【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第275話 さらなる後退

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:10
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:35
文字数:3,765


 帝国軍の猛攻により、ナタン達は郵便局内へと、後退を余儀なくされた。



「敵が来てるなっ!」


「ナタン、エスメラル、無事だったか?」


「ダンター、生きてたかい」


 ナタンは、AMDカービンの照準を郵便局内に侵入してくるゾンビに向ける。


 そんな中、急にカウンターの左側から、ダンターが現れた。


 エスメラルは、彼が生きていた事で、へらへらと嗤い始める。



「ああ、何とかな、ゾンビに鎧を噛まれたが、剣で斬ってやったよ」


「それでこそ、漢って、モンだよっ!!」


「セントリーガンを設置するっ!」


「その間、皆さんに援護を頼むわっ!」


 ダンターが、タバティエール銃を構えると、エスメラルも丸石を手に握る。


 そうして、彼らが敵を待ち伏せしていると、二人の東アシュア系兵士が現れた。



 一人は、緑色のECHヘルメットを被る男性兵士であり、右肩に折り畳んだ、三脚を載せている。


 装備は、迷彩の防弾ベストと、腰に大きな弾帯を二個も下げている。



 背中には、M4A1突撃歩槍&M24、SWS狙撃銃を背負っていた。



 もう一人は、小柄な女性であり、カバー付きEHCヘルメットに黒いゴーグルを装着している。


 顔は、迷彩マスクにより、やや細目である事を意外は分からない。



 装備は、弾帯を四個付けた防弾ベストを装着している。



 背中には、イサカM37&57式歩槍を背負っている。


 彼女は、ガトリングガンの銃身と機関部を両手に抱えていた。



 二人とも、緑・茶・黒・白からなる迷彩服を着ており、緑色のプロテクターを肘と膝に装着する。



「退いてくれ、入口に地雷を設置するっ!」


「ガンカメラ設置完了っ!」


 二人が、セントリーガンを、窓の間にある壁に設置すると、銃身が旋回し始めた。


 他にも、奥から現れた民兵やレジスタンス員たちが、多数の罠を仕掛けていく。



 黒人レジスタンス員により、入口には、クレイモア地雷が投げられていく。


 白人民兵は、監視カメラと連動するイングラム短機関銃を、カウンターの上に置く。



「ここで、敵を暫くは食い止めるっ!!」


「力翔《リーシアン》、来たわよっ!」


「おいっ! アンタらも早くこいっ!?」


「来ないと、ゾンビの餌になるよ~~」


 リーシアンと呼ばれた、男性兵士はM4A1突撃歩槍を抱えながら、窓から少し離れる。


 女性兵士も、イサカM37を両手に持ちながら、入口を警戒しつつ走り出した。



 ナタンは、ゆっくりと走る二人を心配して、カウンターまで来るように呼ぶ。


 エスメラルは、丸石を投げて、窓から侵入しようとしてくる、ゾンビを倒した。



「上から見てきた、ゾンビが来るぞっ!?」


「手榴弾を持って来たぞ」


「それも大群だ、しかも蜘蛛なっ! げぶぅ?」


 白人民兵と黒人民兵たちが、木箱を抱えながら後方から走ってくる。


 その後を追ってきた、連合軍兵士は腹部を大口径弾に撃ち抜かれてしまった。



「スナイパーだっ! それも、対物ライフルを使っているっ!」


「頭を撃っておけっ! ゾンビ化するかも知れないからなっ!」


 さらに、後ろから増援として、到着した連合軍兵士は、床に倒れた死体を探る。


 だが、別の兵士はマカロフ拳銃で眉間に何発か撃ち込む。



「それより、来たぞ~~?」


「ゾンビと蟻、蜘蛛だっ!」


 エスメラルは、入口に群がった黒アリの頭に丸石をブチ込む。


 ナタンも、AMDカービンを撃ちながら敵を寄せ付けまいとする。



 二人や他の兵士が撃った弾を潜り抜けた、ゾンビや黒蜘蛛は、地雷を踏んで爆散する。


 マッチョ・ゾンビは、集中攻撃を受けて、後ろに倒れてしまう。



「よし、これなら…………」


「油断するな、スナイパーが狙っているんだ」


「また、発煙弾を投げるかっ?」


「そうした方がいいわ」


 ナタンは、何とか撃退できている事に安堵するが、ダンターはカウンター裏に隠れている。


 そして、彼はタバティエール銃に、弾を込めていた。



 リーシアンは、腰の弾帯から発煙弾を取り出して、投げ飛ばした。


 レジーヌは、サーマルスコープを覗き、MKR、SS20狙撃銃を構える。



 そして、郵便局内に侵入しようとする、マッチョ・ゾンビの眉間を撃ち抜いた。



「予心《ユーシン》、撤退命令はまだか?」


「まだまだですっ!」


 リーシアンは、巨狼が顎を開きながら走ってくると、口内をM4A1突撃歩槍を何発も撃ち込む。


 ユーシンは、イサカM37のポンプを何度も引いて、ゴリラを倒す。



「ぐあっ? がっ!」


「うっ! ぐ、ぐ」


「増援だっ!」


「何とか持ちこたえろ」


 白人レジスタンス員は、カウンターに隠れていたいたが、銃撃を浴びて倒れてしまう。


 黒人PMCは、AKMを撃っていたが、右肩や胸を弾丸が貫通して力なく体制を崩した。



 郵便局内でも、戦局は悪化していたが、それでも増援は来ていた。


 奥から、白人民兵はM2カービンを持ってきて、連合軍兵士はM16A4を撃ちながら走る。



「突入だっ! ぐああっ!」


「グオオッ!?」


 正面しか撃てないが、ガンカメラの射線に入った、軽装兵は何発も弾丸を浴びて射殺される。


 ゾンビも、セントリーガンにより、胴体がズタボロに千切れてしまい、床に崩れ落ちる。



「ぐあっ! グオオッ!」


「ぎゃああっ! グルルッ!?」


「敵が科学攻撃してきたよっ!」


「ここにも、ゾンビがっ!!」


 連合軍側の罠は、上手く敵を撃退しているが、それでも帝国側は、圧倒的な戦力を投入してくる。



 敵のグレネードランチャーにより、放たれた科学弾を浴びた、連合軍兵士とアラビ人兵士は死ぬ。


 この青い毒ガス弾により、二人はゾンビへと転化した。



 手斧を、一気に振るい、エスメラルは素早く、敵の顔を叩き潰す。


 ナタンは、アラビ人ゾンビの頭を殴ろうと、AMDカービンを振り回した。



「ぐっ! このっ! うわっ!」


「グオオッ!?」


 ナタンの銃は、ゾンビに捕まれてしまい、窮地に陥ってしまった。


 しかも、彼の鼻先を横から、一発大口径弾が通過していった。



「不味いっ! このっ!」


「ウガアアーー? が…………」


 腰から、右手でMASー1935を抜くと、ゾンビの両膝を狙って撃った。


 次いで、奴が体制を崩そうとすると股間を蹴り上げ、後ろに吹き飛した。



 最後に、頭に拳銃弾を撃ち込んだが、彼は直ぐにカウンター内へと体を引っ込める。



「敵に狙撃兵が居るねーー?」


「不味い、ん? ドローンだっ!」


 対物ライフルを持っている、敵狙撃兵に警戒して、カウンターに身を隠す、エスメラル。


 ナタンも、同様に狙撃兵や銃撃を警戒して、両手だけを頭上に掲げて、AMDカービンを撃つ。



 そんな中、郵便局内に小型ドローン編隊が到着した。


 

「盾を持って来たぞっ!」


「対物ライフルを持った奴が居るっ! そんなの役に立たないっ!」


「敵が再び、進撃してきたぞっ!」


「装甲兵だっ!」


 防弾盾とコルト拳銃を構える、連合軍兵士が後方から現れた。


 しかし、黒人レジスタンス員は、柱の陰からMP5Kを連射しながら叫ぶ。


 白人PMC要員とアラビ人兵士は、ゾンビや魔物ではなく、敵が歩兵を出してきた事に気づく。



 さらに、シュヴァルツ・リッター&オーガーなどが、その中には混じっている。



「本格的な進げ? うぅ……………」


「機銃掃射だっ! 伏せろーー!」


 連中は、銃撃を物ともせず、ゆっくりと歩きながら郵便局内に入ってくる。


 地雷を踏んでも、爆発するだけで、防弾鎧を傷つける事はできない。



 カウンターに隠れていた連合軍兵士は、オーガーのMG3汎用機関銃に胸を撃たれて死んでしまう。


 アラビ人兵士たちは、柱の裏で、頭を下げて身動き取れずに居る。



「グオオオオォォッ!?」


「転化したぞっ! うわっ!」


 科学弾・死霊術のどちらによる者か、考えている暇がないほど、連合軍側は追い詰められていた。


 ゾンビ化した、アラビ人兵士が、連合軍兵士に襲いかかる。



 この距離では、装甲兵に対して、RPGー7は使えない。


 さらに、動く死者に対応する事で、ナタン達は手一杯になる。



「不味い…………このままじゃ?」


「援軍だっ!」


「うぐああーー!?」


「ぐあっ!?」


 敵の機銃掃射を前に、ナタンは身動きせず、ひたすらカウンターに身を隠していた。



 そこに、誰かが増援が到着したと、大声で叫ぶと、シュヴァルツ・リッターが爆発した。


 次いで、いきなり、オーガーも爆炎を浴びて吹き飛ぶ。



「梱包爆薬だっ!」


「次々と敵が殺られていく?」


「イズライル軍だっ!」


「敵が蹴散らされていく?」


 投げつけられた梱包爆薬により、オーガー&シュヴァルツ・リッター達は、次々と爆破されていく。


 白人民兵と黒人レジスタンス員たちは、それを見ながら誰が投げたんだろうと思う。



 しかし、アラビ人民兵は、イズライル軍が後ろから現れた事に気づく。


 彼らが投げる、対戦車地雷やC4爆薬により、屋内に侵入してきた、帝国軍部隊は全て撃退された。



「撤退だっ!? 引き下がれっ!」


「何だと?」


「後方の機甲師団が、敵機に殺られたっ!」


「クソがっ!!」


 爆風に曝されながら進む、帝国軍側に、グールらしき伝令兵が走ってきた。


 彼から話を聞いた、オーガーは信じられないと言った様子で、PKP汎用機関銃を撃ち続ける。



 他に、バクテリエラー・ゾルダートも現れると、後方の様子を伝達する。


 それを聞いた、シュヴァルツ・リッターは退散し始めた。



「なんだ、連中…………撤退していくぞ」


「空中から轟音がっ?」


 ナタンとエスメラル達は、上空を何が飛んでいるのか分からない。


 だが、帝国軍兵士が言っていたように、味方航空機が爆撃している事だけは理解できた。

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