【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第231話 負傷者は後方へと搬送された

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:01
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:48
文字数:3,258


 連合軍側は、激戦により多数の負傷者を出して、戦線を後方へと下げた。



「はあ、コートは暖かいけど、動きづらいから脱ぐか…………」


 そう言って、ナタンはカーキ色の上着を脱いで、地面に置いた。



 すると、彼の目に陸上自衛隊員が映った。



「ああ~~? ナタンと申します、タカヤマ隊長? 向こう側は?」


「大量の歩兵、それと機甲部隊まで展開してきたな? 特に、特殊部隊が厄介だった」


 ナタンは、自衛隊・隊長であるタカヤマに、戦闘で、どのような敵が登場しかた聞いてみた。



「グールとバクテリエラー・ゾルダートによる科学兵器の連携攻撃や、ワーウルフが二体で突っ込んできやがった…………」


「ああ、そうですか? それは大変でしたね」


 タカヤマは、様々な兵種により、多彩な技で攻撃された事を語る。



 それを聞いて、ナタンは簡単な返事を述べる。



「ナタンと言ったな? もう少ししたら、連合軍の空挺部隊やドローン部隊が、ピレネー山脈を越えてくる…………らしい? それまで、互いに頑張ろうっ!」


「はいっ! 互いに生き残りましょうっ!」


 そう言って、敬礼しながら、タカヤマは疲れた表情に気合いを入れたのか、キリッと変化させた。


 ナタンも、連合軍が援軍に来ると聞いて喜び、彼に対して敬礼する。



「援軍が来るのか…………ようやく、良いニュースが聞けたな」


 ナタンは去りゆく、タカヤマの背中を見ながら、少しだけ嬉しそうな顔で呟く。


 その背後には、タンカラーに塗装された自動小銃と、クリーム色をした刀が背負われていた。



 レッドサイト、GLX160A1グレネードランチャーを取りつけた、豊和20式小銃である。


 また、刀は装飾が施されてない事から長ドスと思われる。



 腰には、右側にH&K、SFP9をプラ製ホルスターに容れていた。


 左側には、89式多用途銃剣を容れた鞘を下げていた。



「負傷者に、水を下さい」


「分かったわ、これを…………」


 現在のビル内は、静まり返っているが、外では帝国兵が待機している。


 そんな中、次なる攻勢に備えるべく、サワカワは負傷者の治療を懸命に続ける。



 彼女の指示に従い、メルヴェは紙コップに、ペットボトルから水を注いで軽傷者に渡す。



「貴女も、ジューポン自衛隊の派遣した衛生兵なの?」


「ううん、違うわ? 私はジューポン赤十字職員よ…………戦地で苦しむ人を助けようと、アフレアから此方に来るのを志願したわけ」


 ふと疑問に思った事を、メルヴェは衛生兵である、サワカワに聞いてみた。



「そう、それじゃ覚悟は出来ているのね?」


「まあ、いつかは、そうなった場合はね」


 メルヴェの質問に、軽症者に回復魔法をかけながら、サワカワは答えた。



「おいっ! そこの新兵、悪いが武器を持ってこい?」


「これかい? コイツで良いのか?」


「私は、彼を手伝ってくるわ…………あと、やれそうなことも無いし」


「いや、助かったわ、有り難う」


 ベクターSSー77を構える黒人兵士は、ナタンを呼ぶと武器を運ぶように指示した。


 それを見て、そちらの方に行こうとする、メルヴェは、サワカワに別れを告げた。



「チィーナ製、67式汎用機関銃は三脚に? 80式汎用機関銃が予備に…………そんで、87式自动榴弹发射器まで有ればっ!」


「コイツで、帝国軍を撃退する訳か?」


 ビル内の塹壕左側には、67式機関銃を囲むように、ロープで巻かれたドラム缶が配置されている。


 また、ドラム缶の上部には、土嚢が幾つか設置されている。



 よくみると、木製ミニパレット二枚の上に、三脚は設置されていた。



 この塹壕は、M202ロケットランチャーで吹き飛ばされた床を、少しだけ掘って作った物だ。


 それから、黒人兵士の側まで来ると、ナタンは彼に沢山ある兵器に関して、軽く質問してみた。



「へへっ! そうよ、これだけ機関銃やランチャーが揃っていれば、楽勝だろう?」


「だろうな? 反対側にも、兵器が配置されているな?」


 自信満々に、豪快な笑顔を見せる黒人兵士に対して、ナタンは答えながら塹壕の右側に目を向ける。



「設置完了、後は下に対戦車兵器を置くだけだな」


「それも終わっているよ? 後はコイツを」


 建設作業場で使われる足場を、緑色の防弾板で囲んだ、簡易トーチカが見える。


 真ん中だけは、防弾板を横にしているらしく、窓が見える。



 そこからは、M20スーパーバズーカの砲身が見えた。



 また、上では、緑色のフリッツヘルメットを被る黒人兵士が、ミラン対戦車ミサイルを設置する。



 その後方からは、PLー83ブラインドシサイド対戦車兵器を抱えた女性兵士が歩いて来る。


 彼女も、フリッツ・ヘルメットを被っており、フランシュ製の迷彩柄・重防弾ベストを着ていた。



 これには、肩パッドや首回りを覆うための襟や、股間を守る防弾プレートが付いている。



「ジハード、そっちはどうだ?」


「大丈夫、準備は終わったよっ? シプリアン、それより、お前も防弾ベストを着ておけっ! 撃たれたら、ヤバいだろうが?」


 トーチカ上に居る黒人兵士シプリアンは、手を降りながら様子を確認してきた。


 ベクターSSー77汎用機関銃を持ち抱えた、ジハードは作業用に、軽装なままの彼を心配する。



「ジハードの言う通りよ、防弾ベストを着ておきなさい」


「フランシシーヌ、分かっている…………」


 女性兵士フランシーヌも、シプリアンを叱った途端、急に天井が連続爆発した。



「シプリアンッ? もう、ダメねっ! 敵襲ーーーー!?」


「いよいよ、来たなっ! うおおっ!!」


「総員、戦闘配置に着けっ!」


「誰かっ!! 増援を呼んでこいっ!!」


 連続爆発が終わると、帝国軍部隊が大量の防弾兵や楯持ちを、前面に押し出して来た。



 フランシーヌは、トーチカ内に走っていき、M20スーパーバズーカーを撃った。


 ジハードも、即座に陣地に飛び込むと、67式機関銃を、途切れなく連射し始めた。



「ジハード、援護するよっ!」


「おっ! 助かるっ!」


 ナタンは、67式機関銃を撃ちまくる、ジハードの側で、塹壕に伏せながらAK12を撃った。


 本来なら、AKシリーズは弾倉が長いため、伏せ撃ちでは邪魔になる。



 しかし、今の彼は、チュソン兵から剥ぎ取った、ヘリカルマガジンを活用しているから問題ない。



「ナタン、敵の襲撃ねっ! 私も援護するわっ!」


「分かった、だが敵の数が多すぎるっ!!」


 メルヴェは、塹壕後方にある防弾板を、三枚も並べ立てた場所から機銃掃射を開始する。


 彼女の声を聞いた、ナタンは後に振り返り、彼女が右側にある防弾板から射撃している姿を見た。



 防弾板のさらに右側から、ベルト給弾で彼女は、ミニミ分隊支援火器を撃っている。



「また、吹き飛んだわっ! 戦車でも来ない限り、私は倒せないわよっ!」


 フランシーヌによる、スーパーバズーカの支援により、帝国軍部隊は砲撃に晒される。


 連中が装備した、重防弾ベストや防弾楯は、彼女が発射する榴弾は防げない。



 シュヴァルツ・リッター&オーガー達は、直撃しない限り、前へと進んできたが。



 頭部や手足を、直撃弾に吹き飛ばされた者は、床に倒れていく。


 重装甲兵と言えど、軽量化された中量級の者は、対戦車兵器による攻撃は耐えられない。



「うわっ!? ぐ、ぐお」


「ぐおおっ! があっ!」


 スーパーバズーカによる砲撃と、他の三人が行っている連続射撃を前にして、帝国兵たちは倒れる。


 成す術なく、連中は大量の機銃弾により、手足が負傷して、次々と頃がっていく。



 防弾装備を身につけていても、全て射撃を防げる訳ではない。


 

 防弾楯を持つ帝国兵もまた、スーパーバズーカの砲撃から少しでも離れようとする。


 だが、動いている途中で隙が出来てしまい、そこを撃たれてしまうのだ。

 


「うおおおおっ! 死にやがれっ!」


「援軍に来たぞっ!」


「味方だっ!!」


「敵に、フラグを投下するっ! 下がれっ!」


 ジハードが、67式機関銃を左右に振り回しながら撃ちまくっていると、援軍が現れ始めた。



 AKMやMP5を持った、白人民兵や黒人民兵が塹壕に飛び込む。


 東南アシュア系レジスタンス員は、手榴弾を敵に向かって投げる。



「お前ら、負傷者が搬送されるまでは持ちこたえろよっ!」


 ジハードは、そう言いながら、67式機関銃を撃ち続けた。

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