【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第161話 暴走族と交通機動隊

公開日時: 2024年7月11日(木) 17:38
更新日時: 2024年7月14日(日) 08:53
文字数:3,212


「…………? 奴らは何処へいったっ!」


「分かりません、砲撃で吹き飛んだのかも?」


「CP、CP…………追跡対象が消失した」


「消えただとっ!」


 封鎖部隊は、とつぜん幻影のように消え失せてしまった、ナタンとメルヴェ達を探す。


 追跡部隊も、左右に首を振っては隠れて居ないかと、二人を見つけようと捜索する。



「今よっ! 撃ちまくってやるわっ!」


「奇襲攻撃のお返しだ、遠慮せず受け取れっ!」


「うわあっ!!」


「ぐ…………」


「ぎゃっ!?」


「うげぇ?」


 メルヴェは、FADを連射し始め、ナタンも後から同じく射撃を行った。


 この銃撃は、発射速度が遅い分、正確に敵を狙い撃つことが出きる。



 そうして、発射された弾丸は、追跡部隊の兵士たちと、バイクを右側面から撃ち抜いた。


 これにより、残り一台だった、TIZーAMー600の搭乗兵は撃ち殺された。


 電動バイク、IGパルサーの隊員たちも、胸や腹を撃ち抜かれて負傷する。



「行くぞっ! メルヴェイッ!!」


「ええっ! 行きましょうっ!?」


 マガジンが空になるまで撃ち続けた、ナタンはFADを背中に回す。


 次いで、建物の中からバイクを一気に走らせて飛び出していく。



 FADをホルスターに仕舞った、メルヴェも後を追って、バイクを走らせた。


 それを見た、封鎖部隊と追跡部隊は銃撃して、二人を止めようとする。



「反対側が、ガラ開きになってるぜっ!」

 

「このまま、逃げ切ってやるわ」


 追跡部隊が走っていた道を、ナタンとメルヴェ達はバイクで駆けてゆく。


 その後を再び、IGパルサー部隊が追いかけてくる。



「…………ん? また、追って来たのかっ!」


「あっちも執拗な性格なのね…………」


 先ほど逃げた先から、ヴォドニク装甲車と四台の

MVー750サイドカー部隊が走ってきた。

 

 それを視認して、ナタンは驚き、メルヴェは呆れながら呟くのだった。



「来るぞっ!」


「衝突する気なのっ!」


 前方から猛烈な勢いで迫り、ヴォドニク装甲車と四台のMVー750サイドカーが突っ込んでくる。


 そして、向こう側は、上部の砲塔から射撃しつつ、二人に突撃してきた。



 主武装14、5ミリKPVT重機関銃&副兵装7、62ミリPKT機関銃を撃ちながらだ。


 四台のMVー750サイドカー部隊も、側車に備えられたPK機関銃を撃ってくる。


 ナタンは、前から段々と向かってくる敵に恐怖し、メルヴェも真っ正面から戦いを挑む敵に驚く。



「ヤバイ、さすがに蜂の巣にされちまうっ!」


「左よっ! 左に逃げるのっ!!」


 このまま走れば、追跡部隊に激突するか、機銃弾に体を貫かれるか。


 非常に危険だと思った、ナタンはメルヴェの指示に従って十字路を左に曲がる。



 その後、急激な旋回に着いて来れなかったらしく、追跡部隊とは距離を取れた。


 しかし、それでも連中は諦めた訳ではなく、直も二人を追撃する。



「ちくしょーー! まだ、追ってきやがるっ!」


「それより、前よ、前っ!!」


 ヴォドニクを、中心とする追跡部隊は、まだ追ってくる。


 ナタンが、サイドミラーを覗き込みながら舌打ちすると、メルヴェが叫ぶ。



 そこに目をやると、検問所があり、左側の小屋から銃撃してくる。


 反対側には、生ゴミを容れるコンポスト型のトーチカがあり、そこからも弾丸が飛んできた。



 しかも、連中は検問所のバーを下げ、さらに路上に罠を敷き始めている。



 それは、剣山のように刺が生えた、暴走車両を止めるためにある、スパイクストリップだ。


 これを踏むと、二人のバイクは車輪がパンクしてしまう。



「これじゃ、捕まっちまう…………」


「路地に入るわよっ! 着いてきてっ!」


 ナタンが額から冷や汗を流す中、敵を狙って、サルマスシズK10を撃つ、メルヴェ。


 彼女が、先に路地に入って行くと、ナタンも後に続いて路地に進む。



「ナタン、ここまで来れば、連中も追っては来ないわ?」


「どうかな……少なくとも、装甲車やサイドカーは来れないだろうが?」


 そう言いつつ、メルヴェは安堵のため息を吐いて肩から力を抜く。


 サイドミラーを見て、敵の追跡を振り切ったか、ナタンは確認しながら呟く。



 狭い路地だが、ゴミ箱や段ボール箱など以外は邪魔になる物はない。


 しかも、それとて低速で走れば、ぶつからないので問題ない。



「やっと、安心でき…………なさそうだわっ!」


「こっちは、戦車かよっ!!」


 二人が路地から出ると、直ぐ右側にTー90プラルィヴ型戦車が停まっていた。


 Tー90プラルィヴは、砲塔を回転させると、125ミリ砲を撃ってきた。



「うわああああっ!!」


「きゃああああっ!?」


 ナタンとメルヴェ達は、二人とも間近で砲撃音を聞いて、耳の中に耳鳴りが木霊し続ける。


 そして、二人とも建物に砲撃が当たった衝撃でバイクを転倒させてしまう。



「ヤバイ、あんなの相手に出来ないぜっ!?」


「また、奴からも逃げるしか無いわよっ!?」


 焦りまくりながら、ナタンはTR6トロフィーを立たたせると急いで走らせ始める。


 同じく、メルヴェも戦車とは反対方向に、ハーレー39年型を疾走させる。



 しかし、そんな二人を逃がすほど、Tー90プラルィヴは甘くなく125ミリ主砲を撃ってくる。



「うぐぅぅ…………」


「ぎゃっ!?」


 主砲による砲撃は、またも二人が逃げる先にある建物に当たり、着弾した箇所から瓦礫を飛ばす。


 だが、瓦礫が散弾のように振り袖ぐ中、何とか二人は無事に通過できた。



 それにより、ナタンとメルヴェ達は安心するが。



「やった、切り抜けたぞっ!」


「これで、危機は脱したわね」


 そう言って安心する、ナタンとメルヴェ達だったが、もちろんTー90プラルィヴは攻撃してくる。


 今度は、125ミリ主砲から、レフレークス誘導ミサイルを発射してきた。



 発射された、レフレークス弾頭は二人の乗った、バイクを目掛けて飛んでくる。



「不味いっ! 追い付かれちまう」


「そうなる前に、こっちよっ!」


 レフレークス弾を恐れる、ナタンは呟きながらもバイクの速度を上げる。


 一方で、メルヴェは右側にある狭い路地へと急いで入ってしまった。



「あっ! っと…………」


 ナタンも急いで彼女を追って、路地の中に入ってゆく。


 直後、レフレークス弾が建物に当たって大爆発を起こした。



 その勢いで、路地に、オレンジ色に揺らめく爆炎が迫ってきた。


 当然だが、それは怪物のごとく、二人を飲み込まんと炎を噴流させる。



「うわあああ、炎だあーーーー!!」


「丸焦げなんて、御免よーー!!」


 ブワッと膨らみつつ、直ぐそこまで炎は来ていたが、二人は路地から何とか無事に脱出した。


 難を逃れることに成功した、ナタンとメルヴェ達だが、だからと言って安心は出来ない。



 何故ならば、次なる敵が二人を睨んでいたからだ。



「はぁ、はぁ、ようやっと逃げ出せたか?」


「いいえ、まだまだ安心出来ないわよ…………」


 プラルィヴから逃げ出せた、二人だったが、そこには次なる新手が待ち構えて居た。


 ナタンは、バイクを止めて背後を見ると、やっと戦車からは逃げおおせたと思った。



 しかし、メルヴェは右側にある集団が存在する事に気づく。


 連中はバイク部隊と違って、エンジン音を噴かさない。



 何故ならば、重種の黒馬が遠方から走ってきたからだ。



「騎兵隊っ? しかも、西洋の騎士?」


「いや、アレは馬に跨がった、シュヴァルツ・リッターよっ!」


 シュヴァルツ・リッターが跨がる馬は、黒い鎧を被せられ、青く目を光らせている。


 恐らくは改造された、アンデッド・ホースと思われるが、それを見た二人は即座に逃げ出した。



 ナタンは騎兵隊の搭乗に驚き、メルヴェは冷や汗を滴しながら険しい表情になる。



 馬上槍試合で使われる、笠状鍔が付いた、ヴァンプレイト・ランスを、騎兵隊は装備する。


 連中は、馬上槍試合の盾シュテックターゲを胸元に置くと、一斉突撃を仕掛けてきた。



「ぐっ! あんなに密集されたら切り抜けられないぜっ!」


「だったら、こっちから逃げるのよっ!」


 ナタンとメルヴェ達は重装騎兵隊から逃げるべく、反対側へとバイクを走らせた。



 だが、そんな二人の前方から走ってくる別動隊が見えた。

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