【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第265話 奇襲、空襲、砲撃、戦車、ゾンビ

公開日時: 2024年7月12日(金) 13:07
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:26
文字数:3,367


 突如、帝国軍の潜入工作部隊により、連合軍陣地では、幾度も爆発音が鳴った。



「戦車隊と砲撃が来るよっ!」


「反撃を急げっ!!」


 ティルク製、ロケットサンM60A3戦車が二両、左側のカイゼリラーン通りから走ってくる。


 それと同時に、数百発ものロケット弾と榴弾が、帝国軍により発射された。



 グランマッシュは、味方に気を付けるように叫んだが、時既に遅かった。


 スタッロも、ビッグ・クロスボウで、敵歩兵を狙いつつ、対戦車兵を呼んだ。



「今用意すっ! ぐあっ!?」


「ほ、砲撃だ、ぐぎゃあ」


「一斉砲撃だっ! 伏せろっ!!」

 

「これじゃ、反撃すらできない」


 黒人PMC要員と白人レジスタンス員は、瓦礫に押し潰されてしまう。


 アラビ人と連合軍兵士は、床に伏せたまま瓦礫の欠片と灰煙に包まれる。



「戦車が、また来たぞっ!」


 黒い歩兵戦闘車BMPー3が、アッソー通りから三両編成で突撃してきた。


 これは、ロボット化された、57ミリ砲を備えた戦闘モジュールAU220Mを搭載している。



 黒人レジスタンス員が、戦車に向けて、小穴からRPGー7を発射するが外れてしまう。


 それにより、敵戦車隊は瓦礫の中に、連合軍が潜んでいると認識した。



「砲撃が強くなったっ!」


「まだまだ来るぞっ!」


 黒い16式機動戦闘車が、ベルレモン通りから走って来た。



 そうかと思ったら、モンターニュ通りからは、CMー32雲豹機動砲車両が現れる。


 こちらは、白・黒・灰などの都市迷彩が施されていた。



 アラビ人は、ジャベリンを担いで急ぎ、二階に向かっていく。


 それとは反対に、パンツァーファウスト3を東南アシュア系民兵が持ってくる。



「やった、撃破したっ!」


「銃撃も激しくなって来たぞ」


 誰かが撃った何かの弾が当たったらしく、ロボット化された、BMPー3が吹き飛ぶ。


 しかし、それを喜ぶ間も無く、MG3とPKP汎用機関銃による猛烈な十字砲火が飛び交う。



「奴ら、本気らしい? どうにかしないと、不味いぞっ!」


「ヘリコプターよっ! 不味いわっ!」


 ナタンは、機関銃手に対抗するべく、防弾板の隙間からAMDカービンを撃ち続ける。


 メルヴェは、天井に空いた穴からヘリコプターによる空襲の音を聞いた。



「ロケット弾だっ! 離れろっ!!」


「ぎゃあっ!? ヤバイわっ!!」


 EC665ティーガー、Mi17ヒップHなどが飛行してきた。


 前者は、ロケット弾を一斉射撃して、ナタン達が立て込もる建物を空爆した。



 後者は、両側面からAGSー30自動擲弾銃を撃ちまくる。


 それで、崩れてきた瓦礫から、メルヴェは離れようと直ぐに逃げた。



「もう、ダメだっ! ナタン、メルヴェ、後退しろっ!」


「こっちは、戦車もなし、対戦車武器も揃わない、さらに対空兵器もなしっ!」


 ダンターは、二人に離れるように叫び、グランマッシュは小穴から発煙弾を何回も投げた。



「分かった、先に後ろに下がっているぞ」


「貴方たちも、早く来てねっ!!」


「うらぁ、うおおろろロロロロ~~? はーースッキリしたわっ!」


「おい、アホ女、吐いている暇があるなら、虫を使えっ!」


 ナタンとメルヴェ達は、逃げる際に建物の窓から、味方戦車部隊が走ってくる姿を目撃した。


 その間、ヤブローは思いっきり床に吐瀉物を、ブチ撒けて、腹を空にした。



 彼女の醜態を怒鳴りながら、スタッロは爆裂矢アガニ・ボルトを放った。


 この一撃が、モンターニュ通りにあるスーパーマーケットから機銃掃射していた敵を爆風で倒す。



「みんな、下がれっ! ようやく味方の機甲師団が到着したぞっ!」


「戦車隊よっ! それに、こっちは、そこより安全だわ」


 ナタンとメルヴェ達は、壁に身を隠しつつ窓から敵の様子を伺う。



 そして、二人はベージュ色のラーテル20歩兵戦闘車が到着して射撃開始するさまを黙って眺める。


 さらに後から、ラーテル60後装式迫撃砲が走ってくると、敵の機甲部隊に砲弾を放った。



「ぐああっ! グオオッ!」


「ぎゃっ! グルオオ~~~~」


「はっ! ゾンビ化しやがったぞっ!」


「銃弾に毒が塗ってあるのよ」


 白人レジスタンス員は、肩を撃たれた途端、顔を青白くさせて、ゾンビに変化した。


 黒人PMCも、腹を撃ち抜かれて倒れたと同時に、すぐに起き上がり暴れだした。



 スタッロは急いで、ゾンビ達にビッグ・クロスボウを向けて一撃を放つ。


 グランマッシュも、スリングショットを両手で構えると、直ぐにパチンコ玉を射った。



「スタッロ、グランマッシュ、下がるぞっ!」


「吐いている場合じゃないわ…………」


 白人レジスタンスのゾンビは、矢で貫かれると後方まで吹っ飛ぶ。


 黒人PMCのゾンビも、側頭部を射ち抜かれてしまい、再び倒れてしまう。



 ダンターとヤブロー達が、後方へと下がって来ると、二人は窓からグレネード弾を撃った。


 これは、発煙弾であり、建物左側からの攻撃から身を隠そうとする意図があった。



「不味いな、もう建物正面は使えないぞっ!」


「そんな事より、また、ヘリコプターが来るわよ」


「おい、大丈夫かい? アレ、あんたらは…………」


「援護しに来たよ、敵はっ!!」


 建物の正面は、元から崩れかかっていたが、今やボロボロになっている。


 ナタンがAMDカービンを乱射して、敵を牽制する中、メルヴェは再度ヘリコプターの音を聞く



 そこに、援軍として現れたのは、フランシーヌとパトリシア達だ。


 しかし、発煙弾が充満する道路は何も見えず、彼女たちにできる事は無かった。



「フランシーヌ、パトリシア、防衛線を下げるっ! 味方が来るまで、援護と待機を頼む」


「正直、これは、キツいわ…………今、味方が後退してくるから」


「分かったけど、敵は?」


「私のバレットも、どう使えば」


 ナタンとメルヴェ達は、それぞれ武器を手に、敵に対して、反撃しまくっている。


 フランシーヌも取り敢えず、膝だちしながら、窓から、ストックレスAKを撃ちまくる。



 バレットを抱えた、パトリシアは近くの机を引っ張ると、その上にバレットM82を置いた。


 それから、空に見える三角形の大型ヘリコプターを狙って一発弾丸を射った。



「やった、コックピットを破壊したよっ! だが、あの丸い玉は何だろうね? あっ! ゾンビだわっ!」


「って、事は突撃してくるじゃんっ!」


 パトリシアは、地上に落下した網に包まれた何かを見てみたが、それがゾンビの群れだと気づく。


 フランシーヌは、顔を真っ青にしながら、ストックレスAKの弾倉を交換する。



「俺が押さえるっ!」


「ヤバイ、すぐ、そこまで来てるわっ!」


「先に後退するっ!」


「死ねっ!」


 ダンターが、ショートソードを振るい、近寄ってくるゾンビ達を、斬り倒しながら押さえている。


 ヤブローとスタッロ達は、素早く駆け出し、必死で走りながら此方に向かってくる。



 グランマッシュも、スリングショットでパチンコ玉を放ちながら逃げてきた。



 彼等を最後に、味方兵士は来なくなり、代わりに動く死体の群れが雪崩れ込んでくる。

 

 

「他の連中は? まさか…………」


「そのまさかだ、逃げ切れなかった奴は、毒銃弾に倒れて、今はアイツらの仲間入りだ」


「ダンター、下がってよしっ!」


「分かった、もう行くぞーーーー!?」


「彼を援護しなくちゃっ!」


「全く、その通りだよ、ほんと…………」


 ナタンの質問に、スタッロは当たっていると答えつつ、ビッグ・クロスボウを振るう。


 コップ付きスナイダー銃から、ヤブローは、グレネード弾を発射した。


 その音を聞いた、ダンターは踵を返して、ゾンビ達から逃げてくる。



 直後、爆風がゾンビ達を巻き込んでしまい、真っ赤な炎が連中を焼いた。



 それでも、向かってくる動く死体の恐ろしさに、フランシーヌは冷や汗を滴す。


 だが、彼女はストックレスAKを激しく連射させると、パトリシアも手榴弾を投げた。



「やったよ、だか、まだ来るようねーー?」


「砲弾が飛んでいるんだ、それで建物の一部が崩壊して、防衛線が破られたんだ」


「しかも、ヘリコプターが何機も飛んでいるようだわ」


「何なんだよ、もうっ!」


 手榴弾が炸裂すると、ゾンビを何体か倒す事に成功した、パトリシアは残っている敵に警戒する。


 ダンターは、自身が見た光景と動く死体が雪崩れ込んだ理由を語る。



 そんな中、またもや、メルヴェは敵ヘリコプターが飛んできた、プロペラ音を聞いた。


 ナタンは全身から汗をかきつつ、AMDカービンを、励声に何体か残る群れを撃ってゆく。



 こうして、帝国軍の奇襲を受けた連合軍は、窮地に陥った。

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