【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第240話 乱戦の中で後退

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:18
更新日時: 2024年7月15日(月) 07:45
文字数:3,020


 ブラジラ製、アグラレ・マルア軍用ジープから、二名の兵士たちが、激しい機銃掃射を行っている。



「敵は混乱しているっ!」


「今がチャンスだわっ!」

 

 門型バーに備え付けられた、M2キャリバー重機関銃を撃ちまくる帝国警察隊員。


 運転手役だった警察隊員も、PKTM車載機関銃を連射し続けていた。



「援軍に来たのは誰だろうかね? それより、ナタンとメルヴェ…………手を上げてくれ、教え子を撃ちたくは無いんだ」


「二人とも、動くと蜂の巣にするわよっ!!」


 シャスポー銃を構える、フロスト中尉は真剣な眼差しと、柔和な笑みを浮かべる。


 一方、ネージュ準尉は、P90を突きだすように構えながら、二人に対して怒鳴る。



 また、シモーネを含む他の警察隊員たちも、銃を構える。



「くそっ! もう、諦めるしか無いのか?」


「ナタン、ここは大人しくしましょう…………」


 ナタンとメルヴェ達は、それぞれの武器を捨てようとしたが。



「死ねっ! 二人とも、早くこいっ!」


「こっちに来るんだっ!!」


 タカヤマは、土嚢に載せた、豊和20式小銃を連射しながら叫ぶ。


 マフディも、FN、FALを単発連射しつつ、二人を援護射撃した。




「ぐっ? 余計な邪魔が入ったか?」


「ぎゃっ! 橫からか?」


「今だっ! メルヴェ、走るぞーー!」


「ナタン? 分かったわっ!」


 左側からの射撃により、フロスト中尉が構える、シャスポー銃を握る手に銃撃が当たる。


 ネージュ準尉も、橫からの奇襲を受けて、一瞬だけ怯んでしまう。



 二人が隙を見せた事で、ナタンとメルヴェ達は、すぐさま部屋の奥へと逃げて行った。



「二人も行ったわね? そいじゃ、私も逃げますか」


「援護するっ! 早く走れっ!」


 フランシーヌも余り目立たないように、戦場から逃走していく。


 周りには、帝国兵が多数存在するが、これは全て幻でしかない。



 こうして、彼女も、ナタンとメルヴェ達が逃げて行った部屋の中に入っていった。



「おい、おい、コイツは退散した方が良さそうだな」


「俺達の援護射撃は、無駄だったか?」


「いや、逃げる味方の時間を稼いでくれっ!」


「もう少しで、爆破任務が完了する…………」


 クリスヴェクターを乱射するウェストと、ムーディAKMSを連射し続ける、ハキム。


 二人の疑問に、タカヤマは答えつつ自らも豊和20式小銃で、単発連射を続けていた。



 マフディは、右手に起爆スイッチを持ちながら、MAT49短機関銃を撃ち続ける。



「ぐ、ここは僕たちも部屋に逃げるぞっ!」


「はい、隊長っ!」


 フロスト中尉とネージュ準尉たちに続いて、室内の真ん中に居た警察隊員たちは、部屋に逃げ込む。



「奴ら、隠れやがった? ここは、もう少し惹き付けるぞ」


「まだ、味方も後退しきれていないっ!」


 マフディとタカヤマ達は、予想よりも敵が慎重に行動したので、予定を変更する。


 思ったより敵が近づいて来ず、しかも多くの味方兵士が、未だ逃げ惑う。



 こう言った状況では、流石に起爆はできない。



「敵を追い込めっ!!」


「追撃を仕掛けるっ!」


 マーカーを楯にしつつ、シジセとヴィサル達は前進してくる。


 もう一台のマーカーも、機銃と自動擲弾を撃ちながら走ってくる。



「ドミニック、トゥキリ、ペゼリッ! 我々は二人を援護するっ!」


「了解、隊長っ!」


「了解しました…………」


「援護射撃開始」


 ウルシカ中尉は、塹壕と化した砲撃後に伏せると、FN、SCAR《スカー》ーHを単発で撃ち続ける。


 それに続いて、ドミニックはAKー101の銃身下部からGPー25を発射した。



 トゥキリは、AKー201分隊支援火器の二脚を置くと、機銃掃射を開始した。


 ペゼリも、AKー101を単発射撃で敵を狙い撃ちしていく。



「砲撃するぞっ!」


「援護開始っ!!」


 四人の後ろからも、KBPブルを装備した、帝国軍部隊が砲撃を始めた。


 白煙は、既に霧散しており、帝国側からは連合側が、後退していく様子が伺えるようになっていた。



「ぐあっ! どわっ!」


「ぐぅぅ!?」


「ぐわっ! がああああっ!」


「が、ぐ、ぐぉ…………」


 大量の機銃弾とグレネード弾により、連合側は逃げ遅れた、兵士達が吹き飛ばされてゆく。


 殿を勤めていた、チィーナ軍兵士は、グレネード弾の爆発に巻き込まれる。



 床を這いつくばって逃げていた、自衛隊員は、機銃弾に撃たれてしまう。



 M16A3で、応戦しながら逃げている、連合軍兵士は、砲撃で体が宙を舞う。


 グロック17を、二丁拳銃で撃ちまくっていた、アラビ人兵士は、何発もの機銃弾に体を貫かれる。



「今だわっ!」


「あ、おいっ!?」


 MKPT車載機関銃を撃っていた、女性隊員は走り出す。


 それを、後ろからキャリバーM50を撃ちながら援護していた男性隊員は止めようとする。



「ユーセフ、敵は待ってはくれないよっ!」


「待てよ」


 黒くて薄いストールを何重にも顔に巻いて、ブラックベレーを被る女性隊員は黒髪を靡《なび》かせる。


 黒いライダースーツのような服装に、グローブとコンバット・ブーツを装着している。



 要は、全身黒尽くめだ。



 左脇腹には、AK用の予備弾装を八個容れてある、リオ・ブルー色に塗装された、バッグがある。


 百連ドラムマガジン専用である同じ色に塗装された弾帯を、背中側の腰に下げていた。



 背中には、小さな灰色のリュックを背負っていた。



 その右側には、竹刀袋が、左側には、ブレイザーR93タクティカルが握られていた。


 これには、倍率調整可能スコープ、サプレッサー、折り畳み可能な小型三脚が装着されている。



 ユーセフと呼ばれた、アラビ人隊員は彼女を追うだけで、手一杯だ。



「敵が走ってきたぞっ!」


「撃て、撃て、うぐっ!」


「遅いわっ!」


 アラビ人兵士や連合軍兵士たちが、応戦するも、彼女が握るAK74に次々と撃たれてゆく。


 これには、GPー34・サプレッサー・ダットサイトなど、様々な部品が装着されている。



「このっ! うぐっ!」


「だから、遅いってのっ!」


 多数の兵士が射殺された後、AK74の弾が切れたと思った、黒人PMC要員はAKMを構える。


 しかし、女性隊員は素早く、スタームルガーP85拳銃をホルスターから引き抜いて、発砲する。



「ぐぁっ!?」


「嘗めないでっ! こっちは歴戦の猛者よっ!」


「この距離なら」


 黒人PMCを撃った後、黒尽くめの女性隊員は再度突撃する。


 しかし連合軍兵士が、M4A1を構えて連射しようとした。



「うらっ! このぉーーーー!!」


「があっ? ぐお?」


 女性隊員は、撃たれる前に左脚の膝を思いっきり蹴り上げ、次いで背中から竹刀を取り出す。


 と同時、連合軍兵士は思いっきり、首を右側から橫凪に叩かれた。



「っと、敵の銃撃が激しいわねっ! ユーセフ、早く来てっ!」


「分かってる、待てよ?」


 女性隊員は、床に伏せて敵の銃撃を避けようとして、ユーセフと呼ばれた男性隊員を呼ぶ。


 彼は、頭に黒白の一松模様に染色された、シュマーグを被る。



 さらに、その上にテュベテイカと呼ばれる、タタール民族が被る帽子を載せていた。


 また、青と水色に黒い線が入った迷彩服と、同じ模様のタクティカルベストを着ている。



 軽装兵なのか、彼は防弾プレートは身につけていない。



「今、これを使うっ!」


 ユーセフは、ブッシュマスターM4A3を何発か撃つと、首からスリンズベルトで下げる。


 そして、背中から取り出した、マンホール地雷・空中射撃型2を、三枚投擲した。



「ぐわああっ? ぎあっ!!」


「ぐえっ! ぐあっ! ご」


 連合軍兵士やPMC要員を、回転するマンホール型地雷から放たれる、7、62ミリが襲う。



 こうして、帝国側は、連合側を押していった。

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