【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第3話 街中は対テロ対策中

公開日時: 2024年7月8日(月) 09:42
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:27
文字数:3,974


 オッスゲム通りには、白い作業着や茶色いスーツなどを着た、何人かの民間人が出歩いている。


 その他には、帝国軍兵士たちが歩道を巡回していたり、屋上に狙撃兵を配置している。



 路肩には、何台もの自動車が停車しており、路上には黒いティーグルM軽装甲車が走る。


 その車上では、帝国軍兵士が両手で、NSVT車載機関銃を握っていた。



「メルヴェ、スナイパーが屋上に居るよ、あれはVSS消音銃とSR16だ」


「ナタン、あまり見ない方がいいわ、レジスタンスだと、身バレするわよ」


 常日頃から頻発する、テロ対策で、帝国軍&帝国警察は常時警戒体制を敷いている。


 これは、難民危機の時から変わらず、しかも段々と、警備体制は強化され続けていた。



「うっ! 突風がっ!」


「寒いっ!」


 黒いKaー52アリガートルが空中から滑空してきて、強風を吹かせる。


 ナタンとメルヴェ達は、それを背後から受けながら、上昇していく戦闘ヘリを眺める。



 座席に乗っているであろう、操縦者までは見えないが、輸送ヘリ程もある黒い巨体は目立つ。


 アレは、おそらく帝国が保有していた物か、ロシャ連邦から滷獲した兵器だろうと、二人は思った。



「ナタン…………逃走経路は、この先だけど、気を抜かないでね」


「大丈夫だ、何も心配は要らないよっ?」


 メルヴェは、ナタンを気にしながら歩くが、そこに背後から、一台の車両が近づいてくる。


 二人が目指す建物は、前方の十字路にある右側に立っている。



 ここにも、出入口があり、そこから地下道へと忍び込めるようになっている。



「さあ、目的地が近づいてきたぞ」


「何も起きな…………!?」


「突撃いい~~~~~~!!」


「ぐあっ!?」


 ナタンとメルヴェ達が歩いていると、不意に後ろから誰かが叫ぶ声が聞こえた。


 急いで振り向いた、二人が見た光景は、レジスタンス部隊が、帝国軍部隊を銃撃している姿だった。



 白人レジスタンス員が、56式小銃のスポーク・バヨネットで、VSSを持った狙撃兵を突き刺す。


 そして、その勢いを落とさず走り、地上へと敵を落下させてしまう。



「敵襲っ! 反撃しろっ!」


「直ぐに応援要請するっ!」


 いきなり、奇襲を仕掛けられた帝国軍兵士たちは、慌てて応戦しようとする。



「散会しろっ! 巡回中の奴らを狙うんだっ!」


「撃ち殺せっ!!」


 だが、そこに現れた、白いワゴン車が静かに路上に停車する。


 そして、中から現れた、レジスタンス部隊は四方八方にAK47などを乱射しまくる。



「CP、現在テロリストの銃撃をうけている、応援要請を頼っ! ぐあ」


「不味い、敵が回り込もうとしてやがる」


「フラグ投下っ! 爆ぜろっ!」


「援護する、敵を抑えてやるっ!!」


 黒い自動車の陰に隠れていた、帝国軍兵士を、AK弾が車ごと貫通して射殺する。


 一方、もう一人の奥に隠れていた、帝国軍兵士は距離を取ろうと自動車から離れていく



 黒人レジスタンス員は、手榴弾を白い自動車に投げ込み、爆炎を発生させる。


 RPD軽機関銃を持った、白人レジスタンス員は、弾丸を途切れなく滅茶苦茶に乱射しまくる。



「RPGーー!!」


「援護するっ!」


「これでも喰らえっ!」


「連中を殲滅してやる」


 屋上から現れた、アラビ系レジスタンス員は、RPGー7で地上の軽自動車を破壊する。


 ラテン系レジスタンス言は、AK47で、自動車裏に隠れている帝国軍部隊に制圧射撃を加える。



 白人レジスタンス員は、矢継ぎ早に、発煙弾を周囲に投げまくる。


 AK47に延長マガジンを取り付けた、黒人レジスタンス員は、とにかく連射しまくる。



「不味い、別組織だっ! このままじゃ巻き込まれてしまう」


「早く、脱出ポイントに行きましょうっ!」


「敵襲ーーーー!?」


 危険な戦場から離れようと、ナタンとメルヴェ達は走り出した。


 だが、二人の前に自動車から帝国軍兵士が飛び出して来て、AK12を乱射した。



「うわっ!」


「きゃっ!」


 ナタンは、直ぐさま地面に転がり込んで、メルヴェも素早く伏せた。


 そのお陰で、帝国軍兵士が何発か撃った弾丸は、運良く全て外れてしまった。



「次で仕留めっ! ぐばぁっ?」


「これでも喰らえっ!」


 一回、自動車の裏に隠れた帝国軍兵士は、再びAK12を乱射した。


 しかし、白人レジスタンス員のAK弾が、何発も窓ガラスを突き破って、奴を横から撃ち抜く。



「助かった…………しかし、こうしては居られないっ!!」


「ナタン、逃げるわよっ!!」


 ナタンは、直ぐに立ち上がって、メルヴェも素早く地面を蹴りながら逃げていく。


 そんな彼らの前に、青と黒に迷彩模様が塗装された、BVL軽装甲車が現れた。



 さらに、上部マウントから車載された、ミニミ分隊支援火器が火を噴いた。


 どうやら、機関銃手は二人を狙っているらしく、白いワゴン車の窓ガラスが連続で割れてゆく。



「くうぅぅっ!!」


「頭を下げなきゃっ!」


 ナタンとメルヴェ達は、乗用車からトラックの陰に何とか入り込み、必死で逃走を続ける。



「動く…………うっ!」


「うわっ!」


「きゃっ!」


 その間に、建物から出てきた黒人レジスタンス員が、ステンガンを撃ち始めようとした


 しかし、丁度、ナタンとメルヴェ達の背後から一発だけ弾丸が跳んできた。



「ぐ?」


「死ねーーーー! テロリストめっ!」


「次は後ろからかっ?」


「次から次へと…………」


 黒人レジスタンス員が、脳天を撃ち抜かれて、力なく後ろに倒れる。


 さらに、二人を狙って、H&K416を構えた警察隊員が、単発連射で狙ってくる。



 なので、突っ立ってる暇なく、ナタンとメルヴェ達は、再び戦場から離れようと駆ける。


 しかし、敵が何回も引き金が引かれる度に、二人の背中近くを銃弾が飛ぶ。



「メルヴェ、こっちだっ!」


「ナタンッ!?」


 赤い乗用車の陰に、ナタンは隠れれるとともに、メルヴェを呼ぶ。



「不味い、今は銃器を持ってない…………」


「しかも、私達をテロリストだと思ってるわ」


 乗用車の陰に隠れた、ナタンとメルヴェ達は、逃げ出すために何処へ行こうかと思案する。


 二人とも、額や頬から汗を垂れ流しつつ、割れる窓ガラスから身を守ろうと頭を下げる。



 帝国軍&帝国警察は、テロが発生した場合、民間人を容赦なく射殺する。


 これは、テロリストと民間人の区別が着かないため、一々判別している暇がないからだ。



 一応、レジスタンス側は緑色の服装をしているが、それでも帝国側は無差別射撃をしてくる。



 そんな中、不意にマンホールの蓋がガタガタと動き始めた。


 と思っていたら、そこから、アシュア系レジスタンス員が顔を出した。



「二人とも、こっちだ、中は安全だっ! 早く入れ」


 それだけ言うと、アシュアレジスタンス員が直ぐに、穴へと頭を引っ込める。


 もちろん、爆発音や銃撃音が木霊する中、二人も直ぐに下水道へと飛び込んだ。



「おい、着いてくるんだ、安全圏まで案内してやる」


「別組織だ、案内は途中まででいい」


「そうよ、私達は別な場所で、襲撃を担当したのよ?」


 下水道内に入った、アシュア系レジスタンス員は、二人を連れて行こうと先導する。


 だが、ナタンとメルヴェ達は確かにレジスタンス員であるが、彼とは所属は違う。



 レジスタンス組織は、丸ごと潰れる事を避けて、各組織の情報伝達は、あまり行われていない。


 そのため、帝国警察がレジスタンス組織を一つ潰しても、他が生き延びると言う訳だ。



 ともかく、アシュア系レジスタンス員は、ナタンとメルヴェ達を奥へと連れていく。


 そして、下水道の十字路になっている場所まで来た。



「この先に行けば、道は分かっている? 案内は不要だ」


「有りがとう、ここから別行動よっ!」


「いいや、まだだ、お前たちを帝国警察まで連行しなきゃ成らんのだっ!!」


 地下道のかなり奥まで歩いて来た、ナタンとメルヴェ達は、礼を言いながら別れを告げる。


 しかし、アシュア系レジスタンス員は、衣服を脱ぐと同時に、二人へと投げつけてきた。



「今だっ! 射撃開始っ! ぐおっ!」


「撃ち殺せっ!」


「射殺してやるっ!!」


「うわっ! このっ! やるしかないっ!」


「きゃっ!」


 正体を表した、奴は白人で、しかも警察部隊の隊長であり、口からは犬歯が生えていた。


 ナタンは、奴が投げつけてきた衣服を掴んで、奴がワルサーPPKを撃つ前に、タックルをかます。



 メルヴェは、咄嗟の出来事に怯んでしまい、一瞬だけ動きが遅れる。


 その間、左右から二人ずつ警察隊員が現れて、H&K416を乱射する。



「ぐおおおおっ! 離れろっ!」


「お前が離れろっ!」


 そして、警察隊長を、肉盾にしながら敵からの銃撃をナタンは受けるが、何発かは貫通してしまう。


 一方、メルヴェは二人が揉み合っているうちに、床に落とされた、ワルサーPPKへと転がる。



「貴様っ! 死ねっ!」


「逃がさんっ!」


「死ぬのは、お前らだわっ!!」


「ぐわ…………」


「があ、ぐ、が?」


 集中射撃を浴びる中、メルヴェは素早く拾った、ワルサーPPKを発砲しまくる。


 それにより、二人の警察隊員を見事に射殺すると同時に、素早く動き出す。



「うわっ!? ぎあ?」


「これでも、喰らえっ!」


 弾切れとなった、ワルサーPPKを警察隊員の頭に投げつけ、走りながら回し蹴りを喰らわす。



「貴様、撃ち殺してやるっ!」


「させないっ! コイツを喰らえっ!」


「ぐわああああっ!?」


 残る一人の警察隊員が、メルヴェを狙う中、ナタンは隊長から奪った、ナイフを何度も突き刺す。



「お前も喰らえっ!」


「ぐあっ?」


 ナタンは、力なく崩れた隊長を退かすと、直ぐに銀色に光るナイフを警察隊員の頭に投げた。


 それは、見事に喉を突き刺し、奴を床に倒れさせて、ライトにより光る青い血液を流れさせた。



「コイツ、変装していたのか?」


「油断ならないわね…………」


 ナタンは、自身が何度もナイフで突き殺した、隊長の死体を見下ろす。


 メルヴェも、死体から剥ぎ取った、H&K416を拾うと、ナタンにも渡す。



 もちろん、弾帯や防弾ベストも敵の死体から入手した後、二人はアジトへと続く帰路に着いた。


 

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