【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第31話 肉体改造作業中…………

公開日時: 2024年7月9日(火) 14:39
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:25
文字数:3,805


「って訳で、肉体改造作業をこれから行うから? 貴方たちは邪魔をしなければ、私の側で貴女達の仲間に成る捕虜達の寝顔を見続けて良いわよ」


 フェスターシュニー博士は、ミアとミネット達に101室内での洗脳作業を見る許可を与えた。


 どうせ暇なので、彼女たちに、室内で捕虜たちを観察することを許しても良いかと思ったからだ。



 こうして、彼女は二人に対して、特別に許可を与えた。



「有り難う御座いますっ!」


「有り難う御座います」


 ミアとミネット達は、ビシッと右手を掲げ、ローマ式敬礼をして、博士に礼を述べた。


 そして、許可の下りた、二人は早速シモーネの寝顔を覗く。



 ミアは、黒い制帽に制服と言う、通常の帝国警察隊員である姿だが。



 ミネットは、髪の毛に相変わらず草と葉が混じっている。


 服装は、ブルガリヤ軍の迷彩服を上下に着ている。



 それには、青色の雨が、降っているような縦線と角張った、岩石みたいな模様が描かれていた。


 その上に、黒みがかった紺色マントを羽織っていた。



「…………? …………あんっ♡ うぅっ! …………ひあぁァッ!!」


 艶かしい声を上げ、口から吐息を、ふぅふぅと苦しそうに漏らす、シモーネ。


 その直ぐ側で、ミアは右側に立ち、ミネットは左側で待つ。



 二人とも、心配そうに、彼女の汗と涙まみれになった顔を見つめる。



「シモーネ早く起きてね? そして私の部下として活躍して頂戴…………」


「シモーネ…………貴女だけは殺したく無かった、親友として絶対に…………だから私は貴女も帝国に率いれたのよ…………」


 拘束台の上で、シモーネは麻薬快感情報を大量に脳内に送り込まれて、時折り喘ぎ声を上げる。


 そして、彼女は拘束された体を、ブルブルと震わせたり、ビクンとのけ反らせたりする。



 その拘束台へと近寄り、左右から、ミアとミネット達は声をかけた。



「ほら? 貴女達、ちょっと放れなさい、今から肉体を作り替えたり、ナノマシンを投与したりするから邪魔よ」


「はいっ! 博士」


「了解しました」


 フェスターシュニー博士に対して、素直に従い、拘束台の側から放れる、ミアとミネット達。


 そして、捕虜三人に、肉体改造装置の機械アーム等が迫る。



「後は、一時間後位に綺麗サッパリと記憶をクリーニングされた彼等に会いに直ぐ隣の肉体安置所に来なさい」


 コンソールパネルを操作する、フェスターシュニー博士。


 彼女が見学に来た、ミアとミネット達に退出を促す。



 博士にそう言われて、二人は一礼して退出していく。



「私達への特別な許可を有り難う御座いました、博士っ!!」


「了解しましたっ!! フェスターシュニー博士、本日は有り難う御座いましたっ!!」


 ミアとミネット達は、フェスターシュニー博士に、ローマ式敬礼をする。


 次いで、101号室から退出して、第三小隊部室へと帰って行こうとする。



「二人共また捕虜を頼むわね、帝国の繁栄の為にもガンガン、レジスタンスを殺して使えそうな人材は連れて来てよねっ! それじゃあ頑張ってねぇ~~」


 そんな二人に対して、フェスターシュニー博士は、コンソールパネルを操作しながら話す。


 また、背中を向けて、片手をバイバイと振って、別れの挨拶を告げた。



 それを見届けると、二人は101号室から退出して行った。



「さっ! …………作業を継続しましょっと?」


 煙草を口に運び、銀色に光るライターで火を付けた、フェスターシュニー博士。


 鼻腔と舌、そして、肺奥まで浸透する煙草の煙りを、彼女は深く吸い込む。



 それにより、彼女は薫《かおり》を味わう。



 次に、彼女は煙草を口にくわえながら、コンソールパネルを操作する。


 次いで、肉体改造装置を作動させて、捕虜の肉体改造作業を開始する。



 拘束台上で、三人は機械のアームに注射器を刺される。


 また、パッドを貼り付けられて、今度は本物の麻薬と覚醒剤を投与される。



 さらに、ナノマシンと人間の証である赤い血液を抜き取られる。


 代わりに、帝国の人間の青黒い血液に変換される。



 それらの作業が終わると、今度は彼等に別アームが迫り、肉体を作り替えていく。


 それらのアームは、3Dプリンターみたいな装置であり、たちまち三人を帝国兵に作り替えていく。



 ヴラウリオが見ている悪夢と同様に、彼の顔には、左側に醜い腐食痕が現れる。



 こうして、帝国兵である、グールの姿に成り変わってしまった。


 頭髪は、ターキッシュ・カフェ色からヒース・グレイに変色した。



 イェスパーは、精気の無い顔と成り、肌が真っ白くなった。



 その右側に大きな怪我をした、トーテン・シューデル・ゾルダードに作り替えられた。


 頭髪の色は、シャトルーズ・イエローがペールミストに変色した。



 最後に、シモーネの姿自体は余り変わらないが。



 茶髪だった頭髪が、マロンカラーからオイスターグレイに大きく変色した。


 ココナッツブラウン色だった瞳も、ムーンストーンカラーに変わっていた。



「夢の中と同じ姿に成ったようね?」


 そう呟いた、フェスターシュニー博士は、コンソールパネルを操作する。


 次に、三人の体に天井から、アームが二つも下りてきた。



 不気味な骸骨の形状をした、鎧みたいな部品を次々と被せていく。


 それは、やがて、捕虜たちの体中全体を覆う。



 今度は、四本アームが骸骨に覆われた、彼等が眠る拘束台を、漆黒の棺桶に納める。


 そして、白い十字架が描かれた、蓋は閉められた。



 最後に、隣の肉体安置所に続く、四本あるベルトコンベアーに乗せて運んで行く。



 骸骨の鎧は、強力な拘束具で、すでに洗脳済みである捕虜に対する、精神改変作業を継続する。


 さらに、強力な洗脳と肉体改造を行うための装置であった。



 洗脳され、精神が壊された彼等に、さらなる苦痛と恐怖を植え付けられるが。


 その痛みから逃れようと、もがく事も、体を一瞬足りとも揺らす事すら、出来なくする為だが。


 悪魔の装置である、骸骨型鎧と棺に、三人は入れられてしまった。



 この三人だが、一時間後には記憶を全て失う。



 それから、脳内に、悪夢を見せられ続けた時よりも、更なる多くの戦闘・殺人情報を入力される。


 こうして、最後には立派な帝国警察の一員となって、いるだろう。



「終わった、終わった…………」


 フェスターシュニー博士は、彼等三人が隣の肉体安置所に運ばれて行くさまを見届ける。


 その後、コンソールパネルを動かし、大きなモニター画面に彼女は視線を移す。



 また、煙草をくわえながら煙を吐き出しつつ、帝国軍の戦闘動画、新しく占領された植民地など。


 新しい情報を続々と報道する、帝国広報庁のニュースを漁る。



 一時間経った頃、隣の肉体安置所に、ミアとミネット達が来ていた。


 二人は、並べられた棺桶を見つつ、シモーネが起き上がるまで、壁際に凭れ掛かりながら待つ。



「遅いわね?」


「そうですねぇ?」


 薄暗い肉体安置所の壁際で、凭れ掛かりながら愚痴を溢す、ミアとミネット達。


 ミアは腕を組み、元から眠たそうなトロンとした垂れ目を、つまらなさそうに細めた。


 そうして、並べられた、棺桶に目を向ける。



 ミネットも、チラチラと辺りの棺桶を見渡し、どれから、シモーネが起き上がるのだろうか。


 そう考えつつ、アイスブルーの視線を忙しなく動かす。



 すると、並べられた複数ある棺桶の内、壁際に近い棺桶が揺れて、蓋が開いた。



 その棺桶からは、ピンクがかった白肌で南ハンザ系な顔立ち、セミロングヘアーなど。


 ラテン系美人な風貌の女性が、ムクッと、死の淵から甦った、死人が如く起き上がる。



「?」


 その女性は、帝国警察隊員として生まれ変わったシモーネであった。


 彼女は、キョロキョロと首を動かして、辺りを見渡す。



 そして、壁際に、二人の女性警察官が居るのを確認する。


 また、台の上に乗せられた、棺桶から下りて、直ぐにローマ式敬礼をする。



「ジークノルデンッ!!!!」


 生まれ変わった、シモーネは二人の前で敬礼て、洗脳マシンから新しく与えられた名を名乗る。



「シモーヌ・ブレイフマン二等兵っ! 只今目覚めましたっ! これからはノルデンシュヴァイク帝国の一臣民として、この華奢な身が朽ちるまで与えられた任務を忠実に実行しますっ!!!!」


 キリッとした、表情を変える事なく、帝国への忠誠を述べた、シモーヌ二等兵。


 新しく、第三小隊の仲間となった彼女に優しく、二人は声を掛ける。



「ふふっ? レイミア・バイルシュミット軍曹よミアって呼んでね?」


「ミーリャ・リートミュラー二等兵よっ、愛称はミネット、宜しくねシモーネっ!」


 愛称と階級を告げて、自己紹介をした、ミアとミネット達。


 二人を前に、シモーヌ二等兵は何故自分の事をシモーネと呼ぶのかと、不思議に思い。



「あの…………レイミア軍曹、ミーリャ二等兵、私は名前はシモーネではなく、シモーヌですよ?」


「シモーネの方が私達二人には言い安いのよ、分かったわねっシモーネ?」


「その方が可愛いし、これから貴女は私と同様にミア軍曹の部下として任務に就くんだから愛称は、シモーネにしておけば良いのっ!」


 洗脳されたばかりの彼女だが、正しい名前は、シモーネではなく、シモーヌと言う。


 そんな彼女に、ミアとミネット達は、愛称は良い安い方が良いと諭す。



 こうして、生まれ変わったばかりの彼女を、今度は更衣室に連れて行く。



「はい…………了解しました?」


「次は、更衣室に行くからね」


「貴女は、装備を整えなくちゃ」


 愛称を、元の名前と同じく、シモーネにした彼女を更衣室へと連れていく、ミアとミネット達。


 三人は、肉体安置所を退出して、更衣室と武器庫へと向かって行った。

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