【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第48話 屋上からの敵増援っ!?

公開日時: 2024年7月9日(火) 20:27
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:55
文字数:3,625


「あそこに敵かっ!」


 増援に現れた、レジスタンス達は、銃とグレネードランチャーを、二人に向けて発砲してきた。


 発射された弾丸は、二人の隠れて居たドア付近に着弾して、爆風を巻き上げる。



「ぐふっ! ゲホッ! ゲホッ!」


「咳してないで、反撃しなさいっ!」


 運良く爆発から逃れた、二人だったが、カルミーネは爆風を受けて咳込む。


 だが、ベーリットは、AGー3ライフルで反撃しつつ、貴方も反撃してと彼を叱る。



「ああっ? 言われなくたってっ!」


 タンフォリオT95を、レジスタンス達へと向けて発砲する、カルミーネ。


 また、ベーリットは、レジスタンス達を苦しめるため、口を開くと喉から青い毒ガスを撒き散らす。



「すぅ~~ぶはぁーーーー!!」


「毒ガスだっ!」


「グールが毒ガスを放ったぞ」


 口から毒ガスを放った、ベーリットの科学攻撃に対して、レジスタンス達は慌てふためく。


 そうして、毒ガスの青い霧を、メチャクチャに放ちながら、廊下奥へと後退して行った。



「逃がさないわよっ!」


 彼女は、毒物や化学兵器を扱うことのできる兵種である、グールだ。


 ゆえに、自らが吐いた空気中を漂う、青い霧の毒ガスに身を包みながら疾走する。


 彼女は、此方に向けて発射される敵の銃弾を気にする事なく、レジスタンス達を追いかけて行く。



「ベーリット、待て!?」


 勝手に先行するベーリットを、慌てて追いける、カルミーネ。


 彼の顔は、徐々に変化していき、黒みがかった、灰色の毛を生やした狂暴な狼へと変わる。


 そして、両手にも黒みがかった灰色の毛が生えてくる。


 爪は鋭く尖った物に変化し、その姿は正に狼男と化した。



「チッ! いつも身勝手なんだからぁーー!!」


 カルミーネは、廊下の先を走るベーリットを追い、奥へと進む。


 すると、やがて彼女の姿が目に入った。



「あら、遅かったわね?」


「君が早すぎるんだよ」


 二人は、再び扉の両脇の壁に張り付き、中で待ち構える、レジスタンス達へと警戒するが。


 ベーリットは、室内の様子は、確認できない事から人狼となり聴覚が上がった、カルミーネを頼る。



「さて? 貴方の出番よ」


「分かってるって、どれどれ」


 ベーリットが、後ろに振り向き、カルミーネに調査を任せた。


 ドアの向こう側に潜む、レジスタンス達を調べるように頼まれた彼は、早速だが壁に貼り付く。



 そして、彼はドアに耳を当てて、中の様子を調べる。



「この匂いと息遣いから察するに、彼処と机の裏とロッカーの辺りにも…………」


 目を瞑りながら室内に潜む、レジスタンス達を調べる為、耳と鼻に神経を集中させる、カルミーネ。


 彼は、ドアの向こう側に待ち構える、レジスタンス達の気配を探る。



 こうして、連中の潜伏位置を、鋭い嗅覚と聴覚で特定する。



「何処に潜んでいるか、ちゃんと教えてってばっ!」


「ゴメン、ゴメン…………でも君に教えるよりっ!!」  


 ベーリットが敵の位置を、きちんと教えて欲しいと頼むが。


 カルミーネは、教えるよりも、時分が飛び込み、強襲を仕掛けた方が早いと、判断した。



 そして、一気に力強くドアを蹴り飛ばして、彼は室内に突入した。



「皆悪いけど死んでね~~?」


 蹴り飛ばされたドアは勢い良く、ふっ飛びながら、事務用机に衝突する。


 そして、物陰に隠れていた、レジスタンス達を怯ませる。



「こいつ? 一人でっ!」


「くっ!?」


「うわっ! …………」


 その慌てだすさまを見つめる、カルミーネは、狼の顔に不適な笑みを浮かべて、顎《アゴ》を歪ませる。


 また、高く飛び上がるとともに、彼は素早い攻撃に移る。



 斜め下に位置する、事務用机の裏に隠れる、レジスタンス達に向けて、次々と殺戮が繰り返される。


 彼は、タンフォリオT95を撃ちつつ、鋭い爪で斬りかかる。



「うぐっ!」  


「がぁっ!」


 斜め上から、カルミーネから銃撃を、頭部と胸部に受けた、二人のレジスタンス達。


 彼等は、床に倒れ動かなくなり、そして、残り一人のレジスタンス員だが。



「お前で、三人目だ…………」


「くっ! 来るなぁーー!!」  


 カルミーネは、机裏に隠れて居た、レジスタンス員の生き残りに狙いを定める。


 至近距離で、コマンド短機関銃を連射しながら叫ぶ、レジスタンス員。


 その左腕を蹴り上げ、鋭い爪で襲いかかり、奴が驚いている隙に、喉肉を切り裂いた。



「ぐごぁ…………!?」


「三人殺ったから、残りは八人か?」


 口と喉から血ヘドを吐き、後ろにバタリと音を立てて倒れる、レジスタンス員。


 そして、周囲に散らばる残りのレジスタンス達を狙い、次々と襲い掛かっていく、カルミーネ。



「早く仕留めるんだっ!」


「彼奴を殺せっ!」


「奴を止めないとっ!」


「何としても止めろっ!」


 壁際や机裏に、身を隠している、レジスタンス達だったが。


 連中は、部屋の中央に位置する、カルミーネを狙い、銃を撃って反撃するが。



 彼は、一番近い位置に居た、レジスタンス員に目を向ける。


 そして、再び高く飛び上がると、右足を突きだし、ドロップキックを繰り出した。



「ぐふぉっ!」


「次はアッチだ…………」


 斜め上からの鋭い蹴りを溝内に喰らった、レジスタンス員だが。


 彼は、後方の机にまで吹き飛ばされて、頭から衝突した。



「怯むなっ! 火力を集中しろっ!」


「分かってる、撃って撃って撃ちまくれ」


 カルミーネに銃口を向け、凄まじい勢いで銃撃を放つ、八人のレジスタンス達。


 しかし、彼は連中の銃撃を軽く交わしながら疾走する。



 タンフォリオT95が放つ銃弾と、腰の鞘から抜き取った、アネラスソードによる斬撃。


 これにより、カルミーネは、四人のレジスタンス達を次々と殺害していく。



「次は君達の番だよ?」


 事務用机から身を乗り出し。L85ライフルを撃ってきていた、レジスタンス員。


 そして、もう一人の焦げ茶色ソファを楯にして、PM63短機関銃を撃ってきた、レジスタンス員。



 この二人は、カルミーネが握る、タンフォリオT95から発射された銃弾に胸を貫かれて絶命する。



 その側に居た、ARー18ライフルとAK74ライフルを構えた、レジスタンス達。


 彼等もまた、飛び掛かった、カルミーネが振るう、アネラスソードの刃に斬られてしまう。



 一人は胴体を一刀両断に切断されて、もう一人は、頭を叩き割られて殺害された。



「くそっ! 残り半分かっ!」


「撃てっ! 撃ち殺せっ!」


「その半分は私が仕留めて? あ、げ、るっ!」


 さらに、殺戮を続けようと、カルミーネは狼顔を醜く歪ませて、鋭く尖った牙を剥き出しにする。


 不気味な笑みを浮かべる、彼に対して、必死の抵抗を続ける、残り四人のレジスタンス達。



 連中が、ひたすら銃を乱射している隙に、ベーリットも動き出していた。


 彼女は、AGー3ライフルの弾丸を二発撃ち、レジスタンス達を二人も殺す。



「くそっ!」


「逃げろぉーー」


「残りは毒でっ!! ぶはぁ~~~~!!」

 

 最後の二人と成った、レジスタンス達は、ついに逃走を図った。


 連中は、急いで事務用机の間をすり抜け、ドアを開いて逃げ出す。



「待て、逃がさないぞっ!」


「何処へ行こうっての?」


 扉から廊下へと逃走を図る、レジスタンス達を追い掛ける、カルミーネとベーリット達。


 連中の背中に、銃口を向ける二人だったが、照準を合わせたが。



 逃げる奴等の後を追い、銃を発砲しようとしていた、カルミーネとベーリット達だが。



 その前方から、敵に銃弾が放たれた。 



「がっ!!」


「いてっ?」


 右手を撃たれた、レジスタンス員と、両足を撃たれた、レジスタンス員。


 それは、前方から現れた、警察隊員が銃弾を連中に放っていたのだ。



 次いで、連中の頭に銃口を突きつけていた彼等は、すぐに行動に移る。


 彼等は、取り押さえた二人を、捕縛しようと、催眠スプレーを掛けるために準備していた。



 一人は、青髪の若い男性で、トーテン・シェーデル・ゾルダードらしく。


 黒いフリッツ・ヘルメット、防弾ベスト、H&K、G36ライフル等を装備していた。



 もう一人、クリームホワイトカラーのボブヘアの女性警察隊員だが。



 彼女の服装は、黒い略帽を被り、制服を着ている。


 また、青紫色のポケットが沢山ついた、ロングジャケット型ベストを羽織っていた。


 さらに、左腕には青紫色の腕章が巻かれている。


 その腕章には、白丸に黒い杖に、蛇が二匹も巻き付く、姿が描かれていた。



 彼女の妖しく、異様な姿だが。



 それは、まるで、衛生兵と死霊術師を組み合わせたかのような格好をしていた。



「さーーあ? …………深ぁく眠りなさい、すぅ~~と気持ち良~~く成りますからねぇ~~」


「御二人とも、御苦労様です」


 そこで負傷した、レジスタンス達を捕縛した、二人の警察隊員だが。


 彼等は、帝国が侵略者として、この星に侵攻してきた時、運悪く捕まった青年と女性たちであった。



 レジスタンス達に、催眠スプレーを吹き掛ける、女性隊員。


 連中が、抵抗しないように銃を向ける、男性隊員。

  


「クヌート上等兵、レーノチカ上等兵!」


「御二人こそ御苦労様ですっ!」


 自分達よりも先輩であり、階級が上である二人の登場。


 それに、カルミーネとベーリット達は、驚きつつも急いで、ビシッとローマ式敬礼を取った。

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