【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第200話 闇夜を照らすビルの明かり

公開日時: 2024年7月12日(金) 01:17
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:28
文字数:3,055


「ようやく、味方の援軍が来たわね」


「君も遅かったじゃないか?」


 チィーナ兵&イズラエル兵たちが来てくれたことで、戦況は逆転する。


 帝国兵とチュソン兵たちからなる、帝国側の部隊は、精鋭である彼等に射殺されてゆくしかない。



 メルヴェは机から上半身だけを出し、ミニミ分隊支援火器の二脚を置きながら連射する。


 それを直ぐに止め、彼女が身を隠すと、反撃で88式自動小銃の弾丸により、集中砲火を受ける。



 頭上の机を削りながら銃弾が飛ぶ中、ナタンは彼女に声をかけた。



「上の階は、もっとヤバかったのよ、敵兵が大量に居るから援護してたのっ!」


「ソイツらが降りてくる前に片付けなきゃな?」


 何故、援軍として来るのが遅かったかと聞かれた、メルヴェは上階で味方が苦戦中だと話す。


 その話を聞いて、ナタンは増援が来るよりも先に、室内を制圧するべきだと考えた。



「ん、やっぱり連中は邪魔だな」

 

 ナタンは広い室内の最奥で、防御氷壁を展開する、ウィザードに険しい顔を向ける。


 そして、AK12を握る手に確りと力を込めると、口から溜め息を吐いた。



「おい? チィーナ軍兵士たち? ああ、あの氷を集中攻撃しようっ!」


「ああっ? 分かったが?」


「奴らが指揮官みたいだしなっ!!」


 ナタンは、火力の高い武器を持った、チィーナ兵たちと連携しようと試みる。


 80式汎用機関銃を持った、チィーナ軍兵は白いコピー機に、二脚を載せて撃ちまくっていた。



 もう一人のチィーナ軍兵士は、小さな棚の裏から何発かずつ、05式微声短機関銃を撃つ。



 彼らと共闘しつつ、彼は敵魔法兵ウィザードの分厚い氷を、ブチ破ろうと言う算段だ。



「ウィザードの裏には、ソーサラーが居るっ! 奴を消せば、幻影兵も霧散するだろう」


 ウィザードは、コサックが被るパパーハ帽を被っていたが、その帽子だけが氷壁から出ている。


 黒い軍服コートを身に纏っている体は、半透明な氷の分厚い壁に、未だ守られていた。



 その後方に隠れている、ソーサラーは両手を前に出して、幻影術を発動している。


 伝統衣装たる青いデールを着ている、奴は灰色のフワフワ毛皮が付いた、フラップ帽子が目立つ。



「よし、火力を集中させるぜ」


「俺のは、サブマシンガンだが、やってみるか」


「メルヴェ、ミニミも撃ってくれっ!」


「奴に攻撃するワケねっ! よしっ!!」


 コピー機に身を隠していた、チィーナ軍兵の機関銃手は、再び体を出す。


 そして、80式汎用機関銃を台上に載せると、左手でハンドガードを押さえながら連射しまくる。



 05式微声短機関銃を握る、チィーナ兵は棚の左側から密かに何発かずつ撃ちこんでいく。



 AK12を単発連射しながら、ナタンも分厚い氷を破るべく躍起になる。


 メルヴェも、氷を削り壊すべく、ミニミ分隊支援火器で猛攻を仕掛けた。



「ぐおっ! 氷が………割らせるかっ!」


「おっと、忘れて貰っちゃ困るぜ、俺も回り込んで居たんだよ」


「しまっ!! うごおおおおっ!?」


 分厚い氷の壁は、ライフル弾や拳銃弾を浴びる度に貫通してしまい、中で弾丸が止まる。


 だが、このままでは何発も銃弾を受けた防弾ベストが破れるように、氷壁も壊れてしまうだろう。



 そうならぬよう、ウィザードは氷壁を強化しようとする。


 しかし、いつの間にか右側から回り込んでいた、ドゥロルにより、マイクロ・タボールが撃たれる。



 それも、斜めから撃ち込まれたため、氷壁を貫通はしない。


 そのはずが、ソーサラーが何故か音もなく撃ち殺されてしまう。


 

「な? 撃たれ? ぐばああああっ?」


「私が隠れてたんだよ、間抜け」


 背中から撃たれて血を吐く、ウィザードの後ろには、ガリルARを構えるシルヴィが居た。


 銃撃戦の最中、彼女は机やソファーに身を隠しつつ、匍匐前進しながら密かに移動していた。



 そして、ギリギリまで敵の背後に接近すると、一気に奇襲を仕掛けたわけだ。



 彼女のガリルARには、倍率調整が可能なスコープと、サプレッサーが装着されている。


 そのため、ソーサラー&ウィザード達を、無音で暗殺することに成功した訳だった。



「敵が消えていくわ…………」


「やはり、幻影だったんだな」


 やはり、ソーサラーが幻影で兵士を増やしていたらしく、奴が死ぬと大半の敵兵が消えてしまった。


 ナタンとメルヴェ達は、イズラエル軍兵士たちの活躍振りに注目しながら残敵を掃討しようとする。



「オラ、オラッ! くたばれっ!」


「くたばりなさい~~~~!!」


 ナタンはAK12を連射しつつ、机や棚の裏に隠れるチュソン兵達に対して、圧力をかける。


 メルヴェの方も、身動き取れないように、ミニミ分隊支援火器で残る僅かな敵兵を釘付けにする。



「敵の動きが鈍くなった? 今だっ!」


「前進するっ! これを受けろっ!」


 アラビ人民兵は、お手製パイプ拳銃を一発だけ撃ちつつ走ってゆく。


 白人PMC要員は、MP5Fを連射しつつ、敵に向かって突撃を敢行する



 アシュア系PMCも、MP5Nを単発連射しながら敵が隠れる机や棚を撃ちまくった。


 しかし、白人民兵も、二連散弾銃を発射して、ソファーに潜んでいる敵兵に圧力を掛ける。



「◣◢◆〇●◤◣▣◌▤◤◥」


「▶▧▣◆▩◢▩◣……………」


「ぐふっ! あっ!」


「ごべええええ~~?」


 チュソン兵や帝国兵たちは、数が少なくなったことで、連合側に負け始めた。


 ナタンとメルヴェ達や、他の連合側兵士により、集中は撃ち負けて、次々と弾丸を浴びて倒れる。



「く、後退するっ! ぐはっ!?」


「残りを片付けるぜっ! オラッ! 退けええっ!!」


「◉◆◤◥◤●〇▩◉…………」


「我ら、サイェレット・マトカルから無事に逃げられるとでも?」


 奥に下がろうとした、帝国兵の背中に鋭い蹴りが飛び、次いで銃撃が浴びせられる。


 さらに、机裏に身を潜めて反撃の機会を伺おうとしていた、チュソン兵にも一発銃弾が当たる。



 ドゥロルとシルヴィ達は、こうして逃げ遅れた残た敵を排除した。



「おい、我々は上の階を手助けしに行くっ!」


「分かったら、後に着いて来てっ!!」


 ドゥロルとシルヴィ達は、広い室内の奥に向かって疾走していく。



「おい? 仕方ない、確かに上の連中が心配だっ!」


「そうだな…………我々も支援に向かおう」


「行くぞっ! 上の連中を助けに走るんだっ!」


「騎兵隊の到着を待っているだろうからなっ!」


 80式汎用機関銃を両手に抱えたまま、力強く床を蹴ってゆく、チィーナ兵の機関銃手。


 05式微声短機関銃を左手で持ち、右手で後部にある弾倉を交換しながら移動するチィーナ兵。



 アラビ人民兵は、チュソン兵から88式自動小銃を奪い取る。


 そして、背中に背負っていた予備のヘリカルマガジンが入っている筒型ポーチも、四つ剥ぎ取る。



 白人民兵も、二連散弾銃を床に置くと、帝国兵が使っていた、AK103を拾う。


 また、装備類も漁り、弾帯付きベストを脱がして自身が身に付ける。



「よし、はやく行かねば」


「準備完了」


 アラビ人民兵も88式自動小銃を構えつつ走りだし、再び二連散弾銃を持った白人民兵も先を急ぐ。


 こうして、チィーナ軍兵たち&民兵たちは、上の階を目指して一斉に動きだす。



「私たちも、援軍として行くわよっ!! モタモタしないでっ!!」


「分かった、行こうっ! 味方を救いになっ!!」


 ナタンとメルヴェ達は、先を急いで行った味方兵士の後を追うべく走って行った。


 その途上、彼は床に落ちている88式自動小銃から、ヘリカルマガジンを取り外しつつ走る。



 こうして、一階での戦いは連合側が勝利した。



 次なる戦場は、二階であるが、果たして戦況が悪化・好転しているかは不明だ。



 だが、それでも二人は走る速度を落とさず味方を追いかけ続けたのだった。

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