【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第279話 苦戦する連合側

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:14
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:37
文字数:3,013


 帝国軍は、総攻撃を仕掛けており、イズライル軍部隊を後退させつつある。


 しかし、連合側も必死の抵抗を試み、激しい銃火が連中を迎え撃つ。



「BMOーTだっ! 戦車を、歩兵戦闘車に改造した奴だっ!」


「敵の火力支援が来るぞっ!」


 シャンセルリー通りから、現れた黒いBMOーTは、Kord《コード》重機関銃を連射してくる。


 ロシャ海軍歩兵の火炎放射部隊専用、重装甲兵員輸送車である、コイツはロケット弾を放ってきた。



 帝国軍兵士は、瓦礫の中から身を伏せて、RPKー74Sを連射しながら味方車両の登場を喜ぶ。


 オーガーも、路上からKBPブルを発射しながら、援軍が到着して叫ぶ。



「このまま、押しまくれっ!!」


「火力支援は絶大だっ!!」


「標的確認…………」


「敵の装甲車、登場っ!」


「ヤシン105を使えっ!」


 シュヴァルツ・リッターは、瓦礫の中からPKP汎用機関銃を、膝だち腰だめで撃ちまくる。


 グールは、RPKー74Sの二脚を、コンクリート片に載せて、滅茶苦茶に乱射しまくる。



 BMOーTの車内からら、RPOロケットランチャーを帝国軍兵士が発射してきた。


 それが、郵便局の正面に何回も当たって、凄まじい火炎を撒き散らす。



 イズライル軍兵士は、ひたすら、ガリルARを連射して、何とか抵抗している。


 また、別な兵士は対戦車用武器であるヤシンに、105ミリ、タンデム対戦車用弾を取り付ける。



「敵装甲車、撃破っ!」


「いや、まだだっ!」


 イズライル軍兵士は、ヤシンを右肩から下ろして、真っ赤な炎と黒煙が上がるのを確認した。


 しかし、ドラムマガジンを取り付けた、ガリルARMを乱射する別兵士は、敵装甲車両を見つけた。



 BMOーTの装甲は硬く、タンデム弾頭を受けても破損しただけで、まだ車体は健在だった。



「負傷者だっ! 退いてくれっ!」


「ぐぅ? うあ…………」


「向こう側が苦戦しているらしい?」


「私達の方も来たわよっ!」


「私が何とかするわ」


 イズライル軍兵士が、負傷者の両手を引っ張りながら歩いていく。


 ナタンは、瓦礫に身を隠しながら建物左側から走ってくる、二人を目にして呟く。



 黒いBMC・キルピ歩兵機動車が公園の方から向かってくる姿を、メルヴェは目撃した。


 フランシーヌは、バレットM82で、防弾ガラス窓を狙い撃つが弾丸が貫通しなかった。



「ヤバい、アレは硬いよっ!」


「だとしても、撃ち続けるんだっ! そうすれば、防弾ガラスも割れる」


「いや、その前に兵士が降りて来たわよっ!」


「ああ、だが、こっちも援軍が来たぞっ!」


 フランシーヌは、バレットM82を置くと、ストックレスAKを撃ちまくる。


 ナタンは、AMDカービンを何発も連射して、敵部隊を牽制する。



 メルヴェも、ベルクマンMG15をBMC・キルピ歩兵機動車に、機銃掃射を浴びせた。


 敵歩兵たちが、ワラワラと後部座席から降りてくるから、そこを彼女は狙ったのだ。



 カイリーは、シャンセルリー通りから、ベージュ色のフェレット装甲車が走ってくる姿を視認した。



「援軍の味方装甲車だっ! 敵は?」


「ランチャーを持って来たぞっ!」


「向こう側のイズライル部隊を援護してくれ」


「ここは、何とかするわっ!」


 後ろから、チィーナ軍兵士が、80式汎用機関銃を持って現れる。


 また、砲手もPFー89ロケットランチャーを担いで走ってくる。



 ナタンは、AMDカービンの弾倉を交換するが、もう他に、弾倉が無いことに気づく。


 メルヴェも、ベルクマンMG15のベルト式弾帯が途切れる寸前だと分かった。



「敵装甲車、出現っ!」


 チィーナ軍兵士が叫びながら、PFー89を発砲すると、黒いフィアット6616が爆発する。


 しかし、穴から後続車両が、三台も現れて、機銃掃射を行ってくる。



「不味い、弾が切れた」


「私のも…………」


「なら、コイツを使いなっ!」

 

「後退だっ! 敵が砲撃してきたっ!」


「こりゃ、防衛線を下げねば不味い」


 ナタンは、AMDカービンの弾倉が空になり、直ぐにMASー1935を手に取る。


 メルヴェは、バレットM82を、フランシーヌから渡された。



 ガリルSARを抱えた、イズライル軍兵士が必死で走ってくる。


 その後ろから、チィーナ軍兵士たちも、何人か続いてきた。



 直後、敵がRPGー7・RPO・AGI 3X40などを使って、猛攻撃を仕掛けてきた。



「うわああああっ!」


「きゃああっ!」


「ぐぅっ! 左側もボロボロだっ!」


「は? テミス部隊が来てるっ!」


 連続して爆発する郵便局は、火山が噴火したかのごとく、噴煙を上空に巻き上げた。


 ナタンとメルヴェ達は、あまりの衝撃に驚いてしまい、咄嗟に伏せてしまう。



 カイリーは、郵便局の左側が跡形もなく、消し飛んださまを見て、渋面を浮かべる。


 形成不利な中、マフディは階下で、テミス・コンバットUGVが走る姿を見た。



「まだ、ロボット戦車が残ってたんだっ!」


「ふぅ~~これで、暫くは戦線を維持できる」


 マフディは、階下を走る豆戦車部隊を見て喜び、カイリーは深く息を吸いこんで呟く。


 テミス・コンバットUGVは、PKT車載機関銃を乱射しながら進んでいく。



 また、生き残っていた、REEMロボアーミー達も、ベレッタM92Fを両手から撃っている。



 しかし、帝国軍も次なる手を打ってきた。



 ワーウルフとドライアド達からなる部隊が、二階まで、一気に飛び上がってきたのだ。



「あっ! くそっ!」


「くっ! ちょっ! いきなり?」


「白兵戦かっ!」


「不味いわっ! こりゃ、やるしかないかしら?」


「この野郎がーーーー」


 ナタンは、ドライアドから腕を蔦で絡め取られ、その隙を狙い、ワーウルフが鈎爪を振るう。


 メルヴェは、彼を助けるべく、サルマスシズK10拳銃を向けるが、下から銃撃される。



 カイリーは、EF88を向けるが、敵味方が入り乱れている状況で、撃てずにいる。


 ストックレスAKを橫凪に乱射して、フランシーヌは、多数の敵兵を撃退する。



 そんな中、マフディがFALを振り回し始めた。



「この野郎、死ねっ!」


「今ならっ!」


「ぐぅっ!?」


「うぐああああっ!!」


「助かった…………」


 マフディの銃床《ストック》打撃により、ワーウルフは、一階に転落していく。


 さらに、カイリーのEF88から連続で放たれた弾丸が、ドライアドを射殺する。



 それにより、ナタンの窮地は救われた。



「後退命令だーーーー!! イズライル軍、チィーナ軍は、第三防衛線まで下がれっ!!」


 誰の声かは分からないが、戦場に後方から拡声器を使った音声が轟いた。



「早く、後退するんだっ!」


「もうダメだな…………」


 ナタン達とは、別な場所を防衛していた、イズライル軍兵士とチィーナ軍兵士が走ってきた。



「俺達も、はやく後ろに下がらないと…………は?」


「ぐあっ!?」


 ナタンの背後を死んだ振りをしていた、ドライアドが立ち上がり、マカロフPMを向けた。


 しかし、コイツは何処か遠くから狙撃されて、後ろに倒れた。



「誰だ…………オレーナか?」


 背後に振り向いた、ナタンは遠くのビル屋上で、円形ドーム左側に伏せている、オレーナを見た。


 緑髪が目立つ、彼女は、サベージ110BA狙撃銃のボルトを動かしている。



「助かったぞ、オレーナ」


「ナタン、早くしてっ!」


 ナタンは、援護射撃してくれた、オレーナに手を振ると、メルヴェに叱られながら走り出した。



「いや、今オレーナが助け…………」


「分かっているから早くっ!!」


 ナタンとメルヴェ達も、郵便局の残っている建物内へと避難していく。


 こうして、連合軍部隊は防衛線を放棄して、後方に引き下がって行った。

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