【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第199話 暗闇に紛れて、やってきた洗脳アンデッド部隊兵、シュトゥルムZ

公開日時: 2024年7月12日(金) 01:16
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:27
文字数:3,220


「あそこに隠れている、ヤツを狙えっ!」


「私達を守りなさいっ!」


「◣◥◇◥▤▦▤◉▦◎◑」


「▦▤◣◌●□◇◆」


「◥〇◆▣▩●◢◤□」


「◥□◇◣◢◣▤〇◌」


 ウィザードの命令に従い、チュソン兵たちは88式小銃を構える。



 また、奴自身は氷壁を作りだし、背後にモングル系のソーサラーを立たせる。


 それから、氷壁の上から雷撃魔法を放ち、チュソン兵たちに激しい制圧射撃を行わせる。



「ぐわわっ! 手榴弾でも喰らえっ!」


「◆◆▣っ!?」


「◣◆◌□◤◤□っ!」


 ナタンは、懐から手榴弾を取り出し、二回も敵の方へと投げた。


 凄まじい銃撃に晒された、彼が身を隠す事務机は穴だらけになってゆく。



 しかし、投げられた手榴弾が炸裂して、チュソン兵たちを吹き飛ばす。


 と、言っても連中を、二名ほどしか倒せなかった。



 さらに、チュソン兵たちが、左側から回り込んできて、一気に銃撃を繰り出してきた。



「わっ? 音がしないだと、厄介な連中だ…………」


 ナタンを左側から襲った複数の銃撃は、銃声が鳴らない拳銃弾だった。



 見ると、拳銃を構えた野戦帽を被るチュソン兵たちが、回り込んできていた。



 一人は、サプレッサー付きのCZ82拳銃を両手で握っている。


 もう一人は、サプレッサー付きの64式拳銃を、構えながら走ってくる。



「5、45ミリ弾を喰らえっ! この野郎っ!」


「●◇▤●▩◢◤◥…………」


「◉◢◥◢◆□▩◤◢●っ!?」


 ナタンは、すぐさま床に伏せつつ、AK12を弾倉が空になるまで、乱射しまくった。



 それを喰らっても、平気な顔でチュソン兵たちは拳銃を撃ち、プスプスと小さな発射音を鳴らす。


 しかし、銃撃を受けつつも、反撃してきた彼らだが、流石に血を流し過ぎたのか倒れてしまう。

 


「やっと、終わったか?」


「増援は、まだかあっ?」


「ロワ通りに行ったそうだっ!!」


 ナタンは、机に背を凭れさせ、AK12の弾倉を交換しながら呟く。


 だが、その合間にも敵から猛烈な制圧射撃や機銃掃射が、机をズタボロにしていく。



 そんな中、アシュア系PMCは味方が来てくれることを期待して叫ぶ。


 しかし、白人民兵は返答しながら、二連散弾銃を撃つ。



 それでも、敵の勢いは止まらない。



 おそらくは、ソーサラーによる幻影も何人か、敵には含まれているのだろう。


 ただ、チュソン兵を含む人数自体が非常に多いのも、また事実だ。



「まだ、増援は来ないのかよっ!」


「喰らえっ! うぎゃっ!」


「うわあっ? があ、が……………」


「カアァァッ!」


 南アシュア系PMC要員は、反撃しようとMP5を乱射し始めた途端、顔を蜂の巣にされてしまう。


 コーカサス系の民兵は、身を伏せたまま隠れていた、事務机がズタズタになるほど銃弾を浴びた。



 もちろん、それによって、二名とも絶命した。



 さらに、水色・青緑・茶色の迷彩服を着た、灰毛に覆われた、ワーウルフが襲いかかってくる。



「ぐっ!? ヤバいっ!」


「死ねぇぇぇぇっ!!」


 ドラムマガジン&サプレッサーを装着した、スコーピオン短機関銃から何十発も弾丸が放たれる。


 ナタンに当たるワケではないが、乱射しながら真っ直ぐ特効してくる、ワーウルフに彼は恐怖する。



「喰らええーーーー!!」


「やっ! やめろぉぉっ!?」


 銃剣を片手に飛びかかって来た、ワーウルフを前に、ナタンは必死でAK12を前に出す。



「があっ? う、うう…………」


「その首、貰ったああーーーー!! は?」


 ナタンの太ももに銃剣が突き刺さり、次いで首を狙った一撃を、ワーウルフが放つ。



 はずだったが。



「ごぶぅぅ? ぐごぼぉっ?」

 

「援軍だっ!!」


「いったい、誰が来たんだ?」


 突如、ナタンの前で、チュソン兵ワーウルフは雨霰《あめあられ》がごとく、機銃掃射を喰らってしまった。


 そして、ヤツは口から大量に青い血を吐き出しながら倒れた。



 アラビ人民兵は、お手製パイプ拳銃を撃ちながら喜ぶ。


 白人PMC要員は、味方の姿を探して、ソファーに身を潜めながら、目をキョロキョロさせる。



「助かった…………誰が、殺ってくれたんだ? はぁ~~?」


「もちろん、私よっ!!」


 ナタンは呟きながら、声が聞こえた方に振り向くと、そこにはメルヴェが居た。


 しかも、ミニミ分隊支援火器を、左右に何回も振り回しながら乱射しまくる。



「◣◉▦▤◇っ! アアッ!」


「▣▤◢◇◇▣◥…………」


 メルヴェの機銃掃射は、チュソン兵たちを確実に殺していく。


 強力なアンデッド兵も、何十発もの弾丸に体を貫かれては一溜りもない。



「ああっ! シュトゥルムZたちが……………」


「構わん、どうせ代わりは幾らでも居るっ!」


「そうだぜ、幻も本物もどうせ消耗品だしな」


 洗脳されているとは言え、チュソン兵は軽装備だが、中々の強さだった。


 それもそのはず、チュソン人民軍や民兵隊に属する彼等は、普段から過酷な軍事訓練を受けている。



 さらに、身どころか命を削るような鍛練と労働に、日夜を問わず明け暮れている。



 そんな彼等だったが、中には、一般帝国兵と同様の装備を身に付けている者も居た。



 近くで、AK74Uを撃っていた、帝国兵が味方部隊の損耗振りを嘆いたが。


 連中を護衛に着けて、氷壁で身を守るウィザードは、兵士が何人落命しようと、まるで気にしない。



 ソーサラーも同じく、冷酷な台詞を吐きながら嗤ってみせた。



「おわわ、不味いっ! 狙われ始めたわっ!」


「メルヴェ、こっちに来るんだッ!」


 映画スターのように、ミニミ分隊支援火器をド派手に乱射した、メルヴェは注目を集めてしまう。


 ゆえに、何人かの88式自動小銃を持った、チュソン兵たちから狙われて、銃弾の嵐が飛んでくる。



 それを受けた彼女は、慌てて走り飛び、前屈みに成りながら床に吹せる。


 AK12を撃ちながら、彼女を援護しつつ、ナタンは自身の側まで来るように言った。



「何ともないか、メルヴェ? 弾は当たっていないよな?」


「ええ、それより…………」


 5、45ミリAK弾を何発か撃ち終わると、ナタンはすぐに机に身を引っ込める。


 そんな彼の元へと、匍匐《ほふく》前進しながら、メルヴェは何とか移動してきた。



「あのソーサラーとウィザード達が、邪魔で邪魔で厄介で仕方がないわっ!」


 何とか、ナタンの元まで来られた、メルヴェは少しだけ顔を出すと、亀みたいに頭を引っ込める。



 ウィザードは、コサックが被るパパーハ帽を被り、黒い軍服コートを身に纏っている。



 一方、ソーサラーはモングルの伝統衣装である青いデールを着ている。


 頭には、ロシャ帽と言われる、ウシャンカを大型化したような物を被っている。



 よく見ると、それは全体に動物から取られた灰色のフワフワ毛皮が付いた、フラップ帽子だ。



「どけどけっ! 援軍だっ!! オラァッ!!」


「援護するっ! 前進しろっ!」


「我々が、火力支援を担当するっ!!」


「精密射撃なら…………」


 80式汎用機関銃を持った、チィーナ軍兵士が、室内に突入すると同時に乱射し始めた。


 また、もう一人のチィーナ軍兵士は、窓から転がり込みつつ、05式微声短機関銃を静かに撃つ。



 先ほど、ドゥロルと呼ばれた、ベレー帽を被る、アラビ顔のイズラエル兵も突入してきた。


 かなり大きなベージュ色のベレー帽を被る女性兵士も、室内に入るなり、すぐさま地面に伏せた。



「◤◉◇◣◢▩〇……………」


「□◥◆▣◣ッ!?」


「ぐばぁっ!!」


「ぐわわわわわわっ!!」


 チィーナ兵たちの射撃で、チュソン兵や帝国兵たちが、次々に青い血を吐きながら倒れていく。



「シルヴィ、頼んだぞっ!」


「了解、いくわよっ!」


 マイクロ・タボールを撃ちまくりつつ、走りながら、ドゥロルは窓側の廊下を突撃していく。



 シルヴィと名を言われた、女性兵士は即座に立ち上がると手榴弾を投げた。


 そして、彼を狙う敵兵士を、サプレッサーを付けのガリルAR一人ずつ単発射撃で射殺していく。



「ぐぶぉぉ?」


「◇▦●◤◥◥」


 帝国兵やチュソン兵たちは、今投げられた手榴弾の爆風で吹っ飛ぶ。


 さらに、単発射撃を受けながら何人もの兵士が殺られてしまう。



 こうして、四人の援軍が登場したことで、確実に数を減らしていった。

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