【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第295話 作戦継続中

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:46
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:42
文字数:3,522


 帝国警察は、地下で連合側の残党部隊を完全排除するため、勇敢に戦っていた。



「一気に殲滅しますっ!」


「カディアッ! 仕方ない、俺も前に出るかっ!」


 カディアは、跳躍兵リザードマンに改造されており、戦場を飛びはねまくっている訳だ。


 この兵種は、爬虫類をモデルにしており、跳躍力と毒性が能力として、付与されている。



 そんな彼女は、調子に乗って、敵の機銃陣地へと駆け出していき、キーランも後を追う。



「喰らえっ!!」


「うわ、目が…………ぐああっ!」


「うぐ、音がしなかった?」

 

 カディアは、両目から弱毒性の悪臭がする血液を、水鉄砲みたいに、連合軍兵士へと噴射する。


 次いで、凄まじい跳躍力を発揮する脚で敵の腹を思いっきり蹴り上げる。



 そして、白人民兵を背後から、ウェルロッド消音拳銃を握るキーランが音もなく襲う。



「大変だっ! ヤバい、ヤバ過ぎるっ!」


「後ろから回り込んで来てるぞっ!」


「挟み撃ちにされるっ!」


「とにかく、敵を寄せ付けるなっ!」


「そうだ、やるしかないっ!」


 白人民兵は、カールグスタフ短機関銃を撃ちまくり、黒人PMC要員はAKMを乱射する。


 黒人レジスタンス員は、ナタンとメルヴェ達に、MG34汎用機関銃で、激しい機銃掃射を行う。



 アラビ人兵士は、M4カービンで連射しまくり、連合軍兵士は、M16A4を単発連射する。



 だが、いきなり地面から青い蝙蝠《コウモリ》が噴出し始めた。



「ぐわっ! なっ! なんだっ!!」


「ぎゃああああっ!!」


 秘密通路から、大量な青蝙蝠が飛び出てきた事で、白人民兵は噛み殺されてしまう。


 黒人レジスタンス員も、鋭い鈎爪により、全身を引っ掛かかれてしまい、踠き苦しみながら倒れる。



「ブシューー!! ブシュシュ~~!!」


「地下からだっ! 奴の体は曇ってて、よく見えんっ!! ぐはああっ!」


「なっ! 何かがっ! ぎゃああっ!」


 濃霧に包まれた、何者かに気を取られている間に、何処からか毒液が噴射される。


 これにより、アラビ人兵士や黒人PMC要員の両目が失明してしまった。



 それに、小柄な何者かが、忍者みたいに素早く動いて、昭和新刀で止めを刺す。



「後ろから奇襲だっ! うわっ!」


「不味いっ!! ぎゃあっ!!」


 散弾が、M60E4を撃っていた、連合軍兵士の背中を襲った。


 窪みに隠れていた、インディオ系PMC要員は、二種類の拳銃に撃たれて死んでしまう。



「クソッ! 自爆してやるっ!」


「自分だけで死ねっ!」


「このっ! 近づけさせっ! うぐ?」


「殺らせないわっ!」


 XM5小銃を撃っていた、アラビ人兵士は、土嚢に隠れると、爆弾を起爆させようとした。


 しかし、ナタンは駆け出しつつ、レギオールナイフを素早く投擲する。



 そこを狙って、中央アシュア系PMC要員は、高い場所にある横穴からACRを撃ってきた。


 だが、メルヴェが右手に握る、サルマスシズK10で横っ飛びしながら射殺する。



「起爆装置の線は切っておこう」


「他は?」


「オラオラオラッ!!」


「射撃支援、終了」


 レギオールナイフで、赤い線を切り離すナタンと、辺りを警戒するメルヴェ。


 彼女は、援護射撃に回った、ジハードとファン達を見たが、ちょうど敵を全て殲滅し終えたようだ。



「ぐ、このっ! う…………」


「危ないっ!!」


 一発の凶弾が、ナタンを狙って放たれたが、キーランが彼を退かす。


 そして、自らの胸に弾丸が貫通しながらも、ウェルロッド消音で拳銃反撃して、連合軍兵士を倒す。



「M14か? 死んだ振りして、指揮官を狙うとは?」


「キーラン、助かったよ」


 キーランによる射撃で、連合軍兵士は、ゴーグルのど真ん中に風穴が空いていた。


 命を助けて貰った、ナタンは周囲の安全を確認すると、彼に礼を言った。



「礼を言う必要はない、俺は前に…………」


「いつまでも、気にするな? また昔みたいに、一緒になれたし、俺は気にしてない」


 顔を背ける、キーランに対して、ナタンは軽い口調で、グジグジするなと言う。



「ナタン隊長、キーラン隊長、二人とも怪我されてますね? 私が治療しますっ!」


「隊長、付近に敵影は感じられません」


 濃霧が晴れると、中から青いポンチョコートを着ている、ハルドルが現れた。


 彼は、ホロサイト付き、モスバーグM500を両手に持っていた。



 また、三角系型の東部を持つドラコニアンに変身している、ティエンも現れた。


 彼女は、右手に十四年式拳銃を、左手にはTー14を握っていた。



「ああ、二人とも治療は必要だ、頼むよ? それと、敵は完全に制圧したか」


「済まないな」


「遠慮は、要りません」


 ナタンとキーラン達が呟くと、ハルドルは青蝙蝠を彼らの体に張り付けていく。


 そうして、連中を蕩けさせるとともに、体に同化させて、傷を回復させてしまった。



 彼は、呪血兵シュトリガと言う、ヴァンパイアから派生した新たな兵種なのだ。


 そのため、青蝙蝠などを使って、多彩な技を披露できる訳だ。



「ティエン、私の耳は向こうから風を感じるわ」


「私も全身で感じますね、敵が潜んでいるかも」


 メルヴェとティエン達は、連合軍兵士の死体を退かして見た。


 すると、そこには岩石に偽装された、出入口が隠されていた。



「隊長、突入しますか?」


「ああ、スモーク・グレネードを投げ入れたらなっ!」


 変身を解いて、両頬が青緑色の鱗に被われた顔に戻った、ティエンは突入を提案する。


 そして、ナタンは発煙弾を投げ入れると、蓋を閉めてしまった。



「では、自分が先に………………」


「その次は、俺だな?」


「最後は、私ね」


 蓋を両手で開けた、ハルドルは、青蝙蝠と青鼠たちを地下道内に侵入させていく。


 そして、ドンッと大きな音を立てながら、ジハードが突入する。



 次に、ティエンが再び、ドラコニアン化して、内部に落下していく。



「中は、食糧庫のようです、私のピット器官には何も映りませんね? しかし、奥の方からは何か感じます」


 ティエンの変身した、ドラコニアンは探知兵と呼ばれる兵種だ。


 これは、カディアの変身する跳躍兵リザードマンほど、攻撃力や身体能力も高くはない。



 しかし、代わりに全身が聴覚として使える他、目と鼻の間に、ピット器官がある。


 この特別な部位は、自然界では蛇が持つサーマルゴーグルとして有名だ。



「カディア、イッセン、ブルーノ、ベッキー…………我々は、ここで待機するっ! 敵が再び来るかも知れない」


「じゃあ、俺たちは中に入ってくるからな? よろしく頼むぜ、キーラン」


「援護は、任せたわ」


 キーラン達は、広い空間で待機する事にして、ナタンとメルヴェ達は、地下秘密庫へと入った。



「確かに居るわね? 匂いがするわっ!」


「ピット器官をは、映りませんでしたが、全身に敵の気配は感じられます」


「奥の方からか? なら、俺が突撃するっ!!」


「ファン、援護を頼むぞ」


「了解、再び射撃体勢を取ります」


 メルヴェとティエン達が、奥の方にある棚から気配を察したらしい。


 それで、ジハードが棚《たな》を押し倒そうとしたので、ナタンとファン達は銃を構える。



「今行くぜっ! オラッ!」


 棚を倒すと、直ぐさま、カンカンッと拳銃弾を弾く音がする。


 当然、それはジハードを狙った射撃だが、彼は気にもせず、ゆっくりと反撃を開始する。



 こうして、彼はベクターSSー77汎用機関銃を途切れなく、猛連射させまくった。



 その間、ナタンとメルヴェ達は、ひたすら床に伏せる。



「出てこいっ! 溝鼠《ドブネズミ》どもがっ!」


 機銃掃討を止めた、ジハードの前には崩れた土嚢があった。



「出てきてやるわよっ!」


「ようやく出てきたかっ!」


「射撃開始だっ!」


 バーナード・マーティンM1907を両手で撃ちまくる、ルイーズ。



 ハルドルは、モスバーグM500から、何度も散弾を放つ。


 ティエンは、十四年式拳銃とTー14を、交互に乱射した。



「ぐっ!」


「ルイーズ、まさか君だったとは…………」


 隠れた、ルイーズを狙って、何発もの弾丸が土嚢に穴を開けて、土を撒き散らす。



 その隙に、ナタンは密かに、ポケットから小型四連拳銃を取り出す。


 これは、雀鉢《オサー》と言われる、ロシャ製の電気発火式拳銃であり、弾丸が直ぐさま射出される。



「ナタン? ゴホッ! ゴホッ! うぅ?」


 ルイーズは、発射されたガス弾により、噴出された亜酸化窒素を吸い込んでしまう。


 それにより、最初は咳き込んでいたが、すぐに意識を刈り取られてしまう。



「よし、まだ一人奥に居るわよ?」


「ああ、分かってる…………」


 メルヴェが背後から声を掛けるが、ナタンは土嚢を蹴飛ばして崩す。



 そして、奥に進んで行った。



「そこに隠れているのは分かっている、俺でも同じ事をするからな」


「このっ! よくも、お姉ちゃんをっ!」


 ナタンが、乱雑に積み上げられた、土嚢に隠れている最後の一人に声をかける。


 すると、そこから一気に、ルカが飛び出て、マニューリンMR73の銃口を向けてきた。

 面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。


 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート