「あそこに敵かっ!」
増援に現れた、レジスタンス達は、銃とグレネードランチャーを、二人に向けて発砲してきた。
発射された弾丸は、二人の隠れて居たドア付近に着弾して、爆風を巻き上げる。
「ぐふっ! ゲホッ! ゲホッ!」
「咳してないで、反撃しなさいっ!」
運良く爆発から逃れた、二人だったが、カルミーネは爆風を受けて咳込む。
だが、ベーリットは、AGー3ライフルで反撃しつつ、貴方も反撃してと彼を叱る。
「ああっ? 言われなくたってっ!」
タンフォリオT95を、レジスタンス達へと向けて発砲する、カルミーネ。
また、ベーリットは、レジスタンス達を苦しめるため、口を開くと喉から青い毒ガスを撒き散らす。
「すぅ~~ぶはぁーーーー!!」
「毒ガスだっ!」
「グールが毒ガスを放ったぞ」
口から毒ガスを放った、ベーリットの科学攻撃に対して、レジスタンス達は慌てふためく。
そうして、毒ガスの青い霧を、メチャクチャに放ちながら、廊下奥へと後退して行った。
「逃がさないわよっ!」
彼女は、毒物や化学兵器を扱うことのできる兵種である、グールだ。
ゆえに、自らが吐いた空気中を漂う、青い霧の毒ガスに身を包みながら疾走する。
彼女は、此方に向けて発射される敵の銃弾を気にする事なく、レジスタンス達を追いかけて行く。
「ベーリット、待て!?」
勝手に先行するベーリットを、慌てて追いける、カルミーネ。
彼の顔は、徐々に変化していき、黒みがかった、灰色の毛を生やした狂暴な狼へと変わる。
そして、両手にも黒みがかった灰色の毛が生えてくる。
爪は鋭く尖った物に変化し、その姿は正に狼男と化した。
「チッ! いつも身勝手なんだからぁーー!!」
カルミーネは、廊下の先を走るベーリットを追い、奥へと進む。
すると、やがて彼女の姿が目に入った。
「あら、遅かったわね?」
「君が早すぎるんだよ」
二人は、再び扉の両脇の壁に張り付き、中で待ち構える、レジスタンス達へと警戒するが。
ベーリットは、室内の様子は、確認できない事から人狼となり聴覚が上がった、カルミーネを頼る。
「さて? 貴方の出番よ」
「分かってるって、どれどれ」
ベーリットが、後ろに振り向き、カルミーネに調査を任せた。
ドアの向こう側に潜む、レジスタンス達を調べるように頼まれた彼は、早速だが壁に貼り付く。
そして、彼はドアに耳を当てて、中の様子を調べる。
「この匂いと息遣いから察するに、彼処と机の裏とロッカーの辺りにも…………」
目を瞑りながら室内に潜む、レジスタンス達を調べる為、耳と鼻に神経を集中させる、カルミーネ。
彼は、ドアの向こう側に待ち構える、レジスタンス達の気配を探る。
こうして、連中の潜伏位置を、鋭い嗅覚と聴覚で特定する。
「何処に潜んでいるか、ちゃんと教えてってばっ!」
「ゴメン、ゴメン…………でも君に教えるよりっ!!」
ベーリットが敵の位置を、きちんと教えて欲しいと頼むが。
カルミーネは、教えるよりも、時分が飛び込み、強襲を仕掛けた方が早いと、判断した。
そして、一気に力強くドアを蹴り飛ばして、彼は室内に突入した。
「皆悪いけど死んでね~~?」
蹴り飛ばされたドアは勢い良く、ふっ飛びながら、事務用机に衝突する。
そして、物陰に隠れていた、レジスタンス達を怯ませる。
「こいつ? 一人でっ!」
「くっ!?」
「うわっ! …………」
その慌てだすさまを見つめる、カルミーネは、狼の顔に不適な笑みを浮かべて、顎《アゴ》を歪ませる。
また、高く飛び上がるとともに、彼は素早い攻撃に移る。
斜め下に位置する、事務用机の裏に隠れる、レジスタンス達に向けて、次々と殺戮が繰り返される。
彼は、タンフォリオT95を撃ちつつ、鋭い爪で斬りかかる。
「うぐっ!」
「がぁっ!」
斜め上から、カルミーネから銃撃を、頭部と胸部に受けた、二人のレジスタンス達。
彼等は、床に倒れ動かなくなり、そして、残り一人のレジスタンス員だが。
「お前で、三人目だ…………」
「くっ! 来るなぁーー!!」
カルミーネは、机裏に隠れて居た、レジスタンス員の生き残りに狙いを定める。
至近距離で、コマンド短機関銃を連射しながら叫ぶ、レジスタンス員。
その左腕を蹴り上げ、鋭い爪で襲いかかり、奴が驚いている隙に、喉肉を切り裂いた。
「ぐごぁ…………!?」
「三人殺ったから、残りは八人か?」
口と喉から血ヘドを吐き、後ろにバタリと音を立てて倒れる、レジスタンス員。
そして、周囲に散らばる残りのレジスタンス達を狙い、次々と襲い掛かっていく、カルミーネ。
「早く仕留めるんだっ!」
「彼奴を殺せっ!」
「奴を止めないとっ!」
「何としても止めろっ!」
壁際や机裏に、身を隠している、レジスタンス達だったが。
連中は、部屋の中央に位置する、カルミーネを狙い、銃を撃って反撃するが。
彼は、一番近い位置に居た、レジスタンス員に目を向ける。
そして、再び高く飛び上がると、右足を突きだし、ドロップキックを繰り出した。
「ぐふぉっ!」
「次はアッチだ…………」
斜め上からの鋭い蹴りを溝内に喰らった、レジスタンス員だが。
彼は、後方の机にまで吹き飛ばされて、頭から衝突した。
「怯むなっ! 火力を集中しろっ!」
「分かってる、撃って撃って撃ちまくれ」
カルミーネに銃口を向け、凄まじい勢いで銃撃を放つ、八人のレジスタンス達。
しかし、彼は連中の銃撃を軽く交わしながら疾走する。
タンフォリオT95が放つ銃弾と、腰の鞘から抜き取った、アネラスソードによる斬撃。
これにより、カルミーネは、四人のレジスタンス達を次々と殺害していく。
「次は君達の番だよ?」
事務用机から身を乗り出し。L85ライフルを撃ってきていた、レジスタンス員。
そして、もう一人の焦げ茶色ソファを楯にして、PM63短機関銃を撃ってきた、レジスタンス員。
この二人は、カルミーネが握る、タンフォリオT95から発射された銃弾に胸を貫かれて絶命する。
その側に居た、ARー18ライフルとAK74ライフルを構えた、レジスタンス達。
彼等もまた、飛び掛かった、カルミーネが振るう、アネラスソードの刃に斬られてしまう。
一人は胴体を一刀両断に切断されて、もう一人は、頭を叩き割られて殺害された。
「くそっ! 残り半分かっ!」
「撃てっ! 撃ち殺せっ!」
「その半分は私が仕留めて? あ、げ、るっ!」
さらに、殺戮を続けようと、カルミーネは狼顔を醜く歪ませて、鋭く尖った牙を剥き出しにする。
不気味な笑みを浮かべる、彼に対して、必死の抵抗を続ける、残り四人のレジスタンス達。
連中が、ひたすら銃を乱射している隙に、ベーリットも動き出していた。
彼女は、AGー3ライフルの弾丸を二発撃ち、レジスタンス達を二人も殺す。
「くそっ!」
「逃げろぉーー」
「残りは毒でっ!! ぶはぁ~~~~!!」
最後の二人と成った、レジスタンス達は、ついに逃走を図った。
連中は、急いで事務用机の間をすり抜け、ドアを開いて逃げ出す。
「待て、逃がさないぞっ!」
「何処へ行こうっての?」
扉から廊下へと逃走を図る、レジスタンス達を追い掛ける、カルミーネとベーリット達。
連中の背中に、銃口を向ける二人だったが、照準を合わせたが。
逃げる奴等の後を追い、銃を発砲しようとしていた、カルミーネとベーリット達だが。
その前方から、敵に銃弾が放たれた。
「がっ!!」
「いてっ?」
右手を撃たれた、レジスタンス員と、両足を撃たれた、レジスタンス員。
それは、前方から現れた、警察隊員が銃弾を連中に放っていたのだ。
次いで、連中の頭に銃口を突きつけていた彼等は、すぐに行動に移る。
彼等は、取り押さえた二人を、捕縛しようと、催眠スプレーを掛けるために準備していた。
一人は、青髪の若い男性で、トーテン・シェーデル・ゾルダードらしく。
黒いフリッツ・ヘルメット、防弾ベスト、H&K、G36ライフル等を装備していた。
もう一人、クリームホワイトカラーのボブヘアの女性警察隊員だが。
彼女の服装は、黒い略帽を被り、制服を着ている。
また、青紫色のポケットが沢山ついた、ロングジャケット型ベストを羽織っていた。
さらに、左腕には青紫色の腕章が巻かれている。
その腕章には、白丸に黒い杖に、蛇が二匹も巻き付く、姿が描かれていた。
彼女の妖しく、異様な姿だが。
それは、まるで、衛生兵と死霊術師を組み合わせたかのような格好をしていた。
「さーーあ? …………深ぁく眠りなさい、すぅ~~と気持ち良~~く成りますからねぇ~~」
「御二人とも、御苦労様です」
そこで負傷した、レジスタンス達を捕縛した、二人の警察隊員だが。
彼等は、帝国が侵略者として、この星に侵攻してきた時、運悪く捕まった青年と女性たちであった。
レジスタンス達に、催眠スプレーを吹き掛ける、女性隊員。
連中が、抵抗しないように銃を向ける、男性隊員。
「クヌート上等兵、レーノチカ上等兵!」
「御二人こそ御苦労様ですっ!」
自分達よりも先輩であり、階級が上である二人の登場。
それに、カルミーネとベーリット達は、驚きつつも急いで、ビシッとローマ式敬礼を取った。
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