【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第262話 敵の侵攻を食い止めろ

公開日時: 2024年7月12日(金) 13:04
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:24
文字数:3,128


 RPGー弾やグレネード弾が飛び交う中、連合側と帝国側の戦闘は終息していない。



「うわぁ? 今ので、テクニカルが吹き飛んじまったぞ」


「アンドリー、だからと言って、士気は下げないでねっ!」


 焼け焦げた、車体の一部が、残骸と化して、周辺に転がっている。


 キャリバーM50重機関銃の方は、相変わらず、ガンガン射撃していて無事だった。


 そのため、マキシム四連対空機銃を搭載した方が、RPGー弾に破壊されたと思われる。



 アンドリーと言われた兵士は、フリッツ・ヘルメットを被っている。


 オレーナは、彼の名を呼びながらもAKー103を連射し続けていた。



「他に、テクニカルや戦車は来ないのかい?」


「…………残りは装甲バスの残骸の裏に居る」


 赤茶髪ロングヘアの女性兵士が、M4ーWACー47を撃ちながら叫ぶ。


 すると、ひび割れた隙間から、ナタンは、サン・ミッシェル大聖堂の方に気を向けた。



 そちらも、コレジアル通りに向けて、シミターMkIIを中心に制圧射撃を敵に浴びせている。



「どうや、向こうも苦戦しているようだ?」


 茶色いトヨタ・テクニカルが、72ーK、25ミリ対空砲を撃ち続ける。


 白いトヨタ・テクニカルは、スリングマウントから迫撃砲の砲弾を投射していた。



「レーシャ、負傷者が来るっ!」


「分かってるよ、ドミトリー? 援護射撃はしないとね?」


「負傷者を運べっ!」


「弾がなければ、ただの的だ」


 ドミトリーと言われた、ウシャンカ帽の兵士は、レミントンACRを単発連射する。


 レーシャと呼ばれた赤髪女性は、M4ーWACー47を撃ち続ける。


 その間、黒人PMC要員が、白人レジスタンス員に肩を貸して連れてくる。



「仕方ない、毒ガスを…………」


 敵が発射する攻撃から身を守るため、毒ガスを吐いて、オレーナは緑色の煙幕を張った。



「ぐううううーー!」


「うわぁっ!?」


「あんたら、無謀すぎる」


「なぜ、前に出たんだ?」


 黒人PMC要員と白人レジスタンス員たちを、ナタンとオレーナ達は、引き摺りながら運ぶ。


 その間、ウクレイナ軍部隊が、猛烈な制圧射撃を行って、四人を援護する。



「お前ら、どうかしてるぜ」


「イヴァーン、援護を頼んだわよ」


 VANTーVMシールドとRPCーフォルト12拳銃を持った、野戦帽を被る兵士が外に出てきた。


 オレーナは、彼の名前を呼びながら、白人レジスタンス員を引き摺って室内に入った。



「なぜ、あんな無謀すぎる真似をしたんだ?」


「無人戦車隊が来るはずだったんだ」


「しかし、まだ来てないようだな…………」


「いや、来たぞ」


 ナタンは、黒人レジスタンス員を床に寝かせると、敵の正面に出た理由を質問をした。


 すると、苦しそうな表情をしながら彼は味方部隊が来るはずだったと言い出した。



 白人レジスタンスも、自分で血が流れ出る左肩を押さえながら語る。


 しかし、オレーナは無人豆戦車が走行してくる様子を目にした。



「我が軍が開発した、アイアンクラッドだっ!」


「やっと、これで巻き返せるっ!」


「ミコラ、ヴィクトル、浮かれている暇は無いわよ」


「援軍と言っても、豆戦車か、無いよりマシだが?」


 AK74Mを乱射した、バラクラバを被る兵士は、ミコラと言うようだ。


 フリッツ・ヘルメットを被る、マリュークMブルパップライフル構える方は、ヴィクトルらしい。



 二人に声を掛けつつ、オレーナは自身もAKー103を単発で撃つ。



 ナタンは、豆戦車軍団を見るが、二十台からなる車両部隊は帝国軍が立て籠るビルに向かっていく。



「凄いな、RPGーと機銃弾以外は攻撃を弾いている」


 四輪ATVより小さな車体ながら、アイアンクラッドは、敵に機銃掃射を浴びせつつ特攻していく。


 ナタンは、正面のビルに隠れる敵部隊に対して、AMDカービンを撃ちながら呟く。



「うおおっ! RPGやグレネードが、ウザイッ!」


「ニコラエ、援軍が来たわよっ!」


 RPGー弾、グレネード弾、大口径機銃弾などを受けた、アイアンクラッドが撃破されていく。


 床に伏せて、フォルトー401汎用機関銃を途切れなく連射し続ける、ニコラエは悲鳴を上げる。



 ドローン豆戦車隊が破壊される度に、叫ぶ彼に、オレーナは味方が到着したと告げた。



「これだけ、数を揃えれば勝てるわね」


「RPGーを持ってきたわ」


「ステファニヤ、アンジェリカ、よく来てくれたわ」


 全身を、タクティカル迷彩に塗装した、グリーン・シュヴァリエの声は女性だった。



 イズライル製、スコープ付きのフォルトー222マークスマンライフルを、彼女は床に置いた。


 これは、イズライル製、タボールのライセンス生産型だ。



 そして、背中の大型鉄製コンテナも下ろした彼女は、中身を漁る。


 中から取り出したのは、NLAW携行式対戦車ミサイルだ。




 やや黄色がかった、金髪ロングヘアに緑バンダナを巻く、赤茶色の瞳をした、女性兵士も到着した。



 フォルトー206と大容量バックパックを背中に背負う彼女だが。


 タクティカル迷彩服を着て、軽量プレートを装着している。



 また、右肩に対戦車用武器である、アルメア製RPGー7である、PSRLー1を載せていた。



 オレーナは、彼女たちが来た事で、AKー103を連射する勢いを上げる。



「他にも、RPGー兵が来てるわ」


「榴弾砲も発射されるっ!」


 グリーン・シュヴァリエである、ステファニヤは、大型鉄製コンテナを引き摺りながら外に出る。


 そして、次から次へと、NLAW携行式対戦車ミサイルを発射する。



 アンジェリカも、彼女の背後からRPGー弾を発射しまくる。


 彼女たちが言った通り、他の兵士も様々な榴弾を放った。



「本当に砲撃が飛んできた…………」


 RPGー7、パンツァーファウスト3、グレネード弾などが、四方八方から飛び交う。


 また、榴弾砲や重迫撃砲の強力な連続砲撃が、上空から敵拠点に振り袖いだ。



 ナタンは、呆気に取られながらも敵が立て籠るビルが灰塵と成り果てる様子を見守る。


 特に、正面のカイゼリラーン通りに位置する金融機関ビルは跡形もなく崩れ落ちる。



「よっと、私も撃つわよ?」


「ソフィーヤ、追撃は頼んだわよ」


 FASTヘルメットを被る黒茶発ロングボブヘアの女性兵士が、やって来た。


 タクティカル迷彩を着た、彼女は重防弾ベストと背中にラジコン飛行機を装備している。



 オレーナは、屈みながら壁裏で、AKのバナナ弾倉を交換する。



「はい、はい…………そいじゃ、行きますよ」


「分かったわ」


 倍率調整可能スコープ、二脚、フラッシュライトなど。


 これ等を装着した、ズブロイア、UARー10A1狙撃銃を、ソフィーヤは床に置いた。



 オレーナは、彼女が、対戦車擲弾発射器PSRLー1を肩に持ち上げるまで、援護射撃を行う。



「飛んでったわね、んーー」

 

 PSRLー1に取り付けられた、ラジコン飛行機はUJー32、ラスティーヴィカだ。


 これは、徘徊型ドローン式のRPGー弾頭であり、発射されると空高く飛翔していく。



 ソフィーヤは、打ち出した、ドローン弾頭を操縦するべく、ラップトップを背中から取り出した。



「これで、チェックメイト」


 ラップトップ画像に映った、敵戦車隊の先頭を走る、レオパルドA2V9を、ソフィーヤは捉えた。


 そして、真上から一直線に、UJー32、ラスティーヴィカを急降下させて直撃させた。



「連中、エヴィック通りを進んで来てたわ? 先頭車両は潰したから進軍速度は落ちたと思う」


「それは良かった、だが再び敵が来る前に対空兵器を用意しなければな?」


 ソフィーヤの言葉を聞いて、オレーナは安堵しながらも険しい表情をする。


 どうせ敵の戦車隊は、進軍する道路を変えて、せ攻めて来るからだ。


 他にも、急いで対空兵器類も用意しなければ、ヘリコプター等による爆撃に此方が晒されてしまう。



 こうして、一旦は敵の侵攻を食い止めた連合側だが、まだまだ気は抜けそうになかった。

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