連合側の猛攻により、かなり警察部隊は追い込まれていた。
しかし、ターリクは形成不利となった、味方部隊に援軍を連れてきた。
「レオッ! 援護するっ!」
「ターリク、早く来てくれ」
ターリクは、走ってくると同時に、M16A4を乱射しまくる。
彼は、手足や肩を貫かれようとも、平気な顔で、青血を床に撒き散らしながらも駆けてくる。
「ヴラウリオとシモーネが今来るっ!! それまで、持ちこたえてくれっ!!」
「分かってるって? それより、心配なのは、サミーラとベーリット達だな…………」
バフチャーの残骸まで走り抜けた、ターリクは直ぐに背後へと隠れた。
そして、レオは倒れ込んだまま、動けないでいる、女性隊員たちを心配する。
「ん? 敵がドローンを連れてきたぞっ!」
「まだ、何かくるっ!!」
数機からなる黒いドローン部隊は、バフチャーの残骸を越えて進んでくる。
さらに、いきなり左右の壁が破壊された。
それに見て、アラビ人兵士はAKMを撃ちまくりながら叫ぶ。
ラテン系PMC要員も、ビゾンを連射しながら敵を警戒する。
「喰らえっ!」
「援護するわっ!」
「イッセン、カドィアッ! 動かすぞっ! サナダ、頼むっ!」
「分かった」
破壊された壁から複数の警察隊員が、ロボット豆戦車マーカーとともに現れる。
それは、左側から現れると同時、PKT車載機関銃やAGSー30自動擲弾銃で攻撃開始した。
また、その後ろから口元をヘッドスカーフで隠した、鼠色に毛を靡《なび》かせた、ワーウルフが現れた。
室内に転がり込んできた、彼はRPGー7Dを発射すると同時、AK47カスタムを連射させる。
RPGー弾は、天井に当たってしまい、瓦礫を落とすだけに終わるが。
それでも、連合軍兵士たちを一瞬だけ怯ませられた。
また、青色の海軍デジタル迷彩服を着た、女性隊員も、AKMカスタムを連射させた。
二人は、イッセンとカディア達であり、背後からイェスパーとサナダ達が、防弾板を動かしてくる。
これは、青色に塗装されており、三連結されて、下には車輪が付いている。
「気をつけろっ! 増援が来たぞっ!」
「防弾パネルと軽戦車、それに重装甲兵たちが来たぞっ!」
「大丈夫だっ! こっちには、RPGー7があるっ!」
「87式自动榴弹发射器も何個かあるっ!」
コーカサス系PMC要員は、MP5Kを単発射撃しながら叫ぶ。
M4A1を連射する、アラビ人兵士も敵部隊を前にして、焦りだす。
イェスパー達&マーカー豆戦車だけでなく、バフチャーの背後から何人か帝国軍部隊が現れた。
増援として到着した、彼等の中には、オーガー&シュヴァルツ・リッターが含まれている。
連合軍兵士は、RPGー7を構え、チィーナ軍兵士は87式自动榴弹发射器を発射する。
「うわっ! 砲撃が激しいっ! これは防弾パネルから離れた方が良さそうだっ!」
「一旦、外に出るぞっ! 援護するっ! 移動しろ!」
「援護射撃を継続するっ! 殿は私たちに任せてっ!」
RPGー弾による爆風に巻き込まれないように、イェスパーは壁から出ようとする。
それを、イッセンとカディア達は、防弾板の右側から射撃して、援護する。
マーカーも反対側まで走っていく間、機銃弾やグレネード榴弾を撒き散らしたが、結局破壊された。
連合側のRPGー7と87式自动榴弹发射器による砲撃が強力すぎたからだ。
「戦況は、どうなっている?」
「ドローンが戦っている? あと、マーカーは撃破され、味方も後退するようだ…………」
「不味いね、僕の腕も探さないと成らないし」
「私も、もうダメだし…………?」
レオは力なく、ターリクに聞いてみると、あまり良い情報は返って来なかった。
それを聞いて、カルミーネとミア達は、さらに顔色を悪くする。
元々、白かった肌を、二人とも真っ青にさせて、苦悶の表情を浮かべる。
「ヴラウリオ達は、まだ来ないのか? いや、来たぞっ!!」
「おお、ソイツは良い情報だっ!」
「済まん、向こうも重傷者だらけだったから遅れたっ!」
M16A4を撃ち終えた、ターリクは素早く、バフチャーの背部に身を隠す。
右側に隠れていた、彼は真正面から衛生兵部隊が走ってくる姿を見つけた。
その一団には、もちろん、ヴラウリオも含まれる。
「負傷者は、ここかっ! ん、レオ? ミア?」
「コイツは、重傷だな? スモークを投下するっ!」
衛生兵チームが到着すると、ヴラウリオは仲間たちの様子に驚く。
そして、レオ達の様子を見た、ロシャ正教司教みたいな格好をした、リッチは煙幕弾を投げた。
「ガスに紛れて、負傷者を搬送するっ! ドローン担架に載せるんだっ!」
リッチ達は、二機前後に並んだ、ドローンをラップトップで呼ぶと、負傷者たちを載せ始める。
ドローンからは、四本のロープが下がり、二機で担架を吊り下げている。
「僕の腕は? ヴラウリオ、頼むから探してくれよ?」
「ああ、分かっている、任せておけっ!」
担架に載せられた、カルミーネの言葉に、ヴラウリオは勢いよく返事する。
だが、煙幕が張られた状態で、混戦している中では見つけ出すのは難しいだろう。
「銃撃が止んだわ?」
「煙幕のお陰だ」
重傷を負った、ミアとレオ達はドローン担架に載せられて、戦場から離脱していく。
こうして、カルミーネとサミーラ達も、安全な後方へと搬送されて行った。
「さて、煙幕の向こうには敵が存在するな?」
「ヴラウリオ、どうするんだ?」
姿が見えない敵を睨む、ヴラウリオの隣に、アラビ人警察隊員が現れた。
「ハビーブ、まだ気を抜くなよっ! この霧の向こうには敵が潜んでいるっ!」
「分かっている、何時でも射撃可能なように待機してるぞ」
ヴラウリオは、自身が戦場に残り、負傷兵が出たら看護しようと決めていた。
バフチャーの右影から敵を警戒する彼に、ハビーブは、床に伏せながら言葉をかけた。
H&K、MG5汎用機関銃を設置した、彼は油断なく、正面の煙を見据える。
彼は、右側に小型カメラ付きのフリッツ・ヘルメットを被り、ブルー迷彩野戦服を着ている。
迷彩柄は、青と水色に黒い虎模様が入っていた。
腰のプラ製レッグホルスターには、SIG、SAUER、P320を容れている。
「何も見えない?」
「だからと言って、気は抜けないがな」
「敵に集中するしかないね」
「ガスが晴れたら、突撃してくるかも?」
白煙が充満したあと、双方の銃撃は止んでしまい、不気味な静寂に包まれる。
ナタンは、AK12から弾倉を取り外すと、中にある残弾数を確認する。
防弾パネルに身を包みながら、ジハードは敵が攻勢を仕掛けるまで、じっと伏せる。
メルヴェも、床に設置した、ミニミ分隊支援火器から離れて、円形テーブルに身を隠す。
土嚢の裏で、ストックレスAKを構えながら、フランシーヌは呟く。
「オタクら、敵は~~?」
「この煙じゃ、背後を突かれても分からんな?」
「ワンガリ、それと…………」
「エスメラル? でしたよね?」
エスメラルが、背後のど真ん中に、ドラム缶を二個も持ちながら現れた。
そして、同じくドラム缶を二個両脇に抱えつつ、ワンガリが来た。
二人とも、ドラム缶を地面に設置すると、前や後ろを警戒して屈む。
ナタンとメルヴェ達は、彼等が来たことで後ろに振り向いた。
「遮蔽物を持って来たぞ」
「これで、安全ですよ?」
さらに、ヨルギオスとジュジース達が、大きな古タイヤを二つ抱えながら、こちらに来た。
「よっと」
「おしっ!」
彼等は、古タイヤを四つ重ねると、ヨルギオスは中に飛び込んだ。
また、ジュジースは後ろに隠れて、敵の出方を伺った。
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