【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第207話 敵を殲滅しなければっ!

公開日時: 2024年7月12日(金) 10:35
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:32
文字数:3,228


 連合側のアラビ人部隊が、緑色の装甲板を移動させてくる。


 三人くらいで迫る彼等を援護するべく、グリーン・シュヴァリエはMk48を猛烈に乱射する。



「あっちなら、ブルで倒せるだろっ!」


「やれますな、じゃあ撃ちますよ」


 指揮官ヴァンパイアの命令を受けた、KBPブルを構える射手は、円形テーブルから身をだす。


 そして、装甲板を両手で掴みつつ前進してくる、アラビ人たちに弾頭を発射した。



「ぐわっ!」


「装甲板がっ!」


 装甲板を持っていた、一人のアラビ人が弾頭に当たって爆発により戦死する。


 KBPブルから発射された弾頭は、装甲板を貫いたのではない。



 衝撃を受けた、アラビ人達だが、運悪く衝撃と爆風を受けた者が居たのだ


 それで、陣形が乱れてしまった、彼等を狙った制圧射撃が帝国側により行われる。



「援護しろっ! あの射手を狙うんだっ!」


「撃てっ! 撃て、撃ちまくれっ!」


 帝国警察隊員たちは、ワルサーモデル9を撃ちまくって、防弾板に当てまくる。


 その背後では、黒服に身を包んだ、黒人兵士やアラビ人兵士がAEKを発砲する。



「オラオラ、撃ち返すんじゃねぇっ!!」


「ぐ、これ以上は前進できない?」


「装甲板から離れろっ! 榴弾の衝撃を受けるぞっ!」


 グリーン・シュヴァリエによる援護の元、アラビ人たちは、H&K、G3を発砲する。



「あの連中に榴弾を撃ち続けろっ!」


「隊長、弾が有りませんっ!」


「はっ! おいっ? 援軍が来たぞ」


「援護するっ! 前進しろっ!」


 指揮官ヴァンパイアの命令が出ても、弾頭が尽きたと、KBPブルを床に置いた兵士は報告する。


 これで、敵の火力が落ちたと思われたが、新たに増援部隊が後方から出現した。



 その指揮官は、二階で戦っていた、女性ウィザードだった。



 大勢の兵士を従えた、彼女は前進命令を下す。



「はっ!」


「了解した」


「行くぞっ!!」


「突撃だっ!」


 防弾バイザー付き、Kー63ヘルメットを被る、ラトニクを装備した防弾兵たち。


 連中は、AKMを撃ちながら走りだし、距離を詰めてきた。



 それと同じく、VANTーVMシールドを構えた、帝国兵も突撃してくる。


 シールドの右脇から連中は、レベデフ・ピストルを撃ってきた。



「おっ? 戦っているな?」


「戦闘に参加するっ!?」


「ここから撃てば」


「魔法でも喰らっていろっ!」


 さらに間の悪い事に、敵部隊に続々と後から現れた特殊兵種が加わる。


 シュヴァルツ・リッターが、二体も現れたかと思うとPKP汎用機関銃を撃ちだす。


 オーガーも現れて、PKPMを即座に乱射し始める。



 また、女性ウィザードは氷壁を作成すると同時に、無数の氷柱《つらら》を放ってきた。



「うわっ!? これじゃ、撃てねぇっ!」


「砲撃も無理、どうすれば…………」


 氷柱は、当たった箇所で弾けて、周囲に欠片を四散させる。


 その効果範囲は小さいが、グレネードと同じように周りに居る者に対して、怪我を負わせるだろう。



 これを小銃弾とともに受けた、連合側は一瞬だけ怯んでしまう。



 しかも、穴の中に居る黒人・機関銃手と女性兵士たちは集中的に氷柱を受ける。


 彼等は、連合側で一番手前に居るため、敵の集中砲火を受けやすい。



「増援だっ! 敵は何処に居るっ!」

 

「まずは味方の数を増やしましょ~~?」


「素早く片付けんぞ」


「ブシュゥゥッ! 視界は遮ってやるさ」


 黒いガスマスクが目立つ、バクテリエラー・ゾルダートが現れて、戦列に加わった。


 と思ったら、ピエロ姿のソーサラーまで来た。



 しかも、後方には青い戦闘服のワーウルフや毒ガスを吐くグール達が、走ってくる姿が見える。



「しまった、これじゃ負けちまう…………」


「ナタン、それでも撃ち続けるわよっ!」


 単純に数の差だけでも、帝国に部がある訳だが、しかもソーサラーまで存在する。


 幻影で敵を増やされたら、どれが本物の帝国兵だか分からず、余計な無駄弾を撃ってしまうだろう。



 瓦礫、左側からAK12をヘリカルマガジンが空になるまで、弾をバラまき続ける、ナタン。


 HP9ー1を撃ち、散弾を放ってはポンプを動かす、メルヴェ。



 二人は、敵の数を気にしながらも、とにかく、銃を撃つしかない。



「おい? 階級は私の方が上だっ! 指揮下に入れ? な?」


「はい…………分かりました」


 両手を前に出し、防護氷壁を展開しつつ、女性ウィザードは背後に振り向く。


 そして、円形テーブルに隠れている、ヴァンパイアに圧をかける。



 このまま行けば、帝国側が連合側を押し出して勝利する。



 誰もが、そう思っていた。



「やっと、援軍に来られた…………今だっ!」


「行けっ! ロボアーミー達っ!?」


 しかし、ここで連合側に、二名のイズラエル兵が現れる。


 彼等は、特技兵らしく、ラップトップを操作して、さらに後方から何かを呼び出した。



『敵を発見、攻撃します』


 両手にM202ロケットランチャーを握り、肩に構える、REEMが一体登場した。


 緑色のフリッツ・ヘルメットを被らされた、機体は低速で走行する。



 そして、敵を狙って、両腕からロケット弾が何発も火を吹きながら発射される。



「ぐわああーーーー!?」


「ぎゃああああっ!?」


「うわっ!? ぎゃああ?」


「うわあ~~~~!?」


 この攻撃で、左側に展開していた警察部隊とアスカリ部隊は壊滅的な被害を受ける。


 警察隊員は、爆発で黒煙の中に包まれ、アスカリ隊員は体が燃え上がる。



「あのロボット、ヤバイな…………」


「敵の機関銃手を狙えっ!」


「次はコイツ等だっ!」


『了解、敵を攻撃します』


『制圧射撃モードに移行します』


「ぐわああーーーー!?」


「◢〇◢◎▣□っ!?」


 イズラエル軍兵士たちは、次なるREEMロボアーミー達を動かす。


 ベレッタM92Fを両手に握りしめた、六機のロボット部隊は敵正面へと移動していく。



 防弾ベストを着ている彼等は、左右に三機ずつ別れて移動し始める。



 そうして、側面を見せた彼等の真後ろにある台座には、HOTミサイルが四基搭載されていた。


 とうぜん、それらは発射されて、シュヴァルツ・リッターやオーガを含む敵兵を纏めて爆発させる。



「く? 味方が殺られたが、もう敵に砲門はないっ! あったとしても、このまま数で圧倒すれば、撃たせる暇を作らせられないっ!」


「隊長殿、CPから撤退命令が出ました」


 まだ、多数の歩兵や防弾兵が残っている帝国側部隊は、攻撃を諦める気配はない。


 しかし、女性ウィザードの背後に一人、伝令兵が近づいてきていた。



「敵の機動部隊が、後方の中央駅付近に布陣する、迫撃砲陣地を攻撃しています? こちらは陽動かと…………」


「うぅむ、しかし?」


「また、王立図書館が制圧できたので、そちらを完全確保するために下がれとの命令です」


 伝令兵からの報告を聞いて、女性ウィザードは悩む。


 今攻撃すれば、目の前に居る敵は完全に殲滅することが出来るだろう。



 しかし、彼女は、後方が攻撃を受けていると言う報告も気になる。


 そこへ、また別の伝令兵が現れて、新たな情報を報告する。



「チッ! 敵も中々やるな? よし、一旦は後方に退く、全部隊撤収ーーーー!!」


 そう言うと同時に、女性ウィザードは氷壁の面積を更に増してゆく。


 それから、風刃魔法と氷結魔法を組み合わせて、暴風を作り、さらに火炎魔法をかける。



 こうして、氷雪混じりの暴風は、一気に溶けて、真っ白い蒸気を噴出させた。



「敵が発煙弾を投げた?」


「気をつけて、突撃するかも?」


 ナタンとメルヴェ達は、真っ白いガスに辺りを覆われてしまい、視界が遮られたことで焦る。



 この中を、帝国兵やワーウルフ等が奇襲攻撃を仕掛け、白兵戦を挑んでくるかも知れない。


 または、グールやバクテリエラー・ゾルダート等が、毒や科学兵器を使用する可能性もある。



「こない? 撤退したか?」


「帝国側は、撤退したのね」


 ナタンとメルヴェ達は、いつまで立っても敵兵士が突撃してこないので、瓦礫から身をだす。


 そうして、見えたのは巨大で透明な氷壁と、敵が居なくなり、置いていった円形テーブルなどだ。



「撃つなっ! 味方だ」


「帝国側じゃないっ!」


 だが、そこには黒い服装の帝国側兵士たちが銃を床に置いて立っていた。

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