「うわっ!」
しかし、彼女の一撃必殺は、横から同じく獲物を狙っていた、狙撃手によって妨害された。
ステアーAUGA2を撃ちぬかれてしまい、それにより、狙撃が失敗してしまったからだ。
「そこっ! 逃がさない、仲間の仇は打たせて貰うわよ」
部下を、二人も殺されて、復讐に燃えるジナイダ軍曹は素早く何度も跳躍するように走る。
彼女は、AK74を乱射して、ドライアドの黒人女性コマンドが、隠れる岩陰に飛び込んできた。
「しまっ! くっ!?」
咄嗟に腰から、ステアーTMPを取り出す、ドライアドの黒人女性コマンド。
彼女から、反撃を受けた、ジナイダ軍曹の右肩には、三発も弾丸が貫通する。
「くうぅっ!!」
だが、それでも彼女は銃撃を止める事なく、必死で撃ち続ける。
ドライアドの黒人女性コマンドへと、なんとか気力を振り絞り、火を放つ銃口を向ける。
それで、左頬から、眉間と右側の額にけて、彼女に五発も弾丸を当てた。
「かぁっ!?」
銃撃を受けた、ドライアドの黒人女性コマンドは、顔から紅い血を流す。
また、それとともに、力無く岩に凭《もた》れて、死亡した。
「ふぅ~~? イスハークの仇は打ちましたが? まだ、タマラの分が…………」
ジナイダ軍曹は、AK74Uの弾装を変えつつ、岩陰から敵が何をしているか様子を探って呟く。
彼女の右肩からは、青黒い血液がドロリと流れていた。
「さて、次と行きましょうかっ!」
痛みを感じない上に、負傷を気にしない、アンデッド兵である、ジナイダ軍曹。
彼女は、直ぐにAK74Uから銃弾を大量に、連合軍側のシュヴァルツ・リッターに浴びせる。
「右から来たのか?」
緑色のシュヴァルツ・リッターは、敵に気づき、両手に抱えたM60を絶え間なく乱射しまくる。
こうして、彼女が迂闊に近づかないようにと、物凄い圧力をかける。
「ジナイダも右から迂回前進したか、今だっ! カピトリーナ、お前も前進しろ、ガリーナはジナイダ軍曹を援護しろ」
「了解っ! ザミョール中尉、それっ! 突撃ぃーー!!」
「了解しました、私は右に行きます」
ザミョール中尉は、戦場全体を見渡して、状況を分析しながら命令を下す。
それにより、大楯の裏に隠れて、カピトリーナ二等兵は前進し始めた。
また、ガリーナ二等兵は、すぐに敵の右側に駆け出して行く。
「楯持ちが来やがったか!」
今度は、ザミョール達に向け、M60を撃ちまくる緑色のシュヴァルツ・リッターであったが。
右側からのジナイダ軍曹とガリーナ二等兵達による、頭部への援護射撃で視界を塞がれてしまう。
正面から、GShー18拳銃を撃ちつつ、大楯を構えて近づく、カピトリーナ二等兵にも圧される。
「挟み撃ちかよっ!?」
左右からの挟撃を受けた、シュヴァルツ・リッターは、まずは女性警察隊員から仕留めようとした。
こうして、そちらにM60の銃口が向けられて、雨霰《あめあられ》が如く弾丸が放たれまくる。
「そっちに食い付いたか」
ある程度、奴に近付いた、カピトリーナ二等兵が左手に握る大楯だが。
その後ろから狼男に変身した、ザミョール中尉は飛び出す。
彼は跳躍しながら、TOZー194の銃床で、一気に殴りかかる。
「うわあっ! な、何だっ!?」
ザミョール中尉の殴打を受けた、シュヴァルツ・リッターは混乱する
また、奴は殴られた勢いで、後ろに倒れてしまい、0距離から散弾を撃ち込まれてしまう。
「ふん、散弾が効く訳ないだろう、こっちは鋼鉄より堅いセラミック装甲だぞ」
「なら、黙って寝ていろ」
組伏せられた、緑色のシュヴァルツ・リッターを掴み、ザミョール中尉は強引に立ち上がらせる。
こうして、奴を楯代わりにした、彼は連合軍コマンドーからの銃撃を防ぐ。
「奴が攻めて来たぞ、ボサボサしていないで、とっとと撃ち殺せ」
「分かってるから必死で撃ってるのよ」
連合軍側のケピ帽を被った、白人コマンドはFAーMASG2を弾倉が空になるまで乱射する。
黄緑色ベレーを被った、白人女性コマンドも、両手に握るベレッタM92Fから弾丸を放ちまくる。
二人からの銃撃は、ザミョール中尉を目掛けて撃たれたが。
それは、肉盾扱いされた仲間である緑色のシュヴァルツ・リッターへと当たる。
こうして、弾丸は奴の背後に、全て命中した。
「仲間を盾にしたか、だがアイツは装甲だらけだから、多少は誤射しても大丈夫だわっ!」
迷彩野戦帽を被った、グールのアジア系女性コマンドは、冷静に考えて動く。
彼女は、M16A4を連射して、ザミョール中尉を殺そうとするが。
「無駄だわっ!」
今度は、大楯を構えた、カピトリーナ二等兵が、GShー18を構える。
そして、アジア系グールの女性コマンドに向けて、顔右側面へと銃弾を撃ち込む。
「なっ!?」
隙を見せた、グールのアジア系女性コマンドは、身体の左側を撃たれた。
それ事により、運悪く一発が、こめかみに命中して即死した。
「手榴弾を投げろ、もう攻めさせるな」
ケピ帽の白人コマンドは叫び、とにかく手榴弾を投げまくるが。
その爆発から、ザミョール中尉とカピトリーナ二等兵たちは身を隠す。
「ぐわっ!? どうなってやがる?」
「く、コイツのお蔭で助かったぜ…………」
「今のはヤバかったわ」
手榴弾の爆発から、ザミョール中尉は、緑色のシュヴァルツ・リッターを盾にした。
カピトリーナ二等兵も、自らの大盾を構えて、すぐに身を守った。
「喰らえっ! 喰らえーーーー!」
「死ね…………」
さらに、沢山の手榴弾を投げようとして、右手に手榴弾を掲げたケピ帽の男性コマンドだったが。
奴は、左側のキルサン二等兵から、サプレッサー付き、ステッチキンで撃たれた。
「かはっ! 撃たれたか?」
背中から、消音機関拳銃ステッチキンに撃たれてしまった、ケピ帽の白人コマンド。
こうして、負ける形となった、奴は苦しそうに腹を押さえて倒れ込んだ。
「よし…………」
左手に握る、胸当て型盾の上に構えた、右手の消音器付き、ステッチキン。
その照準を、キルサン二等兵は冷静に次なる標的へと向ける。
「はっ! 後四人だけ…………」
それは、両手に、ベレッタM92Fを構えた、黄緑色ベレー帽の女性コマンドであった。
「あそこねっ!」
女性コマンドは、岩陰に潜む、キルサン二等兵の存在に気がついた。
彼女も、岩陰に隠れつつ、両手のベレッタM92Fを発砲する。
「チッ! バレたか…………」
消音ステッチキンを臆する事なく撃ち返す、キルサンであったが。
自らが構えた盾に、9ミリ弾が命中するようになると、サッと岩陰へと身を引いた。
「ぐっ! 当たったっ!」
一方、黄緑色の女性コマンドも、右手首に銃弾が当たり、岩陰に身を隠してしまった。
「大分、追い詰められたか? だがまだだ、まだ諦めるのは早いっ!」
「どうかなっ!」
暴れようともがく、シュヴァルツ・リッターの頭を左手で、ザミョール中尉は掴む。
溝内を右膝で押さえ付けた、彼はピストレット・ヤリギンを即座に発砲する。
その射撃によって、紅いベレー帽の白人男性コマンドも眉間を撃たれてしまう。
これで、連合軍側コマンドーは残り、三人にまで減ってしまう。
「ここまでか、だけど降伏はしないわっ!!」
「弾が切れるまでは撃ってやるぜ」
右手に握る、ベレッタM92Fを発砲しながら叫び、黄緑色ベレー帽の白人女性。
最後の抵抗を試みる、彼女は弾倉を抜き落とすと、すぐに銃を撃つために素早く弾を装填する。
彼女とともに、最後まで戦い続ける覚悟のオーガーであったが。
遂に、ステアーAUGに取り付けた、ドラムマガジンも弾が切れてしまった。
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