【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第236話 形勢逆転の形勢逆転

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:06
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:52
文字数:3,007


 連合側の猛攻により、かなり警察部隊は追い込まれていた。



 しかし、ターリクは形成不利となった、味方部隊に援軍を連れてきた。



「レオッ! 援護するっ!」


「ターリク、早く来てくれ」


 ターリクは、走ってくると同時に、M16A4を乱射しまくる。


 彼は、手足や肩を貫かれようとも、平気な顔で、青血を床に撒き散らしながらも駆けてくる。



「ヴラウリオとシモーネが今来るっ!! それまで、持ちこたえてくれっ!!」


「分かってるって? それより、心配なのは、サミーラとベーリット達だな…………」


 バフチャーの残骸まで走り抜けた、ターリクは直ぐに背後へと隠れた。


 そして、レオは倒れ込んだまま、動けないでいる、女性隊員たちを心配する。



「ん? 敵がドローンを連れてきたぞっ!」


「まだ、何かくるっ!!」


 数機からなる黒いドローン部隊は、バフチャーの残骸を越えて進んでくる。



 さらに、いきなり左右の壁が破壊された。



 それに見て、アラビ人兵士はAKMを撃ちまくりながら叫ぶ。


 ラテン系PMC要員も、ビゾンを連射しながら敵を警戒する。



「喰らえっ!」


「援護するわっ!」


「イッセン、カドィアッ! 動かすぞっ! サナダ、頼むっ!」


「分かった」


 破壊された壁から複数の警察隊員が、ロボット豆戦車マーカーとともに現れる。


 それは、左側から現れると同時、PKT車載機関銃やAGSー30自動擲弾銃で攻撃開始した。



 また、その後ろから口元をヘッドスカーフで隠した、鼠色に毛を靡《なび》かせた、ワーウルフが現れた。


 室内に転がり込んできた、彼はRPGー7Dを発射すると同時、AK47カスタムを連射させる。


 RPGー弾は、天井に当たってしまい、瓦礫を落とすだけに終わるが。



 それでも、連合軍兵士たちを一瞬だけ怯ませられた。



 また、青色の海軍デジタル迷彩服を着た、女性隊員も、AKMカスタムを連射させた。



 二人は、イッセンとカディア達であり、背後からイェスパーとサナダ達が、防弾板を動かしてくる。



 これは、青色に塗装されており、三連結されて、下には車輪が付いている。



「気をつけろっ! 増援が来たぞっ!」


「防弾パネルと軽戦車、それに重装甲兵たちが来たぞっ!」


「大丈夫だっ! こっちには、RPGー7があるっ!」


「87式自动榴弹发射器も何個かあるっ!」


 コーカサス系PMC要員は、MP5Kを単発射撃しながら叫ぶ。


 M4A1を連射する、アラビ人兵士も敵部隊を前にして、焦りだす。



 イェスパー達&マーカー豆戦車だけでなく、バフチャーの背後から何人か帝国軍部隊が現れた。



 増援として到着した、彼等の中には、オーガー&シュヴァルツ・リッターが含まれている。


 連合軍兵士は、RPGー7を構え、チィーナ軍兵士は87式自动榴弹发射器を発射する。



「うわっ! 砲撃が激しいっ! これは防弾パネルから離れた方が良さそうだっ!」


「一旦、外に出るぞっ! 援護するっ! 移動しろ!」


「援護射撃を継続するっ! 殿は私たちに任せてっ!」


 RPGー弾による爆風に巻き込まれないように、イェスパーは壁から出ようとする。


 それを、イッセンとカディア達は、防弾板の右側から射撃して、援護する。



 マーカーも反対側まで走っていく間、機銃弾やグレネード榴弾を撒き散らしたが、結局破壊された。


 連合側のRPGー7と87式自动榴弹发射器による砲撃が強力すぎたからだ。



「戦況は、どうなっている?」


「ドローンが戦っている? あと、マーカーは撃破され、味方も後退するようだ…………」


「不味いね、僕の腕も探さないと成らないし」


「私も、もうダメだし…………?」


 レオは力なく、ターリクに聞いてみると、あまり良い情報は返って来なかった。


 それを聞いて、カルミーネとミア達は、さらに顔色を悪くする。



 元々、白かった肌を、二人とも真っ青にさせて、苦悶の表情を浮かべる。



「ヴラウリオ達は、まだ来ないのか? いや、来たぞっ!!」


「おお、ソイツは良い情報だっ!」


「済まん、向こうも重傷者だらけだったから遅れたっ!」


 M16A4を撃ち終えた、ターリクは素早く、バフチャーの背部に身を隠す。


 右側に隠れていた、彼は真正面から衛生兵部隊が走ってくる姿を見つけた。



 その一団には、もちろん、ヴラウリオも含まれる。



「負傷者は、ここかっ! ん、レオ? ミア?」


「コイツは、重傷だな? スモークを投下するっ!」


 衛生兵チームが到着すると、ヴラウリオは仲間たちの様子に驚く。


 そして、レオ達の様子を見た、ロシャ正教司教みたいな格好をした、リッチは煙幕弾を投げた。



「ガスに紛れて、負傷者を搬送するっ! ドローン担架に載せるんだっ!」


 リッチ達は、二機前後に並んだ、ドローンをラップトップで呼ぶと、負傷者たちを載せ始める。


 ドローンからは、四本のロープが下がり、二機で担架を吊り下げている。



「僕の腕は? ヴラウリオ、頼むから探してくれよ?」


「ああ、分かっている、任せておけっ!」


 担架に載せられた、カルミーネの言葉に、ヴラウリオは勢いよく返事する。


 だが、煙幕が張られた状態で、混戦している中では見つけ出すのは難しいだろう。



「銃撃が止んだわ?」


「煙幕のお陰だ」


 重傷を負った、ミアとレオ達はドローン担架に載せられて、戦場から離脱していく。


 こうして、カルミーネとサミーラ達も、安全な後方へと搬送されて行った。



「さて、煙幕の向こうには敵が存在するな?」


「ヴラウリオ、どうするんだ?」


 姿が見えない敵を睨む、ヴラウリオの隣に、アラビ人警察隊員が現れた。



「ハビーブ、まだ気を抜くなよっ! この霧の向こうには敵が潜んでいるっ!」


「分かっている、何時でも射撃可能なように待機してるぞ」


 ヴラウリオは、自身が戦場に残り、負傷兵が出たら看護しようと決めていた。


 バフチャーの右影から敵を警戒する彼に、ハビーブは、床に伏せながら言葉をかけた。



 H&K、MG5汎用機関銃を設置した、彼は油断なく、正面の煙を見据える。


 彼は、右側に小型カメラ付きのフリッツ・ヘルメットを被り、ブルー迷彩野戦服を着ている。



 迷彩柄は、青と水色に黒い虎模様が入っていた。



 腰のプラ製レッグホルスターには、SIG、SAUER、P320を容れている。



「何も見えない?」


「だからと言って、気は抜けないがな」


「敵に集中するしかないね」


「ガスが晴れたら、突撃してくるかも?」


 白煙が充満したあと、双方の銃撃は止んでしまい、不気味な静寂に包まれる。


 ナタンは、AK12から弾倉を取り外すと、中にある残弾数を確認する。



 防弾パネルに身を包みながら、ジハードは敵が攻勢を仕掛けるまで、じっと伏せる。


 メルヴェも、床に設置した、ミニミ分隊支援火器から離れて、円形テーブルに身を隠す。



 土嚢の裏で、ストックレスAKを構えながら、フランシーヌは呟く。



「オタクら、敵は~~?」


「この煙じゃ、背後を突かれても分からんな?」


「ワンガリ、それと…………」


「エスメラル? でしたよね?」


 エスメラルが、背後のど真ん中に、ドラム缶を二個も持ちながら現れた。


 そして、同じくドラム缶を二個両脇に抱えつつ、ワンガリが来た。



 二人とも、ドラム缶を地面に設置すると、前や後ろを警戒して屈む。


 ナタンとメルヴェ達は、彼等が来たことで後ろに振り向いた。



「遮蔽物を持って来たぞ」


「これで、安全ですよ?」


 さらに、ヨルギオスとジュジース達が、大きな古タイヤを二つ抱えながら、こちらに来た。



「よっと」


「おしっ!」


 彼等は、古タイヤを四つ重ねると、ヨルギオスは中に飛び込んだ。


 また、ジュジースは後ろに隠れて、敵の出方を伺った。

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