【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第52話 罠の張り巡らされた室内戦

公開日時: 2024年7月12日(金) 23:01
文字数:3,231


 レジスタンス達の奇襲攻撃に対して、帝国側部隊も即座に対応する。


 彼等は、オーガーとシュヴァルツ・リッター達、重装備兵を楯にして、銃撃を防御する。



「反撃だっ!」


「グレネードランチャーを撃ちます…………」


「火力支援を行う」


 帝国軍下士官が、部隊全体に響きわたる大声で命令を下す。



 一人のトーテン・シェーデル・ゾルダートは、H&KG36Gを構える。


 その銃身下部に取り付けられた、グレネードランチャーを発砲した。



 そして、榴弾を二人組のレジスタンス達に向けて撃ち込んだ。


 それを、オーガーが自らの携えた、PKPの火力で援護する。



「グレネードだっ!」


「逃げろっ!」


 オーガーの構えた、PKPから放たれる7、62ミリ弾。


 それにより、レジスタンス達は、釘付けにされてしまい、全く応戦出来ない。



 彼等に向けて、撃ち放たれた榴弾は、廊下の曲がり角の壁に命中した。


 すると、派手な爆発音とともに、周囲に爆裂した、壁の破片を飛び散らせる。



「くそっ! 撤退するっ!!」


「仲間を呼んで迎撃してやるっ?」


 帝国側部隊の激しい反撃を受けた、二名のレジスタンス達。


 彼等は、急ぎ撤退しはじめて、廊下の奥へと逃走していく。



「追撃しろっ!」


「了解」


「りょーーかい」


 下士官の命令を聞いた、グールとミミックマスター達だが。


 二人は、レジスタンス達を追って走り出し、廊下の角を曲がる。



「罠ねぇ~~」


「あっ!」


 帝国側部隊の先頭を走っていた、ミミックマスターは急に立ち止まる。


 彼女には、角を曲がった、廊下の先に仕掛けられた、さまざまな罠が目に入った。


 そして、右手をかざして、背後から来たばかりのグールを直ぐ様止めた。



 罠には多様な種類の物があった。



 爆弾と連動しているワイヤートラップ、ショットガントラップ。


 粘着マット、床に撒かれた油、有刺鉄線、マキビシ。


 等々と言った、障害物が所狭しと設置されていた。



「クスッ! 目に見えないのが、他にも有るわね」


「まだ有るのか…………」


 ミミックマスターが目を細め口角を吊り上げて、不気味な笑みを浮かべる。


 その背後に控えていた、グールは多数設置された、罠を前に待機する。



 こうして、トラップ解除を、彼女に任せる事にした。



「取り合えずさ、罠を解除するわねっ!」


 ミミックマスターは、ジャケットの胸ポケットに手を伸ばす。


 そこから、プラスチック製の小箱を取りだす。



 その蓋を開けると、銀色に鈍く光る針《ハリ》を一本だけ摘まみ出す。


 粘着マットと床の隙間に、針《ハリ》を入れると、スッと宙に舞い上げる。



「それっ!」


 それを掴み、マットの粘着面は下にして、油が撒かれた床上に被せた。


 さらに、ミミックマスターは、他の罠にも手をだす。



 爆弾・ショットガンなどと言った、武器と連動した、ワイヤートラップだが。


 これ等を、鋏《はさみ》で、ワイヤーから切り離して解除した。



「後のこれは…………どうやって解除しましょうか?」


 ミミックマスターは、廊下を塞ぐように設置された、幾重もの有刺鉄線を解除することに困る。


 この障害物が、簡単な巻かれ方をしていたならば、彼女にも解除できただろうが。



 肝心の鉄線は、何重にも巻かれた鉄条網と化していた。


 レジスタンス達は、どうやって、罠だらけの廊下から逃走したかと彼女は考える。


 すると、彼女の後方から、重たい足音を含む、数名による軍靴《ぐんか》が足音を響かせて来た。



「おっ? 良い処に来たわねっ!」


「何を、グズグズしている…………」


 背後に立つ、帝国側部隊員に対して、ミミックマスターは何気なく呟くと。


 今きたばかりの下士官は、苛ついて彼女を見据える。



「コレよっ! コレっ!」


「それなら、俺達に任せろ」


「押し退けてやるっ!」


 ミミックマスターが、進軍するのに邪魔な有刺鉄線を指差す。


 重武装兵オーガーと重装甲兵シュバルツ・リッター達が、鉄条網を引きち千切って、破壊した。



「これで通れるな…………命令だっ! ミミックマスターに罠を解除させつつ、オーガー、シュバルツ・リッターを先頭に我が隊は前進する」

 

「りょ~~かい」


「了解っ!」


「了解…………」


 下士官が命令を下すと、ミミックマスターを先頭に、帝国側部隊は前進する。


 彼等が進む、廊下の先に仕掛けられた罠。



 それ等は、次々と、ミミックマスターが解除していく。



「本当は仕掛ける方が、得意なんだけどねぇ~~?」


 ミミックマスターは、廊下の所々に仕掛けられた、罠を解除する。


 彼女は、センサー爆弾&くくり罠などと言った、障害を解除しつつ前進する。



 その罠には、時折天井から釣り下がった、ワイヤー等があった。


 ミミックマスターが鋏《ハサミ》で、その糸を切り取り、天井に目を配る。


 通気孔の蓋があった事から、一回高く飛び上がり、蓋を開く。


 そして、再び高く飛び上がって、両腕で通気孔の淵《ふち》を掴み、中を調べる。



 すると、その中には、ワイヤーが一本ある。



 そのワイヤーには、また複数ワイヤーが巻き付けられている。


 さらに、奥にある暗闇の陰には、手榴弾が何個も巻き付けられてあった。



「…………ワイヤーに誰かが引っ掛かったら数個もの手榴弾が天井から落ちてくると言う訳ね…………」


 手榴弾を見て、ミミックマスターは呟く。



「ウフフ…………中々面白い事を考えるじゃないの?」


 仕掛けられた、数々の罠を解除する、ミミックマスター。


 彼女は、仕掛けられた罠が数多いことと、種類の豊富さに感嘆する。


 それと同時に、ワイヤートラップ等のレベルが高い罠を仕掛けた、人物に興味が沸いてきた。



「…………いったい? どんな人物が爆弾やワイヤートラップ等を仕掛けたのかしら? …………」


 ミミックマスターは、楽しそうに罠を解除した。



「不用意に、廊下のドアは開かないでね? 中にはテロリスト達も居るし、ドア自体にも罠が仕掛けられているかも知れないから…………」


 左右両脇に、沢山のドアがある廊下に帝国側部隊が来る。


 その先頭で、ミミックマスターは大量に仕掛けられた、罠を解除する。



 さらに、彼女は仲間達に告げる。



「そんな事は分かっている、それよりも敵の反撃が有るかも知れないから貴様は下がっていろっ! 次は先程と同じく、オーガー、シュバルツ・リッター達を前面に出せっ! 多少の障害物や罠は彼等なら平気だろうからな」


「りょーーかいっ!」


 下士官が命令を下すと、ミミックマスターは素直に従い後ろに下がる。


 変わりに、オーガーとシュバルツ・リッター達が、先頭に立って部隊は前進する。


 彼等より後ろには、続々と帝国側部隊の兵士達が続く。



 こうして、全員が廊下の奥を目指す。



 そして、通路の先には、広い倉庫みたいな場所に繋がっている。



 荷物運搬用のターレット・トラック、同じく運搬用フォークリフト等と言った、車両が並ぶ。



 また、鉄製コンテナ・段ボール箱・プラスチック製の細長いケース・木箱など。


 箱状の物が、山積みにされた、バリケードが現れた。



「どうやら連中は、此処で待ち伏せ攻撃を加える様だな?」


 下士官が呟くと、他の兵士達はゆっくりと、廊下の先に向かっていく。


 その隊列には、レオとミア達も入っていた。



「この先は俺達が一番乗りだ」


「他の奴等は後ろに続け」


 廊下を並んで走る、オーガーとシュバルツ・リッター達。


 彼等は、倉庫の方へと重たい足音を立てながら向かう。



「なっ!?」


「はっ!?」


 そして、廊下から広い倉庫の空間にオーガーとシュバルツ・リッター達が出る。



 すると、四方八方から、派手な音を鳴る。



 そして、RPGー7とグレネードランチャーの弾頭と榴弾が、一斉に飛んできた。



 複数方向から放たれた、弾頭と榴弾は、オーガーの右足を吹き飛ばした。


 また、シュバルツ・リッターの体を左後方へと、撥ね飛ばしてしまった。



「クソがっ!! 反撃だっ!!」


「ぐぅっ!?」


 オーガーは、敵に向かって、両手で抱えた、PKPを力強く振るった。


 そして、テロリストが居るのであろう方向に、狙いを定め、撃ちまくって応戦するが。



 シュバルツ・リッターは、鎧内部で、隊員が負傷したのか。


 倒れた体を起こす事すら出来ずに、ただ必死で足掻いていた。

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