【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第七部 レジスタンスは静かな暗闇を進む

第65話 レジスタンスの御使い任務

公開日時: 2024年7月10日(水) 00:44
更新日時: 2024年7月12日(金) 23:11
文字数:3,601


 昨日は、警察部隊と各レジスタンス組織が、ともに派手に暴れまわった。


 こうして、市内各地で、激しい戦闘を繰り広げていたのだが。



 今日は、ナタンのが所属するレジスタンスが補給の為に動く。


 それは、南アフレアから送られる、密輸物資を受け取る日だからであった。



「今日は補給物資を受け取る日だな、誰が行くんだ?」


「確か、ウェスト達とヨハンナ達の筈だな…………連中には早く美味い物を持って来て欲しいぜ」


 MP5Kサブマシンガンを両手で構える、レジスタンス員は呟く。


 彼は、茶髪髪に、オレンジ色のニット帽を被り、緑色に上下を統一した服装をしている。



 56式2型を構える、東南アシュア系に見えるレジスタンス員も話す。


 彼は、黄緑色のプーニーハットを被り、同じ色をした服装である。



 二人は、地下深くのアジトの通路で話し合いながら、ゆっくりと歩いて巡回を行う。



「ウェスト等は密輸品の受け取りに行くし、ヨハンナ達は帝国からの物資の強奪任務だと」


「強奪か…………そろそろ弾も尽き欠けて来たしな?」


 茶髪白人レジスタンス員と東南アジア系のレジスタンス員たちだが。


 二人は、話し合いながら何処か、通路の先へと向かい、暗い通路内を静かに歩いて行ってしまった。



「ナタンとメルヴェ達は何処、彼奴等は今日は任務があるんだったわよね? ウェストと一所に強奪に行くんだって?」


「それは別の班、行くのはヨハンナ達よ…………彼女が班を率いて帝国側のデータを、チョロまかした奴を頂きに行くの…………それと、あの三人は密輸品の受け取りに行くの」


 背中に、ベレッタ686オニキスプロ散弾銃を背負う、長身の女性レジスタンス員。


 彼女は、コーカサス系と思え、キャラメル色の髪をポニーテールにしている。



 チリチリの黒髪を後ろで結み、首には真っ赤なスカーフを首に巻いた、黒人女性レジスタンス員。



 彼女達は、二人ともパイプ椅子に座って、煙草を吹かしつつ話す。



 二人は、直ぐ側にあるODグリーンカラーの傷ついた弾薬箱を幾つも重ねた山に手を伸ばす。


 また、そこに置かれた灰皿に、吸い終えた煙草を押し付けて潰す。



 弾薬箱の山には、黒人女性レジスタンス員が愛銃する、DP41軽機関銃が立てかけてあった。



 戦争には、補給が欠かせなく、食う物が無ければ人は餓死する。


 武器が無ければ、人は戦えないし、弾が切れたら、銃はガラクタに過ぎない。



 と、言った具合に、軍隊には物が無いと、ただ戦争に負けるだけだ。


 それに、彼等みたいな小さな抵抗勢力であるレジスタンス等は、常に物資が欠乏している。



 だから、送られて来る密輸品は、正に宝の山なのである。



 様々な方法で、秘密裏に、アフレア大陸から運ばれて来る、密輸品だが。


 こう言った、貴重な物資を運搬する方法だが、主な手段は、次の二通りである。



 一つは、帝国軍・補給部隊の輸送トラックに擬装した、連合軍側の車両による移送手段だ。


 これは、敵に偽装した乗り物により、人員と武器・弾薬の輸送により、届けられる方法である。



 もう一つの手法は、連合軍側地域から送信された、サイバー攻撃だ。


 ハッカー達による、ハッキング&クラッキング工作と言った、サイバー戦法。



 これで、帝国軍・帝国警察の監視システムを破壊して、電脳警備網に穴を開ける。


 さらに、補給物資の送り先を、改竄変更するなどの手法を使う。


 それにより、敵側の物資を、全く知られずに強奪する方法である。



 そして、今日密輸物資を受け取る回収任務を担当する、ナタンとメルヴェ達だが。



 二人は、自室として、割り当てられた室内にて、準備を行っていた。



「ナタン、今日は私達の班は密輸品の受け取りに行くわよっ!」


「そうだったね、アフレアからの新しい派遣要員も来るかな?」


 メルヴェの元気な声に反応して、ナタンは後ろに振り向いた。


 彼は、自らが愛用する護身銃である、鈍く光る銀色のMASー1935ーAに弾装を装填していた。


 彼は、新しい装備や武器ともに、派遣されてくるで有ろう、新しい仲間の事を想像する。



「さあね~~? ワイルドギースやらSAS、何かが来るんじゃないかしら?」


「だったら頼もしいけど…………」


 これから、こちらに派遣されてくる連合軍・特殊部隊員のことを考える、メルヴェとナタン達。



 アフレア。

 東南アシュア&南アシュア。

 オーストレイリア。

 サウス・アルメア。

 アラビ地域南部。


 等々と言った、南方地域に逃れた、ハンザ連邦軍を始めとする各国軍。



 彼等は、連合軍として再編成されて、戦力を温存させている。


 また、同時に、ノルデンシュヴァイク帝国軍に、対抗するために反撃の機会を伺っていた。



 他に、連合軍は、小規模な部隊を使って、各地で盛んなゲリラ戦を展開していた。



 元々、アフレア地域にて、対テロ作戦や旧植民地諸国に展開していた、ハンザ連邦軍・部隊。



 ノルデンシュヴァイク帝国軍の侵攻による、侵攻作戦が始まった。


 その当時、戦禍が拡大した、ハンザ連邦合衆国本土から撤退して来た、ハンザ連邦軍も加えわった。



 そして、さまざまな勢力が、連合軍には参加している。



 国家・部族・氏族・企業。



 等々、各勢力からなる、アフレア諸国の軍事組織などを統合して、結成された軍隊が連合軍である。



 その実態は、寄せ集めではあるが。



 アフレア地域に置いて、地形を熟知した現地部隊や、戦闘経験が豊富な民兵など。


 彼等が、少数精鋭で果敢な遊撃戦を行い、活躍しているのである。



 ベテラン黒人ゲリラ部隊。

 優秀な白人傭兵。

 ハンザ軍・特殊部隊。

 歴戦の猛者である、各部族の戦士。

 民間警備企業である、PMC等の精鋭兵。


 彼等が、日夜アフレア地域に侵攻してくる、侵略者を、くい止めている。


 互いに、奇襲攻撃を行う、ノルデンシュヴァイク帝国軍・帝国警察部隊と常に対峙しているからだ。



 こうして、アフレアでも、一進一退の激しい攻防戦が繰り広げられていた。



「アフレアからの増援ね、白でも、黒でも黄色でも赤でも良いから、強い味方が欲しいわぁ~~」


「メルヴェ? 黄色は分かるけど赤って…………」


 メルヴェは、帝国との戦いで、慢性的に不足する人員の事を考える。


 そして、何色の肌でも良いから、強い味方兵士が欲しいと愚痴をボヤく。



 ナタンは、赤い肌の人間と言われて、意味が分からず、それは何かと彼女に問うが。



「インディアンよ? 彼等は赤色人種って自ら名乗ってるし、今は学会だか何だかでも黄色から進化した赤色の人種って、言われているらしいのよ? 本当かどうかは知らんけどね」


「インディアンね…………アフレアに居るかな、アルメアから来た傭兵とかPMCとしてなら、アフレアに居ても可笑しくは無いけどさ」


 赤色人種は、インディアンの事だとメルヴェが教えるたが。


 ナタンは果たして、アフレアには赤色人種たる、インディアンは居るのかと考える。



 因みに、アフレア地域には意外と多くのアシュア人戦闘員が存在していた。



 それは、国連がまだ正常に機能していた頃に、様々な国が正常不安定な地域に軍を展開していた。


 また、各国からは、国連平和維持活動の一環として、アフレアに派兵・派遣されていた部隊がある。



 当然だが、アシュア地域からも特殊部隊などが、治安維持や軍事顧問団として、送られていた。



 チィーナ人民解放軍・警察。

 ジューポン国自衛隊・警察。

 コリャン陸軍・海軍。

 

 等々のアシュア系諸国軍・警察部隊が、アフレアでは、ジブツ基地に駐屯している。



 また、チィーナ国営公司の下請け警備公司である、PMC戦闘員なども多数存在する。



「んで、あんたは準備出来たの?」


「ん? ああ…………終わってるよ、銃の確認も終えたし、ブリーフィングルームに行こうか」


 メルヴェからの問いに、ナタンは答えると、二人揃って、自室から通路へ出て行った。



「…………誰だろう? …………」


「…………誰かしら? …………」


 通路に出た、ナタンとメルヴェ達の前方から、ツカツカと足音が聞こえて来た。


 それは、四人組のレジスタンス員たちであり、彼等は暗闇から、こちらに向かって歩いて来る。



 内、二人は重そうな鉄製の工具箱を持ちながら進んでくる。


 もう二人は、大きな暗いカーキー色の段ボール箱を、どこかへと運搬していた。



「なぁ、聞いたかよ? 遂にワーウルフや、ソーサラー見たいなバイオ兵士を作った特殊部隊が編成されたって…………」


「ついでに、そいつ等が各地で勢いを盛り返しているって話しだろう?」


「何か前にも、どっかで…………そんな話を聞いたわね?」


「本当だと私達の戦いも、グッと楽に成るんだろうけどねぇ~~? ノルデン帝国が来る前から腐敗していた連合軍に果たして、そんな屈強な兵士を作ることが出来るのかしら?」


 工具箱を持ち歩く、黒人レジスタンス員と、白人レジスタンス員たちは話し合う。


 段ボール箱を運搬する、アシュア系の女性レジスタンス員も呟く。


 ヒンド系の浅黒い肌をした、女性レジスタンス員は会話内容に懐疑的だ。



 そうして、彼等四人は話をしながら、ナタンとメルヴェ達に近づいてきた。

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