【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第195話 機甲部隊による戦車戦

公開日時: 2024年7月12日(金) 01:12
更新日時: 2024年7月14日(日) 10:04
文字数:3,205


 爆破された、アテムの車体は雪上で燃え続けている。



「な、なんだよっ! あの攻撃は?」


「誰かが、魔法を放ったのかしら?」


 ナタンとメルヴェ達は、二台のロボット戦車アテムが破壊された様を、室内から見ていた。


 敵が攻撃してきたのは分かったが、何を使って爆破したかは不明だ。



「とにかく、敵を撃ちまくらないとっ!」


「あの二人を援護しないとねっ!!」


「ウェン隊長は? 向こう側に隠れているなっ! ワンも一緒だ」


「ランセットかしら? それとも、プレデターか? 爆薬搭載型のクアッドコプターか?」


 ナタンは、狙いを定めずにAK12を、姿の見えぬ敵に対して乱射しまくる。


 メルヴェも、FADを撃ち続け、チィーナ軍の二人が近くに来るまで、注意を惹き付けた。



 そして、チューは素早く身を屈めながら、二人の元へと近づいてきた。


 アイリーも、敵の使用した兵器が何だろうと、考察しながら191式自動歩槍を撃つ。



 ランセットは、ロシャ連邦製、ミサイル型の自爆ドローンである。


 プレデターとは、映画に登場する怪物ではなく、無人爆撃機の名前で、補食者を意味する。


 クアッドコプターとは、通常の回転翼を四つ備えた、ドローンだ。

 


「ウェンってのは、向こうに居る隊長か? ワンは機関銃手か?」


「そうだ、それよりも謎の攻撃を特定しないとっ? 敵戦車だっ!」


 ナタンは、ダットサイト付きの03式自動歩槍を撃ち続ける、チューに声をかける。


 彼らとは、反対側にあるビルを支える柱には、チィーナ軍特殊部隊の隊員二名が見えた。



 野戦帽を被るウェン隊長は、ブルパップ式銃である、95式自動歩槍の弾倉を交換している。


 また、その背後に立つ、ワンは88式汎用機関銃を撃ちまくっている。



 だが、それを見ている二人は、アリエテMk《マーク》2が走ってくるのを目にした。



「交差点に戦車っ!?」


「いや、大丈夫だわっ!」


 現れた戦車にビビり、ナタンは叫んだが、メルヴェは冷静に戦況を確認しようとする。


 建物屋内から彼らが外を見ると、プラサン・ワイルダーが高速で逃げる姿が見えた。



 しかし、逃げながらも後方に牽引した、アテムの砲塔は動く。



 左右に搭載された、四角いミサイル・ポッドの蓋を開かれ、そこから二発も誘導弾が放たれる。


 放たれた、誘導弾は二発とも、アリエテMk《マーク》2に命中して爆発した。



「やったぞっ!」


「敵戦車、破壊っ!!」


「いえ、まだですね?」


「ああっ!?」


 ナタンとチュー達が、喜びながら通りに向かって銃を撃つ中、女性たちは道路を静かに眺めた。


 そして、アイリーとメルヴェ達は、プラサン・ワイルダーが牽引するアテムが爆発するのを見た。



「どうやら、敵はノートPCか? タブレットで、クアッドコプター型ドローンを使っているようです」


「はあ? それじゃ、ソイツを殺さない限り、私とか装甲車は役に立たないじゃないのっ!」


「だから、操作している特技兵を探すしかない」


「うわ、厄介な戦いになるな? ま…………やるしかないなら行くだけだっ!」


 壁に張り付きながら、アイリーは冷利な目で戦況を確認しつつ思案する。


 何処かに潜んでいる帝国兵に対して、怒りながら遠くにFADを撃ち続ける、メルヴェ。



 チューが疲れた顔で、愚痴を溢す中、ナタンは道路に突撃していく。



「うららっ!」


 連射しながら突進する、ナタンは、ようやく遥か遠くに帝国側兵士が居るのを視認した。


 そして、何発も銃弾が飛び交う道路から離れ、再び窓ガラスを割りながら屋内に逃げ込む。



「うららっ!」


 連射しながら突進する、ナタンは、ようやく遥か遠くに帝国側兵士が居るのを視認した。


 そして、何発も銃弾が飛び交う道路から離れ、再び窓ガラスを割りながら屋内に逃げ込む。



「うわっ! 機甲師団が来やがったのか?」


 一人つぶやく、ナタンだったが、交差点には戦車や歩兵戦闘車が続々と到着していた。


 リンクス120歩兵戦闘車、クルガーニェツー25装軌式装甲車両、この二台が現れた。



 さらに、黒いブーメランク装輪式装甲車両は、二台も並んで走ってした。


 そして、最後尾には、六台もの鼠色に塗装されたタイフーン装甲兵員輸送車が続く。



「味方の装甲車は、どうなっているんだっ!?」


 ナタンは、余りにも大量の帝国側・機甲部隊がきた事で、味方機甲部隊はと思い、後ろに振り向く。



 そこに、08式歩兵戦闘車の姿はなく、代わりに緑ガスや白煙が道路を覆っている。


 また、キラキラ光る銀紙の紙吹雪が舞っている事から、チャフ・グレネードも投げられたようだ。



「味方のグール? 何だったかが、毒ガスで車体を隠し、チャフグレも投げられたか? しかし、未だ敵の戦車が…………」


「そうよっ! それよりも前進するわよっ! 戦車に気をつけないとっ!」


 味方部隊の姿は充満する煙りにより確認できず、ナタンは敵戦車隊に困り果てる。


 そんな彼の右から急に、メルヴェが声を掛けてきた。



「うわっ!? 焦らせないでくれよ」


「ごめん、ごめん…………」


 いつの間にか、ナタンは自身に近づいていた、メルヴェに驚き声を上げてしまった。


 そんな中、緑色の毒ガスから一気に走行してくる、戦車があった。



「味方の戦車だっ!」


「いえ、正確には歩兵戦闘車ねっ!」


 戦車のように思える、砲塔を備えた、05式自走迫撃砲が停車した。


 その数は、三台であり、すぐに敵機甲戦力に対して、砲撃が行われる。



 また、それと同時に、車体前面には何人ものマジシャン達が、氷結魔法で分厚い氷壁を作った。



 上空にも、対ドローン&RPGーに備えて、マジシャン達が、結界を作る。


 それは、風刃魔法と氷結魔法などを組み合わせた、回転する吹雪だ。



 何十個もの氷柱が、上から放たれる攻撃を防御するワケだ。



「うわっ! すごい、映画みたいだっ!」


「映画どころじゃないわよ…………」


 連合側機甲部隊による砲撃で、帝国側の装甲車両はボコボコにされる。


 しかし、リンクス120歩兵戦闘車は、装甲が損壊したが、内部までは破壊できてない。



 一方、クルガーニェツー25装軌式装甲車両は、30ミリ機関砲を撃っていた。


 だが、120ミリ自動迫撃砲による連続砲撃を受けて、完全撃破されてしまった。



「向こうも撃ってきたっ!」


「う、すごい衝撃だわ…………」


 同じ口径の砲を、リンクス120は撃ち始め、05式自走迫撃砲を攻撃した。


 ドンッと言う音ともに、氷壁に徹甲弾が貫通して、派手な爆風を舞い上げた。


 それにより、一台の05式自走迫撃砲は炎上する。



 さらに、氷結魔法により正面で、車体を防御していた、マジシャン達も戦死した。



「いったい、どっちが勝つんだよ?」


「こっちです」


「アイリーが、ラップトップを持った兵士を狙撃した」


「ラップトップ? ああ、ノートPCねっ!」


 ナタンが愚痴ると、いきなり隣からアイリーの声が聞こえた。


 さらに、チューも現れて、彼女の上げた戦果を教えた。



 メルヴェは、それを聞いて頭に?マークを浮かべていたが、すぐに意味を理解して納得した。



「そうだっ! あそこに落ちている奴が、ドローンを、コントロールしていたんだ」


「もう、物言わぬ躯と化しましたが」


 斜め向かい側のビルから手前、地面には帝国軍兵士が倒れていた。


 その近くには、ドローンを操縦するために、使用するノートPCも落ちている。



 チューは、倒れた敵兵を指差しながら、腰に手を回した。


 アイリーも、JSー7、62狙撃銃の弾倉を交換する。



「しかし、まだまだ敵兵や戦車は健在だぞっ!」


「RPGも増えてきているわっ!」


 激しい砲撃が、双方に浴びせられ、どちらの機甲部隊からも爆発音が途切れなく聞こえてくる。



 どうやら、05式自走迫撃砲の砲撃も凄まじいが、敵も負けじと応戦しているようだ。


 30ミリ機関砲が、ブーメランク装輪式装甲車両&タイフーン装甲兵員輸送車から続々と放たれる。



 しかも、それら装甲車から降りた兵士たちや増援でビル内に入っている敵兵も多い。


 ナタンとメルヴェ達は、増え続ける砲撃音や何回も発射されるRPG弾頭を恐れる。



 そうして、二人は戦闘の経過を観察した。

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