【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第28話 テロリストの拠点制圧完了

公開日時: 2024年7月9日(火) 14:35
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:35
文字数:3,569


「後…………残り九人かっ!!」


 レオパルドは、ワルサーP5Lを発砲して、レジスタンス達を二人撃ち殺す。


 さらに、他のレジスタンス達も殺害しながら、ヴラウリオとイェスパー達に迫る。



「何人生き残るかしら?」


 その直ぐ隣を走る、サーミアは、ステアーGBとステアー・ハーン・ドッペル12を撃ちまくる。


 激しい銃撃を、レジスタンス達に浴びせて、三人も撃ち殺した。



「残り五人…………パパッと片付け茶いましょうっ?」


「そうだな? じゃ行くぜっ!」


 二人は、レジスタンス達の銃撃を体に受けようと、それを物ともせずに突撃して行く。


 サーミアは、腰の鞘に手を伸ばし、そこから、ドレスソードを握る。



 そして、抜き取り様に、一人のレジスタンス員に飛び掛かると同時、首を跳ねる。


 さらに、踵を返し、もう一人居るレジスタンス員めがけ、喉元にドレスソードの切っ先を突き刺す。



「くっ! 来るなっ!!」


 サーミアに、とあるレジスタンス員が、AK47の銃口を向ける。


 彼に向かって、レオパルドはフランベルクを両手に構えて、猛烈な勢いで、突っ込んで行く。



 そして、レジスタンス員の腹に深々と、フランベルクを突き刺した。


 さらに、彼は両手に握る柄にさらなる力を入れて、壁に、レジスタンス員の体を押し付ける。



「ぐはぁっ!?」


「さあ? 楽になれよっ!!」


 壁に押し付けられた、レジスタンス員の体を右足で腹を押さえ付ける。


 そうしながら、レオパルドは、フランベルクの刃を抜き取った。



「くっ! 挟まれたか…………」


「自決するしかっ!?」


 仲間たちに、レオパルドとサーミア達の牽制を任せる、ヴラウリオとイェスパー達。


 二人は、シモーネを人質に取る、ドライアドが如く異形の姿をした、ミネットと対峙している。



 長らく彼女に拳銃を向けていた、二人だったが、彼等は自決するしか道は無くなったと決意した。



 そして、こめかみに銃口を当てて、引き金を引くが。



 乾いた銃声が狭い通路に響く。



 だが、拳銃から発射された弾丸が、当人たちの脳髄を貫く事は無かった。


 それは、ミネットが青緑色をした、草葉などで覆われた両腕から蔦をロープのように伸ばしからだ。



 こうして、彼女は二人の拳銃を、素早く弾き飛ばした為である。



 二人の拳銃から発射された、弾丸は宙を虚しく飛んでいき、乾いた音を反響させただけであった。



「貴方達は良く生き残ったわね?」


「今日の戦利品は三人か? 少ないな」


 生き残った、ヴラウリオとイェスパー達に対して、レオパルドとサーミア達は、平然と言い放つ。


 それから、即座に茫然と立ち尽くす、二人に飛び掛かった。



「あぁっ!!」


「うああっ!?」


 正面から素手で殴られた、ヴラウリオは、レオパルドにより、床へと押し倒されてしまう。


 次いで、背中に右足を乗せられると、後頭部に、ワルサーP5Lの銃口を突き付けられる。



 サーミアから、脇腹に鋭い蹴りを入れられた、イェスパーは、体を捕まれ床に叩き付けられる。


 さらに、彼は髪の毛を引っ張られて、首筋に血で赤く汚れた、ドレスソードの刃を当てられる。



「お前ら、後で覚えておけよ…………」


「良くも俺達を騙していたなっ!」


 三人から取り押さえられた、ヴラウリオとイェスパー達だが。


 二人は、レオパルドとサーミア達、警察部隊に最後の反抗をする。



「良いから黙れっ! 生き残りのお前らも、後で記憶をクリーニングされる運命なんだからな?」


「そうそうっ!! 今さら足掻いたってどうにも成らないわよ~~んっ!!」


 レオパルドとサーミア達は、直も反抗心を失わない二人に、心底呆れてしまう。


 そして、二人の背後からは警察隊員たちが、向かって来ていた。


 前方からは、口を塞がれて、喋ることの出来ないシモーネを、ミネット引きずりながら歩いてくる。



「ふふっ? ヴラウリオ、イェスパー…………二人とも、大人しくした方が良いですよ?」


 二人の側までやって来た、ミネットは、床に倒されている二人を見下ろす。


 そして、邪悪な笑みを浮かべた顔を向け、これから二人が辿る運命を語り始めた。



「ヴラウリオ、イェスパー、貴方達二人は私と同様に帝国に絶対の忠誠を誓う臣民と成るのですよ?」


「誰がそんな物にっ!!」


「死ねっ! 裏切り者がっ!」


 そう語る、ミネットに対して、強気で反抗的な態度のヴラウリオとイェスパー達だが。


 そんな二人に対して、いきなり催眠ガスが吹き掛けられる。



「はい、はーーいっ! も~うそろそろ、お喋りはお仕舞いね」


「後は仲間に成ったら幾らでも聞いてやるから、今は大人しく寝とけっ?」


 二人を組伏せていた、レオパルドとサーミア達が、催眠ガスが入った、スプレー缶を取り出す。


 それから、彼等の顔に吹き掛け、強制的に昏睡状態にさせる。



「このっ! …………う? ぅ…………」


「くっ!? そ…………? ぁっ!」


 昏睡状態になった、二人を担架に乗せて運ぶ、四人の帝国警察隊員たち。



「丁重に扱えよ」


「新しいレオの部下なんだからね?」


「了解…………」


「了解しました」


 帝国警察隊員たちに、捕虜を丁重に扱うように命令する、レオパルドとサーミア達だったが。


 二人は、既に洗脳改造済みである、ミネットと拘束された、シモーネの方へ視線を向ける。



「何で貴方達は、こんな事を…………ミネットさんや? ヴラウリオ、イェスパー達を洗脳して何が楽しいのっ!! 人の心を自分達の良いように書き換える何て最低よっ!!」


 自らの口を塞いでいた、蔦による拘束を解かれた、シモーネは、激昂して大声で叫ぶ。


 そうして、レオパルドとサーミア達に、それと背後のミネットや周りを囲む警察隊員たちを怒鳴る。



「シモーネ、貴方も私達の本当の仲間に成るのよ?」


「サーミアの言う通りよ、貴方は選ばれたのよ? 帝国は常に強靭な肉体と精神の持ち主を欲しているの」


 サーミアとミネット達に対して、シモーネは拘束されながらも負けじと吠えていたが。


 そんな彼女を、子供を宥めるかのように、二人は優しく言葉を掛けるが。



「五月蝿いっ!! そんな事どうでもいいわっ!」


「おい、ミア…………こいつをどうにかしろよ?」


「強情な子ねぇ~~? はーーいっ♡ 良い子のシモーネちゃんは、お休みなさいの時間ですよぉ~~?」


 悔しそうな恨みの籠った目を、周囲に散らばる警察隊員たちに向けて叫ぶ、シモーネ。


 その、やり取りに飽き飽きして来た、レオパルドは、サーミアに催眠ガスを出せと頼んだ。



「分かってるわよ、レオ? それにしても随分強情な子ねぇ~~?」


 サーミアは、直も暴れようともがく、シモーネの口を右手で塞ぐ。


 それから、鼻を左手でつまみ、息が出来ない様にする。



「んーー? んん~~~!? ~~!!」


「はーーいっ♡ 良い子のシモーネちゃんはお休みなさいの時間ですよぉ~~」


 サーミアは、一分後に、シモーネが騒がないように塞いでいた右手と鼻をつまんでいた左手を解く。


 それから、催眠スプレー缶を口元まで近付け、甘い眠りに誘い込む、魔の霧を噴射する。



「ぷは? ぁ…………うっ! …………? 」


『すぅ~~すぅ~~』


 眉を八の字にして、すぅすぅと寝息を立てながらら幼い子供が安眠するように眠る、シモーネ。


 その様子を見つめる、サーミア・ミネット・レオパルド達。



「やっと寝たわ…………」


「気持ちよさそ~に寝むってますね」


 邪悪な笑みを浮かべる、サーミアとミネット達は、深い眠りにつく、シモーネを見下ろす。


 彼女の腕に、サーミアは手錠を掛けると、担架に乗せて連行するように警察隊員たちに命令する。



「貴方達、この娘も連れて行くようにっ!」


「了解っ!」


「了解です」


 うつ伏せ状態で、担架に乗せられて、地下から、地上で待機している部隊まで運ばれる、シモーネ。


 そして、三人も他の警察隊員たちに続いて、地上を目指して、歩いて行く。



「ミネット良かったな、シモーネも一緒に帝国警察特殊部隊員にして貰えて?」


「はい、シモーネも後できっと喜んでくれるでしょう帝国の臣民としての栄誉をその身に授かれるのですから…………」


 レオは、意地悪な子供みたいな笑みを浮かべつつ歩いていく。


 そして、その横顔を自分より、一歩後ろを歩く、ミネットへ向けて話し掛ける。


 すると、彼女は嬉しそうに笑顔で、帝国臣民と成るのは栄誉な事だと答える。



 帝国に洗脳された、ミネット。



 彼女は、レジスタンス仲間やシモーネを、帝国に対して、兵士の材料として差し出す。


 そして、洗脳することは、当然の義務であると考える。



 また、自分自身や、これから洗脳される仲間達も、とても幸福な事だと完全に思っていた。



 地下通路から、三人は地上の入り口へと続く階段を昇る。



 コンクリートの階段は、三人が歩く旅に、コツコツと地下内部に響く音を立てる。


 照明のついていない暗い空間から、湿った匂いが漂って、鼻孔に入ってくる。



「そろそろ地上よ?」


 階段を昇り終えた、三人の前には、開かれたドアがある。


 また、両脇で警戒に当たる、帝国警察隊員たちの姿が目に映った。

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