左側から、M60を機銃掃射しながら迂回して攻めてくる、シュヴァルツ・リッター。
ドライアドらしき、黄緑ベレーの黒人女性は、ステアーTMPを横向きにして、乱射しまくる。
右側へ回り込んで、ドラムマガジン付き、ステアーAUGで制圧射撃を加えてくる、オーガー。
迷彩野戦帽のアシュア系女性は、M16A4を連射しながら走ってくる。
「回り込んでくるぞ、散開しろっ!」
ザミョールは、敵を視認すると、怒鳴り声で、次なる指示を部下に出す。
彼は、カピトリーナ二等兵が構える大楯から後ろから身を出さず、AK12を乱射する。
「了解ですっ!」
「了解っ!!」
大楯を構えた、カピトリーナ二等兵と、その後ろに隠れていた、ギルシュ二等兵は左側へと向かう。
一方、キルサン二等兵は、右側へと急いで走ってゆく。
「あそこに行けば、なんとかなるわ」
「じゃないと、銃弾に撃たれてしまう」
カピトリーナ二等兵とギルシュ二等兵たちは、飛び出した後も、ひたすら走ってゆく。
それから、二人は何発か身体に流れ弾を喰らいながらも、無事に岩の支柱にまで、たどり着いた。
ソロモン一等兵は、ヴェープル・モロト12を連射して、散弾を何発も敵に浴びせる。
ゲンナジー伍長は、近くの身を隠すのに適した、小岩を目指して走る。
そして、正確に敵を狙い、OTsー14を発砲して、制圧射撃を行った。
「我々も、援護射撃を継続しつつ、直ぐに突撃チームの元へと向かいましょう」
ジナイダの命令を聞いた射撃援護班員は、左右前方に移動する。
そうしながら、こちらに攻撃を加えてくる敵に向け、広い空洞から制圧射撃を続けつつ前進した。
タマラ二等兵は、消音狙撃銃VSSをセミオート射撃で、何回か敵を撃つ。
それから、左側の岩柱に素早く逃げ込み、陰に隠れて、再び敵を狙い撃つ。
RMBー93散弾銃を連射しながら、イスハーク二等兵は走る。
右側にある、山積みにされた木箱と、プラスチックケースの裏に身を隠す。
駆け出した、二人を援護射撃で支援するため、援護射撃が行われる。
ジナイダ軍曹は、入口の陰から、サプレッサーを外したAK74Uを単発連射する。
ガリーナ二等兵も、左側の陰からPPSh41を、ドラムマガジンが空になるまで、発砲する。
だが、そんな彼等を狙った、連合軍コマンド達は、機関銃を中心に制圧射撃を行ってくる。
連中は、機銃弾を浴びせて、迂回して攻撃できない様にしようと画策したのだ。
「奴等は裏手に回る気だっ! 対応しないと面倒だぞ」
「近寄らせないように…………?」
連合軍側の緑色をした、シュヴァルツ・リッターは、動き出した後方に位置する援護チームを狙う。
そして、タマラ二等兵とイスハーク二等兵達に、M60を向けて、めちゃくちゃに乱射する。
続いて、黒人女性ドライアドも、直ぐさま背中に手を伸ばす。
それから、ダットサイトを取り付けた、ステアーAUGA2を構える。
彼女は、弾丸を三発だけ撃ち、岩柱から精密射撃を行った。
「うあああっ!?」
山積みにされた、箱の裏側に隠れていた、イスハーク二等兵は悲鳴を上げる。
そうして、彼は、大きな爆発に巻き込まれてしまい吹き飛んだ。
「イスハーークッ!?」
「く…………ちくしょうがっ!」
「イスハーク二等兵、負傷」
「ぐっ! 殺られてしまったか」
ジナイダ軍曹は、大声で叫び、ガリーナ二等兵は悔しがる。
キルサン二等兵は、負傷者が出たと報告して、タマラ二等兵は、唇をギュッと噛み。
「良いぞ、残りも始末する」
「うらあぁーーーー! 喰らえぇぇぇぇっ!!」
前方にあらる壁型岩陰から、紅いベレー帽の男はベネリM4を連射した。
それで、岩の支柱に身を潜める、タマラ二等兵へと散弾を放つ。
黄緑色ベレー帽を被る、薄茶髪ボブカールの白人女性コマンドも、両手をホルスターに突っ込む。
彼女も、タマラ二等兵を狙いベレッタM92Fを二丁拳銃《アキンボ》で持ち、乱射し始めた。
自陣の後方に回り込まれたり、斜め後方から消音器付きセミオート銃器による援護射撃など。
これ等が行われる事を恐れた、連合軍コマンドー達は、素早く攻撃を彼女に集中させる。
こうして、一人岩の支柱に身を隠した、彼女が身動きできぬように、制圧射撃による猛攻で封じた。
「くぅ~~これはキツいわぁ」
眉間に皺を寄せ、タマラ二等兵は、険しい表情を浮かべる。
彼女は、銃撃から己の身体を守るため、岩柱から身を乗り出す事すらできなかった。
「彼処に隠れて居るのか? ならばミンチにするまでだっ!」
「火力を岩に集中させて粉々だっ!」
M60を構えて連射する、緑色のシュヴァルツ・リッター。
ドラムマガジン付きのステアーAUGを連射する、緑色オーガー。
強烈な銃火を浴びて、タマラ二等兵が隠れる、茶色い岩柱は段々と表面を削られていく。
「きゃあああっ!!」
タマラ二等兵の隠れた、岩柱は銃撃が集中したことで、ズタボロにされてしまう。
やがて、崩れた岩石を、矢継ぎ早に放たれた弾丸は貫通してしまう。
それにより、吹き飛ぶ土埃に、裏で屈んでいた、彼女は悲鳴を上げる。
「タマラ二等兵っ!? くっ!殺られたか、仇は必ず取ってやるからな…………」
屈んでいたとは言え、あれだけ集中砲火を浴びては、タマラ二等兵の隠れる岩も崩れるだろう。
機銃弾に貫かれた彼女は、物言わぬ遺体と化してしまった。
それを、ジナイダ軍曹は一目見るなり、連合軍側を鋭い眼光で睨み、口から復讐を誓う言葉を溢す。
連合軍コマンドー部隊は粘り強い。
その火力は強大であり、ザミョール中尉達は苦戦を余儀なくされた。
「正面にも、左右にも敵…………不味いな? カピトリーナとソロモンは左から前進しろ、俺は右を行くっ!」
「了解です、中尉っ! それじゃあ行くわよーー! 突撃ぃっ!?」
「了解っ! 前進を開始します」
苦境を打開するために、ザミョール中尉は新たな作戦を提案した。
そして、二手に別れての挟撃命令を、カピトリーナ二等兵とソロモン一等兵たちに下す。
「俺も行かないとな…………」
命令を下した、ザミョール中尉も、部下たちに遅れを取ることなく、素早く駆け出す。
飛んでくる無数の銃弾を気にする事なく、彼はワーウルフに変身しながら一気に疾走する。
また、腰の黒いホルスターから取り出した、ピストレット・ヤリギンを右手で構える。
それから、連合軍コマンドー達に発砲しながら、必死で近くの岩塊を目刺して走る。
一方、楯を構えた、カピトリーナ二等兵とオーガーであるソロモン一等兵たちも、迅速に行動する。
二人は、連携しつつ左側から徐々に銃を発砲しながら攻めていく。
「奴等が来るわよっ! 絶対に、私に近寄らせ無いでねっ!」
「分かってる、近くにまで来たら蜂の巣にしてやるだけさ」
「お前ら、黙って撃ち続けろ」
黄緑ベレーの栗色ロングヘアーの白人女性コマンドは、敵が近づくことを警戒する。
そして、二丁のベレッタM92Fを両手《アキンボ》持ちで発砲しまくる。
紅ベレーの白人男性コマンドは、ベネリM4を乱射して、散弾で敵を押し止めようと試みる。
フリッツ・ヘルメットを被る、黒人男性コマンドは、H&KーG3をセミオートで発砲する。
このように、連合軍コマンドー部隊が、激しく抵抗しながら制圧射撃を行う。
そして、左右に別れて移動を開始した、帝国警察部隊に牽制をし掛ける。
こうして、敵部隊が動く最中、それを岩塊から見つめる、ザミョール中尉。
「く…………奴等も一筋縄では行かないか? だとすると、ショットガンで一気に…………」
「そうはさせないよ?」
ザミョール中尉が、背中のTOZー194に武器を持ち変える。
次いで、一気に側面を突こうと身構えていると、背後の天井から、不気味な声が聞こえてきた。
「誰だ、いや?ピエロ姿の奴だな」
「…………そうだよ、隊長さん」
ザミョール中尉が呟くと、姿を現した、ピエロ姿の男は二人、三人と増え始める。
そうして、六人程に増えると、突然一斉に、近接攻撃を仕掛けてきた。
「くっ! 本体は簡単に見分けがつくぜ」
「それはどうかな~~?」
ザミョール中尉は、険しい顔で敵を睨みながら立ち向かうが。
次々と襲い来る、ピエロ姿の男によるコンバットナイフを使った、斬撃を喰らってしまう。
その何度も振るわれる、鋭利な刃で彼は鼻を切られてしまい、自ら出血した、青黒い血が匂う。
「鼻をやられたか、だが音を頼りにすれば」
ザミョール中尉は、次に聴力を頼りに戦闘を行おうとするが。
ピエロ男は、足音を立てずに移動しつつ、逆に複数の足音を立てて隙を突いてくる。
「ふざけやがって、正々堂々と勝負したらどうだ」
「それ、君達が言うの?」
繰り返し、ピエロ姿の男から、コンバットナイフで与えられる素早い斬撃。
それを、ザミョール中尉は、TOZー194の銃身で防いで、何とか耐えた。
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