらに、レオはヴァンパイアの能力を引き出そうとし始めた。


 また、カルミーネも、即座に変身して、ワーウルフになろうと試みた。



「このおぉーーーーー!!」


「グオオォォーーーー!?」


 白くて鋭く尖った犬歯を覗かせる、レオは激しく暴れだす。


 口許を、黒灰色の毛に包まれた、狼顎に変化させる、カルミーネ。



「ガルルルルッ!!」


「動くなっ!!」


 二人による変化を察した、黒人コマンドは、レオの前で自らも変身し始めた。


 彼は、鮮やかな黄色い体毛を生やしていき、やがて、猫科動物の顔に変わる。


 もう一人の、アラビ人男性コマンドも表情を一変させ、口許から鋭い犬歯を覗かせた。



「なっ! 既に連合軍側もバイオ技術を手に入れていたのかっ!?」


「だからって、いい気になるなよっ! クソ野郎がああぁぁっ!!!!」


 二人の連合軍コマンド達の変貌を、間近で見せつけられた、レオとカルミーネ達。


 二人は、コマンド達による変身した姿に驚くのだが。



『…………くっ! どうやって技術を入手したのかは知らないが? 反撃しなければ…………』


『…………邪魔だっ! 退けよっ!! 能無しの暴力野郎共がっ!! 退かないのなら…………』


 連合軍側が、バイオ技術を入手した事実に、レオとカルミーネ達は、すごく驚いたが。



「さて、どうするか?」


「この野郎っ!!」


 直ぐに、冷静さを取り戻し、反撃の隙を伺おうと思案するレオ。



 そして、正面の黒人レジスタンス員ワータイガーを標的に狙う、カルミーネ。


 魔狼が、物凄い眼力で獲物を睨むが如く、彼は憎しみを込めた瞳を向ける。



「どうやって、手に入れたのかは、俺達も知らんっ!」


「質問に答えるのは、貴様らの方だぞ」


 黒人男性コマンドとアラビ人男性コマンド達が、二人に告げると、木製のドアが少し開く音がした。



「何だ、ラハーラー、もう戻って来たのか?」


「随分、早いな?リーダーが何か指示を!?」


 黒人コマンドとアラビ人コマンド達が、後ろに視線を向ける。


 すると、少しだけ開いたドアからは、SIGMA拳銃の銃口だけが出ていた。



 それは、ドアの近くに立つ二人に向けて、何度も銃声を鳴らして火を吹いた。



「なっ!? コイツら以外にも、スパイがっ!!」


「ぐはっ! クソがっ! なら反撃してやるっ!!」


 口から血を吐きながらも、即座に反撃しまくる黒人コマンドのワータイガー。


 背後で何度も火を吹く、SIGMAに向けて、応戦する、アラビ人男性コマンド。



「このっ! 喰らいやがれっ!」


「死に晒せっ! スパイ野郎っ!」


 黒人男性コマンドが、右手に握る、MAGー7は何度も散弾を放ちまくる。


 アラビ人男性コマンドの、ラシード半自動小銃も7、62ミリ弾を何発も撃つ。



 二人が、何度も銃弾を放った木製ドアは、粉々に吹き飛ぶ。


 お陰で、原型を留めない程に、穴が開いてしまった。



「ぐっ! お前ら動くなよっ!」


「誰が銃撃してるんだっ!?」


 扉の方から、飛んできた銃撃に怯む、黒人レジスタンス員と白人レジスタンス員たち。


 彼等は、捕らえたばかりのレオとカルミーネ達に、動くなと脅す。



『…………今だっ! こちらの反撃開始だぜっ! …………』


『…………誰が、貴様らゴミの言う事に従うかっ! …………』


 不意の銃撃に怯み、一瞬だけ隙を見せた、レジスタンス達。


 連中に、机の下敷きにされていた、レオとカルミーネ達がったが。



 今が好機と捉え、二人とも即座に反撃を開始する。



「うらあぁっ!」


「グゥォォーー」


 二人は、自分達を押さえつけていた机を退かすと同時に反撃する。


 次いで、机越しに、体の上に跨がっていた、レジスタンス達に襲い掛かる。



「うわぁーーーー!?」


「ああぁ~~~~!?」


 懐に飛び込まれて、首筋を噛まれた、白人レジスタンス員。


 コルトパイソンを握っていた両腕を、へし折られた、黒人男性レジスタンス員。



 二人は、凄まじい悲鳴を上げる。



「くっ! こっちもか」


「ぐああっ!!」


 ドアを銃撃していた、黒人コマンドは、後ろで悲鳴を上げる、二人に気を取られてしまう。


 その隙に、銃撃による火力が下がったことで、隙を突かれる形となった。



「何だっ!? 銃撃音がするぞ」


「敵襲っ! 敵襲だぁーー!!」


 謎の人物が握る、SIGMAは、アラビ人コマンドに当たり、右肩を撃ち抜ぬいた。


 その戦闘音に、気がついた、レジスタンス員たちが、次々と応援に駆けつけてきた。



「あああっ!? 何だっ!!」


「うわ、潰されるーー」


 彼方此方《あちらこちら》で鳴り響く、爆音と悲鳴、それは、レジスタンス達が爆発に巻き込まれた音だった。



「ぐっ! スパイが弾薬庫を爆発させたか」


『ドンッドンッドンッ!』


 負傷した、右肩を気にする事無く、アラビ人コマンドは叫ぶ。


 その直ぐ後、SIGMAに対して、ラシード半自動小銃で応戦する。



「クソッ!」


 黒人コマンドは、揉み合いになっている、二人のレジスタンスを助けたいが。


 自らが握る、MAGー7散弾銃の銃撃に巻き込む訳には行かない



 こうして、やむ負えず、扉の陰に隠れる何者かに応戦を続ける。



 その後ろでは、レオとカルミーネ達が、必死で戦う。


 二人は、レジスタンス達から逃れようと、抵抗を続けていた。



「ひああぁぁぁぁっ!!」


「べっ!?」


 揉み合いに成った、レオは白人レジスタンス員の首筋に噛みつく。


 それから、直ぐに顎《アゴ》へ凄まじい力を入れる。



 その攻撃によって、彼は首筋から噛み千切った、肉片を地面へと吐き捨てる。



「があっ!!」


「やめろおおぉぉ~~~~!?」


 その隣では、ワーウルフに完全変身した、カルミーネが暴れる。


 彼は、黒人レジスタンスの首を、人間離れした腕力で、掴みかかって締め上げる。



「グオオオオッ!!」


「ぐへっ!?」


 抵抗する間も与える事無く、直ぐさま、強い握力を加える、カルミーネ。


 彼は、眼前で苦しむ、黒人レジスタンス員の首をへし折っていた。

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